JP2938734B2 - 低分子量ポリメチルシクロポリシロキサンの安定化方法 - Google Patents

低分子量ポリメチルシクロポリシロキサンの安定化方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Si−H結合を含有す
る低分子量ポリメチルシクロポリシロキサンの安定化方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Si−H結合を含有する低分子量ポリメ
チルシクロポリシロキサンは、シリコーン樹脂として利
用される硬質ポリシロキサン重合体、シリコーンゴムと
して利用される室温架橋型ポリシロキサン弾性体の製造
時に使用される。硬質ポリシロキサン重合体は、低分子
量ポリメチルシクロポリシロキサンを白金系触媒の存在
下でビニル基含有ポリオルガノシロキサンと反応させ、
架橋させることによって得られる。室温架橋型ポリシロ
キサン弾性体は、低分子量ポリメチルシクロポリシロキ
サンのSi−H基に種々の官能基を付与して得られる。
【0003】低分子量ポリメチルシクロポリシロキサン
を造るには、メチルジクロロシランを加水分解し縮合す
る方法と、鎖状ポリメチルポリシロキサンを触媒、例え
ば硫酸、リン酸、活性白土の存在下または触媒の非存在
下で加熱して環化する方法とがある。これらの方法によ
って製造された低分子量ポリメチルシクロポリシロキサ
ンは反応性が非常に高い。低分子量ポリメチルシクロポ
リシロキサンのSi−H結合は容易に分解し、共存する
分子末端のシラノール基と脱水素反応したり、微量の水
分により加水分解されてシラノール基となる。シラノー
ル基は別のSi−H結合と脱水素反応したり、シラノー
ル基どうしで縮合反応したりして、シロキサン結合を形
成する。これらの反応により低分子量ポリメチルシクロ
ポリシロキサンは3次元化し、ゲル化する。これらの反
応は、加熱によって加速されるほか、アルカリ性物質、
酸性物質の存在下では、ゲル化だけでなくシロキサン結
合の切断による開環重合も発生し、低分子量ポリメチル
シクロポリシロキサンは容易に高分子量化していく。
【0004】低分子量ポリメチルシクロポリシロキサン
を工業的に製造する場合、反応中あるいは蒸留中に前記
反応が生じ、低分子量ポリメチルシクロポリシロキサン
は高分子量化しやすく、また得られた低分子量ポリメチ
ルシクロポリシロキサンも保存の際、純度が低下してし
まうことをよく経験する。このため製造時および保存時
の際、低分子量ポリメチルシクロポリシロキサンを安定
化させる方法が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、Si−H結合を含有する
低分子量ポリメチルシクロポリシロキサンを製造時に高
分子量化することなく、しかも保存時に純度低下するこ
となく安定化させる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の低分子量ポリメチルシクロポリシ
ロキサンの安定化方法は、下記式〔I〕
【0007】
【化3】
【0008】で示される低分子量ポリメチルシクロポリ
シロキサンに対して、下記式〔II〕
【0009】
【化4】
【0010】で示される鎖状ポリメチルポリシロキサン
を1〜20重量%含有させるものである。〔I〕式中の
mは1種類または複数種類の4〜8の整数、〔II〕式中
のmは〔I〕式中で採用されているmと同一である。
【0011】低分子量ポリメチルシクロポリシロキサン
には、例えば2,4,6,8−テトラメチルシクロテト
ラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチルシ
クロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−
ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンが挙げられる。鎖
状ポリメチルポリシロキサンには、1,1,1,3,
5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,
1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサ
ン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナメチル
ペンタシロキサンが挙げられる。鎖状ポリメチルポリシ
ロキサンは、同じmの値を持つ低分子量ポリメチルシク
ロポリシロキサンに対して1〜20重量%含有される。
含有量が1%以下では低分子量ポリメチルシクロポリシ
ロキサンを安定化させる効果が低減してしまい、含有量
が20%以上では低分子量ポリメチルシクロポリシロキ
サンが本来の性質を失う恐れがある。
【0012】上述した低分子量ポリメチルシクロポリシ
ロキサンの重合度および沸点と、それぞれの低分子量ポ
リメチルシクロポリシロキサンに含有させる鎖状ポリメ
チルポリシロキサンの重合度および沸点とを表1に示し
た。
【0013】
【表1】
【0014】表1から分かるようにmの値が等しけれ
ば、低分子量ポリメチルシクロポリシロキサンの沸点と
鎖状ポリメチルポリシロキサンの沸点とは近似する。近
似した沸点を持つ成分を共存させることが、低分子量ポ
リメチルシクロポリシロキサンの安定化には好ましい。
【0015】低分子量ポリメチルシクロポリシロキサン
の安定化方法には、低分子量ポリメチルシクロポリシロ
キサンと鎖状ポリメチルポリシロキサンとをそれぞれ別
に製造し最終的に混合調整する方法、低分子量ポリメチ
ルシクロポリシロキサンの合成時に鎖状ポリメチルポリ
シロキサンを同時に合成する方法がある。工業的には鎖
状ポリメチルポリシロキサンを同時に合成する方法が好
ましい。例えばメチルジクロロシランを加水分解し、縮
合する際に所定量のトリメチルクロロシランを添加して
製造する方法、鎖状ポリメチルポリシロキサンを触媒の
存在下または非存在下で加熱して環化する際に所定量の
1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサンを
添加して製造する方法が挙げられる。
【0016】
【作用】Si−H結合を含有する低分子量ポリメチルシ
クロポリシロキサン中に鎖状ポリメチルポリシロキサン
が一定量含有している場合に、低分子量ポリメチルシク
ロポリシロキサンのSi−H結合が分解するとき、鎖状
ポリメチルポリシロキサンは封止剤として作用し、Si
−H結合の反応を抑制する。Si−H結合の反応が抑制
されることにより、低分子量ポリメチルシクロポリシロ
キサンの3次元化、ゲル化が防止される。低分子量ポリ
メチルシクロポリシロキサンが開環重合をしたときも、
鎖状ポリメチルポリシロキサンは同様の作用により、低
分子量ポリメチルシクロポリシロキサンが高分子量化す
るのを防ぐ。
【0017】
【発明の効果】本発明の低分子量ポリメチルシクロポリ
シロキサンの安定化方法によれば、Si−H結合を含有
する低分子量ポリメチルシクロポリシロキサンと鎖状ポ
リメチルポリシロキサンとを蒸留塔内で共存させた場
合、蒸留時のポリメチルシクロポリシロキサンの高分子
量化が防止される。そのため低分子量ポリメチルシクロ
ポリシロキサンが工業的に高収率で製造される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0019】実施例1 直径25mm、高さ500mmのガラス蒸留塔にステン
レス製マクマホンパッキンを充填した。2,4,6,8
−テトラメチルシクロテトラシロキサン300gと1,
1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン
15gを蒸留釜に仕込み、常圧下で5時間蒸留を行なっ
た。留出物は回収率が95%であり、仕込み液の組成と
ほぼ同一の組成であった。蒸留直後の残液は低粘度であ
り、マクマホンパッキン充填部にも異物の付着は認めら
れなかった。
【0020】比較例1 2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン
300gの蒸留を実施例1と同一の条件で行なった。留
出物の回収率は87%であった。蒸留直後の残液は高粘
度であり、経時的にゲル化した。マクマホンパッキン充
填部には、ゴム状の高粘性物質の付着が認められた。
【0021】実施例2 2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン
98重量%、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチ
ルトリシロキサン2重量%の組成の仕込み液を調製し
た。この仕込み液の一部を70℃で16時間加熱した。
加熱処理とは別に、残りの仕込み液を室温下(20〜2
5℃)で25日間保存した。加熱処理した液および室温
保存下での液にも純度低下は認められなかった。
【0022】比較例2 2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン
のみを仕込み液とした。この仕込み液の加熱処理および
室温保存を、実施例2と同一の条件で行なった。加熱処
理した液には5.1%の純度低下、室温保存下での液に
は1.5%の純度低下が認められた。
【0023】実施例3 m=4の低分子量ポリメチルシクロポリシロキサン5
5.1重量%と鎖状ポリメチルポリシロキサン3.0重
量%、m=5の低分子量ポリメチルシクロポリシロキサ
ン26.6重量%と鎖状ポリメチルポリシロキサン2.
4重量%、m=6の低分子量ポリメチルシクロポリシロ
キサン5.5重量%と鎖状ポリメチルポリシロキサン
0.8重量%、m=7の低分子量ポリメチルシクロポリ
シロキサン1.0重量%と鎖状ポリメチルポリシロキサ
ン0.2重量%、m=8の低分子量ポリメチルシクロポ
リシロキサン0.2重量%の組成でこれら10種類の成
分を混合した仕込み液を300g調製した。各成分のm
および仕込み液の組成を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2に示されている組成の仕込み液を、実
施例1と同一の蒸留塔で10〜70mmHgの圧力下で
8時間蒸留した。留出分は回収率が93%であり、仕込
み液の組成とほぼ同一の組成であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−113887(JP,A) 特開 昭54−90120(JP,A) 特開 昭61−236783(JP,A) 特開 平2−191286(JP,A) 特開 平7−242678(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/21 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式〔I〕 【化1】 (〔I〕式中のmは4〜8の整数で1種類または複数種
    類)で示される低分子量ポリメチルシクロポリシロキサ
    ンに対して、下記式〔II〕 【化2】 (〔II〕式中のmは〔I〕式中で採用されるmと同一)
    で示される鎖状ポリメチルポリシロキサンを1〜20重
    量%含有させることを特徴とする低分子量ポリメチルシ
    クロポリシロキサンの安定化方法。
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US6858697B2 (en) * 2001-12-21 2005-02-22 Air Products And Chemicals, Inc. Stabilizers to inhibit the polymerization of substituted cyclotetrasiloxane
US7101948B2 (en) * 2001-12-21 2006-09-05 Air Products And Chemicals, Inc. Stabilizers to inhibit the polymerization of substituted cyclotetrasiloxane
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