JPH059802A - ズボン内股自動縫製機械、内股中央操作ハンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ズボン内股をぬう自動縫製機械において、内
股と小股の縫い交点、内股中央を、縫いさばく操作ハン
ドにおいて、交点のずれを±１ｍｍの誤差で１００％良
品を生産する目的で開発を行った。三つのアームとハン
ドの操作による、ミシン接近を計るため、この股中央を
ガイドする、内股中央操作ハンドを小形に設計をする事
も計った。また、雑多な織物素材に合う合せぬいガイド
を求め開発に至った。 【構成】 ズボン内股中央操作ハンドは、別に設けるロ
ボットアームへ設けて使用する。また本発明の組合せ
は、反転機部（１１、１２他）とハンド部（３、８）と
ガイド部（１、２、３、４、５、６、７、２０）の三つ
の機能部分の組合せか、ハンド部、ガイド部の二つの機
能の組合せで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動縫製機械中、ズ
ボン内股合わせぬいを行う機械の前後、身頃地内股中央
を受け持つ、ロボットアームに設けて使う操作ハンドに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】（イ）従来図４の参考図に表わした、ズ
ボン内股中央（３０）の交点は、ずれが１ｍｍ以内で合
致している事が良い製品の条件となっている。図４は悪
い例を示した参考図である。自動で正確に縫う方法は開
発されていなかった。本発明においては特にロックミシ
ン、インターロックミシンでぬう縫製品にずれか生じや
すく、この対策を計る開発となった。ずれの原因を分析
すれば、図８の小股後身頃（３２）縫目（４６）と図９
の小股前身頃（３１）縫目（４７）が合わさった時の断
面は、図５の様に、相互の縫目（４６、４７）を中芯
に、相互の縫しろ（４１、４２）が耳の様に立ち合わさ
る。これを意に止めずぬうと、図７の参考図を見るがご
とく、ミシン押え板（４３）の前部で前身頃（３１）の
ぬいしろ（４１）が押しもどされつつ引きこまれてい
く。下身頃（３２）のぬいしろ（４２）は逆にミシン針
板中に設けられた送り歯で早くかきこまれて行く傾向に
ある。人はミシンを一時止め注意深く合せ押えもちゆっ
くりとぬい送りを行う。 （ロ）合せぬいのガイドは、従来から各種開発されてい
たが、大形である。ズボン内股自動縫製機械では三つ
の、アーム付ハンドが組合わさり障害が多々発生し、小
形の合せぬいガイドハンドの開発が求められた。 （ハ）ズボンの内股形状は後身頃は図８の如く弓なりな
山形、形状である。前身頃は図９の如く谷形、形状であ
る。これを正確に合せ縫う事は出来なかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】（イ）ズボン内股合せ
ぬいを、正確に良品１００％の生産をしうる操作ハンド
の開発。 （ロ）工業用ミシンの高速ぬいに適応し、ぬいずれを生
じさせない事。 （ハ）広範囲な織物素材に一様に、引きぬい合せか計れ
る事。 （ニ）小形である事。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、三つの部分か
ら構成する。概要を示す見取図５から説明すれば、一つ
は、小股ぬいしろ端を反転する反転機である。それは上
反転押え金具（１１）と下反転押え金具（１２）の反転
操作で作用をなす。関連機構を図１についてのべれば。
抜取エアシリンダ（１８）、スライドブロック（１３）
を宙づりに吊り支えるスライド軸支え（１７）へスライ
ドシャフト（２７）を設け、スライドブロック（１３）
下中ほどに反転シャフト（２９）を設け、反転シャフト
（２９）へ、上反転押え金具（１１）の根幹部を通し固
着し設ける。この金具の側面に下反転押え金具（１２）
を設定するための溝を設け、ここへ下反転押え金具（１
２）も止めビスで、金具間のすきまを押し計って、固定
する。また反転シャフト（２９）の一方には反転を押し
計るクランク（１４）、ロッド端金具（１５）それにつ
づいて、反転エアシリンダ（１６）を設ける。スライド
ブロック（１３）は連結金具（２８）により、抜取エア
シリンダ（１８）に連なり、作業をおえた後、図１、左
方へ抜き去る。類似した反転機実施例に、図１６、１７
がある。反転シリンダ（１６）のロッド端にラックギヤ
ー（３４）を設け、反転シャフト（２９）の左端へピニ
オン（３５）を設ける。スライド部分はスライド枠（３
８）へスライド溝（３７）を設け、その左方へ押し板
（３９）を接合する。スライド枠（３８）は支軸（３
６）２本で支えもち、抜取シリンダ（１８）により先と
同様に抜き去る。いずれの反転機も、反転エアシリンダ
（１６）の作動で、９０°左半転動作を行う。二つ目
は、ズボン前後身頃（３１、３２）の内股と小股の交
点、股中央（３０）横を合せもつハンドである。ハンド
は２本の押えエアシリンダ（８）とハンドベース（３）
から構成する。ぬう場合、先の反転機が身頃地の装入
後、９０°左反転動作後に押えつかみを計る。三つ目
は、ズボン内股中央（３０）、前後身頃（３１、３２）
端をガイド板間にはさみ、引き寄せ合せそろえるガイド
である。ガイドは上ガイド板（１）と下ガイド板（２）
とハンドベース（３）を主なる部品とし、図２、３で説
明すれば、支点（４）を基に重なり、上下ガイド板の支
点部を少し曲げ開き状態を形成する。停止状態では閉じ
ている。開閉エアシリンダ（５）により押し開く。閉じ
た場合ガイド棒（２０）へ設けた圧縮コイルバネによっ
て逃げ防止する。下の圧縮コイルバネは上ガイド板
（１）の逃げ防止を行なう。下の圧縮コイルバネは上ガ
イド板の逃げ防止を行なう。それぞれ下加圧調整ナット
（６）と上加圧調整ナット（７）で調整を行なう。設計
においては図１、２、３に示される形状に至った（実寸
法図）。上下、ガイド板（１、２）のサイズは、左端部
からガイド棒（２０）の間を図の長さの１／２に縮小し
ても実用化出来うる。上下ガイド板（１、２）の先端は
図１２へぬき書き説明すればかき寄せそろえる方法の端
部であり、図８、９の参考図に示される前後の身頃形状
に合せ次の様に押し計った物である。下ガイド板（２）
の傾斜角度は１２０°を基準に設定し強く引きよせる。
上ガイド板（１）の傾斜角度は１０５°を基準に設定し
弱く引きよせる。この構成ならばズボン内股ぬい後半の
ぬい合せを良い物とするが、図８の後身頃（３２）の山
形、形状、開き角度１４０°以上の製品が保証出来る。
図１３、１４の見取図に基づいて、ガイド板先端を下ガ
イド端（２２）の裏面より説明すれは、引当り調整部分
（２３）はなだらかに立上って、引当り先端部分（２
４）につながっている。この形状により、薄物から厚物
の織物まで同一のガイド板により、適応する。

【０００５】

【作用】図４のズボンをぬうならば、ぬい始め裾端（４
０）を合せ、ミシン押え板（４３）の下へ別に設けた、
ハンドによりもたせる。次に本発明のハンドに内股中央
（３０）部を合せてもたせる。次に後続のアームのハン
ドへ、ぬい終わり裾端（４５）を合せてつかませた後、
自動縫製を行なう。本発明内股中央操作ハンドの取扱い
手順は図５、６によりくわしく説明すれば、内股中央部
前後身頃の小股縫目（４６、４７）にそって、小股ぬい
しろ（４１、４２）をおゝよそ合せて、くし状の上、下
反転押え金具（１１−１、１２）間にさしこみ、左から
右へ引き合せて、縫目（４６、４７）を合致させる。こ
の間に上ガイド板（１）、下ガイド板（２）、ハンドベ
ース（３）の間へ身頃地端を同時にさしこむ。その後手
本スイッチ（９）によりセット信号が制御系に流れる。
反転機は９０°左半転動作を行ない、ぬいしろ（４１、
４２）の押えこみ（１１−２）位置を計る。次にハンド
の押えエアシリンダ（８）と上、下ガイド板（１、２）
が同時に押えつかむ。内股中央操作ハンドはぬいの進行
に従い、ミシンへの進行方向（３３）をとり、内股中央
（３０）をミシンへと導く。反転機の上、下反転押え金
具はミシンの押え板（４３）の下へ進入し（１１−３）
位置の所へ到達後、役目をおえ後方へ図１の抜取エアシ
リンダ（１８）が抜き去る。次にハンド押えエアシリン
ダ（８）が開放、上下ガイド板は後半のぬいしろ合せガ
イドの役目をつかさどる。そしてぬい終り直前までの役
割をおえ、引き下がる。

【０００６】

【実施例】以下発明に至る前提として次にのべれば、図
４の参考図ズボン内股中央（３０）、前後小股の前後身
頃縫目（４６、４７）はミシン都合による図７に表現し
た不良発生過程があるため、ずれを生じる。図７に説明
を加えればミシンでは押え板（４３）と下送り歯（５
１）との間ではさみ、かき送るが前身頃（３１）の小股
ぬいしろ（４１）は押え板（４３）先部で押しもどされ
進入が遅れる。後身頃（３２）の小股ぬいしろ（４２）
は障害なく下送り歯（５１）により早く送りこまれるた
め、ずれを生じる。以下本発明の実施例概要を順を追っ
て説明する。図６の反転機、上反転押え金具（１１−
２）位置の様に押えながら、ミシンの押え板（４３）下
へ進入させた後、（１１−３）位置で抜き去る。これは
前身頃小股ぬいしろ（４１）へ後身頃小股ぬいしろ（４
２）がひっかかり、押し込まれる事で、ずれを防ぐ方法
を、機械へとり入れたものである。ハンドは図８、９の
参考図上ズボン後身頃（３２）の内股身頃地端の形は図
８の様に弓なりな山形、形状になっている。内股前身頃
地端の形は図９の様に谷形形状になっている。これを合
せると図１０に示した、そろえ合せになりがちである。
その対策に２本の押えエアシリンダ（８）により押しつ
かめば解消する。図１１により説明を加えれば、前、後
身頃地の縫目（４６、４７）を平行に合わせて手の指で
持って、内股中央操作ハンドのハンドベース（３）と押
えエアシリンダ（８）間へ入れ押えつかませる。この場
合右側後半の身頃地端の合い状態にはふれずに行なう。
押えエアシリンダ（８）の押え箇所（４８）は縫目（４
６、４７）の合せより１９ｍｍ右にずれた所で押えつか
む。例外として先の反転機は必ず装備しなくとも、ハン
ド部とガイド部により内股中央操作ハンドは構成する。
縫製対象製品が硬い素材の織物であったり、小股、縫い
合せが、別なミシンで異なった縫い合せが計られている
場合である。ガイドについて図８、９、１２、１３、１
４、１５に基づいて説明すれば、後身頃（３２）のガイ
ドを行なう下ガイド板端（２２）は傾斜角１２０°にと
ってあり、右側後半のぬいに強い引き寄せ作用を及ぼ
す。上ガイド板端（２１）は傾斜角が１０５°にとって
あり、弱い引き寄せ作用を及ぼす。これは後身頃（３
２）前身頃（３１）の形状に起因する形態である。ガイ
ドのガイド棒（２０）における、上、下ガイド板（１、
２）別々に圧縮コイルバネで逃げ防止する方法は、後身
頃（３２）が強力な引き寄せ力を必要とする、厚みのあ
るデニム織物等に適用する。比較的薄い布帛織物等で
は、別々にでなく、一つの圧縮コイルバネでも間に合
う。ガイド板先端の説明を図１５のガイド板前面よりと
らえれば、薄い織物（２５）には幅狭く接触し、軽い引
きを計る。厚い織物（２６）には幅広く接触し、強い引
きを計る。この部分は折りしろ高さ１．２から２ｍｍに
計る。加工においては縫製工場のぬう対象に合せ、引当
り調整部分（２３）を広くとり、引当り先端部分（２
４）を狭くとったり加工する。ハンドの作動方法を図
２、３により説明すれば、セット信号は手本スイッチ
（９）付ヒンジレバー（１０）の操作により制御系に流
れる。手順に従い別に設けたエアーバルブ操作により、
各エアシリンダが動作する。駆動はロボットアーム端へ
取付け走行ガイドを計る。

【０００７】

【発明の効果】ズボン内股と小股の縫い交点、内股中央
（３０）の合う確率が人間よりすぐれており、反転機を
伴わない操作ハンドで±３ｍｍ以内、反転機を伴う操作
ハンドで±１ｍｍ以内で１００％合う事が実証された。
また小型にし、ミシンへの接近が計られた。この事は、
早く手放す事によるあいまい差を解消した。織物素材が
かわると諸条件によるずれが発生していたがこれもなく
なった。ミシンは３５００〜４０００ｒｐｍ／針の高速
回転のタイミングでぬいが行なえた。後半のぬいの、ぬ
いはずれ、しわの呼び込みが従来あったが、これも解消
された。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の左側面図である。

【図２】 本発明の右側面図である。

【図３】 本発明の平面図である。断面図の部分は図１
のスライドブロック（１３）のＡ−Ａ′断面である。

【図４】 ズボンを下から広げ書き表わした参考図面で
ある。

【図５】 本発明の概要を示す見取図である。

【図６】 図５の動作転回を示す見取図である。

【図７】 ミシンにおける不良発生過程を示す参考図面
である。

【図８】 ズボンの後身頃地の形状を示す参考図面であ
る。

【図９】 ズボンの前身頃地の形状を示す参考図面であ
る。

【図１０】 通常発生しうる、内股中央操作ハンドへの
さしこみ状況を示した参考図面である。

【図１１】 正確に合わせるため、２つの押えエアシリ
ンダで、前後身頃地の押え箇所を押えつかまえさせた、
状況を示す見取図である。

【図１２】 本発明のガイド板先端の組合せを示す見取
図である。

【図１３】 本発明のガイド板裏面の先端加工形状を示
す見取図である。

【図１４】 図１３の正面図である。

【図１５】 本発明のガイド板と身頃地の厚み対応を示
す見取図である。

【図１６】 本発明の実施例右側面図である。

【図１７】 本発明の実施例平面図である。

【符号の説明】

１ 上ガイド板 １２ 下反転押え金
具 ２ 下ガイド板 １３ スライドブロ
ック ３ ハンドベース １４ クランク ４ 支点 １５ ロッド端金具 ５ 開閉エアシリンダ １６ 反転エアシリ
ンダ ６ 下加圧調整ナット １７ スライド軸支
え ７ 上加圧調整ナット １８ 抜取エアシリ
ンダ ８ 押えエアシリンダ １９ アーム連結金
具 ９ 手本スイッチ ２０ ガイド棒 １０ ヒンジレバー ２１ 上ガイド板端 １１ 上反転押え金具 ２２ 下ガイド板端 ２３ 引当り調整部分 ３８ スライド枠 ２４ 引当り先端部分 ３９ 押し板 ２５ 薄い織物 ４０ ぬい始め裾端 ２６ 厚い織物 ４１ 小股ぬいしろ ２７ スライドシャフト ４２ 小股ぬいしろ ２８ 連結金具 ４３ 押え板 ２９ 反転シャフト ４４ ミシン針 ３０ 内股中央 ４５ ぬい終り裾端 ３１ 前身頃 ４６ 後身頃縫目 ３２ 後身頃 ４７ 前身頃縫目 ３３ 進行方向 ４８ 押え箇所 ３４ ラックギヤー ４９ ぬい目の合せ ３５ ピニオン ５０ 反転部 ３６ 支軸 ５１ 下送り歯 ３７ スライド溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スライドブロック（１３）の上部に抜取
   シリンダ（１８）を設け。スライドブロック（１３）の
   下中ほどに反転シャフト（２９）を設け、反転シャフト
   （２９）を中芯に前方へ９０°反転する、上反転押さえ
   金具（１１）下反転押え金具（１２）を設ける。また反
   転シャフト（２９）後方に反転を押し計る、反転エアシ
   リンダ（１６）からなる反転機部反転機を左に設定し、
   中ほどに２本の押えエアシリンダ（８）とハンドベース
   （３）からなるハンド部。右側に特異な先端形状（２
   １、２２）で組合せを計った上ガイド板（１）と下ガイ
   ド板（２）を、ハンドベース（３）の支点（４）を中芯
   に押し開く開閉エアシリンダ（５）を設け、ガイド棒
   （２０）とそれに設けた、圧縮コイルバネからなるガイ
   ド部、以上三つの部分から構成された、ズボン内股自動
   縫製機械、内股中央操作ハンド。
2. 【請求項２】 反転機を伴わない、ハンド部、ガイド部
   から構成された、請求項１記載ズボン内股自動縫製機
   械、内股中央操作ハンド。