JPH0599501A - 排水熱の回収装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】家庭用排水路の円滑な排水を維持しつつ、温排
水からの排熱回収を行うこと。 【構成】温排水を導く排水路（１）と、排熱回収用熱交
換器（２）と、熱媒循環路（３）と、回収熱放出用熱交
換器（４）と、給水路（５）とを備え、排水路（１）
は、排水タンク（８）と、排水タンク（８）内の温排水
を圧送するポンプ（９）とを備えると共に、ポンプ
（９）より下流側の途中を排熱回収用熱交換器（２）の
高温側流路（２ａ）で形成し、熱媒循環路（３）は、循
環路（３ａ）の一部を排熱回収用熱交換器（２）の低温
側流路（２ｂ）と回収熱放出用熱交換器（４）の高温側
流路（４ａ）とで形成すると共に、循環路（３ａ）の適
所に循環ポンプ（１６）を備え、回収熱放出用熱交換器
（４）の低温側流路（４ｂ）を給水路（５）の一部で形
成してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浴室，洗面化粧室又は
台所等の湯を用いる設備から排出される温かい排水（以
下、「温排水」という）から排熱を回収し、回収した排
熱で給水を加熱する熱回収装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】浴室等から延設された排水路は、排水勾
配を利用して自然排水するようにしてある。そのため、
排水路は、円滑な排水を阻害する水路抵抗の大きな熱交
換器を設けて排熱回収することはできない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで、排熱回収の方
法としては、排水路の途中に、水路抵抗の小さな熱交換
器を設けて排熱熱を回収することが考えられる。しか
し、水路抵抗の小さな熱交換器は、熱交換効率が非常に
低いため、排水路の排熱回収には適さない。そのため、
従来は、家庭用排水路の排熱回収に適した装置がなかつ
た。

【０００４】本発明は、家庭用排水路の円滑な排水を維
持しつつ、温排水からの排熱回収を行うことができる排
水熱の回収装置の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明が採用した手段
は、温排水を導く排水路と、排熱回収用熱交換器と、熱
媒循環路と、回収熱放出用熱交換器と、給水路とを備え
た排水熱の熱回収装置であつて、前記排水路は、排水タ
ンクと、排水タンク内の温排水を圧送するポンプとを備
えると共に、該ポンプより下流側の途中を前記排熱回収
用熱交換器の高温側流路で形成し、前記熱媒循環路は、
循環路の一部を前記排熱回収用熱交換器の低温側流路と
前記回収熱放出用熱交換器の高温側流路とで形成すると
共に、循環路の適所に循環ポンプを備え、前記回収熱放
出用熱交換器の低温側流路を前記給水路の一部で形成し
たことを特徴とする排水熱の回収装置である。

【０００６】

【作用】浴室等から排出された温排水は、排水タンク内
へ導かれた後、ポンプで圧送されて排熱回収用熱交換器
の高温側流路を通過する。熱媒循環路の熱媒体は、循環
ポンプで強制循環され、排熱回収用熱交換器の低温側流
路を通過する間に高温側流路から排熱を吸収して回収す
る。回収排熱は、熱媒体が回収熱放出用熱交換器の高温
側流路を通過する間に、低温側流路へ放熱され、給水路
を流れる給水を加熱する。

【０００７】排熱回収用熱交換器の高温側流路は、熱伝
達率の向上を図るために流路断面積を小さくして通水速
度を速めると共に伝達熱量を多くすために流路長さを長
くして通水抵抗を増大させても、温排水がポンプで圧送
されるため、温排水が円滑に通水する。

【０００８】更に、排熱回収用熱交換器の低温側流路及
び回収熱放出用熱交換器の高温側流路は、熱伝達率の向
上を図るために流路断面積を小さくして熱媒体の通過速
度を速めると共に伝達熱量を多くすために流路長さを長
くして通過抵抗を増大させても、熱媒体がポンプで圧送
されるため、熱媒体が円滑に通過する。

【０００９】

【実施例】以下、本発明に係る排水熱の回収装置（以
下、「本発明装置」という）を図１に示す実施例に基づ
いて説明する。本発明装置は、温排水を導く排水路１
と、排熱回収用熱交換器２と、熱媒循環路３と、回収熱
放出用熱交換器４と、給水路５とを備えている。

【００１０】前記排水路１は、浴室等の設備（図示は省
略）から下水道１１まで延設された排水管７と、排水管
７の途中に設けられた排水タンク８と、排水タンク８内
の温排水を圧送するポンプ９とを備えると共に、ポンプ
９より下流側の途中を排熱回収用熱交換器２の高温側流
路２ａで形成してある。ポンプ９は、排水タンク８内に
温排水Ｗが溜まつたときに起動して、溜まつている温排
水Ｗを排熱回収用熱交換器２の高温側流路２ａへ圧送
し、排水タンク８内の温排水が無くなったときに停止す
る。

【００１１】前記排熱回収用熱交換器２は、高温側流路
２ａを形成する内管１２と、低温側流路２ｂを形成する
外管１３とからなる二重管構造で、その途中をコイル状
にして流路を長くし、伝熱面積を大きくしてある。排熱
回収用熱交換器２は、内管１２を流れる温排水の方向と
外管１３を流れる熱媒体と方向とを逆方向にし、温排水
と熱媒体との温度差を大きくして伝熱効率の向上を図つ
てある。

【００１２】前記熱媒循環路３は、循環路３ａの一部を
排熱回収用熱交換器２の低温側流路２ｂと回収熱放出用
熱交換器４の高温側流路４ａとで形成すると共に、両流
路２ｂ，４ａを配管１５で接合し循環路３ａを形成して
ある。循環路３ａは、その途中に循環ポンプ１６と、加
圧装置１７と、膨張弁１８とを備えてある。

【００１３】更に、循環路３ａは、回収熱放出用熱交換
器４の高温側流路４ａの入口側に、温度計１９を備えて
いる。熱媒循環路３は、充填した熱媒体を循環ポンプ１
６で強制循環させて、排熱回収用熱交換器２で排熱を回
収し、回収熱放出用熱交換器４で回収熱を放出する。

【００１４】前記回収熱放出用熱交換器４は、高温側流
路４ａを形成する細管２０と、低温側流路４ｂを形成す
るケーシング２１とからなり、細管２０をコイル状等に
形成して流路を長くし、伝熱面積を大きくしてある。

【００１５】前記給水路５は、水道管等に接続した給水
管２３からなり、その途中を回収熱放出用熱交換器４の
低温側流路２ｂで形成し、終端部を５ａを電気温水器等
の給湯設備に接続してある。給水路５は、その途中に電
磁開閉弁２６を備えてある。電磁開閉弁２６は、前記熱
媒循環路３の温度計１９の温度が設定温度に達したとき
に開弁し、設定温度未満となったときに閉弁するように
なつている。

【００１６】次に、本発明装置を用いた排熱回収の様子
を説明する。浴室等から排出された温排水Ｗは、排水タ
ンク８内へ導かれた後、ポンプ９で圧送されて排熱回収
用熱交換器２の高温側流路２ａを通過する。熱媒循環路
３の熱媒体は、循環ポンプ１６で強制循環され、排熱回
収用熱交換器２の低温側流路２ｂを通過する間にその高
温側流路２ａから排熱を吸収して回収する。

【００１７】回収排熱は、熱媒体が回収熱放出用熱交換
器４の高温側流路４ａを通過する間に、低温側流路４ｂ
へ放熱され、給水路５を流れる給水を加熱する。温排水
を圧送するポンプ９と熱媒体を循環させる循環ポンプ１
６とは、同期して起動・停止する。

【００１８】

【発明の効果】以上詳述の如く、本発明装置には、次の
如き優れた効果を有する。 ポンプで圧送した温排水及び熱媒体を熱交換器へ通過
させるため、熱交換率の向上を図ることが可能となり、
回収熱量を増大させることができる。

【００１９】温排水の排熱回収と給水の加熱とを並行
して行うため、回収熱を畜熱する設備を必要とせず、全
体をコンパクにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の実施例を示す模式図である。

【符号の説明】

１…排水路 ２…排熱回収用熱交換器 ３…熱媒循
環路 ４…回収熱報酬用熱交換器 ５…給水路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 温排水を導く排水路と、排熱回収用熱交
   換器と、熱媒循環路と、回収熱放出用熱交換器と、給水
   路とを備えた排水熱の回収装置であつて、前記排水路
   は、排水タンクと、排水タンク内の温排水を圧送するポ
   ンプとを備えると共に、該ポンプより下流側の途中を前
   記排熱回収用熱交換器の高温側流路で形成し、前記熱媒
   循環路は、循環路の一部を前記排熱回収用熱交換器の低
   温側流路と前記回収熱放出用熱交換器の高温側流路とで
   形成すると共に、循環路の適所に循環ポンプを備え、前
   記回収熱放出用熱交換器の低温側流路を前記給水路の一
   部で形成したことを特徴とする排水熱の回収装置。