JPH0598718A - ユニツトパネル式構造躯体及びこれを利用した建造物 - Google Patents

ユニツトパネル式構造躯体及びこれを利用した建造物

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JPH0598718A
JPH0598718A JP32499491A JP32499491A JPH0598718A JP H0598718 A JPH0598718 A JP H0598718A JP 32499491 A JP32499491 A JP 32499491A JP 32499491 A JP32499491 A JP 32499491A JP H0598718 A JPH0598718 A JP H0598718A
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air
unit panel
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building
warm air
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Ryujiro Kasugaoka
隆次郎 春日岡
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers
    • Y02E10/44Heat exchange systems

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  • Building Environments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建造物全体を換気し、ソーラーシステム等と
の連繋による冷暖房作用の向上を図り、耐震、耐火性構
造にして耐力的にも優れたものとする。 【構成】 断熱材層5を配装して内部に空気層15を形
成し、構造的に強化されたユニットパネル体1を適宜に
組合せて所定の建造物を構築し、それらの空気層15を
相互に連通可能に構成する。空気層15には、太陽熱暖
房機構30の暖気室35で得られる暖気あるいは外気を
選択的に送気制御する導出切換室41からの、また、空
気調和装置55からの暖気、冷気を強制的に通気させ
る。空気層15内に送気された暖気、冷気は、床下蓄熱
層60内に蓄熱し、床吹出口73を経て建造物内に放出
し、建造物内に快適な居住空間を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部に空気層を有する
ユニットパネル体を建造物躯体として使用して構築する
ことで建造物全体の空気流通を円滑にし、特に、ソーラ
ーシステム等との連繋による冷暖房作用の向上が図ら
れ、耐震、耐火性構造の耐力的にも優れたユニットパネ
ル式構造躯体及びその建造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、一般家屋、ビルその他の各種
の建造物において、室内の冷暖房、空気調和のために各
種の機器が据付、設置されて使用されている。一方、こ
うした機器の運転、維持には、電気その他のエネルギー
を必要とするから、それの省力化のために、太陽光(太
陽エネルギー)をそのまま熱源として、あるいは電気に
変換する等して各種に利用することが提案されている。
【0003】その一つとして、屋根・屋上面に設置した
ソーラーパネルによって得られた熱エネルギーを、建造
物内に装置した上下方向に沿う立ち下がりダクトを介し
て床下に蓄熱させ、これを暖房用に利用するものがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この床下蓄熱方式の暖
房は、例えば一般家屋であると、その床面から家屋を暖
房させ、暖房のためのエネルギーを大きく節減すること
ができる反面、2階以上にある室内の暖房には直接に利
用できない欠点がある。そればかりでなく、熱エネルギ
ーを床下までに送気伝達する立ち下がりダクトは、家屋
内に装置する必要があるから、その装置面積のために居
住者が利用できる床面積が僅かでも減少されるものであ
った。
【0005】そしてまた、太陽から得られる熱エネルギ
ーによって暖房を行なう場合には、冬期には十分な省エ
ネルギー効果が得られるものであっても、夏期には暖房
のための熱エネルギーを外部に効率よく廃棄する必要が
あり、その切換えには簡単な装置の提供が望まれるもの
である。
【0006】また、各種の建造物においては、建造物内
の気密構造と四季を通じた昼夜の内外の温度差等により
結露現象が生じているもので、その原因の多くは、躯体
構造自体が空気層を有しないために、発生する湿気分を
外部に発散させずに、そのまま保有させるものとなって
いたからである。逆に、内部に空気層を有するものは、
その構造自体が脆弱になり、耐震性が良好ではなく、地
震が頻発する我国の建造物に適用するには、その耐力上
極めて問題が多いものである。
【0007】そこで、本発明は、叙上のような従来存し
た諸事情に鑑み創出されたもので、内部に形成した空気
層によって建造物全体に空気を流通させ、内部に生じる
結露現象を防止し、また、太陽から得られた暖気をパネ
ル内の空気層によって床下まで伝達させて蓄熱できるよ
うにし、しかも、建造物に付設の空気調和装置による冷
暖房作用をも全体に及ぼすことで特別な配管設備を不要
にでき、夏期には冷気を、冬期には暖気を建造物内に取
り入れて建造物内の温度、湿度を居住者に快適な状態に
保持できるものとし、更には、耐震、耐火性構造で建造
物全体の剛性、耐力を大きく向上できるユニットパネル
式構造躯体及びその建造物を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係るユニットパネル式構造躯体にあって
は、防湿処理が施された断熱材層5を配装して内部に空
気層15を形成したユニットパネル体1を適宜に組合せ
て互いに隣接配置したとき、それらの空気層15が連通
可能に構成されており、空気層15には、送気手段(3
0,55)を介して暖気、冷気を通気させるようにして
あることを特徴とする。
【0009】ユニットパネル体1は、不燃材の上下側枠
2、左右側枠3、化粧板4にて囲み、内部には防湿処理
が施された断熱材層5を配装し、この断熱材層5の前後
には化粧板4内側面に張設固定したコンクリート材層1
0との間において空気層15となる空隙を設定し、ま
た、内外の換気を図る開閉調節が可能な換気手段20を
配設して成るものとすることができる。
【0010】また、送気手段の一つは、太陽光によって
得た暖気を空気層15内に強制的に導入すべくした太陽
熱暖房機構30によるものとして構成することができ、
具体的には、構築された所定の建造物の屋上、壁面その
他に設置され、保温、断熱処理が施されたユニットボッ
クス31内を、太陽光を熱変換して暖気を形成させる暖
気室35と、この暖気室35にて形成された暖気あるい
はユニットボックス31外の外気のいずれかを選択、切
り換えてユニットパネル体1の空気層15内に導出させ
る導出切換室41とに区画して成るものである。そし
て、導出切換室41は、暖気室35内の暖気を導出切換
室41内に開放されることで案内し、閉塞されることで
暖気室35と導出切換室41とを遮断する案内ダクト4
2を介して暖気室35に連通し、また、ユニットボック
ス31外の外気を導出切換室41内に導入させる外気ダ
クト45と、導出切換室41内の暖気あるいは外気を前
記空気層15に導出させる送風ダクト46とを接続し、
外気ダクト45、送風ダクト46のいずれかを閉塞する
位置あるいは両者を開放させる中立位置に設定される切
換ダンパー47と、導出切換室41内に配装された送風
ファン44との協働作用で送風ダクト46に暖気あるい
は外気を導出させるようにして構成することができる。
【0011】送気手段の他の一つは、建造物に付設され
た冷暖房のための空気調和装置55によるものとして構
成することができ、具体的には、空気調和装置55の冷
暖気吹出口56とユニットパネル体1における換気手段
20とを送気ダクト57によって接続して成るものであ
る。
【0012】一方、本発明に係る建造物にあっては、防
湿処理が施された断熱材層5を配装して内部に空気層1
5を形成したユニットパネル体1を適宜に組合せて互い
に隣接配置し、それらの空気層15を相互に連通可能に
し、送気手段30,55を介して暖気、冷気を通気させ
るようにした建造物躯体を構築する一方、建造物の床下
には、送気手段(30,55)によっての暖気、冷気を
蓄熱する床下蓄熱層60を設けてあることを特徴とす
る。
【0013】床下蓄熱層60は、建造物の基礎構造体の
内周に形成した防水処理層65内側面に断熱材層66を
配装し、底部には、通気層68が内部に形成されている
ブロック体67を敷設し、このブロック体67上に砕石
の如き蓄熱材69を配装し、この蓄熱材69と床部材と
の間に空気層71を形成し、この空気層71は、床吹出
口73を介して建造物内に連通させてあるものとして構
成することができる。
【0014】
【作用】本発明に係るユニットパネル式構造躯体及びそ
の建造物にあっては、上下左右方向に連続して配置され
たユニットパネル体1相互間では、連通された空気層1
5が建造物全体を換気させ、建造物内における結露を防
止し、特に、空気層15は、内外を遮断し、全面的な熱
伝導率の平均化を図り、結露発生の一因となる冷熱橋を
構成せず、局部結露も生じさせない。
【0015】空気層15は、ユニットパネル体1内、更
には建造物の躯体内全体に暖気、冷気の空気を対流、循
環させ、また、送気手段(30,55)の作動によって
得られる暖気、冷気の通路を形成しており、特別な配管
設備を不要にしている。
【0016】相互に連続して配置されたユニットパネル
体1は、床部材、壁部材、天井部材、階床部材その他と
して構築されるとき、ユニットパネル体1内部の断熱材
層5がユニットパネル体1自体の堅牢性を増大させ、耐
震、耐火性を増大させ、建造物全体の剛性、耐力を良好
にする。
【0017】屋上等に設置された太陽熱暖房機構30に
おいて、暖気室35によって形成された暖気は、案内ダ
クト42を介して導出切換室41内に導入され、この導
出切換室41内の送風ファン44の駆動、切換ダンバー
47の切換等に対応し、冬期では暖気を送風ダクト46
を介してユニットパネル体1内に送気し、夏期ではその
まま外気ダクト45を介して外部に排出する。
【0018】すなわち、冬期にあって、暖気室35内部
の空気が加熱され、暖気が形成される一方、導出切換室
41内においては、直立状となった切換ダンバー47が
外気ダクト45を閉塞している状態で、送風ファン44
の駆動は、案内ダクト42を経て暖気を導出切換室41
内に導入し、送風ダクト46を経て強制的にユニットパ
ネル体1の空気層15内に導出させる。
【0019】また、夏期にあって、倒伏状となった切換
ダンバー47が送風ダクト46を閉塞している状態で、
送風ファン44の駆動は、暖気を外気ダクト45を経て
そのまま外部に放出させる。
【0020】更に、この夏期の運転時では、案内ダクト
42を閉塞し、外気ダクト45、送風ダクト46両者を
開放させるよう切換ダンバー47を中立位置にした状態
で、送風ファン44の駆動は、切換ダンバー47によっ
て送気方向を変換させて送風ダクト46内に送気するこ
とで導出切換室41内を負圧状態にし、これに伴ない、
その夜間における外気の冷気を外気ダクト45から導入
しながら、これを直接に送風ダクト46内に送気する。
【0021】一方、建造物に付設の空気調和装置55か
らの送気ダクト57は、空気調和装置55にて得られる
冷暖気を、ユニットパネル体1の空気層15内に強制的
に導出する。
【0022】ユニットパネル体1の空気層15内に導入
された暖気、冷気は、ユニットパネル体1自体をも暖房
あるいは冷却し、また、暖房あるいは冷却しながらも床
下蓄熱層60に送気されると、この床下蓄熱層60で
は、暖気、冷気のいずれをブロック体67、蓄熱材69
によってこれらを蓄熱させる。蓄熱された暖気、冷気
は、床吹出口73を経て建造物内部に徐々に放出し、建
造物全体を暖め、または冷却し、快適な居住空間を実現
させる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明するに、図において示される符号1は一般家屋、ビル
その他の各種の建造物を構築するための、内部に空気層
15を備えたユニットパネル体であり、このユニットパ
ネル体1自体を床部材、壁部材、天井部材、階床部材そ
の他として使用し、構枠するものである。
【0024】そして、内部の空気層15を利用して、建
造物内外を換気し結露を防止するものとし、また、太陽
熱暖房機構30における太陽光によって得られた暖気を
床下に案内し、床下蓄熱層60において蓄熱し建造物内
部を暖房するものとし、付設の空気調和装置55から得
られる暖気、冷気によっても建造物内部を冷暖房するも
のとしてある。
【0025】しかして、ユニットパネル体1は、図2、
図3に示すように、不燃材の上下側枠2、左右側枠3、
化粧板4にて囲み、内部には防湿処理が施された断熱材
層5を配装し、この断熱材層5の前後には化粧板4内側
面に張設固定したコンクリート材層10との間において
空気層15となる空隙を設定し、また、内外の換気を図
る開閉調節が可能な換気手段20を配設して成るもので
ある。
【0026】上下側枠2、左右側枠3は、適宜肉厚の剛
性材料、例えば鉄板等の金属製板、更には不燃材料で形
成された非金属製板その他の素材によって形成され、ユ
ニットパネル体1自体の大きさは、所定の建造物に使用
されるパネルとしての規格大きさに対応する。
【0027】断熱材層5は、ユニットパネル体1のほぼ
中央部に対峙状にして配装した前後一対の多孔性通気ボ
ード6相互間に、例えばグラスウール、ファイバーグラ
ス等の断熱、保温材料を充填したものである。通気ボー
ド6自体は、耐震性ないし防震性の多孔性鉄板等の金属
製、あるいは防湿性の多孔硬質板等の非金属製の素材に
て形成され、上下側枠2、左右側枠3夫々に連結されて
いて、ユニットパネル体1の内部の補強を兼ねた間仕切
りのものである。図示にあっては、平板状に形成された
鉄板に複数の通気孔7を適宜に配列開穿したものであ
る。なお、通気孔7自体の大きさ、配列形態その他は、
内部における通気が十分に考慮されれば足りるものとし
て選定され、場合によっては、例えば断熱材層5内に突
出するように形成した膨出部に通気孔7を開穿すること
もある(図示せず)。
【0028】また、通気ボード6と断熱材層5との間に
は、断熱材層5外側面に接着させた防湿材8を、更にこ
の防湿材8外側面に接着させたアルミ箔9等を介装させ
てある。すなわち、ユニットパネル体1内では、それ自
体の中心部から、順次に、断熱材層5、防湿材8、アル
ミ箔9、通気ボード6が積層状に配列されていること
で、断熱材層5に対する防湿処理が施される。なお、防
湿材8は、アスファルトフェルト、アスファルトルーフ
ィング等の公知の防湿性に優れた素材のものである。こ
の断熱材層5面に介装した防湿材8、アルミ箔9は、内
部に充填した断熱材層5への水滴の浸入を阻止し、その
保温性能を確保し、常時安定した断熱効果を発揮させ
る。
【0029】また、断熱材層5と前後一対の化粧板4夫
々との間に介在されるコンクリート材層10は、化粧板
4内側面と所定の間隔で隔てた金属または非金属の網製
のラス材11によって化粧板4内側面に固定され、適宜
の肉厚に設定される。
【0030】ラス材11によって固定されたコンクリー
ト材層10は、耐火性に優れ、火災その他による耐熱温
度を上昇させており、また、加熱による崩壊も少なくす
るばかりでなく、地震や衝撃を受けたときにも妄りに脱
落崩壊することがない耐震性能を具有し、堅牢性を増大
させているものである。
【0031】このコンクリート材層10と断熱材層5と
の間は、ユニットパネル体1内外の空気流通を可能な状
態にさせる空気層15が形成されるものとなり、この空
気層15自体は断熱材層5の前後に位置される。
【0032】更に、図示のように、ユニットパネル体1
自体の内部には、特に内部の補強を図るための補強支柱
17が上下側枠2夫々あるいは左右側枠3の内側面相互
間に、断熱材層5内を貫挿状にして連結されており、こ
の補強支柱17は、その両端部において、断面でほぼコ
字状のキャップ状を呈する連結キャップ19を介して上
下側枠2内側面に固着されている。すなわち、この補強
支柱17は、例えば上下方向に沿うように、上下側枠2
相互間に架装されており、また、前記断熱材層5内に貫
挿配置される。
【0033】また、この補強支柱17には、構枠時にお
ける建造物内側に位置する内側面側に外出する適数の連
結ピン18を突設してあり、他部材との連結が容易とな
るように、先端に例えばメネジが形成されていたり、先
端がフック状に形成されていたりする。そして、この連
結ピン18によって、建造物の骨格をなす柱部材、梁部
材、棧部材その他に連結でき、例えばその構築時に際
し、壁材とするとき、建造物周囲を囲繞する足場を必要
とせずに、吊り下げ状に支持された状態で建造物内側か
らのみの施工によってユニットパネル体1を取付設置で
きる利点がある。
【0034】連結キャップ19は、補強支柱17両端と
上下側枠2内側面との間における補強を図り、上下側枠
2あるいは左右側枠3自体の歪形をも阻止する。
【0035】もとより、この補強支柱17は、上下方向
に架装される場合に限らず、図示を省略したが、左右側
枠3相互間に架装して固定することもでき、また、適宜
に交差させてもよいものである。この補強支柱17は、
例えば建造物周囲に張り巡らすときに、図示を省略した
アンカーボルトによって係合されることでユニットパネ
ル体1自体を支持でき、荷重が付加されるときのパネル
自体の歪形を阻止するようにしてある。
【0036】こうした断熱材層5内に配装した補強支柱
17は、外郭を形成する上下側枠2あるいは左右側枠3
に連結されていることで、これらの外郭部材と共に内部
構造の補強を図り、しかも、これらと一体の化粧板4内
側面のコンクリート材層10と相俟ち、全体構造が堅牢
なものとなるため、一層の耐震性、耐火性に優れたもの
とし、建造物をこれらから十分に保護する。
【0037】更に、ユニットパネル体1自体の内部に形
成された空気層15における内外の空気流通を図るため
の換気手段20は、図示のように、上下位置で対応させ
て上下側枠2に開口させる上下換気口21、同じく左右
での側部位置で対応させて左右側枠3に開口させる左右
換気口22を備える。この換気手段20は、ユニットパ
ネル体1における内外二重の空気槽15夫々が、各別に
独自に換気されるように構成することも、互いに連通し
た状態で換気されるように構成することのいずれであっ
てもよく、構築される建造物における換気形態を考慮し
て設定されるものである。
【0038】上下換気口21は、建造物周囲に張り巡ら
されて、ユニットパネル体1自体を上下方向で配置する
とき、これらの上下換気口21夫々が互いに合致して上
下方向に沿う空気の還流を円滑にさせる。この上下換気
口21には、ガラリが配装されることもあり、その開口
構造は任意に設定できる。
【0039】一方、左右換気口22は、上下換気口21
と同様に、ユニットパネル体1自体を左右方向で配置す
るとき、これらの左右換気口22夫々が互いに合致して
周囲方向に沿う空気の還流を円滑にさせる。なお、この
左右換気口22には、上下換気口21にあるようなガラ
リ構造が採用されていないが、これは任意に選択可能で
ある。
【0040】これらの上下換気口21、左右換気口22
は、その開口形状を矩形、円形その他の形状のものとで
き、特に、その位置、大きさの選定によって、上下左右
に隣接配置されるユニットパネル体1における前述した
断熱材層5及び空気層15相互間の空気流通を円滑に行
なえるようにしてある。
【0041】更に、例えば設置されたときの建造物外部
側となるパネル本体1の前面側の化粧板4には、内部の
前記空気層15と開閉可能に連通された正面換気口23
が設けられている。この正面換気口23は、建造物外部
の風雨その他の内部への悪影響を防止するよう、フード
付きのガラリ構造のものとしてある。この正面換気口2
3は、すベてのパネルに設けられる必要はなく、隣接状
態で連結固定された組み立て設置時で、その幾つかに設
けられていれば足り、要は、適数のユニットパネル体1
相互間、更には外部との換気が図れるようになればよ
い。
【0042】また、ユニットパネル体1自体は、所定の
建造物を構築するに際しての適宜大きさの規格のものと
して、縦幅、横幅、肉厚等が予め設定されている。た
だ、施工に際し、必要があれば、ユニットパネル体1自
体は適宜に切断されるもので、その切断端面には、図示
を省略した当板が装着され、この当板内側面には、切断
された補強支柱17端に被装される連結キャップ19が
付設されているように形成しておくとよいものである。
【0043】このようなユニットパネル体1を上下、左
右方向に連続させて構枠設置し、所定の建造物を構築す
る一方、相互間で連通されているユニットパネル体1の
空気層15では、送気手段を介して暖気、冷気が建造物
全体に流通されるようになっている。このときの送気手
段は、太陽光によって得た暖気を空気層15内に強制的
に導入すベくした太陽熱暖房機構30による場合、建造
物に付設された、冷暖房のための空気調和装置55によ
る場合その他があり、これらのいずれか一方あるいは両
者が併用されるものとしてある。
【0044】図1、図4、図5に示された太陽熱暖房機
構30は、構築された所定の建造物の屋上、壁面その他
に設置され、保温、断熱処理が施されたユニットボック
ス31内を、太陽光を熱変換して暖気を形成させる暖気
室35と、この暖気室35にて形成された暖気あるいは
ユニットボックス31外の外気のいずれかを選択、切り
換えてユニットパネル体1の空気層15内に導出させる
導出切換室41とに区画し、暖気室35内の暖気を導出
切換室41内に開放されることで案内し、閉塞されるこ
とで暖気室35と導出切換室41とを遮断する案内ダク
ト42によって暖気室35と導出切換室41とを連通
し、また、ユニットボックス31外の外気を導出切換室
41内に導入させる外気ダクト45と、導出切換室41
内の暖気あるいは外気を前記空気層15に導出させる送
風ダクト46と導出切換室41に接続し、外気ダクト4
5、送風ダクト46のいずれかを閉塞する位置あるいは
両者45,46を開放する中立位置に設定される切換ダ
ンパー47と、導出切換室41内に配装された送風ファ
ン44との協働作用で送風ダクト46に暖気あるいは外
気を導出させるようにしたものである。
【0045】ユニットボックス31は、例えばアルミニ
ウム、ステンレス、鋼板、FRPその他にて枠組形成さ
れ、架台32によって建造物の屋上に設置され、図示の
ように、上面が強化ガラスによって被装された集熱板3
3を南面させて傾斜角度を25〜35度に設定して上部
に配装し、底部、前後左右の側部が保熱・断熱処理され
ることで形成されている。
【0046】暖気室35と導出切換室41とは、上方へ
の凹状に湾曲された反射盤34によってユニットボック
ス31の上下で区画配置されており、暖気室35には、
外気取入口37が開口されていて、取り入れられた外気
が熱せられ、案内ダクト42によって導出切換室41内
に暖気が送られるようにしてある。
【0047】暖気室35底部に位置する反射盤34は、
反射率の向上が図られるよう、表面研磨処理されたアル
ミニウム材、ステンレス材等を放物面状に湾曲したもの
であり、暖気室35内の空気が熱せられるようにしてい
る。この反射盤34は、放物面鏡の軸を東西方向にほぼ
合致させてあり、必要があれば、その仰角が季節毎の太
陽の軌道に対応させられるように調整されるものとして
ある。また、南面しているユニットボックス31の前後
側壁内側面には、集熱盤36が配装されており、この集
熱盤36は、例えば複数の溝部を有する一対のステンレ
ス鋼板をシーム溶接、スポット溶接等によって、夫々の
溝部を合致させて空洞部を形成するよう対接構成したも
のであり、表面を黒色塗装することで空洞部内の空気が
効率良く熱せられるようにしてある。
【0048】このように、集熱板33による集熱作用、
反射盤34による太陽光の反射作用等によって暖気室3
5内の空気が熱せられ、暖気室35内に熱エネルギーが
蓄熱されるもので、また、集熱盤36による集熱作用に
よってこの集熱盤36の空洞部内にも熱エネルギーが蓄
熱される。
【0049】導出切換室41は、反射盤34の下方に区
画形成されていて、ユニットボックス31の後部側壁に
接続した外気ダクト45、底部側壁に接続した送風ダク
ト46夫々によってユニットボックス31外の外気、ユ
ニットパネル体1内の空気層15夫々と連通されてい
る。また、ユニットボックス31の前部側壁側に配した
区画壁によって案内ダクト42に連通し、その連通部に
は送風ファン44が配装されており、更に、外気ダクト
45、送風ダクト46のいずれかを選択的に閉塞し、あ
るいは開放する切換ダンパー47が設けられている。
【0050】案内ダクト42は、暖気室35で形成され
た暖気を導出切換室41内に送り込むもので、その入口
側は暖気室35自体の上部、集熱盤36の空洞部夫々に
接続され、出口側は区画壁に接続されており、閉塞ダン
パー43によって案内ダクト42自体が開閉されるよう
になっている。
【0051】送風ファン44は、その正転時では、暖気
室35からの暖気を導出切換室41内に導入し、必要が
あればその逆転時に外気ダクト45を介して外気を導入
できるようにしてある。
【0052】外気ダクト45は、ユニットボックス31
外方にそのまま開口されたものであり、導出切換室41
内と外気とを連通させ、導出切換室41内の暖気を外気
に排出し、あるいは外気を導出切換室41内に導入す
る。
【0053】送風ダクト46は、構築されたユニットパ
ネル体1における換気手段20、例えばその正面換気口
23に接続され、送風ダクト46を介して送気される暖
気あるいは冷気がユニットパネル体1内の空気層15に
導入されるようにしてある。
【0054】なお、案内ダクト42、外気ダクト45、
送風ダクト46夫々は、耐熱塩化ビニール樹脂管、架橋
ポリエチレン樹脂管、ポリプロピレン樹脂管、ポリブデ
ン樹脂管等にて形成され、グラスウール、ロックウール
その他の保温・断熱処理材、更にはアルミニウム箔等に
て覆われ、送気される暖気、冷気が外部の温度によって
影響されないように配慮してある。
【0055】また、切換ダンバー47は、木質系素材、
強化耐熱合成樹脂素材等にて形成され、導出切換室41
内において、そのユニットボックス31の後部側壁と底
部側壁とが交差する隅部近傍をほぼ揺動中心として揺動
自在に支承され、その自由端には重錘48が付設されて
いて、モータ49の駆動にて滑車51を介して巻上げあ
るいは巻戻されるワイヤ52によって揺動開閉されるよ
うになっている。
【0056】そして、図5に示すように、モータ49の
駆動制御によって、冬期では、切換ダンバー47を直立
状にし、外気ダクト45開口を閉塞して送風ファン44
によって暖気を送風ダクト46内に送気し(図5(A)
参照)、あるいは夏期では、倒伏状にし、送風ダクト4
6開口を閉塞して同じく暖気をそのまま外部に放出排気
する(図5(B)参照)。更には、夏期の夜間等では、
ほぼ45度の中立状にし、案内ダクト42は閉塞ダンパ
ー43にて閉塞して送風ファン44によって切換ダンバ
ー47の傾斜下側面にて送風ダクト46内に送気するこ
とで、導出切換室41内を負圧状にし、その負圧に伴な
い外気ダクト45から導入される外気を直接に送風ダク
ト46内に送気する(図5(C)参照)。
【0057】この送風ファン44、切換ダンバー47を
切換制御するモータ49等は、暖気室35内の温度と、
床下蓄熱層60内の温度、建造物内の温度等との差温に
よって駆動されるようになっている。すなわち、暖気室
35に設置された高温側温度センサーと、床下蓄熱層6
0、建造物内の適宜箇所に設置された低温側温度センサ
ーとによって夫々の温度を検出し、それらの差温を予め
調整設定する差温サーモスタット(図示せず)によって
自動的に制御できるようにしておくものである。
【0058】図1、図6に示された空気調和装置55に
よる送気手段は、公知の冷暖房装置のものであり、その
冷暖気吹出口56とユニットパネル体1における換気手
段20、例えばその正面換気口23あるいは開口処理し
た開口とを送気ダクト57によって接続して成るもので
ある。なお、必要があれば、送気ダクト57内に小型モ
ータの駆動による送風ファンを配装することも可能であ
る。これによると、市販のエアコンを利用して、これに
よって得られた冷暖気を送気ダクト57を介してユニッ
トパネル体1内に導入でき、建造物全体に冷暖気を送る
ことができる。
【0059】床下蓄熱層60は、図1、図7に示すよう
に、建造物の基礎構造体内に構成設置されるもので、基
礎構造体内周に形成した防水処理層65内側面に断熱材
層66を配装し、底部には、通気層68が内部に形成さ
れているブロック体67を敷設し、このブロック体67
上に砕石の如き蓄熱材69を配装し、この蓄熱材69と
床部材との間に空気層71を形成し、この空気層71
は、床吹出口73を介して建造物内に連通させてあるも
のである。
【0060】基礎構造体は、通常の方法によって土中に
形成される、例えば布基礎状の基礎61と、この基礎6
1内方に配置される割り栗石62、砂または捨てコンク
リート63等から成っている。
【0061】防水処理層65は、防水用ポリエチレン樹
脂シート、アスファルトルーフィング等の防水シートの
ものであり、基礎61内側面に貼着固定され、必要があ
れば砂または捨てコンクリート63上面にも敷設され
る。
【0062】断熱材層66は、例えばグラスウール、ロ
ックウールその他の保温・断熱処理材にアルミニウム箔
等を被装したもので、防水処理層65と共に層状に形成
される。
【0063】ブロック体67は、軽量気泡コンクリート
製のALC板、コンクリートブロックその他によっで形
成されており、内部に設けられ通気層68は、ユニット
パネル体1における空気層15にも連通されるように配
慮されていて、強制的に送気される暖気あるいは冷気が
通気、換気されるようにしてある。
【0064】蓄熱材69は、砕石、砂利その他の粒径が
例えば4〜8cm程度のほぼ一定している小石材料を満
遍に敷き詰めることで形成し、これの内部に空気が流通
し、更にはブロック体67の通気層68内にも流通する
ようにしてある。
【0065】なお、床部材は、前述したように、例えば
ユニットパネル体1を水平状に設置することで構成する
ものであり、図示のように、基礎61上に配された土
台、大引材、根太材等の土台部材72上に支持されるこ
とで設けられる。この床部材と蓄熱材69との間の空隙
部分を空気層71とし、前記空気層15を経て送気され
る暖気、冷気を蓄熱させ、床部材に開口された床吹出口
73から暖気、冷気を室内に供給するようになってい
る。なお、この床吹出口73は、ユニットパネル体1自
体の適宜位置を開口加工して形成されたものであり、図
示を省略した蓋によって開閉自在にしてある。
【0066】また、この床下蓄熱層60自体は、基礎6
1外部と開閉自在な床下換気口75によって内外で換気
されるようにしてあり、結露が有効に防止されるように
配慮してある。
【0067】次に、ユニットパネル体1を壁部材、床部
材、階床部材、天井部材その他の建造物用の構築パネル
材として使用し、また、太陽熱暖房機構30、空気調和
装置55等の送気手段、床下蓄熱層60等の蓄熱手段を
共に組み込み構成する一例を説明する。
【0068】通常の方法によって基礎61、割り栗石6
2、砂または捨てコンクリート63等から成る基礎構造
体を構成する一方、防水処理層65、断熱材層66を周
囲に配装し、また、ブロック体67、蓄熱材69を積層
構成して床下蓄熱層60を形成し、床下換気口75によ
って外気と開閉自在にする。
【0069】床部材の構築は、ユニットパネル体1を土
台部材72上にほぼ水平状にして敷設し、適当に床吹出
口73を開口形成して床下蓄熱層60の空気層71に連
通させるのであり、ユニットパネル体1においてのガラ
リ構造の正面換気口23、連結ピン18その他は適宜に
補正、補修される。
【0070】壁部材の構築は、例えばユニットパネル体
1を吊り下げ状に支持しながら、柱部材、棧部材等の建
造物骨格部材等に適宜に固定するもので、その固定に際
し、ユニットパネル体1内側面側に突出する連結ピン1
8を利用でき、建造物内側からのみのワンサイド施工を
可能にする。上下左右方向に連続して配置されるユニッ
トパネル体1相互間では、それらの空気層15が連通さ
れるようにさせられ、また、床部材用のユニットパネル
体1との間ではそれらの突き当て面夫々に適当な開口処
理が施されてそれらとも連通されるようになっている。
そしてまた、必要があれば、換気手段20において、適
宜に組合せられたユニットパネル体1相互間では換気、
流通が図られるように互いに連通されるも、建造物外に
露出する換気手段20、例えばガラリ構造となっている
正面換気口23においては、適宜に閉塞処理が施された
り、取り除かれて閉塞されたり等して外気と遮断される
ように施工される。
【0071】天井部材、階床部材の構築は、その階層毎
に床部材と同様に水平状に支持されながら壁部材のユニ
ットパネル体1相互間で架装することで、また、梁材等
の建造物骨格部材上に敷設することで固定され、これの
空気層15も、他のユニットパネル体1と同様に互いに
連通するように処理される。
【0072】なお、階床部材の構築に際し、梁材上に架
装されたデッキプレート、キーストンプレートの如き波
形鋼板上に鉄筋コンクリート材を打設した後、その上に
敷設することで構成することもある。
【0073】これらの床部材、壁部材、階床部材等とし
て構築されるとき、一定の規格大きさに形成されている
ユニットパネル体1自体が対応合致しない場合には、適
宜に切断されることがあり、そのときの切断端面には適
当な当板(図示せず)が固定されるものとなっている。
【0074】更に、例えば屋上等に設置された太陽熱暖
房機構30において、その送風ダクト46端を、ユニッ
トパネル体1における換気手段20、例えばその正面換
気口23に接続し、太陽熱暖房機構30によって得られ
た暖気、冷気がユニットパネル体1内に導入されるよう
にしてある。
【0075】ここで、太陽熱暖房機構30にあっては、
外気と建造物内とに温度差があるとき、太陽熱から得ら
れた暖気、あるいは夏期夜間の冷気等を建造物内に取り
込むようにするもので、その選択、制御によって送風フ
ァン44、切換ダンバー47を切換制御するモータ49
等が駆動される。
【0076】例えば、冬期において、太陽熱暖房機構3
0の上面に配置された集熱板33、底部に配装した反射
盤34、前後に配した空洞部がある集熱盤36等によっ
て内部の空気が加熱され、暖気が形成される。一方、図
5(A)に示されるように、切換ダンバー47を直立状
にして外気ダクト45開口を閉塞した状態で、送風ファ
ン44を駆動すると、案内ダクト42を経て暖気室35
内の暖気が導出切換室41内に導入され、送風ダクト4
6を経て強制的にユニットパネル体1の空気層15内に
導出される。空気層15内に導入された暖気は、ユニッ
トパネル体1自体をも暖めながらも床下蓄熱層60に送
気されてここに蓄熱されると共に、床吹出口73を経て
建造物内部に放出される。その結果、建造物全体を暖
め、快適な暖房状態を実現する。
【0077】また、夏期において、図5(B)に示され
るように、切換ダンバー47を倒伏状にして送風ダクト
46開口を閉塞した状態にしておいて、暖気室35に生
じた暖気を開口された外気ダクト45を経てそのまま外
部に放出排気するものとしてある。
【0078】更に、この夏期の運転時では、その夜間に
おいての外気の冷気を導入するとき、図5(C)に示さ
れるように、外気ダクト45、送風ダクト46を開放さ
せるよう切換ダンバー47をほぼ45度の中立状にし、
案内ダクト42は閉塞ダンパー43にて閉塞した状態に
しておいて、送風ファン44によって切換ダンバー47
の傾斜下側面方向に送気すると、この切換ダンバー47
によって送気方向が変換されて送風ダクト46内に送気
されるものとなり、これに伴ない導出切換室41内を負
圧状態にすることで外気ダクト45から導入される外気
を直接に送風ダクト46内に送気する。
【0079】このようにして送気される暖気、冷気は、
ユニットパネル体1夫々の空気層15内に導入されるこ
とでユニットパネル体1自体を暖め、あるいは冷却しな
がら換気し、床下蓄熱層60内に至り、床部材の床吹出
口73を経て室内に放出される。
【0080】なお、暖気を利用して、太陽熱暖房機構3
0内に配管した給湯管に供給する水を加熱し、温水化す
ることもでき、太陽熱の一層の有効利用を図ることがで
きるものとしてもよい(図示せず)。
【0081】一方、建造物に付設される空気調和装置5
5の冷暖気吹出口56とユニットパネル体1の空気層1
5とを、送気ダクト57によって連通させて構成する。
これは、これを単独にて装置する場合に限らず、太陽熱
暖房機構30と併設されるものであってもよく、太陽熱
暖房機構30によって所定の冷暖房作用が得られない場
合に有効であり、特に、ユニットパネル体1内の換気を
強制的に行なうことができる。
【0082】連続状態で隣接構築されたユニットパネル
体1において、その内外に配された空気層15は、ユニ
ットパネル体1相互間で夫々が連通されているものとし
てあり、建造物全体においての換気に際し、外側の空気
層15と内側の空気層15とは全体で対流状になるよう
にすることも可能であり、その場合には、全体の換気を
一層良好にする。
【0083】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
これがため、内部に形成した空気層15によって建造物
全体に空気を流通させ、家屋、ビルその他の各種建造物
内部に生じる結露現象を防止できるものである。
【0084】また、太陽熱暖房機構30によって、太陽
から得られた暖気をユニットパネル体1内の空気層15
を介して床下まで伝達させて床下蓄熱層60によって蓄
熱でき、蓄熱させた暖気、冷気を徐々に放出すること
で、建造物内をして居住者に快適な居住空間を実現させ
るものである。しかも、建造物に付設の空気調和装置5
5による冷暖房作用を全体に及ぼすことで特別な配管設
備をも不要にでき、夏期には冷気を、冬期には暖気を建
造物内に取り入れて建造物内の温度、湿度を居住者に快
適な状態に保持でき、省エルルギーにも効果があるもの
である。
【0085】更には、ユニットパネル体1自体は、耐
震、耐火性構造で建造物全体の剛性、耐力を大きく向上
できるばかりでなく、各種の建造物の構築に際し、経済
的に、短期間で施工でき、工費を節減する等の優れた効
果を得ることができるものである。
【0086】また、上下左右方向に連続して配置された
ユニットパネル体1相互間では、換気手段20を介して
連通された空気層15が建造物全体に空気を対流させ、
また、内外で換気させるものであり、建造物内における
結露を防止し、四季の変化、昼夜の変動その他に伴なう
ユニットパネル体1内外での温度差、湿度差が生じてい
ても、これらに起因する表面結露、内部結露の発生を回
避させ、水滴等による損傷を生じさせない。したがっ
て、マンション、戸建ての一般住宅ではその住まい環境
を快適なものとし、ビル、工場その他の鉄骨構造物更に
は一般建造物においての躯体の長い寿命化を図ることが
できるものである。
【0087】しかも、相互に連続して配置されたユニッ
トパネル体1は、床部材、壁部材、天井部材、階床部材
その他として構築されるとき、ユニットパネル体1内部
の補強支柱17が配装されている断熱材層5がユニット
パネル体1自体の堅牢性を増大させ、外郭を形成する上
下側枠2あるいは左右側枠3に連結されている補強支柱
17と相俟ち、耐震、耐火性を増大させているから、建
造物全体の剛性、耐力を良好にする。
【0088】また、送気手段として、屋上等に設置され
た太陽熱暖房機構30は、太陽熱から暖気を効率的に形
成するソーラーシステムとして極めて有効であり、導出
切換室41内に配装された送風ファン44の駆動によっ
て暖気をユニットパネル体1内の空気層15を経て床下
蓄熱層60内に蓄熱させるのであり、その暖気を送り込
むのに、特別な立ち下がりダクトの設置を必要とせず、
建造物内を広く使用させる利点がある。
【0089】この太陽熱暖房機構30においての導出切
換室41内の暖気あるいは冷気をユニットパネル体1内
に導入したり、外気に排出したりするための送気方向の
切換は、暖気室35と導出切換室41とを連通させてい
る案内ダクト42の開閉、送風ファン44の駆動、切換
ダンバー47の切換等によって対応でき、しかも、建造
物内外の温度差によってこれらを自動的に、遠隔的に制
御できるようにすることも可能で、運転、保守、点検そ
の他も容易である。
【0090】特に、導出切換室41内においての切換ダ
ンバー47は、その直立状態、倒伏状態の姿勢の変更に
よって外気ダクト45あるいは送風ダクト46のいずれ
かを開閉でき、また、ほぼ45度の中立位置とすること
で、案内ダクト42の閉塞状態にあるときの送風ファン
44の駆動によって、導出切換室41内部の負圧状態に
伴ない外気を導入しながら、送風ダクト46を介して空
気層15内に送気できるもので、簡素な機構によって送
気方向の切換を円滑にできるものである。
【0091】一方、建造物に付設の空気調和装置55か
らの暖気、冷気は、送気ダクト57を経てユニットパネ
ル体1内の空気層15内に強制的に導出でき、ユニット
パネル体1の空気層15を利用することで、建造物全体
に対する冷房、暖房のための空調配管を不要にでき、簡
素な構造にすることを可能にする。
【0092】更には、ユニットパネル体1の空気層15
内に導入された暖気、冷気は、ユニットパネル体1自体
をも暖房あるいは冷却するから、建造物全体の温度調整
に極めて効率的である。しかも、暖房あるいは冷却しな
がらも床下蓄熱層60に送気されると、この床下蓄熱層
60では、暖気、冷気のいずれをブロック体67、蓄熱
材69によってこれらを蓄熱させるから、蓄熱された暖
気、冷気は、床吹出口73を経て建造物内部に徐々に放
出されるのであり、これによっても建造物全体を暖め、
または冷却し、快適な居住空間を実現させるものであ
る。
【0093】また、床下蓄熱層60は、建造物の基礎構
造体の内周に形成した防水処理層65によって、土中の
湿気分と遮断されており、その湿気分がユニットパネル
体1の空気層15内に浸入せず、乾燥された状態の暖
気、冷気を建造物内に循環させ、結露を生じさせる余地
もないものとしてある。
【0094】そればかりでなく、ユニットパネル体1内
の断熱材層5における通気ボード6に通気孔7を配列開
穿しておくと、この通気孔7は、地震時において、その
衝撃波を逃がし、圧力を吸収するのであり、放散する逃
げ途として衝撃波逃がし作用をも発揮しており、地震に
対しての十分な強度を得させる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】太陽熱暖房機構を接続した建造物全体の概略断
面図である。
【図2】ユニットパネル体の一部切欠斜視図である。
【図3】その横断面図である。
【図4】太陽熱暖房機構の断面図である。
【図5】太陽熱暖房機構にあって、(A)は冬期におい
ての暖気を取り入れるときの要部概略断面図であり、
(B)は夏期においての暖気を排出するときの要部概略
断面図であり、(C)は夏期において冷気を取り入れる
ときの要部概略断面図である。
【図6】付設の空気調和装置を接続した場合の要部断面
図である。
【図7】床下蓄熱層の断面図である。
【符号の説明】
1 ユニットパネル体 2 上下側枠 3 左右側枠 4 化粧板 5 断熱材層 6 通気ボード 7 通気孔 8 防湿材 9 アルミ箔 10 コンクリ
ート材層 11 ラス材 15 空気層 17 補強支柱 18 連結ピン 19 連結キャップ 20 換気手段 21 上下換気口 22 左右換気
口 23 正面換気口 30 太陽熱暖房機構 31 ユニット
ボックス 32 架台 33 集熱板 34 反射盤 35 暖気室 36 集熱盤 37 外気取入
口 41 導出切換室 42 案内ダク
ト 43 閉塞ダンパー 44 送風ファ
ン 45 外気ダクト 46 送風ダク
ト 47 切換ダンバー 48 重錘 51 滑車 52 ワイヤ 55 空気調和装置 56 冷暖気吹
出口 57 送気ダクト 60 床下蓄熱層 61 基礎 62 割り栗石 63 砂または
捨てコンクリート 65 防水処理層 66 断熱材層 67 ブロック体 68 通気層 69 蓄熱材 71 空気層 72 土台部材 73 床吹出口 75 床下換気口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防湿処理が施された断熱材層を配装して
    内部に空気層を形成したユニットパネル体を適宜に組合
    せて互いに隣接配置したとき、それらの空気層が連通可
    能に構成されており、空気層には、送気手段を介して暖
    気、冷気を通気させるようにしてあることを特徴とする
    ユニットパネル式構造躯体。
  2. 【請求項2】 ユニットパネル体は、不燃材の上下側
    枠、左右側枠、化粧板にて囲み、内部には防湿処理が施
    された断熱材層を配装し、この断熱材層の前後には化粧
    板内側面に張設固定したコンクリート材層との間におい
    て空気層となる空隙を設定し、また、内外の換気を図る
    開閉調節が可能な換気手段を配設して成る請求項1記載
    のユニットパネル式構造躯体。
  3. 【請求項3】 送気手段は、太陽光によって得た暖気を
    空気層内に強制的に導入すベくした太陽熱暖房機構によ
    るものとした請求項1または2記載のユニットパネル式
    構造躯体。
  4. 【請求項4】 太陽熱暖房機構は、構築された所定の建
    造物の屋上、壁面その他に設置され、保温、断熱処理が
    施されたユニットボックス内を、太陽光を熱変換して暖
    気を形成させる暖気室と、この暖気室にて形成された暖
    気あるいはユニットボックス外の外気のいずれかを選
    択、切り換えてユニットパネル体の空気層内に導出させ
    る導出切換室とに区画して成る請求項3記載のユニット
    パネル式構造躯体。
  5. 【請求項5】 導出切換室は、暖気室内の暖気を導出切
    換室内に開放されることで案内し、閉塞されることで暖
    気室と導出切換室とを遮断する案内ダクトを介して暖気
    室に連通し、また、ユニットボックス外の外気を導出切
    換室内に導入させる外気ダクトと、導出切換室内の暖気
    あるいは外気をユニットパネル体の空気層に導出させる
    送風ダクトとを接続し、外気ダクト、送風ダクトのいず
    れかを閉塞する位置あるいは両者を開放する中立位置に
    設定される切換ダンパーと、導出切換室内に配装された
    送風ファンとの協働作用で送風ダクトに暖気あるいは外
    気を導出させるようにしてある請求項4記載のユニット
    パネル式構造躯体。
  6. 【請求項6】 送気手段は、建造物に付設された冷暖房
    のための空気調和装置によるものとした請求項1または
    2記載のユニットパネル式構造躯体。
  7. 【請求項7】 空気調和装置は、その冷暖気吹出口とユ
    ニットパネル体における換気手段とを送気ダクトによっ
    て接続して成る請求項6記載のユニットパネル式構造躯
    体。
  8. 【請求項8】 防湿処理が施された断熱材層を配装して
    内部に空気層を形成したユニットパネル体を適宜に組合
    せて互いに隣接配置し、それらの空気層を相互に連通可
    能にし、送気手段を介して暖気、冷気を通気させるよう
    にした建造物躯体を構築する一方、建造物の床下には、
    送気手段によっての暖気、冷気を蓄熱する床下蓄熱層を
    設けてあることを特徴とする建造物。
  9. 【請求項9】 床下蓄熱層は、建造物の基礎構造体の内
    周に形成した防水処理層内側面に断熱材層を配装し、底
    部には、通気層が内部に形成されているブロック体を敷
    設し、このブロック体上に砕石の如き蓄熱材を配装し、
    この蓄熱材と床部材との間に空気層を形成し、この空気
    層は、床吹出口を介して建造物内に連通させてある請求
    項8記載の建造物。
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Cited By (4)

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