JPH0599711A - 小形流量センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受の耐久性が良く、構造簡単で、安く製作
できるようにする。 【構成】 流路を形成する筒状部分を、強化プラスチッ
クスからなる本体ケース１とセンサケース５とで構成
し、その一方に細いステンレス鋼製の軸２を固定し、全
体を耐摩耗性プラスチックで成形するとともにその先端
部に小形の棒状希土類系磁石４を埋め込んだ羽根車３を
前記固定の軸２に回転可能に嵌合し、更にセンサケース
５には、磁石４に近接して検出素子６を設け、本体ケー
ス１とセンサケース５に羽根車３を収納して両ケース
１、５を水密的にで接合して一体化した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は小形流量センサの改良に
関する。

【０００２】

【従来の技術】羽根車を用いた小形流量センサは、シャ
ワートイレ、浄水器、瞬間湯沸器等の流量検出用に広く
用いられている。

【０００３】特開昭６０−２２８９２３号公報記載のフ
ローセンサは、羽根車の全体を希土類系磁性材料の粒子
を分散させた合成樹脂材により一体成形し、この羽根車
の磁気を検出素子で検出している。そして、羽根車の両
端に軸をもつ両端軸受方式の構造になっている。また、
本体ケースが一体構造のため、羽根車の直径（外径）は
口径より小さい寸法であった。

【０００４】特開昭５７−１７８１８号公報記載の流量
検出器は、口径よりわずかに大きい外径の羽根車を備え
ており、この羽根車を本体内に入れるために、本体（ボ
ディ）の両端に接続管が嵌挿され、本体（ボディ）と両
接続管との間にシール用のＯリングが設けられていた。
そして、この従来技術も両端軸受方式の構造になってい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
両端軸受方式の構造であるため、小形化するのにかなり
正確な寸法精度が必要で、本体等のプラスチック成形化
が困難でコスト低減がむつかしいという問題点があっ
た。又、両端軸受方式では、軸芯のずれが性能に大きく
影響するので、軸心の作りこみ組み立てがたいへん困難
の伴なう作業となるという問題点があった。

【０００６】又、上記従来技術のうちの前者は、羽根車
の水中重量が重く、軸や軸受の摩耗が著しく耐久性に難
があるという問題点があった。又、この種の小形流量セ
ンサでは、構造を簡単にするために、上記従来技術のう
ちの前者のように、一体構造の本体ケースを用いて、羽
根車の外径を口径より小さくすると、羽根車のもつ回転
モーメントが、管径の小口径化に従って小さくなり計量
誤差が大きくなる。又小口径になれば同じ流量を得るた
めには流速が速くなり、羽根車回転数が上昇する。そし
て、耐久性の面から羽根車回転数にも限界があるので、
結果として計量範囲が狭くなる。

【０００７】上記従来技術のうちの後者では、本体（ボ
ディ）と両接続管との間にシール用のＯリングを必要と
し、本体ケースも本体（ボディ）と両接続間の三部品か
らなるため、構造が複雑でコスト高になるという問題点
があった。

【０００８】そこで、本発明は上記従来技術のこのよう
な問題点を解消できる小形流量センサを提供することを
目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の小形流量センサは、流路を形成する筒状部
分を、強化プラスチックスからなる本体ケース（１）と
センサケース（５）とで構成し、その一方に細いステン
レス鋼製の軸（２）を固定し、全体を耐摩耗性プラスチ
ックで成形するとともにその先端部に小形の棒状希土類
系磁石（４）を埋め込んだ羽根車（３）を前記固定の軸
（２）に回転可能に嵌合し、更にセンサケース（５）に
は、磁石（４）に近接して検出素子（６）を設け、本体
ケース（１）とセンサケース（５）に羽根車（３）を収
納して両ケース（１）（５）を水密的に接合して一体化
した。

【００１０】

【作用】流路を流体が流れると、羽根車が回転し、 そ
の回転は磁石と検出素子とにより電気信号として検出さ
れる。羽根車は、固定の軸により支承されて回転する。

【００１１】

【実施例】図面において、１は流路を形成する筒状の本
体ケースで強化プラスチックで成形されている。１ａは
後述する軸２を固定すると共に流体を整流するための整
流板で、本体ケース１の右端外周に形成した接続用テー
パねじ１ｂとともに本体ケース１と一体成形で作り込ま
れている。

【００１２】２は細くて強じんなステンレス工鋼棒から
なる軸で、本体ケース１の軸心と同軸に、整流板１ａに
インサートされて固定されている。そして、この固定の
軸２の先端（左端）は整流板１ａから左方に長く突出延
長されている。

【００１３】３は耐摩耗性の高いプラスチックで成形し
た軸流式の羽根車で、前記軸２に嵌合する軸受３ａと５
枚の羽根３ｂとが一体的に形成されている。なお羽根３
ｂは流体の流れで回転するようねじれている。

【００１４】４は小さな棒状希土類系磁石で、羽根車３
の先端（左端）近くに埋め込まれている。この磁石４は
羽根車３の左端中心部に埋め込まれ、磁石の重量のアン
バランスによる回転力が生じないように配設されてい
る。

【００１５】磁石４を埋め込んだ羽根車３はその軸受３
ａを固定の細い軸２に回転可能に嵌合させてある。５は
流路を形成する筒状のセンサケースで、強化プラスチッ
クで成形され、本体ケース１の場合と同様に、流体を整
流するための整流板５ａと左端外周に接続用テーパねじ
５ｂが一体成形されている。

【００１６】６はセンサケース６に収納された検出素子
で、磁石４の回転を検出して電気信号に変換する。セン
サケース５は、流路を形成する筒状部分が、本体ケース
１の筒状部分と同軸に配置され、両者の嵌合部分５ｃと
１ｃとを互に嵌合した状態で、本体ケース１に接着又は
溶着して水密的に接合される。

【００１７】７は流体の流入口、８は流出口である。流
体が流入口７から流出口８へと流れると、羽根車３が回
転し、その回転を検出素子６が検出する。

【００１８】なお、羽根車３の羽根３ｂを収納する本体
ケース１の部分の内径は、本体ケース１の右端部とセン
サケース５の左端部の内径である口径よりも大きくして
ある。

【００１９】そして、羽根３ｂの外径は口径よりも大き
く、口径の１．１〜１．５倍に定めてある。羽根車の回
転モーメントＭは、羽根回転力Ｆと軸から作用点までの
距離Ｌとの積で決まるため、回転阻害力が等しく羽根回
転力が同じであれば、口径より大きな外径の羽根車を用
いた方が、より微流域（回転力が小さい領域）まで軽量
でき、結果として軽量範囲の拡大につながる。さらに小
口径になっても、大流域で羽根車を高速回転させること
もなく、安定した広い計量範囲（１：２０〜１：３０）
を得ることができた。

【００２０】又、羽根車全体を耐摩耗性プラスチックで
成形し、その先端中心部に小形棒状希土類磁石を埋めこ
み全体として水中重量を軽減した。そして、固定の軸２
を可及的に細い金属製にして、これに嵌合摺動する軸受
３ａの周速度を小さくし、いわゆるＰＶ値を低減させて
耐摩耗性を向上させた。因みに、３０００ｒｐｍで１０
００Ｈ通水後、性能に変化がなかった。

【００２１】なお、実施例では、左側の流入口７から流
入した流体が右側の流出口８から流出するが、整流板や
流路の形状が、左側と右側と同様の形状であるため、左
右何れから流入するように使用しても同じ性能が得ら
れ、流入方向が限定されない。

【００２２】

【発明の効果】本発明の小形流量センサは上述のように
構成されているので、軸受の摩耗が少なく長時間の使用
に耐え、構造が簡単で、殆んどの部品がプラスチック成
形で製作でき、組立も嵌合するのみで水密的に接合され
るため、安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の縦断面で、図２のＡ−Ａ断
面。

【図２】本発明の実施例の側面図。

【符号の説明】

１ 本体ケース ２ 軸 ３ 羽根車 ４ 磁石 ５ センサケース ６ 検出素子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 流路を形成する筒状部分を、強化プラス
   チックスからなる本体ケース（１）とセンサケース
   （５）とで構成し、その一方に細いステンレス鋼製の軸
   （２）を固定し、全体を耐摩耗性プラスチックで成形す
   るとともにその先端部に小形の棒状希土類系磁石（４）
   を埋め込んだ羽根車（３）を前記固定の軸（２）に回転
   可能に嵌合し、更にセンサケース（５）には、磁石
   （４）に近接して検出素子（６）を設け、本体ケース
   （１）とセンサケース（５）に羽根車（３）を収納して
   両ケース（１）（５）を水密的に接合して一体化した小
   形流量センサ。