JPH0598010A - 硬化性組成物 - Google Patents
硬化性組成物Info
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- JPH0598010A JPH0598010A JP10049391A JP10049391A JPH0598010A JP H0598010 A JPH0598010 A JP H0598010A JP 10049391 A JP10049391 A JP 10049391A JP 10049391 A JP10049391 A JP 10049391A JP H0598010 A JPH0598010 A JP H0598010A
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- hydroxyapatite
- curable composition
- pentaerythritol
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- polythiol compound
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- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、天然素材に優るとも劣らぬ美観と
高級感を有する印材、装飾品および高級ボタン等の成形
品を形成し得る硬化性組成物を提供するにある。 【構成】 ジアリリデンペンタエリスリット、1分子中
に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、
ヒドロキシアパタイトおよび必要に応じてラジカル重合
可能な多官能モノマー類を混合して、目的の硬化性組成
物を得る。
高級感を有する印材、装飾品および高級ボタン等の成形
品を形成し得る硬化性組成物を提供するにある。 【構成】 ジアリリデンペンタエリスリット、1分子中
に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、
ヒドロキシアパタイトおよび必要に応じてラジカル重合
可能な多官能モノマー類を混合して、目的の硬化性組成
物を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、美観、高級感のある印
材、装飾品および高級ボタン等の成形品の形成に適した
硬化性組成物に関する。
材、装飾品および高級ボタン等の成形品の形成に適した
硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】印材などにあっては、例えば象牙のよう
な天然素材の例をみると、資源の涸渇、捕獲の禁止など
によって入手が期待できなくなっており、従って、近年
これに替る材料が求められていることは周知である。
な天然素材の例をみると、資源の涸渇、捕獲の禁止など
によって入手が期待できなくなっており、従って、近年
これに替る材料が求められていることは周知である。
【0003】然し、天然素材のもつ物性に加えて、美
観、高級感のある天然素材に匹敵する人工素材をつくる
ことは難かしい。外観一つをとってみても、天然素材は
時間をかけて微少な素原料を積み重ねて生長する方向に
あることから、独特なものをもっており、これと同様の
人工素材は得ることが困難である。即ち、プラスチック
スを原料とする場合は、それが熱可塑性樹脂であれ、ま
た熱硬化性樹脂であれ、併用する充てん材を極力吟味し
ても、やはり天然素材よりも感性の点で、見劣りするも
のしか得られていない。
観、高級感のある天然素材に匹敵する人工素材をつくる
ことは難かしい。外観一つをとってみても、天然素材は
時間をかけて微少な素原料を積み重ねて生長する方向に
あることから、独特なものをもっており、これと同様の
人工素材は得ることが困難である。即ち、プラスチック
スを原料とする場合は、それが熱可塑性樹脂であれ、ま
た熱硬化性樹脂であれ、併用する充てん材を極力吟味し
ても、やはり天然素材よりも感性の点で、見劣りするも
のしか得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
人工素材の欠点を克服し、天然素材、特に印材の頂点と
もいえる象牙に優るとも劣らぬ美観と高級感を有する成
形品を形成し得る硬化性組成物を提供することを目的と
する。
人工素材の欠点を克服し、天然素材、特に印材の頂点と
もいえる象牙に優るとも劣らぬ美観と高級感を有する成
形品を形成し得る硬化性組成物を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジアリリデン
ペンタエリスリット、ポリチオール化合物、ヒドロキシ
アパタイトおよび必要に応じてラジカル重合可能な多官
能モノマー類を含有してなる硬化性組成物の硬化物から
なる成形品が、象牙類似の外観を有し、かつその外観は
更に変化させることが可能であることを知り、本発明を
完成するに至った。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジアリリデン
ペンタエリスリット、ポリチオール化合物、ヒドロキシ
アパタイトおよび必要に応じてラジカル重合可能な多官
能モノマー類を含有してなる硬化性組成物の硬化物から
なる成形品が、象牙類似の外観を有し、かつその外観は
更に変化させることが可能であることを知り、本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(1)ジアリリデンペン
タエリスリット、(2)1分子中に2個以上のチオール
基を有するポリチオール化合物および(3)ヒドロキシ
アパタイトを含有してなる硬化性組成物に関する。
タエリスリット、(2)1分子中に2個以上のチオール
基を有するポリチオール化合物および(3)ヒドロキシ
アパタイトを含有してなる硬化性組成物に関する。
【0007】また、本発明は、(1)ジアリリデンペン
タエリスリット、(2)1分子中に2個以上のチオール
基を有するポリチオール化合物、(3)ラジカル重合可
能な多官能モノマー類および(4)ヒドロキシアパタイ
トを含有してなる硬化性組成物に関する。
タエリスリット、(2)1分子中に2個以上のチオール
基を有するポリチオール化合物、(3)ラジカル重合可
能な多官能モノマー類および(4)ヒドロキシアパタイ
トを含有してなる硬化性組成物に関する。
【0008】本発明の硬化性組成物を調整するために使
用されるジアリリデンペンタエリスリットは、下式で表
されるものである。
用されるジアリリデンペンタエリスリットは、下式で表
されるものである。
【0009】
【化1】
【0010】ジアリリデンペンタエリスリットは、ペン
タエリスリットとアクロレインとから合成される融点が
42℃の白色結晶である。
タエリスリットとアクロレインとから合成される融点が
42℃の白色結晶である。
【0011】このジアリリデンペンタエリスリットのア
リル性不飽和結合がポリチオール化合物のチオール基と
の間で、水素移動を伴う付加反応を行うことにより硬化
する。一例として次の反応式によって示すことができ
る。
リル性不飽和結合がポリチオール化合物のチオール基と
の間で、水素移動を伴う付加反応を行うことにより硬化
する。一例として次の反応式によって示すことができ
る。
【0012】
【化2】
【0013】上記の反応は、光、有機過酸化物、カチオ
ン触媒などを使用する、どの手法によっても進行させる
ことができるが、このことは他の不飽和結合をもつ化合
物、オリゴマーには見ることのできない特長でもある。
後述する理由で、本発明の硬化性組成物の硬化には光硬
化法が有利である。
ン触媒などを使用する、どの手法によっても進行させる
ことができるが、このことは他の不飽和結合をもつ化合
物、オリゴマーには見ることのできない特長でもある。
後述する理由で、本発明の硬化性組成物の硬化には光硬
化法が有利である。
【0014】ジアリリデンペンタエリスリットと併用す
るポリチオール化合物としては、1分子中に2個以上の
チオール基を有するポリチオール化合物があげられる。
チオール基の数は、要求される成形品の物性に応じて変
えることが可能である。
るポリチオール化合物としては、1分子中に2個以上の
チオール基を有するポリチオール化合物があげられる。
チオール基の数は、要求される成形品の物性に応じて変
えることが可能である。
【0015】本発明に用いられるポリチオール化合物と
しては、例えば次の種類のものをあげることができる。
しては、例えば次の種類のものをあげることができる。
【0016】代表的には、チオグリコール酸および/ま
たは(α−,β−)メルカプトプロピオン酸とポリヒド
ロキシ化合物とのエステルである。例えば、ブタンジオ
ール−1,4−ジチオグリコレート、同チオプロピオネ
ート、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、
同チオプロピオネート、ペンタエリスリットテトラチオ
グリコレート、同チオプロピオネート、トリスヒドロキ
シエチルイソシアヌレートのトリチオグリコレート、同
チオプロピオネート等があげられる。
たは(α−,β−)メルカプトプロピオン酸とポリヒド
ロキシ化合物とのエステルである。例えば、ブタンジオ
ール−1,4−ジチオグリコレート、同チオプロピオネ
ート、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、
同チオプロピオネート、ペンタエリスリットテトラチオ
グリコレート、同チオプロピオネート、トリスヒドロキ
シエチルイソシアヌレートのトリチオグリコレート、同
チオプロピオネート等があげられる。
【0017】更にはトリアジン構造のチオール類、例え
ば2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−
s−トリアジンがあげられる。このトリアジン構造のチ
オール類は、前記チオグリコレート、チオプロピオネー
トのポリチオール化合物と併用することができる。
ば2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−
s−トリアジンがあげられる。このトリアジン構造のチ
オール類は、前記チオグリコレート、チオプロピオネー
トのポリチオール化合物と併用することができる。
【0018】ジアリリデンペンタエリスリットと1分子
中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物
との使用割合は、ジアリリデンペンタエリスリットの不
飽和基と、ポリチオール化合物のチオール基との当量比
が、実質的に1:1であることが望ましいが、必要に応
じてラジカル重合可能な多官能モノマー類を併用する時
はこの限りでなく、チオール基の使用割合は、ジアリリ
デンペンタエリスリットの不飽和基1当量に対して0.
3当量以上で変更可能である。
中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物
との使用割合は、ジアリリデンペンタエリスリットの不
飽和基と、ポリチオール化合物のチオール基との当量比
が、実質的に1:1であることが望ましいが、必要に応
じてラジカル重合可能な多官能モノマー類を併用する時
はこの限りでなく、チオール基の使用割合は、ジアリリ
デンペンタエリスリットの不飽和基1当量に対して0.
3当量以上で変更可能である。
【0019】必要に応じて併用されるラジカル重合可能
な多官能モノマー類は、硬化速度や成形品の硬度等を適
度に調節する役割を果たすものであり、具体的には(メ
タ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する多官能
(メタ)アクリレート類またはオリゴマー類が適してい
るが、多官能アリルモノマー類も使用可能である。
な多官能モノマー類は、硬化速度や成形品の硬度等を適
度に調節する役割を果たすものであり、具体的には(メ
タ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する多官能
(メタ)アクリレート類またはオリゴマー類が適してい
るが、多官能アリルモノマー類も使用可能である。
【0020】多官能アリルモノマー類を併用する場合
は、チオール基の使用割合は、ジアリリデンペンタエリ
スリットの不飽和基1当量に対して、1当量以上とする
ことができる。
は、チオール基の使用割合は、ジアリリデンペンタエリ
スリットの不飽和基1当量に対して、1当量以上とする
ことができる。
【0021】(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個
以上有する多官能(メタ)アクリレート類またはオリゴ
マー類としては、エチレングリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレン
グリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリットト
リアクリレート、ペンタエリスリットテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリットトリメタクリレート、ペンタエ
リスリットテトラメタクリレート、エポキシ樹脂とアク
リル酸またはメタクリル酸の反応により合成されるビニ
ルエステル(エポキシ−アクリレート)樹脂、アクリル
酸またはメタクリル酸と多価アルコール、多塩基酸とを
エステル化反応させて得られる、分子末端にアクリロイ
ル基またはメタクリロイル基を有するポリエステル−ア
クリレート、アクリロイル基またはメタクリロイル基を
有する不飽和アルコールを一成分として含み、ポリヒド
ロキシ化合物またはそのポリマー、ジイソシアナートを
反応させて得られるウレタン−アクリレート、多価アル
コールとアクリル酸またはメタクリル酸との直接エステ
ル化により合成される多価アルコールのポリアクリレー
ト、ジアリリデンペンタエリスリットとアクリロイル基
またはメタクリロイル基を有する不飽和アルコールとの
付加反応により得られるスピロアセタールアクリレート
等があげられ、これらは1種または2種以上を混合して
使用してもよい。
以上有する多官能(メタ)アクリレート類またはオリゴ
マー類としては、エチレングリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロピレン
グリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリットト
リアクリレート、ペンタエリスリットテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリットトリメタクリレート、ペンタエ
リスリットテトラメタクリレート、エポキシ樹脂とアク
リル酸またはメタクリル酸の反応により合成されるビニ
ルエステル(エポキシ−アクリレート)樹脂、アクリル
酸またはメタクリル酸と多価アルコール、多塩基酸とを
エステル化反応させて得られる、分子末端にアクリロイ
ル基またはメタクリロイル基を有するポリエステル−ア
クリレート、アクリロイル基またはメタクリロイル基を
有する不飽和アルコールを一成分として含み、ポリヒド
ロキシ化合物またはそのポリマー、ジイソシアナートを
反応させて得られるウレタン−アクリレート、多価アル
コールとアクリル酸またはメタクリル酸との直接エステ
ル化により合成される多価アルコールのポリアクリレー
ト、ジアリリデンペンタエリスリットとアクリロイル基
またはメタクリロイル基を有する不飽和アルコールとの
付加反応により得られるスピロアセタールアクリレート
等があげられ、これらは1種または2種以上を混合して
使用してもよい。
【0022】多官能アリルモノマー類としては、ジアリ
ルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレ
フタレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレー
ト、ジアリルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタレー
ト、トリアリルトリメリテート、分子末端がアリルエス
テル基であるポリエステル、ジアリルフタレートプレポ
リマー、ジアリルテレフタレートプレポリマー等のアリ
ルエステル類、トリメチロールプロパンジアリルエーテ
ル、ペンタエリスリットアリルエーテル、アリルセロソ
ルブ等のアリルエーテル類、トリアリルイソシアヌレー
ト等のトリアリルシアヌレート類、ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート等のビスアリルカーボネート
類があげられる。これらの多官能アリルモノマー類は、
1種または2種以上を混合して使用してもよい。
ルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレ
フタレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレー
ト、ジアリルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタレー
ト、トリアリルトリメリテート、分子末端がアリルエス
テル基であるポリエステル、ジアリルフタレートプレポ
リマー、ジアリルテレフタレートプレポリマー等のアリ
ルエステル類、トリメチロールプロパンジアリルエーテ
ル、ペンタエリスリットアリルエーテル、アリルセロソ
ルブ等のアリルエーテル類、トリアリルイソシアヌレー
ト等のトリアリルシアヌレート類、ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート等のビスアリルカーボネート
類があげられる。これらの多官能アリルモノマー類は、
1種または2種以上を混合して使用してもよい。
【0023】ラジカル重合可能な多官能モノマー類の使
用割合は、ジアリリデンペンタエリスリットとポリチオ
ール化合物の合計100重量部に対して、5〜100重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
用割合は、ジアリリデンペンタエリスリットとポリチオ
ール化合物の合計100重量部に対して、5〜100重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
【0024】本発明に使用されるヒドロキシアパタイト
は、純化学的手法で合成されたものであって、生体硬組
織を構成する蛋白質を含んだ種類とは異なる。
は、純化学的手法で合成されたものであって、生体硬組
織を構成する蛋白質を含んだ種類とは異なる。
【0025】アパタイトとは、一般式がCam(P
O4 )n・OH(1.3<m/n<1.7)で示される
リン酸カルシウムの総称であるが、ヒドロキシアパタイ
トは、Ca10(PO4 )6 ・(OH)2 なる式で示さ
れ、m/n=1.67の比率のものであり、その結晶構
造により次の3種類に分類される。
O4 )n・OH(1.3<m/n<1.7)で示される
リン酸カルシウムの総称であるが、ヒドロキシアパタイ
トは、Ca10(PO4 )6 ・(OH)2 なる式で示さ
れ、m/n=1.67の比率のものであり、その結晶構
造により次の3種類に分類される。
【0026】(i)非晶質六角柱状ヒドロキシアパタイ
ト 生体硬組織を構成する生体アパタイトと類似の結晶構
造、即ちX線的には非晶質の微細結晶であって、一次粒
子はμ以下の極微細結晶で構成され、それが凝集して平
均粒径6μ程度の2次粒子を形成している。
ト 生体硬組織を構成する生体アパタイトと類似の結晶構
造、即ちX線的には非晶質の微細結晶であって、一次粒
子はμ以下の極微細結晶で構成され、それが凝集して平
均粒径6μ程度の2次粒子を形成している。
【0027】(ii)X線的には(i)同様に非晶質のア
パタイトであるが、結晶形態は板状である。
パタイトであるが、結晶形態は板状である。
【0028】(iii)結晶質六角柱状ヒドロキシアパタイ
ト 一次粒子の粒径が約0.3μ、長さが2μ程度の六角柱
状結晶で、X線的には結晶質であり、それらが凝集して
20〜30μ程度の二次粒子を形成している。本発明に
は、この種のものが好適である。
ト 一次粒子の粒径が約0.3μ、長さが2μ程度の六角柱
状結晶で、X線的には結晶質であり、それらが凝集して
20〜30μ程度の二次粒子を形成している。本発明に
は、この種のものが好適である。
【0029】ヒドロキシアパタイト以外のフィラーを用
いたのでは、象牙様感覚を得ることができない。但し、
他のフィラー、例えば水和アルミナのようなフィラーを
外観を損わない程度に併用することは妨げない。
いたのでは、象牙様感覚を得ることができない。但し、
他のフィラー、例えば水和アルミナのようなフィラーを
外観を損わない程度に併用することは妨げない。
【0030】ヒドロキシアパタイトの使用量は、ジアリ
リデンペンタエリスリット、1分子中に2個以上のチオ
ール基を有するポリチオール化合物および必要に応じて
用いられるラジカル重合可能な多官能モノマー類の合計
量100重量部に対して5〜100重量部が好ましい。
特に成形を注形で行うのであれば5〜30重量部が好ま
しい。ヒドロキシアパタイトの使用量が上記範囲により
多い場合は粘度が高くなり過ぎて取扱いが不便となる
他、外観的にも向上することがないからである。また、
ヒドロキシアパタイトの使用量が5重量部未満では、ヒ
ドロキシアパタイトを加える意味がなくなる。
リデンペンタエリスリット、1分子中に2個以上のチオ
ール基を有するポリチオール化合物および必要に応じて
用いられるラジカル重合可能な多官能モノマー類の合計
量100重量部に対して5〜100重量部が好ましい。
特に成形を注形で行うのであれば5〜30重量部が好ま
しい。ヒドロキシアパタイトの使用量が上記範囲により
多い場合は粘度が高くなり過ぎて取扱いが不便となる
他、外観的にも向上することがないからである。また、
ヒドロキシアパタイトの使用量が5重量部未満では、ヒ
ドロキシアパタイトを加える意味がなくなる。
【0031】本発明の硬化性組成物を成形、硬化させる
には、光硬化法が有利である。
には、光硬化法が有利である。
【0032】その理由は、ヒドロキシアパタイトをフィ
ラーとして用いる時、加熱硬化させると、水分の発生を
みるためか、または吸着水分の揮発によるものか、成形
品に気泡、ボイドが発現して完全な成形品を得ることが
難かしいからである。これに対して、光硬化法を用いれ
ばその心配はなく、所望の形状の成形品が得られる。
ラーとして用いる時、加熱硬化させると、水分の発生を
みるためか、または吸着水分の揮発によるものか、成形
品に気泡、ボイドが発現して完全な成形品を得ることが
難かしいからである。これに対して、光硬化法を用いれ
ばその心配はなく、所望の形状の成形品が得られる。
【0033】光硬化は元来薄膜に適用されるもので、肉
厚成形品、特にフィラーを加えた半〜不透明の成形には
適さないと考えられ勝ちであるが、本発明の硬化性組成
物は頗る光硬化し易く、ヒドロキシアパタイトを含んだ
不透明体であっても、例えば内径18m/mのガラス製
試験管内の組成物を太陽光ランプの照射で、数分から数
十分の所望の時間で硬化させることが可能である。
厚成形品、特にフィラーを加えた半〜不透明の成形には
適さないと考えられ勝ちであるが、本発明の硬化性組成
物は頗る光硬化し易く、ヒドロキシアパタイトを含んだ
不透明体であっても、例えば内径18m/mのガラス製
試験管内の組成物を太陽光ランプの照射で、数分から数
十分の所望の時間で硬化させることが可能である。
【0034】光硬化には、光開始剤が併用されるが、光
開始剤としては市販されている種類から選択して用いれ
ば良く、特に種類に制限を加える必要はない。
開始剤としては市販されている種類から選択して用いれ
ば良く、特に種類に制限を加える必要はない。
【0035】光開始剤の代表例としては、ベンゾフェノ
ン、ヒドロキシイソブチルフェノン、アセトフェノン、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベン
ゾイルエチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケ
タール、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、
エチルアソトラキノン、メルク社のダロキュア(商品
名)等があげられる。光開始剤の使用量は、硬化性組成
物100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましい。
ン、ヒドロキシイソブチルフェノン、アセトフェノン、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベン
ゾイルエチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケ
タール、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、
エチルアソトラキノン、メルク社のダロキュア(商品
名)等があげられる。光開始剤の使用量は、硬化性組成
物100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましい。
【0036】また、必要に応じて光開始剤と有機過酸化
物を併用して、光硬化後更に加熱してアフターキュアを
はかることも可能である。
物を併用して、光硬化後更に加熱してアフターキュアを
はかることも可能である。
【0037】本発明の硬化性組成物には、使用に当って
着色剤、離型剤、並びにヒドロキシアパタイト以外のフ
ィラーなどを併用できることは勿論である。
着色剤、離型剤、並びにヒドロキシアパタイト以外のフ
ィラーなどを併用できることは勿論である。
【0038】
【作用】本発明の硬化性組成物より得られた成形品が着
色していない場合は、玉に頗る類似した独特の半透明感
を伴った高級な外観を呈するのは、このヒドロキシアパ
タイトの結晶形態、一次粒子の形態と大きさとそれが凝
集して生じる二次粒子の大きさ、並びに凝集の形態に依
存する所が大きいものと推測されている。
色していない場合は、玉に頗る類似した独特の半透明感
を伴った高級な外観を呈するのは、このヒドロキシアパ
タイトの結晶形態、一次粒子の形態と大きさとそれが凝
集して生じる二次粒子の大きさ、並びに凝集の形態に依
存する所が大きいものと推測されている。
【0039】
【実施例】次に本発明の理解を助けるために、以下に実
施例を示す。
施例を示す。
【0040】実施例1 ジアリリデンペンタエリスリット42g、ペンタエリス
リットテトラチオグリコレート48g、クロマトグラフ
用ヒドロキシアパタイト(前記(iii)の結晶質六角柱状
ヒドロキシアパタイト)15g、光開始剤(メルク社の
ダロキュア#1173)1gを均一に混合した後、約1
0Torrの減圧下に残留気泡を除いた。この組成物を内径
18m/mの試験管に注型、直ちに、出力250Wの太
陽光ランプに10cmの距離を置いて回転しながら光照射
した。硬化は、太陽光ランプの照射と同時に始まり、約
10分後には全体が硬い硬化物となったことが確認され
た。
リットテトラチオグリコレート48g、クロマトグラフ
用ヒドロキシアパタイト(前記(iii)の結晶質六角柱状
ヒドロキシアパタイト)15g、光開始剤(メルク社の
ダロキュア#1173)1gを均一に混合した後、約1
0Torrの減圧下に残留気泡を除いた。この組成物を内径
18m/mの試験管に注型、直ちに、出力250Wの太
陽光ランプに10cmの距離を置いて回転しながら光照射
した。硬化は、太陽光ランプの照射と同時に始まり、約
10分後には全体が硬い硬化物となったことが確認され
た。
【0041】脱型した円筒形の注型硬化物のバーコル硬
さは31であり、彫刻材の玉とよく似た、やや透明感を
帯びた白色を呈し、図1(1.4×1.4倍、面積的に
は約4倍に拡大)にみられる細かい字の印が作成可能
で、彫刻性にも優れていることが確認された。
さは31であり、彫刻材の玉とよく似た、やや透明感を
帯びた白色を呈し、図1(1.4×1.4倍、面積的に
は約4倍に拡大)にみられる細かい字の印が作成可能
で、彫刻性にも優れていることが確認された。
【0042】実施例2 ジアリリデンペンタエリスリット42g、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート20g、10重量%の2−
ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−ト
リアジンを溶解させたペンタエリスリットテトラチオプ
ロピオネート50g、光開始剤としてメルク社の#42
65を1g、有機過酸化物として、化薬アクゾ社の#パ
ーカドックス#16を1g、ヒドロキシアパタイト(実
施例1と同製品)11g、水和アルミナ(昭和電工
(株)社製、ハイジライト310HS)を36g、チタ
ン白0.5gを混合し、均一溶液とした後、脱泡した。
この組成物を試験管に注入し、ゆっくり回転させながら
250Wの太陽光ランプを側面より30分間照射した。
硬化物を試験管より取出し、80℃で2時間、120℃
で2時間後硬化させた。
ルプロパントリアクリレート20g、10重量%の2−
ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−ト
リアジンを溶解させたペンタエリスリットテトラチオプ
ロピオネート50g、光開始剤としてメルク社の#42
65を1g、有機過酸化物として、化薬アクゾ社の#パ
ーカドックス#16を1g、ヒドロキシアパタイト(実
施例1と同製品)11g、水和アルミナ(昭和電工
(株)社製、ハイジライト310HS)を36g、チタ
ン白0.5gを混合し、均一溶液とした後、脱泡した。
この組成物を試験管に注入し、ゆっくり回転させながら
250Wの太陽光ランプを側面より30分間照射した。
硬化物を試験管より取出し、80℃で2時間、120℃
で2時間後硬化させた。
【0043】硬化物のバーコル硬さは40で、やや薄い
褐色を帯びた不透明の注型品であって、天然の高級象牙
とよく似た外観を呈していた。この注型品は、自動彫刻
機による印材としての彫刻性に優れていた。
褐色を帯びた不透明の注型品であって、天然の高級象牙
とよく似た外観を呈していた。この注型品は、自動彫刻
機による印材としての彫刻性に優れていた。
【0044】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、光硬化性を示
し、その硬化物は美観、高級感を呈する故に、印材、装
飾品および高級ボタン等の用途に応用することができ
る。
し、その硬化物は美観、高級感を呈する故に、印材、装
飾品および高級ボタン等の用途に応用することができ
る。
【図1】実施例1で得られた注型硬化物から作製した印
の拡大図である。
の拡大図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 (1)ジアリリデンペンタエリスリッ
ト、(2)1分子中に2個以上のチオール基を有するポ
リチオール化合物および(3)ヒドロキシアパタイトを
含有してなる硬化性組成物。 - 【請求項2】 (1)ジアリリデンペンタエリスリッ
ト、(2)1分子中に2個以上のチオール基を有するポ
リチオール化合物、(3)ラジカル重合可能な多官能モ
ノマー類および(4)ヒドロキシアパタイトを含有して
なる硬化性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10049391A JPH0598010A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 硬化性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10049391A JPH0598010A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 硬化性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0598010A true JPH0598010A (ja) | 1993-04-20 |
Family
ID=14275459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10049391A Pending JPH0598010A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 硬化性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0598010A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05186595A (ja) * | 1992-01-09 | 1993-07-27 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光硬化性樹脂組成物およびこれを用いた光コネクタ清掃具 |
CN103472181A (zh) * | 2013-09-30 | 2013-12-25 | 国家烟草质量监督检验中心 | 一种检测印刷包装材料中二苯甲酮和异丙基硫杂蒽酮类化合物的合相色谱分析方法 |
-
1991
- 1991-04-05 JP JP10049391A patent/JPH0598010A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05186595A (ja) * | 1992-01-09 | 1993-07-27 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光硬化性樹脂組成物およびこれを用いた光コネクタ清掃具 |
CN103472181A (zh) * | 2013-09-30 | 2013-12-25 | 国家烟草质量监督检验中心 | 一种检测印刷包装材料中二苯甲酮和异丙基硫杂蒽酮类化合物的合相色谱分析方法 |
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