JPH0598012A - オルガノポリシロキサン樹脂の製造方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサン樹脂の製造方法

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JPH0598012A
JPH0598012A JP3292319A JP29231991A JPH0598012A JP H0598012 A JPH0598012 A JP H0598012A JP 3292319 A JP3292319 A JP 3292319A JP 29231991 A JP29231991 A JP 29231991A JP H0598012 A JPH0598012 A JP H0598012A
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謙児 山本
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弘明 木崎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記一般式(1) R Si(OR4−n …(1) (但し、式中Rは置換又は未置換の一価炭化水素基、
は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜3の
整数である。)で示されるオルガノアルコキシシラン及
びその部分加水分解縮合したオリゴマーから選ばれる1
種もしくは2種のアルコキシ基含有けい素化合物をアル
カリ性加水分解触媒の存在下で該けい素化合物の全アル
コキシ基を加水分解する理論量より少ない水で部分加水
分解した後、反応混合物を濃縮し、次いでこの濃縮物に
酸性加水分解触媒を該濃縮物がpH3以下になるように
添加すると共に、水を上記けい素化合物の残存アルコキ
シ基を加水分解する理論量以上添加して、残存アルコキ
シ基を加水分解することを特徴とするオルガノポリシロ
キサン樹脂の製造方法。 【効果】 ゲル化やミクロゲルの発生などの問題のな
い、シラノール基が十分に存在する、応用範囲の広いオ
ルガノポリシロキサン樹脂が得られる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルコキシシランを加
水分解縮合してオルガノポリシロキサン樹脂を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】クロロ
シランを加水分解縮合してオルガノポリシロキサン樹脂
を得る方法は古くから利用されてきたが、クロロシラン
の反応性が高く、得られるオルガノポリシロキサン樹脂
の物性や応用特性をコントロールするのが難しいため、
製造効率、物性や応用特性の再現性などの点で問題が多
い。
【0003】この問題を解決するため、以前からアルコ
キシシランを原料として加水分解縮合する方法が検討さ
れている。例えば、特公昭49−15079号、同49
−45320号、同58−27808号公報には、酸性
の加水分解触媒を用いてアルコキシシランを加水分解縮
合する方法が提案され、また特公昭61−854号公報
にはアルコキシシラン加水分解部分縮合体を触媒として
アルコキシシランを加水分解縮合する方法が提案されて
いる。
【0004】この酸性加水分解触媒を用いてアルコキシ
シランを加水分解縮合する方法は、縮合反応の進行が穏
やかでゲル化し難く、このためコントロールし易く、官
能基であるシラノール基の残留量も比較的多いという特
徴がある。そのため、塗料、コーティング、結合材、樹
脂改質など、多くの用途で利用されている。
【0005】しかし、酸性加水分解触媒を用いる方法
は、比較的重合度の高いオルガノポリシロキサン樹脂を
得ようとすると、重合が遅く、厳しい反応条件が必要と
なるので、反応のコントロールが大変難しく、ゲル化や
再現性低下、ミクロゲル発生による作業性低下などの問
題が起こる。
【0006】この場合、アルカリ性加水分解触媒を用い
ると、縮合反応が速く、重合度が高くてシラノール基残
留量が少ない樹脂が得られるが、アルカリ性加水分解触
媒を用いる加水分解法はゲル化し易いため、ゲル化の防
止のためにはオルガノポリシロキサン樹脂濃度をかなり
低くする必要がある。
【0007】例えば、アルカリ性加水分解触媒を用いる
アルコキシシランの加水分解縮合の方法としては、特公
昭56−39808号、同61−36331号、特公平
1−49171号公報に提案がある。しかし、このうち
特公昭56−39808号、同61−36331号公報
の両者で得られるオルガノポリシロキサン樹脂は、シラ
ノール残留基を殆んど含まないシルセスキオキサン構造
であり、特定の用途に限られる。また、これらの方法で
は、弱アルカリ性触媒を使用して加水分解縮合している
が、ゲル化防止のためには大量の希釈用溶剤をやはり必
要とする。
【0008】以上のことから、酸性触媒による加水分解
縮合とアルカリ性触媒による加水分解縮合を組み合せて
両者の長所を利用する方法が考えられ、かかる方法とし
て特開平3−54279号公報に提案がある。この方法
では、アルコキシシランをアルカリ性触媒下で部分加水
分解した後、酸性触媒下で加水分解するが、その目的と
する効果は残留アルコキシ基を減少させ、被膜形成時の
性能を改良することにある。
【0009】しかし、実用上十分な効果を得るために
は、アルカリ性触媒下での部分加水分解時にアルコキシ
シランのSi−OR基(Rは炭素数1〜4のアルキル
基)1モルに対して水を0.5モル以上、即ち、全Si
−OR基を加水分解縮合するのに必要な理論量以上の水
を必要とする。
【0010】この場合、ゲル化を防止するため、大量の
希釈用溶剤と弱いアルカリ性触媒の使用が不可欠とな
り、加水分解反応速度が非常に低いために加水分解縮合
反応の進行程度の再現性、最終的には得られるオルガノ
ポリシロキサン樹脂性能の再現性が非常に悪化する。
【0011】再現性を上げるためには、更に強いアルカ
リ性触媒の使用が必要となるが、この場合はゲル化を防
止するために水量を減らす以外に方法はなく、そうする
と、残留アルコキシ基を減らす効果は小さいものとなっ
てしまう。
【0012】アルコキシシランを加水分解縮合してオル
ガノポリシロキサンを得る方法において、重合度の低い
ものから高いものまでを再現性良く、しかもシラノール
を官能基として十分な量残して製造できれば、この方法
によって得られるオルガノポリシロキサン樹脂の応用範
囲を広げることができる。しかも、希釈用溶剤の使用量
や副生アルコールによるBOD負荷を減らすことができ
れば、コスト面での改善が可能となる。また、オルガノ
ポリシロキサン樹脂中の残留アルコキシ基量を減少させ
ることができれば、応用性能をより向上させることがで
きるが、従来、これらの全てを同時に満たす製造方法は
提案されていない。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
課題を解決するために鋭意検討を行った結果、下記一般
式(1)で示されるオルガノアルコキシシラン及びその
部分加水分解縮合したオリゴマーから選ばれる1種もし
くは2種のアルコキシ基含有けい素化合物をアルカリ性
加水分解触媒の存在下で該けい素化合物の全アルコキシ
基を加水分解する理論量より少ない水で部分加水分解し
た後、反応混合物を濃縮し、次いでこの濃縮物に酸性加
水分解触媒を該濃縮物がpH3以下になるように添加す
ると共に、水を上記けい素化合物の残存アルコキシ基を
加水分解する理論量以上添加して、残存アルコキシ基を
加水分解することにより、上記アルコキシ基含有けい素
化合物を出発原料とするオルガノポリシロキサン樹脂の
製造において、ゲル化やミクロゲルの発生なしにオルガ
ノポリシロキサン樹脂を目的の分子量にまで容易にかつ
再現性良く重合させることができることを知見したもの
である。
【0014】 R1 nSi(OR24-n …(1) (但し、式中R1は置換又は未置換の一価炭化水素基、
2は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜3の
整数である。)
【0015】即ち、この方法はまずアルカリ性加水分解
触媒存在下でのけい素化合物の加水分解を全アルコキシ
基を加水分解し得るより少ない水を使用して、部分加水
分解すると共に、得られた反応混合物を所望のシロキサ
ン濃度にまで濃縮し、オルガノポリシロキサン樹脂を目
的の分子量にまで重合すると共に、この濃縮の際、副生
アルコールを系外に除去した後、酸性加水分解触媒存在
下でpH3以下において残存アルコキシ基を加水分解す
るものであり、本発明方法によれば、アルカリ性加水分
解触媒存在下の部分加水分解時の水量及び濃縮後のシロ
キサン濃度を適宜選定することにより、オルガノポリシ
ロキサン樹脂の分子量を再現性良くコントロールするこ
とができる。
【0016】この場合、アルカリ性加水分解触媒は他の
触媒に比べて重合度を上げ易く、水量は全部のアルコキ
シ基を加水分解する理論量より少ないので、ゲル化やミ
クロゲルの発生なしにかなりの高分子量まで容易に重合
できる。
【0017】また、濃縮時に系外に留去されるものは、
主に部分加水分解により副生したアルコールであり、こ
のため、その後の酸性加水分解時のアルコール濃度が低
下し、下記反応式(A)において、反応の平衡が右側へ
傾くので、オルガノポリシロキサン樹脂中に残留するア
ルコキシ基が減少し、また、最後に水洗洗浄工程を行う
場合は、廃水中のアルコール量が減少し、アルコール性
排水としてBOD負荷が低減される。
【0018】
【化1】
【0019】更に、本発明によれば、ゲル化やミクロゲ
ル発生防止のために従来必要であった大量の希釈用溶剤
の使用がなくなり、製造効率が高いものである。
【0020】また更に、本発明により得られたオルガノ
ポリシロキサン樹脂は、シラノール基が官能基として十
分残っているものであり、しかも上述したように残留ア
ルコキシ基量が少ないため、機械的強度、耐薬品性、耐
湿性、絶縁性などの特性が良好なものである。
【0021】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明においては、下記一般式(1)で示されるオ
ルガノアルコキシシラン及びその部分加水分解したオリ
ゴマーから選ばれる1種もしくは2種以上のアルコキシ
基含有けい素化合物を出発原料として使用する。
【0022】 R1 nSi(OR24-n …(1) (但し、式中R1は置換又は未置換の一価炭化水素基、
好ましくは炭素数1〜20の一価炭化水素基、R2は炭
素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜3の整数であ
る。)
【0023】この場合、上記式(1)のオルガノアルコ
キシシランとしては、具体的には、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポ
キシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメ
チルモノメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメ
トキシシランなどが挙げられ、更に下記式のアルコキシ
シランなども使用することができる。
【0024】
【化2】
【0025】上記アルコキシ基含有けい素化合物は、ま
ずこれをアルカリ性加水分解触媒の存在下で部分加水分
解する。
【0026】この場合、アルカリ性加水分解触媒として
は、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピリジン等
の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金
属水酸化物、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラ
ート等のアルカリ性化合物などが挙げられるが、後の濃
縮工程で系外に留去されないものが好ましい。また、こ
の部分加水分解工程で添加される水の量は、後述するよ
うに全てのアルコキシ基を加水分解する理論量に不足し
ているため、系がゲル化する可能性はなく、従ってこの
点から加水分解縮合反応を短時間で完全に進行させるこ
とができる強アルカリ性化合物が好適に用いられる。
【0027】アルカリ性加水分解触媒の使用量は、上記
けい素化合物に対し0.01〜20%(重量%、以下同
じ)とすることが好ましい。0.01%より少ないと反
応が遅く、短時間の内に十分に反応を進行させ難い場合
が生じ、また20%より多く添加してもその触媒効果は
それ以上殆んど変化しない。
【0028】このアルカリ性下での部分加水分解反応で
用いる水の量は、上記けい素化合物の全アルコキシ基を
加水分解するに足る理論量より少ない量、即ち 2≡SiOR+H2O → ≡Si−O−Si≡+2ROH という加水分解反応式から認められるように、アルコキ
シ基1モルに対し0.5モルより少ない量であり、好ま
しくは0.05〜0.45モル、より好ましくは0.2
〜0.4モルである。
【0029】この場合、水の量が0.5モル以上である
と、この部分加水分解工程で系のゲル化を防止すること
が難しく、このため多量の希釈溶剤が必要となり、触媒
の種類も限定されて実用的でなく、本発明の目的が達成
されない。なお、水の量が少なすぎると、部分加水分解
工程を採用する目的が十分達成されない場合が生じる。
【0030】ここで、この水の量はオルガノポリシロキ
サン樹脂の分子量を決定する重要な因子の一つであり、
水量を変えることで分子量を変えることができる。即
ち、水量が少ない場合はオルガノポリシロキサン樹脂の
分子量は小さくなり、水量を多くすると分子量は大きく
なる。
【0031】上記部分加水分解工程では、必要により有
機溶剤を使用することができる。この有機溶剤は、原料
のけい素化合物と生成シロキサンを溶解するもので、有
機溶剤の使用は、作業性やミクロゲル発生防止の効果を
与えると共に、特に後の濃縮工程において、シロキサン
濃度を調整して、オルガノポリシロキサン樹脂を目的の
重合度に合わせる点から有効である。有機溶媒として
は、反応不活性のものであればいずれのものを用いるこ
ともでき、具体的にはトルエン、キシレン、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキ
サン、溶剤揮発油、ミネラルスピリットなどが挙げられ
る。
【0032】溶剤の使用量は特に限定されるものではな
く、部分加水分解工程及び後の濃縮工程におけるシロキ
サン濃度を調整する点から決められるが、通常アルコキ
シ基含有けい素化合物100重量部に対し50〜500
重量部である。
【0033】部分加水分解の温度は10〜200℃の範
囲が通常であるが、特に高温で行うことが好ましく、有
機溶剤を用いた場合、還流条件下が適当である。即ち、
部分加水分解工程及び後の濃縮工程は、得られるオルガ
ノポリシロキサン樹脂の骨格構造を再現性良く構成する
工程であり、できるだけ高い温度で部分加水分解縮合を
行うことにより、確実に部分加水分解縮合を完了させ、
未反応の水、未縮合のシラノール基を残さないことが好
ましい。なお、部分加水分解の時間は通常1時間〜10
時間である。
【0034】次に、本発明は、部分加水分解工程後、得
られた反応混合物を濃縮する工程を行う。この濃縮工程
は、反応混合物中のシロキサンを所用濃度まで濃縮して
反応を十分に進行、完了させ、目的の分子量にまでシロ
キサンを重合すると共に、上記部分加水分解工程で副生
したアルコールを系外に除去し、アルコール濃度を低下
するものである。
【0035】この場合、濃縮は常圧下で行っても減圧下
で行ってもよく、オルガノポリシロキサン樹脂が目的と
する分子量になるようなシロキサン濃度まで濃縮し得れ
ばよい。ここで、重要な点は、濃縮工程のシロキサン濃
度の調整がオルガノポリシロキサン樹脂の分子量を目的
の重合度に合せる手法の一つであり、シロキサン濃度を
高く設定すれば重合度の高いオルガノポリシロキサン樹
脂が得られ、シロキサン濃度を低くすれば、重合度の低
いオルガノポリシロキサン樹脂が得られる。なお通常、
濃縮液中のシロキサン濃度は10〜60%、より望まし
くは20〜40%の範囲に設定される。
【0036】上記濃縮工程において、予め又は濃縮中に
有機溶剤を加えて、濃縮完了までに副生アルコールを全
て留去し得るように調整することができる。副生アルコ
ールの留去は、オルガノポリシロキサン樹脂に残存する
アルコキシ基を減らし、また、アルコール性廃水を減ら
す効果がある。
【0037】以上のようにアルカリ性下での部分加水分
解及び濃縮工程を行った後、本発明では酸性下での加水
分解を行う。
【0038】この酸加水分解工程は、上記濃縮液に酸性
加水分解触媒を該濃縮液のpHが3以下、より好ましく
はpH1以下になるように添加すると共に、水を加えて
行うもので、この工程は前工程で残ったアルコキシ基を
ほぼ完全に加水分解するものである。なお、この工程で
はシロキサンの重合度を殆んど増加させない。
【0039】この場合、酸性触媒としては、塩酸、硝
酸、硫酸等の無機酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸、乳酸
等の有機酸が挙げられる。その使用量は、上述したよう
に系のpHを3以下、好ましくは1以下とする量であ
り、pHが高いと、得られるオルガノポリシロキサン樹
脂の保存安定性が悪化する。より好ましい使用量は、ア
ルカリ性触媒を中和した残りがシロキサンに対し0.1
〜10%であり、これより少ないと作業性や保存安定性
に悪影響が生じる場合がある。なお、多く添加してもそ
れ以上の効果は期待し難い。
【0040】この酸加水分解で使用する水の量は、本工
程の目的から残存アルコキシ基を加水分解する理論量以
上であり、好ましくは残存アルコキシ基1モルに対し水
0.6〜2モルである。2モルより多く加えても、残存
アルコキシ基を減らす効果はそれ以上期待し難い。
【0041】なお、残存アルコキシ基をより効果的に減
らすには、上記濃縮工程において十分に副生アルコール
を系外に留去しておくと、本工程でその効果がある。
【0042】この酸加水分解工程において、有機溶剤は
上記アルカリ性下での部分加水分解工程と同様に利用す
ることかでできる。即ち、本工程における酸加水分解は
シロキサンの重合度を殆んど増加させないが、溶剤でシ
ロキサン濃度を下げておけば、重合度を増加させない効
果をより有効に発揮させる。この場合、シロキサン濃度
は70〜30%程度が経済的であるが、重合度の上昇が
大きい場合は、シロキサン濃度を更に低下させることが
有効である。
【0043】なお、上記酸加水分解工程は、10〜20
0℃の温度で0.5〜10時間程度行うことが好まし
い。
【0044】酸加水分解終了後は、中和或いは水洗洗浄
等の手段で反応を停止し、公知の方法でオルガノポリシ
ロキサン樹脂を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、アルコキシ基含有けい
素化合物を目的の重合度まで再現性良く加水分解縮合す
ることができ、この際ゲル化やミクロゲルの発生などの
問題はない。また、部分加水分解工程時の副生アルコー
ルは濃縮時に留去により系外に除去されるため、アルコ
ール性排水としてのBOD負荷が低減されると共に、得
られるオルガノポリシロキサン樹脂はシラノール基が官
能基として十分に残っている一方、アルコキシ基の残留
量は少なく、従ってオルガノポリシロキサン樹脂の応用
性能が向上したものである。
【0046】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0047】〔実施例1〕テトラメトキシシラン76
g、モノメチルトリメトキシシラン136g、ジメチル
ジメトキシシラン60g、キシレン200g、水酸化ナ
トリウム1.3gを1リットルフラスコに取り、水27
gを撹拌しながら加えた。
【0048】40℃で2時間、次いで70℃で2時間熟
成した後、常圧で335gまで濃縮した。この濃縮液中
のシロキサン濃度は約40%であり、また留分中には約
90gのメタノールが含まれていた。
【0049】次に、上記濃縮液に濃塩酸8g、水30g
を40℃で加え、40℃で2時間撹拌して熟成した。次
いで10%芒硝水100gによる水洗洗浄を3回繰り返
し、系のpHを7とした。
【0050】得られたオルガノポリシロキサン樹脂の特
性(50%溶液粘度、平均分子量、シラノール基量、ア
ルコキシ基)量を下記方法により調べた。結果を表1に
示す。
【0051】50%溶液粘度 オルガノポリシロキサン樹脂をトルエン50%溶液と
し、オストワルド粘度計を用い、25℃恒温槽で測定し
た。
【0052】平均分子量 ゲルパーミエイションクロマトグラフィーにより求めた
標準ポリスチレン換算重量平均分子量で評価した。 装置:東洋ソーダ(株)製造GPC(モデルR−80
2) カラム:TSKーゲル 測定温度:40℃ 流速:1cc/分 THF 試料:オルガノポリシロキサン樹脂を1%THF溶液と
して使用
【0053】シラノール基量 グリニア法により定量した。アルコキシ基量 オルガノポリシロキサン樹脂にKOHを加えて熱分解
し、生成するアルコールから定量した。
【0054】〔比較例1〕実施例1において、アルカリ
性下での熟成後、常圧での濃縮を行わず、直ちに酸性下
での熟成を行った以外は実施例1と同様に操作し、得ら
れたオルガノポリシロキサン樹脂の特性を調べた。結果
を表1に示す。
【0055】〔比較例2〕実施例1と同様に3種のアル
コキシシラン、キシレン、水酸化ナトリウムを1リット
ルフラスコに取り、これに水62gを加えた。これを4
0℃で熟成しようとしたところ、その熟成中に系全体が
ゲル化した。
【0056】〔比較例3〕実施例1と同様に3種のアル
コキシシラン及びキシレンを1リットルフラスコに取
り、これに濃塩酸4g、水60gを40℃で加え、40
℃で6時間熟成した。次いで、10%芒硝水100gに
よる水洗洗浄を3回繰り返し、系のpHを7とした。得
られたオルガノポリシロキサン樹脂の特性を表1に示
す。
【0057】〔実施例2〕モノメチルトリエトキシシラ
ン178g、モノフェニルトリメトキシシラン198
g、ジメチルジメトキシシラン60g、トルエン300
g、水酸化カリウム5gを2リットルフラスコに取り、
水36gを加えて、40℃で1時間、次いで75℃で2
時間熟成し、引き続き常圧で430gまで濃縮し、シロ
キサン濃度60%とした。なお、留分には約170gの
副生アルコールが含まれていた。
【0058】次に、この濃縮液に濃硫酸12g、水40
gを加え、40℃で2時間撹拌し、熟成した後、10%
芒硝水200gで3回水洗洗浄し、系のpHを7とし
た。得られたオルガノポリシロキサン樹脂の特性を表1
に示す。
【0059】〔実施例3〕実施例2において、トルエン
の使用量を700gとし、常圧濃縮を640gまでとし
て濃縮液中のシロキサン濃度を40%とした以外は実施
例2と同様に操作した。得られたオルガノポリシロキサ
ン樹脂の特性を表1に示す。
【0060】〔実施例4〕実施例2において、水酸化ナ
トリウムでの部分加水分解時における水の量を36gの
代りに9gとし、かつ濃硫酸での加水分解時における水
の量を40gの代りに67gとした以外は実施例2と同
様に操作した。得られたオルガノポリシロキサン樹脂の
特性を表1に示す。
【0061】〔実施例5〕実施例3において、水酸化ナ
トリウムでの部分加水分解時における水の量を36gの
代りに63gとし、濃硫酸での加水分解時における水の
量を40gの代りに13gとした以外は実施例3と同様
に操作した。得られたオルガノポリシロキサン樹脂の特
性を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】なお、実施例1と比較例1とは各々5回繰
り返し実験し、その再現性を調べた。その結果、実施例
1では平均分子量が14000〜16000と殆んど変
化がなかったが、比較例1では平均分子量が7000〜
14000とかなりのバラツキを示した。
【0064】上記の結果より、本発明法によれば、分子
量の異なるオルガノポリシロキサン樹脂を容易に再現性
良く製造し得ると共に、重合度を高くしても実用上十分
な量のシラノール基を有している一方、アルコキシ基残
留量は非常に少ないものであることがわかる。
フロントページの続き (72)発明者 磯部 憲一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) R1 nSi(OR24-n …(1) (但し、式中R1は置換又は未置換の一価炭化水素基、
    2は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0〜3の
    整数である。)で示されるオルガノアルコキシシラン及
    びその部分加水分解縮合したオリゴマーから選ばれる1
    種もしくは2種のアルコキシ基含有けい素化合物をアル
    カリ性加水分解触媒の存在下で該けい素化合物の全アル
    コキシ基を加水分解する理論量より少ない水で部分加水
    分解した後、反応混合物を濃縮し、次いでこの濃縮物に
    酸性加水分解触媒を該濃縮物がpH3以下になるように
    添加すると共に、水を上記けい素化合物の残存アルコキ
    シ基を加水分解する理論量以上添加して、残存アルコキ
    シ基を加水分解することを特徴とするオルガノポリシロ
    キサン樹脂の製造方法。
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