JPH0598530A - 伸縮性特殊加工糸の製造方法 - Google Patents
伸縮性特殊加工糸の製造方法Info
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- JPH0598530A JPH0598530A JP3290529A JP29052991A JPH0598530A JP H0598530 A JPH0598530 A JP H0598530A JP 3290529 A JP3290529 A JP 3290529A JP 29052991 A JP29052991 A JP 29052991A JP H0598530 A JPH0598530 A JP H0598530A
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- JP
- Japan
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- yarn
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 加工糸の有する伸縮性を、この加工糸を用い
た織物に十分に発現し得る伸縮性特殊加工糸の製造方法
を提供する。 【構成】 合成繊維糸条を仮撚加工し,次いで前記糸条
に対して糊剤が1〜30重量%付着するように糊剤溶液を
付与した後、弛緩熱処理する。 【効果】 得られる伸縮性特殊加工糸は、仮撚加工によ
る捲縮構造を保持したまま、糊剤によってその構造が固
定されたものとなる。このため、後工程で糊剤が除去さ
れると、捲縮性と伸縮性が発現し、従来にない伸縮性を
有する織物を得ることができる。
た織物に十分に発現し得る伸縮性特殊加工糸の製造方法
を提供する。 【構成】 合成繊維糸条を仮撚加工し,次いで前記糸条
に対して糊剤が1〜30重量%付着するように糊剤溶液を
付与した後、弛緩熱処理する。 【効果】 得られる伸縮性特殊加工糸は、仮撚加工によ
る捲縮構造を保持したまま、糊剤によってその構造が固
定されたものとなる。このため、後工程で糊剤が除去さ
れると、捲縮性と伸縮性が発現し、従来にない伸縮性を
有する織物を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸縮性特殊加工糸の製
造方法に係わり、さらに詳しくは、加工糸の有する伸縮
性を、この加工糸を用いた織物に十分に発現し得る伸縮
性特殊加工糸の製造方法に関するものである。
造方法に係わり、さらに詳しくは、加工糸の有する伸縮
性を、この加工糸を用いた織物に十分に発現し得る伸縮
性特殊加工糸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、合成繊維糸条を仮撚加工すれ
ば、捲縮の発現により伸縮性や嵩高性を有する加工糸が
得られ、この加工糸を用いた織物は、仮撚加工していな
い糸条を用いた織物に比べて風合等が改善されることは
よく知られている。
ば、捲縮の発現により伸縮性や嵩高性を有する加工糸が
得られ、この加工糸を用いた織物は、仮撚加工していな
い糸条を用いた織物に比べて風合等が改善されることは
よく知られている。
【0003】しかしながら、主として次のような理由に
より十分な伸縮性を有する織物は得られなかった。すな
わち,仮撚加工糸から織物を製造するにあたって、経糸
用加工糸については、集束性や製織性を向上させるため
糊付けを行うが、この場合、仮撚加工糸は緊張状態で糊
付けされる。そのため、仮撚加工によって発現した捲縮
は緊張下で引き伸ばされ、見掛け上捲縮が消失した状態
で糊付けにより固定される。
より十分な伸縮性を有する織物は得られなかった。すな
わち,仮撚加工糸から織物を製造するにあたって、経糸
用加工糸については、集束性や製織性を向上させるため
糊付けを行うが、この場合、仮撚加工糸は緊張状態で糊
付けされる。そのため、仮撚加工によって発現した捲縮
は緊張下で引き伸ばされ、見掛け上捲縮が消失した状態
で糊付けにより固定される。
【0004】緯糸用加工糸については、一般に糊付け工
程は省略されるものの、織機の構造上、加工糸はやはり
引っ張られた状態で織組織が構成される。そして,いっ
たん織組織が構成されると、織物中の各々の加工糸は動
きが固定されるため捲縮を復元させることが困難であ
り、このため仮撚加工による捲縮性、伸縮性を十分に活
かした織物を得ることはできず、得られる織物は伸縮性
に乏しいものであった。
程は省略されるものの、織機の構造上、加工糸はやはり
引っ張られた状態で織組織が構成される。そして,いっ
たん織組織が構成されると、織物中の各々の加工糸は動
きが固定されるため捲縮を復元させることが困難であ
り、このため仮撚加工による捲縮性、伸縮性を十分に活
かした織物を得ることはできず、得られる織物は伸縮性
に乏しいものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、仮撚加
工により糸条に付与した捲縮性や伸縮性を、この加工糸
を使用した織物に十分に発現させることができなかっ
た。本発明は上記のの欠点を解消し、織物とした場合
に、仮撚加工による捲縮性と伸縮性を十分に活かし得る
伸縮性特殊加工糸の製造方法を提供することを技術的な
課題とするものである。
工により糸条に付与した捲縮性や伸縮性を、この加工糸
を使用した織物に十分に発現させることができなかっ
た。本発明は上記のの欠点を解消し、織物とした場合
に、仮撚加工による捲縮性と伸縮性を十分に活かし得る
伸縮性特殊加工糸の製造方法を提供することを技術的な
課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、合成繊維糸条
を仮撚加工し,次いで前記糸条に対して糊剤が1〜30重
量%付着するように糊剤溶液を付与した後、弛緩熱処理
することを特徴とする伸縮性特殊加工糸の製造方法を要
旨とするものである。
を仮撚加工し,次いで前記糸条に対して糊剤が1〜30重
量%付着するように糊剤溶液を付与した後、弛緩熱処理
することを特徴とする伸縮性特殊加工糸の製造方法を要
旨とするものである。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明では、まず合成繊維糸条を仮撚加工
する。本発明でいう合成繊維とは、ポリエステル系繊
維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、
ポリビニルアルコール系繊維、アセテート系繊維等の繊
維を意味し、仮撚加工が可能な繊維であれば特に限定さ
れるものではない。また、糸条とは、マルチフィラメン
ト糸のことであって、延伸糸、高配向未延伸糸、異形断
面糸、複合糸等を含む。
する。本発明でいう合成繊維とは、ポリエステル系繊
維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、
ポリビニルアルコール系繊維、アセテート系繊維等の繊
維を意味し、仮撚加工が可能な繊維であれば特に限定さ
れるものではない。また、糸条とは、マルチフィラメン
ト糸のことであって、延伸糸、高配向未延伸糸、異形断
面糸、複合糸等を含む。
【0009】ここで仮撚加工とは、糸条に嵩高性と伸縮
性を付与するため、加撚−熱固定−解撚を連続して行う
糸加工であり、一般的な条件及び通常の設備を使用して
仮撚加工を行うことができる。
性を付与するため、加撚−熱固定−解撚を連続して行う
糸加工であり、一般的な条件及び通常の設備を使用して
仮撚加工を行うことができる。
【0010】本発明においては、上記の仮撚加工を行っ
た後、さらに引続いて合成繊維糸条に対して糊剤が1重
量%以上付着するように糊剤溶液を付与し、次いで弛緩
熱処理することが必要である。
た後、さらに引続いて合成繊維糸条に対して糊剤が1重
量%以上付着するように糊剤溶液を付与し、次いで弛緩
熱処理することが必要である。
【0011】このように仮撚加工してから、得られる仮
撚加工糸に対して糊剤が1〜30重量%付着するように糊
剤溶液を付与した後、弛緩熱処理するので、仮撚加工糸
は嵩高性と伸縮性を示す状態で糊剤溶液が付与されると
ともに、弛緩熱処理によって糊剤溶液が乾燥し、糊剤が
糸条に固着する。そのため、得られる伸縮性特殊加工糸
は、仮撚加工による捲縮構造を保持したまま、糊剤によ
ってその構造が固定されたものとなる。
撚加工糸に対して糊剤が1〜30重量%付着するように糊
剤溶液を付与した後、弛緩熱処理するので、仮撚加工糸
は嵩高性と伸縮性を示す状態で糊剤溶液が付与されると
ともに、弛緩熱処理によって糊剤溶液が乾燥し、糊剤が
糸条に固着する。そのため、得られる伸縮性特殊加工糸
は、仮撚加工による捲縮構造を保持したまま、糊剤によ
ってその構造が固定されたものとなる。
【0012】糊剤としては、従来の糊付け工程で使用さ
れている一般的な糊剤を使用することが可能であり、例
えば、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル、ポ
リメタアクリル酸塩、 ポリアクリルアマイド、ポリビ
ニルアルコール、酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合
体、アルギン酸ソーダ、ポリエステル共重合体、澱粉類
等がある。これらの中でも、高速織機として汎用化して
いるウォータージェットルームに適した糊剤として、特
にポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル等のポリ
アクリル酸誘導体が好ましい。
れている一般的な糊剤を使用することが可能であり、例
えば、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル、ポ
リメタアクリル酸塩、 ポリアクリルアマイド、ポリビ
ニルアルコール、酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合
体、アルギン酸ソーダ、ポリエステル共重合体、澱粉類
等がある。これらの中でも、高速織機として汎用化して
いるウォータージェットルームに適した糊剤として、特
にポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステル等のポリ
アクリル酸誘導体が好ましい。
【0013】本発明では、仮撚加工糸に糊剤を比較的均
一に付与するため、上記糊剤を水あるいは有機溶剤に溶
解し、糊剤溶液として用いるが、安全上及び設備上の点
から糊剤を水溶液として用いることが好ましい。
一に付与するため、上記糊剤を水あるいは有機溶剤に溶
解し、糊剤溶液として用いるが、安全上及び設備上の点
から糊剤を水溶液として用いることが好ましい。
【0014】この場合、糊剤溶液における糊剤の濃度と
しては糊剤溶液の粘度、糸加工速度等によって異なる
が、一般に5〜50重量%となるように調製するのが好ま
しい。また、糊剤溶液に平滑剤、浸透剤、静電気防止剤
等の各種添加剤を添加することも可能である。
しては糊剤溶液の粘度、糸加工速度等によって異なる
が、一般に5〜50重量%となるように調製するのが好ま
しい。また、糊剤溶液に平滑剤、浸透剤、静電気防止剤
等の各種添加剤を添加することも可能である。
【0015】上述のような糊剤溶液を適宜調製して、仮
撚加工糸に対して糊剤が1〜30重量%、好ましくは5〜
20重量%付着するように付与する。
撚加工糸に対して糊剤が1〜30重量%、好ましくは5〜
20重量%付着するように付与する。
【0016】仮撚加工糸に対する糊剤の付着量が1重量
%未満の場合、製織時に糸条に掛かる張力に対して捲縮
構造を保持することが困難であり、また集束性に欠ける
ため操業性が低下するという問題がある。一方,糊剤の
付着量が30重量%を超えると、糊剤が付着した合成繊維
糸条の表面が平滑性に欠けるものとなり、製織時の摩擦
等により糊剤外層の剥離や飛散が発生しやすくなるとい
う問題があるうえ、必要以上の糊剤を付着させることは
いたずらにコストアップを招くのみである。
%未満の場合、製織時に糸条に掛かる張力に対して捲縮
構造を保持することが困難であり、また集束性に欠ける
ため操業性が低下するという問題がある。一方,糊剤の
付着量が30重量%を超えると、糊剤が付着した合成繊維
糸条の表面が平滑性に欠けるものとなり、製織時の摩擦
等により糊剤外層の剥離や飛散が発生しやすくなるとい
う問題があるうえ、必要以上の糊剤を付着させることは
いたずらにコストアップを招くのみである。
【0017】仮撚加工糸に糊剤溶液を付与する方法は、
糊剤を前述した範囲に付着し得る方法であれば特に限定
されるものではないが、例えば、液体用ノズル法、ロー
ルキスコーター法、ディップ−ニップ法、スプレーノズ
ル法等がある。
糊剤を前述した範囲に付着し得る方法であれば特に限定
されるものではないが、例えば、液体用ノズル法、ロー
ルキスコーター法、ディップ−ニップ法、スプレーノズ
ル法等がある。
【0018】液体用ノズル法とは、糸条を通過させるた
めの細管及びこの細管の内壁に液体を供給するための吐
出孔を設けた液体付与ノズルを用い、糸条が細管内を通
過すると同時に吐出孔から糊剤溶液を供給し、糸条に直
接糊剤溶液を付与する方法である。
めの細管及びこの細管の内壁に液体を供給するための吐
出孔を設けた液体付与ノズルを用い、糸条が細管内を通
過すると同時に吐出孔から糊剤溶液を供給し、糸条に直
接糊剤溶液を付与する方法である。
【0019】また、ロールキスコーター法とは、付与す
る糊剤溶液中に浸漬したロールを回転させ、ロール表面
に付着した糊剤溶液に糸条を接触させながら走行させて
糊剤溶液を付与する方法である。
る糊剤溶液中に浸漬したロールを回転させ、ロール表面
に付着した糊剤溶液に糸条を接触させながら走行させて
糊剤溶液を付与する方法である。
【0020】次に、ディップ−ニップ法とは、付与する
糊剤溶液に糸条を浸漬させた後、加圧された一対のゴム
製あるいは金属製のロールで絞る方法である。さらに、
スプレーノズル法とは、付与する糊剤溶液を噴霧スプレ
ーノズルで糸条に噴霧して付与する方法である。
糊剤溶液に糸条を浸漬させた後、加圧された一対のゴム
製あるいは金属製のロールで絞る方法である。さらに、
スプレーノズル法とは、付与する糊剤溶液を噴霧スプレ
ーノズルで糸条に噴霧して付与する方法である。
【0021】前述したように、本発明では、仮撚加工さ
れた合成繊維糸条に糊剤溶液を付与した後、弛緩熱処理
することにより、糸条の捲縮構造を保持したまま、糊剤
溶液の溶剤を除去し、糊剤を糸条表面に固着させるもの
である。この場合、仮撚加工糸を緊張状態で熱処理する
と、捲縮は引き伸ばされた状態で固定されるので、捲縮
構造を保持するためには糸条を弛緩状態、すなわち、オ
ーバーフィードをかけた状態で熱処理する必要がある。
この場合のオーバーフィード率としては5〜70%程度が
好ましい。また、本発明では弛緩熱処理を必要とするの
であるが、糊剤溶液を糸条に付与するときには弛緩状
態、緊張状態のいずれも採用可能である。
れた合成繊維糸条に糊剤溶液を付与した後、弛緩熱処理
することにより、糸条の捲縮構造を保持したまま、糊剤
溶液の溶剤を除去し、糊剤を糸条表面に固着させるもの
である。この場合、仮撚加工糸を緊張状態で熱処理する
と、捲縮は引き伸ばされた状態で固定されるので、捲縮
構造を保持するためには糸条を弛緩状態、すなわち、オ
ーバーフィードをかけた状態で熱処理する必要がある。
この場合のオーバーフィード率としては5〜70%程度が
好ましい。また、本発明では弛緩熱処理を必要とするの
であるが、糊剤溶液を糸条に付与するときには弛緩状
態、緊張状態のいずれも採用可能である。
【0022】また、熱処理温度は、糊剤の種類、溶剤の
種類、糊剤溶液の濃度、糊剤溶液の糸条への付与量等に
よって異なるが、例えば、糊剤の溶剤として水を用いる
場合、通常150℃以上、好ましくは200℃以上である。
種類、糊剤溶液の濃度、糊剤溶液の糸条への付与量等に
よって異なるが、例えば、糊剤の溶剤として水を用いる
場合、通常150℃以上、好ましくは200℃以上である。
【0023】次に,本発明の一実施態様を図面により説
明する。
明する。
【0024】図1は、本発明を実施するため、2ヒータ
型仮撚加工機に液体付与ノズル6を取り付け、さらに糊
剤溶液付与時と弛緩熱処理時のオーバーフィード率を独
立に設定できるように第2デリベリローラ7を増設した
加工機の一例を示す概略工程図である。
型仮撚加工機に液体付与ノズル6を取り付け、さらに糊
剤溶液付与時と弛緩熱処理時のオーバーフィード率を独
立に設定できるように第2デリベリローラ7を増設した
加工機の一例を示す概略工程図である。
【0025】図1において、合成繊維糸条は原糸パーン
1からフィードローラ2に給糸されて第1ヒータ3で加
熱されながら加撚され、仮撚スピンドル4を通過後、解
撚される。糸条は第1デリベリローラ5を通過後、液体
付与ノズル6に導入され、ここで糊剤溶液が付与され
る。糸条は、引続き第2デリベリローラ7を通過後、第
2ヒータ8で熱処理され、第3デリベリローラ9で引き出
されつつ捲取ローラ10で捲き取られる。なお、図1には
示していないが、糊剤溶液貯槽缶からギヤポンプによっ
て液体付与ノズル6へ糊剤溶液を定量的に供給できるよ
うになっている。
1からフィードローラ2に給糸されて第1ヒータ3で加
熱されながら加撚され、仮撚スピンドル4を通過後、解
撚される。糸条は第1デリベリローラ5を通過後、液体
付与ノズル6に導入され、ここで糊剤溶液が付与され
る。糸条は、引続き第2デリベリローラ7を通過後、第
2ヒータ8で熱処理され、第3デリベリローラ9で引き出
されつつ捲取ローラ10で捲き取られる。なお、図1には
示していないが、糊剤溶液貯槽缶からギヤポンプによっ
て液体付与ノズル6へ糊剤溶液を定量的に供給できるよ
うになっている。
【0026】上記の例では、仮撚加工後の合成繊維糸条
に糊剤溶液を付与する際及び弛緩熱処理する際のオーバ
ーフィード率を独立に設定できるように仮撚加工機を改
造した例を示したが、加工条件によっては同一のオーバ
ーフィード率で行うことも可能であるため、必ずしも第
2デリベリローラ7は必要ではない。
に糊剤溶液を付与する際及び弛緩熱処理する際のオーバ
ーフィード率を独立に設定できるように仮撚加工機を改
造した例を示したが、加工条件によっては同一のオーバ
ーフィード率で行うことも可能であるため、必ずしも第
2デリベリローラ7は必要ではない。
【0027】
【作用】本発明では、仮撚加工してから、糸条に対して
糊剤溶液を付与した後、弛緩熱処理するので、仮撚加工
糸は嵩高性と伸縮性を示す状態で糊剤溶液が付与される
とともに、弛緩熱処理によって糊剤溶液が乾燥し、糊剤
が糸条に固着する。そのため、得られる伸縮性特殊加工
糸は、仮撚加工による捲縮構造を保持したまま、糊剤に
よってその構造が固定されたものとなる。
糊剤溶液を付与した後、弛緩熱処理するので、仮撚加工
糸は嵩高性と伸縮性を示す状態で糊剤溶液が付与される
とともに、弛緩熱処理によって糊剤溶液が乾燥し、糊剤
が糸条に固着する。そのため、得られる伸縮性特殊加工
糸は、仮撚加工による捲縮構造を保持したまま、糊剤に
よってその構造が固定されたものとなる。
【0028】この加工糸を用いて製織した場合、糸条の
捲縮構造は糊剤により固定されているので、製織直後の
織物は伸縮性を示さないが、通常の後工程である精錬段
階で糸条に付着している糊剤が除去されるので、捲縮性
と伸縮性が発現し、従来にない伸縮性を有する織物を得
ることができる。
捲縮構造は糊剤により固定されているので、製織直後の
織物は伸縮性を示さないが、通常の後工程である精錬段
階で糸条に付着している糊剤が除去されるので、捲縮性
と伸縮性が発現し、従来にない伸縮性を有する織物を得
ることができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
する。
【0030】実施例1 三菱重工業社製の2ヒータ型仮撚加工機LS−6型を図
1に示すように改造した装置を用い、150d/72f のポリ
エステルフィラメント糸を供給糸として仮撚加工と,糊
剤付与及び弛緩熱処理を施した。なお、液体付与ノズル
は細管部の直径が0.4mmで長さ10mmのものを用いた。
1に示すように改造した装置を用い、150d/72f のポリ
エステルフィラメント糸を供給糸として仮撚加工と,糊
剤付与及び弛緩熱処理を施した。なお、液体付与ノズル
は細管部の直径が0.4mmで長さ10mmのものを用いた。
【0031】加工条件は、スピンドル回転数30×104rp
m、仮撚数Z撚2810T/M、第1ヒータ温度 210℃、第
2ヒータ温度 240℃、フィードローラ2と第1デリベリ
ローラ5との間の第1オーバーフィード率2%、第1デ
リベリローラ5と第2デリベリローラ7との間の第2オ
ーバーフィード率0%、第2デリベリローラ7と第3デ
リベリローラ9との間の第3オーバーフィード率20%、
第3デリベリローラ9と捲取ローラー10との間のオーバ
ーフィード率0%とした。
m、仮撚数Z撚2810T/M、第1ヒータ温度 210℃、第
2ヒータ温度 240℃、フィードローラ2と第1デリベリ
ローラ5との間の第1オーバーフィード率2%、第1デ
リベリローラ5と第2デリベリローラ7との間の第2オ
ーバーフィード率0%、第2デリベリローラ7と第3デ
リベリローラ9との間の第3オーバーフィード率20%、
第3デリベリローラ9と捲取ローラー10との間のオーバ
ーフィード率0%とした。
【0032】また、糊剤溶液は、互応化学工業社製のプ
ラスサイズJ−96(アクリル酸エステル系共重合体を
主成分とする22重量%水溶液) を10重量%に調製したも
のを用い、ノズル部での糊剤溶液の吐出量を1.5cc/mi
nとした。
ラスサイズJ−96(アクリル酸エステル系共重合体を
主成分とする22重量%水溶液) を10重量%に調製したも
のを用い、ノズル部での糊剤溶液の吐出量を1.5cc/mi
nとした。
【0033】得られた伸縮性特殊加工糸に付着している
糊剤の付着量を測定したところ、7.4重量%であった。
この加工糸を用いて、常法に従い、製織、精錬、染色及
び仕上げ加工を行い、経密度75本/2.54cm、緯密度64本
/2.54cmの平組織の織物を得た。
糊剤の付着量を測定したところ、7.4重量%であった。
この加工糸を用いて、常法に従い、製織、精錬、染色及
び仕上げ加工を行い、経密度75本/2.54cm、緯密度64本
/2.54cmの平組織の織物を得た。
【0034】得られた織物は、高度な捲縮構造を有する
繊維で構成されているため、従来にないほどの高い伸縮
性を示し、しかもボリューム感にも優れ、天然繊維のよ
うな風合をもつものであった。
繊維で構成されているため、従来にないほどの高い伸縮
性を示し、しかもボリューム感にも優れ、天然繊維のよ
うな風合をもつものであった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、織物の組織を構成した
後も、仮撚加工による捲縮構造を保持できる伸縮性特殊
加工糸を製造することができるため、この加工糸を用い
て製織すれば、従来にない伸縮性を有し、しかもその捲
縮構造によりボリューム感を有する織物を提供すること
が可能となる。
後も、仮撚加工による捲縮構造を保持できる伸縮性特殊
加工糸を製造することができるため、この加工糸を用い
て製織すれば、従来にない伸縮性を有し、しかもその捲
縮構造によりボリューム感を有する織物を提供すること
が可能となる。
【0036】さらに、本発明で用いる糊剤は、製織前の
糊付け工程で用いる糊剤と同じものを使用可能であるた
め、仮撚加工と糊付けを別工程で行っていた従来法とは
異なり、本発明では両者を1工程で行うことが可能であ
り、織物の生産性を向上させることができるという付加
的な利点も有する。
糊付け工程で用いる糊剤と同じものを使用可能であるた
め、仮撚加工と糊付けを別工程で行っていた従来法とは
異なり、本発明では両者を1工程で行うことが可能であ
り、織物の生産性を向上させることができるという付加
的な利点も有する。
【図1】本発明の一実施態様を示す概略工程図である。
3 第1ヒータ 4 仮撚スピンドル 6 液体付与ノズル 8 第2ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 E 7199−3B
Claims (2)
- 【請求項1】 合成繊維糸条を仮撚加工し,次いで前記
糸条に対して糊剤が1〜30重量%付着するように糊剤溶
液を付与した後、弛緩熱処理することを特徴とする伸縮
性特殊加工糸の製造方法。 - 【請求項2】 糊剤がポリアクリル酸誘導体である請求
項1記載の伸縮性特殊加工糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3290529A JPH0598530A (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 伸縮性特殊加工糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3290529A JPH0598530A (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 伸縮性特殊加工糸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0598530A true JPH0598530A (ja) | 1993-04-20 |
Family
ID=17757211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3290529A Pending JPH0598530A (ja) | 1991-10-09 | 1991-10-09 | 伸縮性特殊加工糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0598530A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6427300B2 (en) | 1999-07-23 | 2002-08-06 | Teijin Seiki Co., Ltd. | Yarn relaxation-heating method and apparatus therefor |
JP2021177026A (ja) * | 2021-07-30 | 2021-11-11 | 伊澤タオル株式会社 | タオル地 |
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1991
- 1991-10-09 JP JP3290529A patent/JPH0598530A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6427300B2 (en) | 1999-07-23 | 2002-08-06 | Teijin Seiki Co., Ltd. | Yarn relaxation-heating method and apparatus therefor |
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