JPH0597698A - 機能性ポリペプチド - Google Patents
機能性ポリペプチドInfo
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Abstract
ゲンV型に相当する人工の新規なポリペプチドを提供す
る。 【構成】 一般式 (X)m −(Y)n −(Z) (式
中Xはヒトフィブロネクチンの細胞接着ドメインペプチ
ド、Yはスペーサー、Zはその配列中に配列表の配列番
号1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチド、
m及びnは1又は0である)で表される人工の機能性ポ
リペプチド。ZはヒトコラーゲンV型のα1鎖中のポリ
ペプチドの6、9、33番目のHypがProに置換さ
れたものである。 【効果】 インスリンを利用する分野での新ポリペプチ
ドとして有用である。
Description
し、更に詳細にはインスリン結合活性を有する人工のポ
リペプチドに関する。
と表示する)は、様々な組織に広く存在する細胞外マト
リクスであり、トロンボスポンジン、DNA、ヘパリン
と結合性を示し、また、創傷部位で移動している表皮細
胞によって合成されることが知られている。本発明者ら
は先にこのh−ColVが強いインスリン結合活性を有す
ることを見出している(特開平2−209899号)。
ン結合担体として有用であり、成長因子活性、及びホル
モン活性を有するインスリンの新しいドラグデリバリー
システムを構築することができる。しかし、h−ColV
は生体内物質であり、大量に調製することは困難であ
る。また、生体由来の夾雑物の混入も避けられない。本
発明の目的は、上記インスリン結合担体として有用なh
−ColVに相当する人工のポリペプチドを創製すること
にある。
明は人工の機能性ポリペプチドに関し、下記一般式(化
1)で表されることを特徴とする。
着ドメインポリペプチド、Yはスペーサー、Zはその配
列中に配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含
有するポリペプチド、m及びnは1又は0である)
とは、そのアミノ酸配列中に配列表の配列番号1で表さ
れるアミノ酸配列を含有するものであればよい。
酸配列は、特開平2−209899号公報、ビオキミカ
エ ビオフィジカ アクタ( Biochimica et Biophys
icaActa )、第1035巻、第139〜154頁(19
90)にそれぞれ記載の配列表の配列番号2で表され
る、h−ColVのα1鎖中のインスリン及びヘパリン結
合部位ポリペプチドの第6、9、33番目のHypがP
roに置換されたものである。
ドは、例えば化学的に合成できる。また該ポリペプチド
をその配列中に含有するポリペプチドとしては、配列表
の配列番号3で表されるポリペプチド(以下ColV−I
nと略す)があり、該ポリペプチドは例えば遺伝子工学
的に作成することができる。
本発明者らが解明しており〔ザ ジャーナル オブ バ
イオロジカル ケミストリー( TheJournal of Biologi
calChemistry ) 、第266巻、第13124〜131
29頁(1991)〕、配列表の配列番号3で表される
ColV−Inのアミノ酸配列は、該文献に記載の第79
9番から第984番までのアミノ酸配列と同一である。
ヒト胎盤mRNAより合成したcDNAよりPCR〔 P
olymerase Chain Reaction:サイキ( Saiki )ら、サイ
エンス( Science )、第230巻、第1350〜135
4頁(1985)〕により増幅し、得ることができる。
次に増幅されたDNA断片をNcoI、BamHIで処
理し、例えばpTV118N〔フェブス レターズ(F
EBS Letters )、第223巻、第174頁(198
5)〕の同サイトにライゲーションすることにより、該
DNA断片を含有するプラスミドpTVColVを作成す
ることができる。
得るためには、例えばpTVColVより、目的ポリペプ
チドをコードするDNAをNcoI、BamHIで切り
出し、次いで、高発現性プラスミド、例えばpET8c
の同サイトに導入し、プラスミドpETColVを作成す
る。該プラスミドを図1に示す。なお図1中AはColV
−InをコードするDNA断片部位を示す。
e ) らが作成したT7RNAポリメラーゼ プロモータ
ーを有するプラスミドで、これをT7RNAポリメラー
ゼを発現する大腸菌BL−21株に導入することで効果
的にタンパク質を発現することができる。pETColV
で大腸菌BL−21株を形質転換し、該形質転換株を培
養することにより、配列表の配列番号3で表されるCol
V−Inを発現させることができ、培養菌体のSDS−
PAGEにより、分子量約18kdのポリペプチドにイ
ンスリン結合活性が確認される。
に細胞接着活性を合せもたせれば、各種細胞への親和性
を更に高めることができ、インスリン結合担体の機能が
増加する。
−Inと細胞接着活性ポリペプチドをタンパク質工学的
手法や遺伝子工学的手法で結合させることによって作成
することができる。また例えばColV−Inの配列中
に、細胞接着活性ポリペプチドを移植することによって
も作成することができる。
接着性を付与できるものであれば何でもよいが、例えば
ヒトフィブロネクチン(以下h−FNと略す)の細胞接
着ドメインポリペプチドを用いることができる。
は、ジ エンボ ジャーナル( TheEMBO Journal
)、第4巻、第1755〜1759頁(1985)に記
載されている。また、その細胞接着ドメインをコードす
るcDNAクローン(pLF5)についてはバイオケミ
ストリー( Biochemistry ) 、第25巻、第4936〜
4941頁(1986)に記載されている。本発明者ら
は、pLF5から、細胞接着ドメインに対するcDNA
断片を取出し、これを発現ベクターに接続して大腸菌に
導入することにより、細胞接着活性ポリペプチド及びそ
の製造方法を開発し特許出願した(特開平1−2069
98号)。本発明で必要とされる細胞接着ドメインのc
DNAは、例えば特開平1−206998号公報に記載
されている組換え体プラスミドpTF7021を用い調
製することができる。なお、pTF7021はFNのP
ro1239−Met1517(279アミノ酸残基:配列表の
配列番号4で表されるポリペプチド)を発現するプラス
ミドである。pTF7021の翻訳領域のC末端のスト
ップコドンの直前にクローニングサイト、例えばNco
Iサイトを導入することにより、細胞接着ドメインのc
DNAと他のポリペプチドをコードするDNAを連結さ
せることができる。
リペプチドのアミノ酸に付された肩数字は、EMBL
データバンク( EMBL DATA BANK ) 中のFNのcDNA
配列を翻訳して得られるアミノ酸配列に付されたN末か
らのアミノ酸残基数を示す。
I で処理し、ColV−InをコードするDNA断片を調
製し、次に前記pTF7021から誘導されたプラスミ
ドpTF7520の翻訳領域の3′末端NcoI、Hin
d III サイトに接続することにより、h−FNの細胞接
着ドメインとインスリン結合活性ポリペプチドが連結し
た配列表の配列番号5で表されるポリペプチド(以下、
C277−ColVと略す)を発現する組換体プラスミド
pTF7520ColVが得られる。該プラスミドを図2
に示す。なお、図2中AはColV−InをコードするD
NA断片部位、Bは細胞接着ドメインをコードするDN
A断片部位を示す。
スペーサーのMetをコードするDNAがリンカーとし
て含まれる。リンカーの有無は、本発明の効果を左右す
るものではないが、必要とあれば部位特異的変異の手法
により、容易に除去することができる。すなわち前出の
式(化1)中におけるスペーサーは、細胞接着活性ポリ
ペプチドとインスリン結合活性ポリペプチドの分子間距
離を調節するための挿入配列でもあり、任意のアミノ酸
又はポリペプチドを用いることができ、また必要に応じ
除去することもできる。またこのスペーサーのアミノ酸
配列を細胞接着活性ポリペプチドのC末端、インスリン
結合活性ポリペプチドのN末端にそれぞれ目的に応じ付
加することができ、また除去することもできる。
を大腸菌に導入し、適当な条件下に培養することによ
り、目的ポリペプチドが大腸菌内に蓄積される。発現の
確認にはイムノブロッティングが用いられる。組換え大
腸菌の全菌体タンパク質をSDS−PAGEで分離した
後、泳動パターンをニトロセルロース膜に移し取る。h
−FNの細胞接着ドメインを認識するモノクローナル抗
体(FN−10、宝酒造)及びインスリン結合活性測定
方法で検出されるバンドが目的のポリペプチドである。
うに行う。組換え大腸菌をL−ブロス等の培地に培養
し、集菌した後、超音波処理により、菌体破砕液を得、
これを遠心分離して上清を得る。上清を透析後、ヘパリ
ン−アガロース等のアフィニティクロマトを行う。以上
の操作により、目的のポリペプチドを精製することがで
きる。
性は以下の方法で検出される。すなわち、本発明のポリ
ペプチドを適当な濃度のSDSポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS−PAGE)で分離し、これをニトロ
セルロース膜ヘブロッティングする。これにパーオキシ
ダーゼ標識したインスリンをPBS中で反応させ、充分
に洗浄した後に、4−クロロ−1−ナフトールと過酸化
水素を基質として標識パーオキシダーゼ活性を検出す
る。
ラティ( Ruoslahti )等の方法(メソッズ イン エン
ザイモロジー( Methods in Enzymology )、第82巻、
第803〜831頁(1981)〕に準じて行う。すな
わち、試料をコートした後、BSAでブロッキングした
マイクロタイタープレートに、スイスマウス3T3又は
B16−F10又はMTD細胞の懸濁液を添加し、37
℃で約1時間インキュベートした後、未吸着の細胞を洗
浄した後、吸着した細胞をトリプシン処理により回収
し、クールターカウンターにて細胞数を測定することに
より、細胞接着の強さを測定することができる。
ンスリン結合活性、細胞接着活性を示す。
号1で表すポリペプチドを分子中に有するポリペプチド
は、天然のh−ColVのα1鎖と構造は異なるが、強い
インスリン結合活性を示す。
性を合せ持つインスリン結合担体は、成長因子活性、及
びホルモン活性を有するインスリンのホメオスタシスを
調節することが可能であり、糖尿病患者に代表される種
々の疾患々者にインスリンを投与する時、インスリンの
作用部位へのターゲッティングに優れた、持続時間の長
い、安全で、免疫原性のない医薬品を作ることができ、
インスリンの効果を最大限に発揮させ、かつ、副作用の
ない新しい製剤及びドラグデリバリーシステムを構築す
ることが可能となる。例えば、生化学的研究に有効な増
殖促進試薬が提供され、表皮細胞の増殖を高め、皮膚の
老化を防ぐ有用な化粧品が提供され、更に外傷や外科手
術後の創傷治癒を促進する経皮薬及び治療薬が提供さ
れ、糖尿病の治療に用いる持続性の高い、副作用のない
インスリン製剤が提供される。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
ローニング及び発現ヒト胎盤m−RNA(クローンテッ
ク社)よりオリゴdTプライマーを用いて1本鎖のcD
NAを合成した〔メソッズ イン エンザイモロジー
第152巻、第316〜324頁(1987)〕。すな
わち、反応液25mMトリス( Tris)−HCl、pH
8.3、100mM KCl、10mM MgCl2、
500μM dNTP(dATP、dCTP、dGT
P、TTP)オリゴd(T)12-18 0.5μg(計20
μl)を95℃、5分間加熱し、その後、0.5μg
m−RNAを加えた。更に95℃、3分間加熱し、氷中
で急冷した。これに終濃度5.76μMのβ−メルカプ
トエタノールを加え、更に25ユニットの逆転写酵素
(宝酒造社製:RAV−2)を加え(計25μl)42
℃、60分反応させた。この産物を以下の条件でPCR
にかけた。すなわち、配列表の配列番号6、7でそれぞ
れ表されるプライマー,をDNA合成機で合成し、
精製し用いた。プライマーの塩基番号9〜27は前出
ザ ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー
に記載のh−ColVの第799〜804番目のアミノ酸
配列をコードするDNA配列、塩基番号4〜9はクロー
ニング用に末端に導入したNcoI制限酵素サイトであ
り、プライマーの塩基番号14〜31は同第979〜
984番目のアミノ酸配列をコードするDNAのアンチ
センス配列、塩基番号5〜10はクローニング用に末端
に導入したBamHI制限酵素サイト、塩基番号11〜
13は新たに導入したストップコドンである。PCRは
宝酒造社製 ジーンアンプキットを用い、テンプレート
は前述のcDNA産物0.1μl、温度サイクル94
℃、30秒→55℃、1分→72℃、1分で30サイク
ル行った。反応液の1/10量を4%アガロースゲル電
気泳動にかけ、その結果580bpの目的DNA断片の
増幅を確認した。この産物をNcoI、BamHIで処
理し、プラスミドpTV118Nの同サイトに16℃、
30分ライゲーションした(宝酒造社製ライゲーション
キットを使用)。これにより構築されたプラスミドをp
TVColVと命名し、これを更にNcoI、BamHI
処理し、約580bpのDNA断片をアガロースゲル電
気泳動を用いて回収した。次に本DNA断片を前述のプ
ラスミドpET8cの同サイトに前述の条件でライゲー
ションした。これによって構築されたプラスミドをpE
TColVと命名して、前述の大腸菌BL−21株へ導入
し形質転換体を得た。次に、得られた形質転換体中18
クローンについてプラスミドの分析を行った。すなわ
ち、ラピッド法で調製したプラスミドをNcoI及びB
amHIで分解し、アガロースゲル電気泳動にかけ、予
想されるNcoI−BamHI断片(0.58kb)の
バンドの生成を調べた。その結果、1クローンに目的の
バンドが認められた。また、ダイデオキシ法により塩基
配列を決定し、目的の配列を含むことを確認した。この
プラスミドを保持する大腸菌BL−21は Escherichia
coli BL−21/pETColVと命名、表示して、工
業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第1255
8号(FERM P−12558)として寄託した。本
菌株を50μg/mlアンピシリンを含むL−培地中でO
D600 ≒0.5まで培養し、更に1mM IPTGを加
え一晩培養した。培養菌体を4→20%SDS−PAG
Eによって分析したところ、分子量約18kdにポリペ
プチドの発現を確認した。更に前述のウエスタンブロッ
ト法でインスリン結合性をチェックしたところ、本ポリ
ペプチドにインスリン結合活性を認めた。
TColVを50μg/mlのアンピシリンを含むL−培地
10mlで一夜培養した。この前培養液0.2mlを50μ
g/mlのアンピシリンを含むL−培地100mlに接種し
37℃で培養した。600nmの吸光度が0.4の時点
で、IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトシ
ド)を1mMになるように添加し、一晩培養した後集菌
した。得られた菌体を、1mM EDTA、0.05%
ノリデット( Noridet )P−40、10μg/mlアプロ
チニン ( aprotinin )、10μg/mlロイペプチン( l
eupeptin )、2mM PMSFを含むPBS(−)5ml
に懸濁し、超音波処理を2分行って菌体を破砕した。こ
の菌体破砕液を遠心して得た上清をPBS(−)にて平
衡化してヘパリン−5PW HPLCカラム(東ソー)
にかけ、0.5M NaClを含むPBS(−)で溶出
した。この溶出画分についてSDS−ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動を行ったところ、ほぼ単一な18kdの
目的ポリペプチドが確認された。
の作用 h−ColVのα1鎖のインスリン結合部位はヘパリン結
合活性も示すことから、(1−2)で得た本ポリペプチ
ドに対するヘパリンとインスリンの結合性について検討
した。すなわち、前述のウエスタンブロット法におい
て、ブロッティングの後、0.5μg/mlのパーオキシ
ダーゼ標識インスリンを反応させる際に0.1μg、
1.0μg、10μg、100μg、及び1mgのヘパリ
ンを共存させパーオキシダーゼ発色の変化をみた。その
結果、本ポリペプチドのインスリン結合性は加えるヘパ
リンによって強く阻害されることが示された(表2)。
ーニング (1−1)のpTVColVをNcoI、Hind III で処
理し、これを前述pTF7520のNcoI、Hind II
I サイトに前述の条件でライゲーションした。これによ
って構築されたプラスミドをpTF7520ColVと命
名し、次いで該プラスミドを用い、大腸菌JM109を
形質転換した。得られた形質転換体中18クローンにつ
いてプラスミドの分析を行った。すなわち、ラピッド法
で調製したプラスミドをHind III 及びNcoIで分解
し、アガロースゲル電気泳動にかけ、予想されるNco
I−Hind III 断片(0.58kb)のバンドの生成を
調べた。その結果、1クローンに目的のバンドが認めら
れた。また、ダイデオキシ法により塩基配列を決定し、
目的の配列を含むことを確認した。このプラスミドを保
持する大腸菌JM109を Escherichia coli JM10
9/pTF7520ColVと命名、表示して、工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第12560号
(FERM P−12560)として寄託した。上記菌
株を50μg/mlアンピシリン、1mMのIPTGを含
むL−培地中で培養し、次いで培養菌体タンパク質を4
→20%SDS−PAGEで分析したところ、分子量4
8kdにポリペプチドの発現を確認した。更に、このポ
リペプチドのインスリン及びFN−10への結合性を確
認した。
F7520ColVを50μg/mlのアンピシリンを含む
L−培地10mlで一夜培養した。この前培養液0.2ml
を50μg/mlのアンピシリンを含むL−培地100ml
に接種し37℃で培養した。600nmの吸光度が0.
4の時点で、IPTGを1mMになるように添加し、一
晩培養した後集菌した。得られた菌体を1mM EDT
A、0.05%ノリデットP−40、10μg/mlアプ
ロチニン、10μg/mlロイペプチン、2mM PMS
Fを含むPBS(−)5mlに懸濁し、超音波処理を2分
行って菌体を破砕した。この菌体破砕液を遠心して得た
上清を、PBS(−)にて平衡化してヘパリン−5PW
HPLCカラム(東ソー)にかけ、0.5M NaC
lを含むPBS(−)で溶出した。この溶出画分につい
てSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行ったと
ころ、ほぼ単一な48kdの目的ポリペプチドが確認さ
れた。
インスリン結合活性、細胞接着活性及び細胞増殖促進活
性を測定した。
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
で分離し、ウェスタンブロット法によりニトロセルロー
ス膜に転写した後、10μg/mlパーオキシダーゼ標識
インスリン(シグマ社製)を添加した0.05%ツィー
ン( Tween )20−PBS(−)溶液中で、室温、2時
間反応させた。このニトロセルロース膜を0.05%ツ
ィーン20−PBS(−)で3回洗浄した後、ニトロセ
ルロース膜に結合したパーオキシダーゼ活性を0.3mg
/mlでPBS(−)に溶解した4−クロロ−1−ナフト
ールと0.015%過酸化水素を基質として検出した。
この結果、パーオキシダーゼ標識インスリンは、分子量
18kdのColV−In及び分子量48kdのC277
−ColVにそれぞれ結合した。
ン エンザイモロジー、第82巻、第803〜831頁
(1981)〕に準じて測定した。試料を蒸留水、PB
S(リン酸緩衝化生理食塩水)等に溶かし、24穴マイ
クロプレートに注入した。室温、2時間インキュベート
して、試料をプレート上に吸着させた(400μl/ウ
エル)。2%BSA(牛血清アルブミン)を含むPBS
溶液を500μl/ウエル加え、37℃、2時間インキ
ュベートしてプレートをブロックした。PBSでプレー
トを洗浄後、あらかじめダルベッコ( Dulbecco, S ) イ
ーグル最小栄養培地(DMEM)に懸濁したスイスマウ
ス3T3又はB16−F10又はMTD細胞を1×10
5 細胞/ウエル分注し、37℃、1時間インキュベート
した。なお使用した細胞は、凍結保存した株を継代培養
後、トリプシン処理(37℃、5分)したものを用い
た。PBSでプレートを洗浄後、トリプシン処理にて吸
着細胞を回収し、クールターカウンターにて細胞数を測
定することにより細胞接着活性を測定した。C277−
ColV及びColV−Inの結果を表3に示す。
度を示す。C277−ColVはいずれの細胞でも接着活
性を示した。
細胞増殖促進活性を検討した。PBSに溶解したC27
7−ColVを、24穴マイクロプレートに400μl/
ウエル入れ、37℃、2時間インキュベートして、試料
をプレート上に吸着させた。PBSでプレートを洗浄
後、インスリン溶液を400μl/ウエル加え、室温で
一晩インキュベートし、インスリンを吸着させた。プレ
ートをPBSで洗浄した後、10μg/mlトランスフェ
リン、5mg/mlBSAを含むダルベッコ最小栄養培地
(DMEM)、ハムF12培地(HamF12)1対1
混合培地に懸濁したMTD細胞5×104 細胞/ウエル
及び 3H−チミジン0.1μCi/ウエルを加えた。5%
CO2 存在下、37℃48時間培養した後、プレートを
PBSで洗浄し、5%TCAを500μl/ウエル加
え、4℃、4時間静置して細胞を固定した。TCAを除
去した後、2%Na2 CO3 を含む0.1N NaOH
400μl/ウエルを加えて固定化した細胞を溶解し、
液体シンチレーションカウンターにより 3H−チミジン
の取込みを測定した。なお対照として特開平1−206
998号公報に記載の配列表の配列番号8で表される細
胞接着性ポリペプチド(C−274と略す)を使用し
た。表4に示す様にC277−ColVを使用した場合、
C−274に比べ、高い 3H−チミジンの取込み、すな
わち細胞増殖促進活性を示した。
を調べた。前述のように、各試料を吸着させ、更にイン
スリンを吸着させたプレートにMTD細胞を加えた。5
%CO2 存在下で48時間培養した後、細胞数を測定し
た。その結果、本ポリペプチドを吸着させた場合対照と
したC−274に比べ、多くの細胞の増殖が認められた
(表5)。
ンスリン結合活性を有する新規ポリペプチド及び細胞接
着活性とインスリン結合活性を合せ持つ新規ポリペプチ
ドが提供される。これらのポリペプチドはインスリンと
細胞との親和性を高めることができ、インスリンを用い
ることに生化学的ないし医学的意義が見出せる分野に有
用な作用、効果を示すものであり、特にインスリンの新
しい製剤及びドラグデリバリーシステムに応用されるも
のである。
る。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(化1): 【化1】(X)m −(Y)n −Z (式中Xはヒトフィブロネクチンの細胞接着ドメインポ
リペプチド、Yはスペーサー、Zはその配列中に配列表
の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペ
プチド、m及びnは1又は0である)で表されることを
特徴とする人工の機能性ポリペプチド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3291958A JP2854445B2 (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | 機能性ポリペプチド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3291958A JP2854445B2 (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | 機能性ポリペプチド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0597698A true JPH0597698A (ja) | 1993-04-20 |
JP2854445B2 JP2854445B2 (ja) | 1999-02-03 |
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ID=17775667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3291958A Expired - Fee Related JP2854445B2 (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | 機能性ポリペプチド |
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JP (1) | JP2854445B2 (ja) |
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WO2003045984A2 (en) * | 2001-11-23 | 2003-06-05 | Syn.X Pharma, Inc. | Fibronectin and fibrinogen biopolymer markers indicative of insulin resistance |
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- 1991-10-14 JP JP3291958A patent/JP2854445B2/ja not_active Expired - Fee Related
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