JP3632502B2 - ヒートポンプ風呂給湯機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプを応用して、大気熱や太陽熱などを浴槽水の加熱に利用したり、大気熱や太陽熱や浴槽水の温熱を給湯の加熱などに利用する装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ヒートポンプサイクルを用いて外部の熱源から熱を汲熱し、給湯、および、風呂浴槽水の加熱を行う装置が提供されている。
【0003】
図11に、従来例の風呂浴槽水の温熱、または、大気熱を熱源とし、ヒートポンプによって給湯の加熱、または、風呂浴槽水の加熱を行う装置の構成を示す。図11のヒートポンプ給湯機は、圧縮機1と、膨張弁2a、2bと、冷媒回路3と、給湯熱交換器4と、給湯水回路5と、貯湯タンク6と、風呂熱交換器7と、浴槽水回路8と、浴槽9と、大気熱または太陽熱を集熱する集熱機10と、冷媒回路3を開閉する冷媒回路開閉弁11a、11b、11c、浴槽水を循環させる浴槽水ポンプ12より構成されている。
【0004】
浴槽の浴槽水の温熱を利用して、給湯の加熱運転をするときは、以下のような運転を行う。まず、浴槽水循環ポンプ12によって浴槽9の浴槽水を浴槽水回路8と、風呂熱交換器7に循環させる。そして、圧縮機1を運転して冷媒回路3内の冷媒を高温高圧に加圧し、給湯熱交換器4、膨張弁2a、風呂熱交換器7の順に送る。冷媒は風呂熱交換器7で浴槽水の熱を吸熱し、その後圧縮機1に吸入されて高温高圧に加圧され、給湯熱交換器4で凝縮して給湯水の加熱を行う。
【0005】
浴槽9の浴槽水の加熱運転をするときは、以下のような運転を行う。まず、浴槽水ポンプ12によって浴槽9の浴槽水を浴槽水回路8と、風呂熱交換器7に循環させる。そして、圧縮機1を運転して冷媒回路3内の冷媒を高温高圧に加圧し、風呂熱交換器7、膨張弁2b、集熱機10の順に送る。冷媒は集熱機10で大気の熱を吸熱し、その後圧縮機1で高温高圧に加圧され、風呂熱交換器7で凝縮して浴槽水の加熱を行う。
【0006】
この従来のヒートポンプ風呂給湯機の構成において、効率よく浴槽水の冷却と加熱を行うために、例えば特公平8−27079号公報に記載されているような方法が提案されている。さらに、ヒートポンプの応用展開として、浴槽水温熱を暖房に利用することが特開平9−159267号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の構成では、以下に挙げる理由から、浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に利用することは困難であった。
【0008】
すなわち、風呂熱交換器7で冷媒から吸熱された浴槽水の温度は、浴槽9内の浴槽水の温度より低いので、両浴槽水の間には密度差が生じ、密度の大きい低温の浴槽水は浴槽9の底部に向けて流れる。従って、風呂熱交換器7から戻ってきた温度の低くなった浴槽水は、浴槽9の温度の高い浴槽水と十分に撹拌されることなく、浴槽9の底部に低温の層を形成する。従って、浴槽の浴槽水は、図12に示すような、浴槽9の底部の温度が低く、浴槽の上部の温度が高いような温度分布となる。このまま運転を続けていくと、浴槽9の底部の低温層は厚みを増していき、浴槽の浴槽水の出水口まで達したときは、風呂熱交換器7に流入する浴槽水の温度は著しく低下する。風呂熱交換器7に流入する浴槽水の温度が低下すると、ヒートポンプの効率が低下するばかりでなく、循環している浴槽水が吸熱された後で凍結するため、浴槽上部の温熱を有効に給湯の加熱に利用できないままヒートポンプの運転を終了しなければならない。従って、浴槽上部の温熱を有効に給湯の加熱に利用するためには、図12に示した浴槽9内に形成された温度分布を均一にしなければならない事が課題となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために本発明のヒートポンプ風呂給湯機は、圧縮機を有するヒートポンプ回路と、浴槽と、前記ヒートポンプ回路の冷媒と給湯水が熱交換する給湯熱交換器を有する給湯水回路と、浴槽水ポンプならびに前記ヒートポンプ回路の冷媒と浴槽水が熱交換する風呂熱交換器を有する浴槽水回路と、前記風呂熱交換器内で冷媒回路を分岐して、前記風呂熱交換器の冷媒出口部と短絡させたバイパス回路と、前記バイパス回路を開閉するバイパス回路開閉弁と、前記バイパス回路開閉弁を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、浴槽内での浴槽水の上下温度差が所定値以上となったとき、前記バイパス回路開閉弁を開いて風呂熱交換器での熱交換を規制することで前記上下温度差を緩和するようにしたものである。
【0010】
上記発明によれば、浴槽水の温熱を利用して給湯の加熱運転を行うときに、浴槽の底部の温度が低く、浴槽の上部の温度が高いような温度分布を均一化することが出来る。
【0011】
従って、浴槽水の温熱を有効かつ高効率に給湯の加熱に利用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態は、圧縮機を有するヒートポンプ回路と、浴槽と、前記ヒートポンプ回路の冷媒と給湯水が熱交換する給湯熱交換器を有する給湯水回路と、浴槽水ポンプならびに前記ヒートポンプ回路の冷媒と浴槽水が熱交換する風呂熱交換器を有する浴槽水回路と、前記風呂熱交換器内で冷媒回路を分岐して、前記風呂熱交換器の冷媒出口部と短絡させたバイパス回路と、前記バイパス回路を開閉するバイパス回路開閉弁と、前記バイパス回路開閉弁を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、浴槽内での浴槽水の上下温度差が所定値以上となったとき、前記バイパス回路開閉弁を開開いて風呂熱交換器での熱交換を規制することで前記上下温度差を緩和するようにした。
【0013】
浴槽内での浴槽水の上下温度差は、例えば、運転時間で推測したり、或いは、浴槽水回路の浴槽水の温度にもとづいて検知する。その他、風呂熱交換器を流動する浴槽水の圧力とか、風呂熱交換器を流動する冷媒の温度または圧力にもとづいても検知できる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は本発明の実施例におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成である圧縮機1、膨張弁2a、2b、冷媒回路3、給湯熱交換器4、給湯水回路5、貯湯タンク6、風呂熱交換器7、浴槽水回路8、浴槽9、集熱機10、冷媒回路開閉弁11a、11b、11c、浴槽水ポンプ12に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、制御手段15を備えている。制御手段15は、バイパス回路開閉弁14を運転時間に基づいて開閉させる制御手段である。
【0016】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行い、運転開始時はバイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。このとき、制御手段15によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるので、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ9による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。温度分布が均一に近い状態になったら、制御手段15によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。
【0017】
この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図2に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0018】
本実施例において、制御手段15によってバイパス回路開閉弁14が閉である時間aは、図12のような温度分布が形成されるまでの時間とし、制御手段15によってバイパス回路開閉弁14が開である時間bは、浴槽水の上層部と低層部の温度差が所定の温度差となるまでに要する値に設定した。
【0019】
なお、本実施例ではバイパス回路を1回路設置したが、複数回路設置しても良い。また、分岐される浴槽水回路は風呂熱交換器の出口部ではなく入口部に接続しても構わない。
【0020】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0021】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0022】
(実施例2)
図3は本発明の実施例2におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、温度センサー16、制御手段17を備えている。温度センサー16は、浴槽水回路8の浴槽水温度の検知手段である。制御手段17は、バイパス回路開閉弁14を温度センサー16の検知温度に基づいて、開閉させる制御手段である。本実施例では、温度センサー16にはサーミスターを使用したが、他にも、熱電対や、測温抵抗体などを用いても良い。また、設置位置は浴槽水回路8であって浴槽水温度を測定できれば場所はどこでも良い。
【0023】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行い、運転開始時はバイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。このとき、温度センサー16の温度が所定温度T1以下になったら、制御手段17によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるので、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽出水口8aより浴槽入水口8bを通って浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。
【0024】
この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ9による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。温度分布が均一となるに従い、循環している浴槽水の温度は高くなるから、温度センサー16の検知温度が所定の温度T2以上になったら、浴槽9の浴槽水の温度分布は均一になったと判断して、制御手段17によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図4に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0025】
本実施例では、所定温度T1、T2は一定値としたが、繰り返し回数や運転時間の関数として指定しても良く、同様の効果が得られる。
【0026】
なお、浴槽9の浴槽水温度を検知するために既存の温度センサーが設置してあれば、これを利用することで本実施例は実施できる。
【0027】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0028】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0029】
(実施例3)
図5は本発明の実施例3におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、圧力センサー18、制御手段19を備えている。圧力センサー18は、風呂熱交換器7の浴槽水入口圧力と出口圧力のの差圧検知手段である。制御手段19は、バイパス回路開閉弁14を圧力センサー18の検知圧力に基づいて、開閉させる制御手段である。本実施例では、圧力センサー18は風呂熱交換器7の差圧力計として設置したが、風呂熱交換器の浴槽水の入口、または出口の絶対圧力、または、ゲージ圧力であっても良い。
【0030】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行うが、バイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。風呂熱交換器7に流入する浴槽水温度が低下すると、浴槽水の粘性が大きくなり風呂熱交換器7における浴槽水の圧力損失が増加する。すなわち、循環する浴槽水の温度は、圧力センサー18の検知圧力に反映される。従って、圧力センサー18の差圧力が所定の値P1以上になったら、制御手段19によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。
【0031】
従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるので、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ9による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。循環している浴槽水の温度は高くなると、浴槽水の粘性が小さくなり風呂熱交換器7における浴槽水の圧力損失が減少する。圧力センサー18の検知する差圧力が所定の値P1以下になったら、浴槽9の浴槽水の温度分布は均一になったと判断して、制御手段19によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図6に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0032】
本実施例では、所定圧力P1、P2は一定値としたが、繰り返し回数や運転時間の関数として指定しても良く、同様の効果が得られる。
【0033】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0034】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0035】
(実施例4)
図7は本発明の実施例4におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、温度センサー20、制御手段21を備えている。温度センサー20は、風呂熱交換器7の冷媒入口温度の検知手段である。制御手段21は、バイパス回路開閉弁14を温度センサー20の検知温度に基づいて、開閉させる制御手段である。本実施例では、温度センサー20にはサーミスターを使用したが、他にも、熱電対や、測温抵抗体などを用いても良い。また、設置位置は風呂熱交換器の冷媒出口であっても良い。
【0036】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行うが、バイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。風呂熱交換器7に流入する浴槽水温度が低下すると、ヒートポンプ回路の蒸発圧力が低下するために、風呂熱交換器7に流入する冷媒の温度も低下する。すなわち、循環する浴槽水の温度は、温度センサー20の検知温度に反映される。従って、温度センサー20の温度が所定温度T3以下になったら、制御手段21によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるから、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ9による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。温度分布が均一となるに従い、循環している浴槽水の温度は高くなるから、温度センサー20の検知温度が所定の温度T4以上になったら、浴槽9の浴槽水の温度分布は均一になったと判断して、制御手段21によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図8に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0037】
なお、ヒートポンプサイクルを制御するために、温度センサーが浴槽水熱交換器の冷媒入口、または、出口に設置してあれば、これを用いて本実施例は実施できる。逆に、設置していなかった場合は、本実施例で設置した温度センサーを利用して、ヒートポンプサイクルの制御をすることが出来る。
【0038】
本実施例では、所定温度T3、T4は一定値としたが、繰り返し回数や運転時間の関数として指定しても良く、同様の効果が得られる。
【0039】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0040】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0041】
(実施例5)
図9は本発明の実施例5におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、圧力センサー22、制御手段23を備えている。圧力センサー22は、風呂熱交換器7の冷媒入口圧力の検知手段である。制御手段23は、バイパス回路開閉弁14を圧力センサー22の検知圧力に基づいて、開閉させる制御手段である。本実施例では、圧力センサー22は風呂熱交換器7の冷媒入口に設置したが、設置位置は風呂熱交換器の冷媒出口であっても良い。
【0042】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行うが、バイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。風呂熱交換器7に流入する浴槽水温度が低下すると、ヒートポンプ回路の冷媒の蒸発する圧力が低下する。すなわち、循環する浴槽水の温度は、圧力センサー22の検知圧力に反映される。従って、圧力センサー22の検知圧力が所定の値P3以下になったら、制御手段23によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるから、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ12による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。
【0043】
従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。温度分布が均一となるに従い、循環している浴槽水の温度は高くなるから、圧力センサー22の検知圧力が所定の値P4以上になったら、浴槽9の浴槽水の温度分布は均一になったと判断して、制御手段23によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図10に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0044】
なお、ヒートポンプサイクルを制御するために、圧力センサーが浴槽水熱交換器の冷媒入口、または、出口に設置してあれば、これを用いて本実施例は実施できる。逆に、設置していなかった場合は、本実施例で設置した圧力センサーを利用して、ヒートポンプサイクルの制御をすることが出来る。
【0045】
本実施例では、所定圧力P3、P4は一定値としたが、繰り返し回数や運転時間の関数として指定しても良く、同様の効果が得られる。
【0046】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0047】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0048】
以上説明したように各実施例の構成によれば次のような効果が期待できるものである。
【0049】
(1)浴槽水の温熱を利用して給湯の加熱運転を行う場合と、浴槽水の加熱を行う場合に、浴槽の深さ方向に運転効率に不利な浴槽水の温度分布が形成されても、バイパス回路に冷媒を流す制御により、浴槽の温度分布を均一にすることが出来る。
【0050】
したがって、浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に利用できることから、浴槽水の温熱を利用して給湯の加熱運転を行う場合の高効率化が実現される。
【0051】
また、バイパス回路を用いてヒートポンプの能力制御も可能となることから、従来より安価な装置を提供できる。
【0052】
(2)温度センサーを、装置の安全性を感知する手段とする事が出来るので、装置の安全性が向上する。なお、浴槽水の湯温を制御するために温度センサーを既設してあれば、これを利用することで、構成の簡素化と低コスト化が図れる。
【0053】
また、温度センサーを用いることから、浴槽水ポンプを時間で制御する方法よりも、より精度良く制御することが出来るとともに、幅広い浴槽の種類に対応することが出来る。
【0054】
(3)風呂熱交換器に汚れが付着して浴槽水流路の圧力損失が上昇した場合には、圧力センサーでこの状態を検知することが出来る。従って、メンテナンス時期を知らせる機能を持たせることができる。
【0055】
(4)温度センサーは、ヒートポンプサイクル制御にも利用することが出来るため、これを利用することで、装置の高効率化が図れる。
【0056】
(5)温度センサーを用いることから、運転時間で制御する方法よりも、より精度良く制御することが出来るとともに、幅広い浴槽の種類に対応することが出来る。
【0057】
(6)浴槽水の温度が周期的に変化するので、浴槽水回路と浴槽に生存する菌等にヒートショックを与え、繁殖を抑制することができる。従って、浴槽や浴槽水回路、および、風呂熱交換器に汚れが付着しにくい。
【0058】
【発明の効果】
このように本発明のヒートポンプ風呂給湯機によれば、浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に利用できるもので、効率の向上が期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図2】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図3】本発明の実施例2におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図4】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図5】本発明の実施例3におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図6】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図7】本発明の実施例4におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図8】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図9】本発明の実施例5におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図10】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図11】従来のヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図12】同ヒートポンプ風呂給湯機の浴槽水深と浴槽水温度との関係を示した図
【符号の説明】
1 圧縮機
2a、2b 膨張弁
3 冷媒回路
4 給湯熱交換器
5 給湯水回路
6 貯湯タンク
7 風呂熱交換器
8 浴槽水回路
9 浴槽
10 集熱機
11a、11b、11c 開閉弁
12 浴槽水ポンプ
13 バイパス回路
14 バイパス回路開閉弁
15 運転時間に基づいてバイパス回路開閉弁を制御する制御手段
16、20 温度センサー
17、21 温度センサーの検知温度に基づいてバイパス回路開閉弁を制御する制御手段
18、22 圧力センサー
19、23 圧力センサーの検知圧力に基づいてバイパス回路開閉弁を制御する制御手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプを応用して、大気熱や太陽熱などを浴槽水の加熱に利用したり、大気熱や太陽熱や浴槽水の温熱を給湯の加熱などに利用する装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ヒートポンプサイクルを用いて外部の熱源から熱を汲熱し、給湯、および、風呂浴槽水の加熱を行う装置が提供されている。
【0003】
図11に、従来例の風呂浴槽水の温熱、または、大気熱を熱源とし、ヒートポンプによって給湯の加熱、または、風呂浴槽水の加熱を行う装置の構成を示す。図11のヒートポンプ給湯機は、圧縮機1と、膨張弁2a、2bと、冷媒回路3と、給湯熱交換器4と、給湯水回路5と、貯湯タンク6と、風呂熱交換器7と、浴槽水回路8と、浴槽9と、大気熱または太陽熱を集熱する集熱機10と、冷媒回路3を開閉する冷媒回路開閉弁11a、11b、11c、浴槽水を循環させる浴槽水ポンプ12より構成されている。
【0004】
浴槽の浴槽水の温熱を利用して、給湯の加熱運転をするときは、以下のような運転を行う。まず、浴槽水循環ポンプ12によって浴槽9の浴槽水を浴槽水回路8と、風呂熱交換器7に循環させる。そして、圧縮機1を運転して冷媒回路3内の冷媒を高温高圧に加圧し、給湯熱交換器4、膨張弁2a、風呂熱交換器7の順に送る。冷媒は風呂熱交換器7で浴槽水の熱を吸熱し、その後圧縮機1に吸入されて高温高圧に加圧され、給湯熱交換器4で凝縮して給湯水の加熱を行う。
【0005】
浴槽9の浴槽水の加熱運転をするときは、以下のような運転を行う。まず、浴槽水ポンプ12によって浴槽9の浴槽水を浴槽水回路8と、風呂熱交換器7に循環させる。そして、圧縮機1を運転して冷媒回路3内の冷媒を高温高圧に加圧し、風呂熱交換器7、膨張弁2b、集熱機10の順に送る。冷媒は集熱機10で大気の熱を吸熱し、その後圧縮機1で高温高圧に加圧され、風呂熱交換器7で凝縮して浴槽水の加熱を行う。
【0006】
この従来のヒートポンプ風呂給湯機の構成において、効率よく浴槽水の冷却と加熱を行うために、例えば特公平8−27079号公報に記載されているような方法が提案されている。さらに、ヒートポンプの応用展開として、浴槽水温熱を暖房に利用することが特開平9−159267号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の構成では、以下に挙げる理由から、浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に利用することは困難であった。
【0008】
すなわち、風呂熱交換器7で冷媒から吸熱された浴槽水の温度は、浴槽9内の浴槽水の温度より低いので、両浴槽水の間には密度差が生じ、密度の大きい低温の浴槽水は浴槽9の底部に向けて流れる。従って、風呂熱交換器7から戻ってきた温度の低くなった浴槽水は、浴槽9の温度の高い浴槽水と十分に撹拌されることなく、浴槽9の底部に低温の層を形成する。従って、浴槽の浴槽水は、図12に示すような、浴槽9の底部の温度が低く、浴槽の上部の温度が高いような温度分布となる。このまま運転を続けていくと、浴槽9の底部の低温層は厚みを増していき、浴槽の浴槽水の出水口まで達したときは、風呂熱交換器7に流入する浴槽水の温度は著しく低下する。風呂熱交換器7に流入する浴槽水の温度が低下すると、ヒートポンプの効率が低下するばかりでなく、循環している浴槽水が吸熱された後で凍結するため、浴槽上部の温熱を有効に給湯の加熱に利用できないままヒートポンプの運転を終了しなければならない。従って、浴槽上部の温熱を有効に給湯の加熱に利用するためには、図12に示した浴槽9内に形成された温度分布を均一にしなければならない事が課題となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために本発明のヒートポンプ風呂給湯機は、圧縮機を有するヒートポンプ回路と、浴槽と、前記ヒートポンプ回路の冷媒と給湯水が熱交換する給湯熱交換器を有する給湯水回路と、浴槽水ポンプならびに前記ヒートポンプ回路の冷媒と浴槽水が熱交換する風呂熱交換器を有する浴槽水回路と、前記風呂熱交換器内で冷媒回路を分岐して、前記風呂熱交換器の冷媒出口部と短絡させたバイパス回路と、前記バイパス回路を開閉するバイパス回路開閉弁と、前記バイパス回路開閉弁を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、浴槽内での浴槽水の上下温度差が所定値以上となったとき、前記バイパス回路開閉弁を開いて風呂熱交換器での熱交換を規制することで前記上下温度差を緩和するようにしたものである。
【0010】
上記発明によれば、浴槽水の温熱を利用して給湯の加熱運転を行うときに、浴槽の底部の温度が低く、浴槽の上部の温度が高いような温度分布を均一化することが出来る。
【0011】
従って、浴槽水の温熱を有効かつ高効率に給湯の加熱に利用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態は、圧縮機を有するヒートポンプ回路と、浴槽と、前記ヒートポンプ回路の冷媒と給湯水が熱交換する給湯熱交換器を有する給湯水回路と、浴槽水ポンプならびに前記ヒートポンプ回路の冷媒と浴槽水が熱交換する風呂熱交換器を有する浴槽水回路と、前記風呂熱交換器内で冷媒回路を分岐して、前記風呂熱交換器の冷媒出口部と短絡させたバイパス回路と、前記バイパス回路を開閉するバイパス回路開閉弁と、前記バイパス回路開閉弁を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、浴槽内での浴槽水の上下温度差が所定値以上となったとき、前記バイパス回路開閉弁を開開いて風呂熱交換器での熱交換を規制することで前記上下温度差を緩和するようにした。
【0013】
浴槽内での浴槽水の上下温度差は、例えば、運転時間で推測したり、或いは、浴槽水回路の浴槽水の温度にもとづいて検知する。その他、風呂熱交換器を流動する浴槽水の圧力とか、風呂熱交換器を流動する冷媒の温度または圧力にもとづいても検知できる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は本発明の実施例におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成である圧縮機1、膨張弁2a、2b、冷媒回路3、給湯熱交換器4、給湯水回路5、貯湯タンク6、風呂熱交換器7、浴槽水回路8、浴槽9、集熱機10、冷媒回路開閉弁11a、11b、11c、浴槽水ポンプ12に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、制御手段15を備えている。制御手段15は、バイパス回路開閉弁14を運転時間に基づいて開閉させる制御手段である。
【0016】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行い、運転開始時はバイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。このとき、制御手段15によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるので、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ9による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。温度分布が均一に近い状態になったら、制御手段15によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。
【0017】
この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図2に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0018】
本実施例において、制御手段15によってバイパス回路開閉弁14が閉である時間aは、図12のような温度分布が形成されるまでの時間とし、制御手段15によってバイパス回路開閉弁14が開である時間bは、浴槽水の上層部と低層部の温度差が所定の温度差となるまでに要する値に設定した。
【0019】
なお、本実施例ではバイパス回路を1回路設置したが、複数回路設置しても良い。また、分岐される浴槽水回路は風呂熱交換器の出口部ではなく入口部に接続しても構わない。
【0020】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0021】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0022】
(実施例2)
図3は本発明の実施例2におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、温度センサー16、制御手段17を備えている。温度センサー16は、浴槽水回路8の浴槽水温度の検知手段である。制御手段17は、バイパス回路開閉弁14を温度センサー16の検知温度に基づいて、開閉させる制御手段である。本実施例では、温度センサー16にはサーミスターを使用したが、他にも、熱電対や、測温抵抗体などを用いても良い。また、設置位置は浴槽水回路8であって浴槽水温度を測定できれば場所はどこでも良い。
【0023】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行い、運転開始時はバイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。このとき、温度センサー16の温度が所定温度T1以下になったら、制御手段17によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるので、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽出水口8aより浴槽入水口8bを通って浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。
【0024】
この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ9による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。温度分布が均一となるに従い、循環している浴槽水の温度は高くなるから、温度センサー16の検知温度が所定の温度T2以上になったら、浴槽9の浴槽水の温度分布は均一になったと判断して、制御手段17によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図4に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0025】
本実施例では、所定温度T1、T2は一定値としたが、繰り返し回数や運転時間の関数として指定しても良く、同様の効果が得られる。
【0026】
なお、浴槽9の浴槽水温度を検知するために既存の温度センサーが設置してあれば、これを利用することで本実施例は実施できる。
【0027】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0028】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0029】
(実施例3)
図5は本発明の実施例3におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、圧力センサー18、制御手段19を備えている。圧力センサー18は、風呂熱交換器7の浴槽水入口圧力と出口圧力のの差圧検知手段である。制御手段19は、バイパス回路開閉弁14を圧力センサー18の検知圧力に基づいて、開閉させる制御手段である。本実施例では、圧力センサー18は風呂熱交換器7の差圧力計として設置したが、風呂熱交換器の浴槽水の入口、または出口の絶対圧力、または、ゲージ圧力であっても良い。
【0030】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行うが、バイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。風呂熱交換器7に流入する浴槽水温度が低下すると、浴槽水の粘性が大きくなり風呂熱交換器7における浴槽水の圧力損失が増加する。すなわち、循環する浴槽水の温度は、圧力センサー18の検知圧力に反映される。従って、圧力センサー18の差圧力が所定の値P1以上になったら、制御手段19によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。
【0031】
従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるので、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ9による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。循環している浴槽水の温度は高くなると、浴槽水の粘性が小さくなり風呂熱交換器7における浴槽水の圧力損失が減少する。圧力センサー18の検知する差圧力が所定の値P1以下になったら、浴槽9の浴槽水の温度分布は均一になったと判断して、制御手段19によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図6に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0032】
本実施例では、所定圧力P1、P2は一定値としたが、繰り返し回数や運転時間の関数として指定しても良く、同様の効果が得られる。
【0033】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0034】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0035】
(実施例4)
図7は本発明の実施例4におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、温度センサー20、制御手段21を備えている。温度センサー20は、風呂熱交換器7の冷媒入口温度の検知手段である。制御手段21は、バイパス回路開閉弁14を温度センサー20の検知温度に基づいて、開閉させる制御手段である。本実施例では、温度センサー20にはサーミスターを使用したが、他にも、熱電対や、測温抵抗体などを用いても良い。また、設置位置は風呂熱交換器の冷媒出口であっても良い。
【0036】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行うが、バイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。風呂熱交換器7に流入する浴槽水温度が低下すると、ヒートポンプ回路の蒸発圧力が低下するために、風呂熱交換器7に流入する冷媒の温度も低下する。すなわち、循環する浴槽水の温度は、温度センサー20の検知温度に反映される。従って、温度センサー20の温度が所定温度T3以下になったら、制御手段21によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるから、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ9による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。温度分布が均一となるに従い、循環している浴槽水の温度は高くなるから、温度センサー20の検知温度が所定の温度T4以上になったら、浴槽9の浴槽水の温度分布は均一になったと判断して、制御手段21によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図8に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0037】
なお、ヒートポンプサイクルを制御するために、温度センサーが浴槽水熱交換器の冷媒入口、または、出口に設置してあれば、これを用いて本実施例は実施できる。逆に、設置していなかった場合は、本実施例で設置した温度センサーを利用して、ヒートポンプサイクルの制御をすることが出来る。
【0038】
本実施例では、所定温度T3、T4は一定値としたが、繰り返し回数や運転時間の関数として指定しても良く、同様の効果が得られる。
【0039】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0040】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0041】
(実施例5)
図9は本発明の実施例5におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成を模式的に示したものである。本実施例のヒートポンプ風呂給湯機は、従来の構成に加えて、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13、バイパス回路開閉弁14、および、圧力センサー22、制御手段23を備えている。圧力センサー22は、風呂熱交換器7の冷媒入口圧力の検知手段である。制御手段23は、バイパス回路開閉弁14を圧力センサー22の検知圧力に基づいて、開閉させる制御手段である。本実施例では、圧力センサー22は風呂熱交換器7の冷媒入口に設置したが、設置位置は風呂熱交換器の冷媒出口であっても良い。
【0042】
次に動作と作用について説明する。浴槽9の浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱を行うときは、従来例と同様の動作を行うが、バイパス回路開閉弁14は閉とし、バイパス回路13には冷媒を流さない。浴槽水の温熱を利用して、給湯水の加熱運転を続けていくにつれて、浴槽9には図12のような温度分布が形成される。風呂熱交換器7に流入する浴槽水温度が低下すると、ヒートポンプ回路の冷媒の蒸発する圧力が低下する。すなわち、循環する浴槽水の温度は、圧力センサー22の検知圧力に反映される。従って、圧力センサー22の検知圧力が所定の値P3以下になったら、制御手段23によってバイパス回路開閉弁14を閉から開とし、風呂熱交換器7内の冷媒回路を分岐して出口部と連結させたバイパス回路13を開放する。従って、冷媒の一部がバイパス回路13を流れるようになるから、風呂熱交換器7で冷媒と浴槽水が熱交換する熱量が低下し、浴槽9へ戻る浴槽水の温度は上昇する。この作用により、浴槽9内の底部の低温浴槽水層の形成が抑制され、さらに、浴槽水ポンプ12による浴槽9内の対流によって、浴槽9の底部の低温の浴槽水は、表層部の温度の高い浴槽水と効果的に対流によって徐々に攪拌されていく。
【0043】
従って、浴槽9の温度分布は時間の経過と共に均一になっていく。温度分布が均一となるに従い、循環している浴槽水の温度は高くなるから、圧力センサー22の検知圧力が所定の値P4以上になったら、浴槽9の浴槽水の温度分布は均一になったと判断して、制御手段23によってバイパス回路開閉弁14を開から閉へとする。この上記運転を繰り返すときの循環する浴槽水の温度変化を図10に示す。バイパス回路開閉弁14の制御を繰り返し行うことによって、浴槽9の浴槽水全体の温度は徐々に低下し、ある所定の温度以下になるまでシステムの運転を行うことが出来れば、浴槽9の浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に活用できたことになる。
【0044】
なお、ヒートポンプサイクルを制御するために、圧力センサーが浴槽水熱交換器の冷媒入口、または、出口に設置してあれば、これを用いて本実施例は実施できる。逆に、設置していなかった場合は、本実施例で設置した圧力センサーを利用して、ヒートポンプサイクルの制御をすることが出来る。
【0045】
本実施例では、所定圧力P3、P4は一定値としたが、繰り返し回数や運転時間の関数として指定しても良く、同様の効果が得られる。
【0046】
また、本実施例では浴槽水を加熱する場合においても適用することが出来る。すなわち、浴槽9の浴槽水を均一に加熱することが可能となる。従って、高効率な浴槽の加熱運転をすることが出来る。
【0047】
また、バイパス回路の開閉で風呂熱交換器を流れる冷媒量を制御できるから、ヒートポンプサイクルの能力制御の手段としても活用できる。従って、従来用いられているインバーター制御より低コストでヒートポンプの能力制御装置が提供できる。
【0048】
以上説明したように各実施例の構成によれば次のような効果が期待できるものである。
【0049】
(1)浴槽水の温熱を利用して給湯の加熱運転を行う場合と、浴槽水の加熱を行う場合に、浴槽の深さ方向に運転効率に不利な浴槽水の温度分布が形成されても、バイパス回路に冷媒を流す制御により、浴槽の温度分布を均一にすることが出来る。
【0050】
したがって、浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に利用できることから、浴槽水の温熱を利用して給湯の加熱運転を行う場合の高効率化が実現される。
【0051】
また、バイパス回路を用いてヒートポンプの能力制御も可能となることから、従来より安価な装置を提供できる。
【0052】
(2)温度センサーを、装置の安全性を感知する手段とする事が出来るので、装置の安全性が向上する。なお、浴槽水の湯温を制御するために温度センサーを既設してあれば、これを利用することで、構成の簡素化と低コスト化が図れる。
【0053】
また、温度センサーを用いることから、浴槽水ポンプを時間で制御する方法よりも、より精度良く制御することが出来るとともに、幅広い浴槽の種類に対応することが出来る。
【0054】
(3)風呂熱交換器に汚れが付着して浴槽水流路の圧力損失が上昇した場合には、圧力センサーでこの状態を検知することが出来る。従って、メンテナンス時期を知らせる機能を持たせることができる。
【0055】
(4)温度センサーは、ヒートポンプサイクル制御にも利用することが出来るため、これを利用することで、装置の高効率化が図れる。
【0056】
(5)温度センサーを用いることから、運転時間で制御する方法よりも、より精度良く制御することが出来るとともに、幅広い浴槽の種類に対応することが出来る。
【0057】
(6)浴槽水の温度が周期的に変化するので、浴槽水回路と浴槽に生存する菌等にヒートショックを与え、繁殖を抑制することができる。従って、浴槽や浴槽水回路、および、風呂熱交換器に汚れが付着しにくい。
【0058】
【発明の効果】
このように本発明のヒートポンプ風呂給湯機によれば、浴槽水の温熱を有効に給湯の加熱に利用できるもので、効率の向上が期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図2】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図3】本発明の実施例2におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図4】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図5】本発明の実施例3におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図6】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図7】本発明の実施例4におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図8】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図9】本発明の実施例5におけるヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図10】同ヒートポンプ風呂給湯機の運転時間と浴槽水温度との関係を示した図
【図11】従来のヒートポンプ風呂給湯機の構成説明図
【図12】同ヒートポンプ風呂給湯機の浴槽水深と浴槽水温度との関係を示した図
【符号の説明】
1 圧縮機
2a、2b 膨張弁
3 冷媒回路
4 給湯熱交換器
5 給湯水回路
6 貯湯タンク
7 風呂熱交換器
8 浴槽水回路
9 浴槽
10 集熱機
11a、11b、11c 開閉弁
12 浴槽水ポンプ
13 バイパス回路
14 バイパス回路開閉弁
15 運転時間に基づいてバイパス回路開閉弁を制御する制御手段
16、20 温度センサー
17、21 温度センサーの検知温度に基づいてバイパス回路開閉弁を制御する制御手段
18、22 圧力センサー
19、23 圧力センサーの検知圧力に基づいてバイパス回路開閉弁を制御する制御手段
Claims (5)
- 圧縮機を有するヒートポンプ回路と、浴槽と、前記ヒートポンプ回路の冷媒と給湯水が熱交換する給湯熱交換器を有する給湯水回路と、浴槽水ポンプならびに前記ヒートポンプ回路の冷媒と浴槽水が熱交換する風呂熱交換器を有する浴槽水回路と、前記風呂熱交換器内で冷媒回路を分岐して、前記風呂熱交換器の冷媒出口部と短絡させたバイパス回路と、前記バイパス回路を開閉するバイパス回路開閉弁と、前記バイパス回路開閉弁を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、浴槽内での浴槽水の上下温度差が所定値以上となったとき、前記バイパス回路開閉弁を開いて風呂熱交換器での熱交換を規制することで前記上下温度差を緩和するようにしたことを特徴とするヒートポンプ風呂給湯機。
- 浴槽内での浴槽水の上下温度差を、運転時間で推測するようにした請求項1記載のヒートポンプ風呂給湯機。
- 浴槽内での浴槽水の上下温度差を、浴槽水回路の浴槽水の温度にもとづいて検知するようにした請求項1記載のヒートポンプ風呂給湯機。
- 浴槽内での浴槽水の上下温度差を風呂熱交換器を流動する浴槽水の圧力にもとづいて検知するようにした請求項1記載のヒートポンプ風呂給湯機。
- 浴槽内での浴槽水の上下温度差を、風呂熱交換器を流動する冷媒の温度または圧力にもとづいて検知するようにした請求項1記載のヒートポンプ風呂給湯機。
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