JP2602117B2 - 流速センサ - Google Patents
流速センサInfo
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Description
にシリコン等の半導体基板を用いたマイクロダイアフラ
ム流速センサに関するものである。
速センサを例にとつて第7図を用いて説明する。第7図
において、1は例えばシリコンからなる半導体基板であ
り、この半導体基板1の中央部には、異方性エツチング
により両側の開口2,3を連通する貫通孔つまり空隙部4
が形成されており、この空隙部4の上部には半導体基板
1からブリツジ状に空間的に隔離され、結果的に半導体
基板1から熱的に絶縁された橋絡部5が形成されてい
る。そしてこの橋絡部5の表面には、通常の薄膜形成技
術により薄膜のヒータエレメント7とそれを挾む薄膜の
測温抵抗エレメント8,9とが配列して形成されている。
また、半導体基板1上の角部には薄膜の周囲測温抵抗エ
レメント10が形成されている。なお、11は半導体基板1
上の各開口2,3の中央部分に形成されたスリツト状の中
央開口であり、これら開口2,3及び11によつて囲まれた
半導体基板1つまりシリコンの下側をそれら開口2,3及
び11を介してKOH等の溶液で異方性エツチングすること
により、エツチングの断面形状が逆台形を有する空隙部
4が形成されるとともに、その空隙部4によつて半導体
基板1からヒータエレメント7及び測温抵抗エレメント
8,9が熱的に絶縁されて支持された橋絡部5が形成され
る。
ロブリツジ流速センサの動作を示す説明図であり、同図
(a)は各エレメントの温度分布を示し、同図(b)は
第7図のA−A′線断面を示している。なお、図中符号
6は半導体基板1上に形成されるヒータエレメント7等
の素子を保護するための保護膜であり、これは、熱伝導
率の低い窒化シリコンなどの材料からなる。
定の高い温度th1,th2(例えば、63℃:周囲温度基準)
で制御すると、測温抵抗エレメント8,9の温度t3,t4(例
えば、35℃:周囲温度基準)は第8図(a)に示すよう
にヒータエレメント7の温度th1,th2を中心として略対
称となる。このとき、例えば第6図に示す矢印21の方向
からの気体が移動すると、上流側の測温抵抗エレメント
8は冷却されΔT3だけ降温する。一方、下流側の測温抵
抗エレメント9は気体の流れを媒体としてヒータエレメ
ント7からの熱伝導が促進され、温度がΔT4だけ昇温す
るために温度差が生じる。このため、測温抵抗エレメン
ト8,9をホイートストンブリツジ回路に組込み、その温
度差を電圧に変換することにより、気体の流速に応じた
電圧出力が得られ、その結果、気体の流速を検出するこ
とができる。
膜技術および異方性エツチング技術により形成された極
めて熱容量の小さい薄膜橋絡構造を有するもので、応答
速度が極めて速く、高感度,低消費電力であり、しかも
量産性が良いなどの優れた利点を有している。
体基板の一部に橋絡部5を形成する場合、その基板表面
の橋絡部5の両側に設けた開口2,3及び11を用いてエツ
チングを行なつているが、この方法では、その橋絡部5
の寸法開口部2,3,11の大きさによつて制限されてしま
う。また、エツチング用開口のうち特に両側の開口2,3
が比較的大きくなるので、流体特に気体の検出時に飛来
してくるゴミ(ダスト)等がその開口2,3の周辺に付着
したり、あるいは空隙部4内に入り込む等して、センサ
の特性に悪影響を与えるという問題があつた。
88532号公報の如く、半導体基板上に形成すべき空隙部
のパターンに応じて、その基板表面の中央部に幅の広い
スリツトと、その周辺に沿つて幅の狭いスリツトをそれ
ぞれ設け、これらスリツトを介して半導体基板を異方性
エツチングすることにより、ダイアフラム構造としたも
のが開示されている。しかし、かかる構造の流速センサ
は、一定の空隙部を設けるためには、スリツトをある程
度の幅にしなければならず、ゴミによる影響を激減させ
るまでは至らなかつた。また、ダイアフラム面積に対
し、空隙部の深さが深いため、ダイアフラム自体の厚さ
が厚くなるという欠点を有していた。
は、ゴミ等の付着による影響を少なくし、しかもダイア
フラムを大きくとれる構造にすることにより、性能を向
上させた流速センサを提供することにある。
は、基板上に、発熱部と該発熱部の両側に各々独立した
測温抵抗部を設け、該発熱部及び測温抵抗部の下側およ
び周辺を、その基板表面に設けた多数の細いスリツトを
介して溶液にてエツチングすることにより空隙化して、
該発熱部及び測温抵抗部を前記基板から隔離して支持し
たダイアフラム構造を有し、少なくとも上流側のダイア
フラム付け根部に近接するスリットは、その短辺部をダ
イヤフラム付け根部に接するように設けたものである。
多数の細いスリツトを介してエツチングを行うことによ
り、効率良くエツチングすることができるので、比較的
大きいダイアフラムを容易にかつ短い時間で形成でき
る。そのため、ダイアフラムに形成すべき発熱部及び測
温抵抗部のパターンが大きくとれ、検出感度を増大させ
ることができる。また、各々のスリツトはその幅が10〜
20μm程度と微細であるので、空隙部への流体の流れが
少なくなり、各スリツト周辺へのゴミの付着やその空隙
部内へのゴミの入り込みを効果的に解消できる。
明する。
ターン構造の平面図である。この実施例は、半導体基板
1上の中央部分にヒータエレメント7を設けるととも
に、該ヒータエレメント7の両側に各々独立した測温抵
抗エレメント8,9を設ける。そして、このヒータエレメ
ント7及び測温抵抗エレメント8,9は例えば窒化シリコ
ン等の保護膜で覆われている。また、この半導体基板1
上の表面にはエツチングのための多数の細いスリツト12
を設け、ヒータエレメント7及び測温抵抗エレメント8,
9の下側および周辺を、その基板表面に設けた多数の細
いスリツト12を介して例えば異方性エツチングなどのエ
ツチング方法によりエツチングすることにより空隙化し
て、空隙部4を形成する。これにより、その空隙部4の
上部には、半導体基板1からダイアフラム状に空間的に
隔離され、その基板よりヒータエレメント7及び測温抵
抗エレメント8,9が熱的に絶縁されて支持されたダイア
フラム5aが形成される。
0)面を表面とするシリコン基板を用いる場合、その(1
00)面にKOH等の溶液による異方性エツチングを施す
と、(111)面に沿つてエツチングが進行することを利
用し、多数の細いスリツト12は、第1図に示すように、
上流側において(111)面に対応する境界線a,bで囲まれ
た三角形の領域131をエツチングする第1のスリツト部1
21と、中流側において(111)面に対応しない境界線c,d
で囲まれた四角形の領域132をエツチングする第2のス
リツト部122と、下流側において(111)面に対応する境
界線a,bで囲まれた三角形の領域133をエツチングするた
めの第3のスリツト123からなり、各々のスリツト部分
は気体の進行方向21に対してほぼ平行と垂直に交互に配
列して設けられる。そして、各第1,第2及び第3のスリ
ツト部121〜123は、センサを構成するヒータエレメント
7及び測温抵抗エレメント8,9の下部および周辺におい
て上述の異方性エツチングにより各々のスリツト部分を
対角線とする正方形の領域にわたつてシリコン基板をエ
ツチングする際に、第4図に示す如く各々のスリツト部
分121〜123(第4図では121の一部のみ)が作るエツチ
ング領域Aが重なるように、所定の寸法が決められてい
る。このとき、第2のスリツト部122のうちヒータエレ
メント7及び測温抵抗エレメント8,9からなるセンサと
ダイアフラム5aの付け根にあるものは、必ず流体の流れ
に平行になるように設ける。
表面に設けた多数の細いスリツト12を用いてそのシリコ
ンの異方性エツチングを行うことにより、第2図及び第
3図に示すように、エツチングの断面形状が従来例と同
様な逆台形状のパターンをもつ空隙部4を形成すること
ができる。その結果、効率良くエツチングができるの
で、所定のダイアフラム5aを容易に形成できるととも
に、比較的大きいダイアフラムを短時間に形成できる。
また、不要な部分をアンダーカツトせずに大きいダイア
フラムを形成したり、エツチピツトを深くせずに大きい
ダイアフラムを形成できる。さらに、応力の集中を避
け、平坦で大きなダイアフラムを形成できる等の利点を
有する。なお、第3図において、14は半導体基板1の表
面、15はその空隙部4内の傾斜面、16はその底面を示
す。また、図中同一符号は同一または相当部分を示して
いる。
の進行方向に対しほぼ平行と垂直に交互に配列して設け
たが、この多数の細いスリツト12のうちセンサ近傍部及
びダイアフラム付け根部近傍を除くスリツト部121,123
(図示せず)を、第5図に示すように流体の進行方向21
と平行に配列して設けたり、あるいは、第6図に示すよ
うに流体の進行方向21とほぼ垂直に配列して設けても、
第1図の実施例と同様の効果を奏する。
板上に配設された発熱部及び測温抵抗部の下側および周
辺を空隙化し、その空隙部によつて基板から発熱部及び
測温抵抗部を熱的に絶縁したダイアフラムを形成するに
際し、基板表面に多数の細かいスリツトを設け、異方性
エッチングすることにより空隙化して、発熱部及び測温
抵抗部を基板から隔離して支持したダイアフラム構造を
有し、ダイアフラム付け根部に近接するスリットは、そ
の短辺部をダイアフラム付け根部に接するように設けた
ことにより、従来例とは異なり、基台面下部に底の浅い
幅広の空隙部を容易にしかも短時間で形成できる(底の
浅い幅広のダイヤフラムを短時間で容易に作成可能)。
さらに、センサ表面の各々のエツチング用スリツトが微
細であるので、その表面にゴミが付きにくくなると共
に、空隙部内へのゴミの入り込みが少なくなり、その結
果、流速センサの安定動作,ダイアフラム部の熱的独立
性が高いことによる検出感度の向上が図れる効果があ
る。
ーン構造の平面図、第2図は第1図における各々のスリ
ツト部と空隙部との対応状態を示す概略図、第3図は第
1図における上流側の空隙部分の一部破断斜視図、第4
図は上記実施例の説明に供する上流側スリツト部の一部
平面図、第5図及び第6図はそれぞれ本発明の他の実施
例を説明するための上流側の領域のスリツトの配列状態
を示す一部平面図、第7図は従来の流速センサの一例を
示す斜視図、第8図(a)及び(b)は第7図に示す流
速センサの動作を示す説明図である。 1……半導体基板、4……空隙部、5a……ダイアフラ
ム、7……ヒータエレメント、8,9……測温抵抗エレメ
ント、10……周囲測温抵抗エレメント、12……スリツ
ト、121……第1のスリツト部、122……第2のスリツト
部、123……第3のスリツト部。
Claims (4)
- 【請求項1】基板上に、発熱部と該発熱部の両側に各々
独立した測温抵抗部を設け、該発熱部及び測温抵抗部の
下側および周辺を、その基板表面に設けた多数の細いス
リットを介して溶液にて異方性エッチングすることによ
り空隙化して、発熱部及び測温抵抗部を前記基板から隔
離して支持したダイヤフラム構造を有し、少なくとも上
流側のダイヤフラム付け根部に近接するスリットは、そ
の短辺部をダイヤフラム付け根部に接するように設けた
ことを特徴とする流速センサ。 - 【請求項2】請求項1において、スリットは、流体の進
行方向に対しほぼ平行と垂直とに交互に配列して設けた
ことを特徴とする流速センサ。 - 【請求項3】請求項1において、スリットは、流体の進
行方向とほぼ平行あるいは垂直のいずれかに配列して設
けたことを特徴とする流速センサ。 - 【請求項4】請求項1,請求項2または請求項3におい
て、各々のスリットは、各スリットによるエッチング領
域が重なるように設けたことを特徴とする流速センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2105355A JP2602117B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 流速センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2105355A JP2602117B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 流速センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH045572A JPH045572A (ja) | 1992-01-09 |
JP2602117B2 true JP2602117B2 (ja) | 1997-04-23 |
Family
ID=14405421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2105355A Expired - Lifetime JP2602117B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 流速センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2602117B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007051963A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Mitsuteru Kimura | 熱型気圧センサとこれを用いた気圧計測装置 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2648414B2 (ja) * | 1992-02-07 | 1997-08-27 | 山武ハネウエル株式会社 | 自動車塗装ブースの横方向気流検出装置 |
JPH05223835A (ja) * | 1992-02-07 | 1993-09-03 | Yamatake Honeywell Co Ltd | 流速検出装置 |
JP4534526B2 (ja) * | 2004-02-27 | 2010-09-01 | オムロン株式会社 | 流速測定装置 |
-
1990
- 1990-04-23 JP JP2105355A patent/JP2602117B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007051963A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Mitsuteru Kimura | 熱型気圧センサとこれを用いた気圧計測装置 |
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JPH045572A (ja) | 1992-01-09 |
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