JPH059746A - 三価クロムで構成する金属表面処理浴 - Google Patents
三価クロムで構成する金属表面処理浴Info
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- JPH059746A JPH059746A JP15721491A JP15721491A JPH059746A JP H059746 A JPH059746 A JP H059746A JP 15721491 A JP15721491 A JP 15721491A JP 15721491 A JP15721491 A JP 15721491A JP H059746 A JPH059746 A JP H059746A
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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- C23C22/05—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
- C23C22/06—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
- C23C22/24—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 containing hexavalent chromium compounds
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は金属の防錆、塗装下地に用いる実質
的に六価のクロムを含まない無公害のクロメート処理浴
に関するものである。 【構成】 樹脂を骨格とする高分子ポリオールとポリオ
ールによって還元された三価のクロム酸で構成され、必
要によりリン酸、リン酸イオン、フッ酸イオン、フッ素
錯イオン、金属イオン、水希釈性の無機および有機高分
子化合物から選択した１種以上の化合物とで構成された
実質的に六価のクロムを含まない無公害の金属表面処理
浴。
的に六価のクロムを含まない無公害のクロメート処理浴
に関するものである。 【構成】 樹脂を骨格とする高分子ポリオールとポリオ
ールによって還元された三価のクロム酸で構成され、必
要によりリン酸、リン酸イオン、フッ酸イオン、フッ素
錯イオン、金属イオン、水希釈性の無機および有機高分
子化合物から選択した１種以上の化合物とで構成された
実質的に六価のクロムを含まない無公害の金属表面処理
浴。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性、上塗り塗料密着
性に優れた金属表面処理浴に関するものである。
性に優れた金属表面処理浴に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】クロメート処理は亜鉛めっき鋼板、アル
ミニウムめっき鋼板の腐食防止および塗装下地処理とし
て広く使用されている。従来のクロメート浴は耐食性の
確保および浴の安定性から六価クロムを必ず含む組成で
構成されている。例えば、従来技術としてはシリカと部
分還元したクロム酸液を用いる特開昭５２−１７３４０
号公報記載の方法、ケイフッ化アンモニウムとシランカ
ップリングを含むクロメート液を用いる特開平１−５６
８７７号公報記載の方法、シリカおよびリン酸を含むク
ロメート液を用いる特開平１−６５２７２号公報記載の
方法などがある。これらの方法により得られた製品は耐
食性については効果があるが、高耐食性化のためクロメ
ート付着量を増大するとクロメート被膜が溶解し易く性
能に限界が生じ、またユーザーでのアルカリ脱脂工程で
のクロムの溶出も好ましくない。
ミニウムめっき鋼板の腐食防止および塗装下地処理とし
て広く使用されている。従来のクロメート浴は耐食性の
確保および浴の安定性から六価クロムを必ず含む組成で
構成されている。例えば、従来技術としてはシリカと部
分還元したクロム酸液を用いる特開昭５２−１７３４０
号公報記載の方法、ケイフッ化アンモニウムとシランカ
ップリングを含むクロメート液を用いる特開平１−５６
８７７号公報記載の方法、シリカおよびリン酸を含むク
ロメート液を用いる特開平１−６５２７２号公報記載の
方法などがある。これらの方法により得られた製品は耐
食性については効果があるが、高耐食性化のためクロメ
ート付着量を増大するとクロメート被膜が溶解し易く性
能に限界が生じ、またユーザーでのアルカリ脱脂工程で
のクロムの溶出も好ましくない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来の塗布型クロメー
ト浴はクロム酸の還元率を上げると耐食性や塗料密着性
が低下し、また沈澱やゲル化が生じ易く、液の安定性が
短いという問題がある。本発明は殆んどのクロムが三価
クロムのクロム酸で構成され、実質的に六価クロムを含
まない金属表面処理浴に係わるもので、本発明の金属表
面処理浴を用いれば、従来の処理方法で耐食性、塗装性
に優れ且つアルカリ脱脂液等の水溶液に対して溶解し難
い耐薬品性に優れたクロメート被膜が得られる画期的な
ものである。
ト浴はクロム酸の還元率を上げると耐食性や塗料密着性
が低下し、また沈澱やゲル化が生じ易く、液の安定性が
短いという問題がある。本発明は殆んどのクロムが三価
クロムのクロム酸で構成され、実質的に六価クロムを含
まない金属表面処理浴に係わるもので、本発明の金属表
面処理浴を用いれば、従来の処理方法で耐食性、塗装性
に優れ且つアルカリ脱脂液等の水溶液に対して溶解し難
い耐薬品性に優れたクロメート被膜が得られる画期的な
ものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 （１） 浴中のクロムが実質的に三価クロムのクロム酸
と、樹脂を骨格とする高分子ポリオールとで構成したこ
とを特徴とする三価クロムで構成する金属表面処理浴。
ろは下記のとおりである。 （１） 浴中のクロムが実質的に三価クロムのクロム酸
と、樹脂を骨格とする高分子ポリオールとで構成したこ
とを特徴とする三価クロムで構成する金属表面処理浴。
【０００５】（２） 浴中のクロムが実質的に三価クロ
ムのクロム酸と、樹脂を骨格とする高分子ポリオールと
を必須成分とし、さらにリン酸イオン、フッ酸イオン、
フッ素錯イオン、金属イオン、水希釈性の無機および有
機高分子化合物から選択した１種以上の化合物を添加し
てなることを特徴とする三価クロムで構成する金属表面
処理浴。
ムのクロム酸と、樹脂を骨格とする高分子ポリオールと
を必須成分とし、さらにリン酸イオン、フッ酸イオン、
フッ素錯イオン、金属イオン、水希釈性の無機および有
機高分子化合物から選択した１種以上の化合物を添加し
てなることを特徴とする三価クロムで構成する金属表面
処理浴。
【０００６】（３） 高分子ポリオールがノボラック型
フェノール樹脂を骨格とする多官能ポリオールである前
項１または２記載の三価クロムで構成する金属表面処理
浴。
フェノール樹脂を骨格とする多官能ポリオールである前
項１または２記載の三価クロムで構成する金属表面処理
浴。
【０００７】
【作用】本発明の金属表面処理浴が対象とする金属は、
めっき鋼板例えば電気亜鉛めっきおよび亜鉛合金めっき
鋼板、溶融亜鉛めっきおよび亜鉛合金めっき鋼板、蒸着
亜鉛および亜鉛合金めっき鋼板、異なる金属を重ねた重
畳めっき鋼板、分散複合亜鉛めっき鋼板、アルミニウム
めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、スズめっき鋼板、タ
ーンめっき鋼板など防食を必要とするめっき鋼板からめ
っきされた条鋼材、溶射めっきされた厚板および予めク
ロメート、リン酸塩、陽極酸化処理などの化成処理を施
した上記のめっき鋼板および鋼材、軽合金（アルミニウ
ム、マグネシウム、鉛、錫）を包含するものである。
めっき鋼板例えば電気亜鉛めっきおよび亜鉛合金めっき
鋼板、溶融亜鉛めっきおよび亜鉛合金めっき鋼板、蒸着
亜鉛および亜鉛合金めっき鋼板、異なる金属を重ねた重
畳めっき鋼板、分散複合亜鉛めっき鋼板、アルミニウム
めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、スズめっき鋼板、タ
ーンめっき鋼板など防食を必要とするめっき鋼板からめ
っきされた条鋼材、溶射めっきされた厚板および予めク
ロメート、リン酸塩、陽極酸化処理などの化成処理を施
した上記のめっき鋼板および鋼材、軽合金（アルミニウ
ム、マグネシウム、鉛、錫）を包含するものである。
【０００８】以下本発明の金属表面処理浴について述べ
る。本発明の金属表面処理浴は、水溶性のクロム化合物
と、樹脂を骨格とする高分子ポリオール（以下ポリオー
ル樹脂もしくはＰＲと略す）とを、クロム酸換算１に対
して、ポリオール樹脂０．１〜５．０の割合で含むもの
である。以下、水溶性のクロム化合物を代表してクロム
酸（ＣｒＯ3 ）を選んで述べる。クロム酸はポリオール
樹脂によって図１の如く還元される。
る。本発明の金属表面処理浴は、水溶性のクロム化合物
と、樹脂を骨格とする高分子ポリオール（以下ポリオー
ル樹脂もしくはＰＲと略す）とを、クロム酸換算１に対
して、ポリオール樹脂０．１〜５．０の割合で含むもの
である。以下、水溶性のクロム化合物を代表してクロム
酸（ＣｒＯ3 ）を選んで述べる。クロム酸はポリオール
樹脂によって図１の如く還元される。
【０００９】図１は予めでんぷんで無水クロム酸の濃厚
水溶液をＣｒ6+／Ｔ．Ｃｒ比が０．６に還元したクロム
酸の液をＣｒＯ3 として４０ｇ／ｌ調整し、リン酸を２
０ｇ／ｌ加えて作成したクロメート浴にノボラック型フ
ェノール樹脂を骨格とするポリオール樹脂を加えて４０
℃で１週間保存した後、硫酸第一鉄とフェロインにより
Ｃｒ6+を定量分析したものである。ポリオール３０ｇ／
ｌで殆んどＣｒ6+は実質的に検出されていない三価クロ
ムの金属表面処理浴が得られる。
水溶液をＣｒ6+／Ｔ．Ｃｒ比が０．６に還元したクロム
酸の液をＣｒＯ3 として４０ｇ／ｌ調整し、リン酸を２
０ｇ／ｌ加えて作成したクロメート浴にノボラック型フ
ェノール樹脂を骨格とするポリオール樹脂を加えて４０
℃で１週間保存した後、硫酸第一鉄とフェロインにより
Ｃｒ6+を定量分析したものである。ポリオール３０ｇ／
ｌで殆んどＣｒ6+は実質的に検出されていない三価クロ
ムの金属表面処理浴が得られる。
【００１０】即ち、本発明の金属表面処理浴は、六価ク
ロムをクロム酸換算１に対して、ポリオール樹脂を１．
０以上含有させることで実質的に六価クロムを含まない
金属表面処理浴が得られる。調合時のクロム酸において
オール六価クロムの無水クロム酸水溶液を用いることも
できるが、クロム酸によるポリオール樹脂の酸化分解の
影響が大きいため、予め無水クロム酸の濃厚水溶液に低
分子量の還元剤を加えて還元した無水クロム酸水溶液
（還元クロム酸と略す）を用いることが望ましい。還元
クロム酸のＣｒ 3+／Ｔ．Ｃｒ比としては０．１〜０．７
が望ましい。調合時の還元クロム酸のＣｒ3+／Ｔ．Ｃｒ
比が０．１未満ではクロム酸によるポリオール樹脂の分
解が大きく浴の安定性および表面特性が劣化する傾向が
あり、Ｃｒ3+／Ｔ．Ｃｒ比０．７超では還元剤の残査お
よびクロム酸とポリオール樹脂の反応が不足し、耐水性
が低下する傾向があるため好ましくない。即ち、本発明
では溶液内で六価クロムのクロム酸とポリオール樹脂の
適度の酸化還元反応があった方が望ましい。
ロムをクロム酸換算１に対して、ポリオール樹脂を１．
０以上含有させることで実質的に六価クロムを含まない
金属表面処理浴が得られる。調合時のクロム酸において
オール六価クロムの無水クロム酸水溶液を用いることも
できるが、クロム酸によるポリオール樹脂の酸化分解の
影響が大きいため、予め無水クロム酸の濃厚水溶液に低
分子量の還元剤を加えて還元した無水クロム酸水溶液
（還元クロム酸と略す）を用いることが望ましい。還元
クロム酸のＣｒ 3+／Ｔ．Ｃｒ比としては０．１〜０．７
が望ましい。調合時の還元クロム酸のＣｒ3+／Ｔ．Ｃｒ
比が０．１未満ではクロム酸によるポリオール樹脂の分
解が大きく浴の安定性および表面特性が劣化する傾向が
あり、Ｃｒ3+／Ｔ．Ｃｒ比０．７超では還元剤の残査お
よびクロム酸とポリオール樹脂の反応が不足し、耐水性
が低下する傾向があるため好ましくない。即ち、本発明
では溶液内で六価クロムのクロム酸とポリオール樹脂の
適度の酸化還元反応があった方が望ましい。
【００１１】また、Ｃｒ3+／Ｔ．Ｃｒ比が０．５以上で
はリン酸、フッ酸等のアニオンを含ませた方が浴の安定
性の点で望ましい。また、ポリオール樹脂と六価クロム
の反応は常温でも進むが、加熱により促進することがで
きる。本発明のクロメート液のポリオール樹脂（ＰＲ）
は還元したクロム酸とキレート結合を形成し、低温で架
橋硬化し、難溶性の被膜を形成する。ＰＲ／クロム酸の
割合は０．１未満ではＰＲの効果が認められず、５超で
は架橋不足のため可溶性の被膜となる。最も好ましいＰ
Ｒ／クロム酸の割合はクロム酸換算比で０．２〜２．０
である。
はリン酸、フッ酸等のアニオンを含ませた方が浴の安定
性の点で望ましい。また、ポリオール樹脂と六価クロム
の反応は常温でも進むが、加熱により促進することがで
きる。本発明のクロメート液のポリオール樹脂（ＰＲ）
は還元したクロム酸とキレート結合を形成し、低温で架
橋硬化し、難溶性の被膜を形成する。ＰＲ／クロム酸の
割合は０．１未満ではＰＲの効果が認められず、５超で
は架橋不足のため可溶性の被膜となる。最も好ましいＰ
Ｒ／クロム酸の割合はクロム酸換算比で０．２〜２．０
である。
【００１２】本発明の重要な点はクロム酸との共存で液
の安定性に優れ、低温焼き付け硬化後は耐水性および耐
薬品性に優れた被膜が得られる液組成の設計である。し
たがって、ポリオール樹脂自身は水に対する溶解度が高
く、且つクロム酸の酸化を受け易いが分解することはな
く、安定なイオンを形成しなければならない。即ち、酸
化クロムをキレート結合により錯イオン化し沈澱を防ぐ
等の能力を備えねばならない。これらのことからポリオ
ール樹脂は分子量が数百から数万の化合物が好ましい。
本発明に用いられるポリオール樹脂は次に示す広範囲の
ものが用いられるが、エポキシ樹脂、例えばフェノール
エポキシ樹脂にポリエチレングリコールを結合させ水溶
化したポリオール樹脂が代表的なものである。
の安定性に優れ、低温焼き付け硬化後は耐水性および耐
薬品性に優れた被膜が得られる液組成の設計である。し
たがって、ポリオール樹脂自身は水に対する溶解度が高
く、且つクロム酸の酸化を受け易いが分解することはな
く、安定なイオンを形成しなければならない。即ち、酸
化クロムをキレート結合により錯イオン化し沈澱を防ぐ
等の能力を備えねばならない。これらのことからポリオ
ール樹脂は分子量が数百から数万の化合物が好ましい。
本発明に用いられるポリオール樹脂は次に示す広範囲の
ものが用いられるが、エポキシ樹脂、例えばフェノール
エポキシ樹脂にポリエチレングリコールを結合させ水溶
化したポリオール樹脂が代表的なものである。
【００１３】以下、ポリオール樹脂組成について詳述す
る。ポリオール樹脂は下記に示すポリオールを付加した
水溶性の樹脂である。付加するポリオールの例として
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールポリブチレンアジペ
ート、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオールや各種グリコールの二価アルコ
ール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパンレンなどの三価アルコール、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、ジグリセロール、ジペンタエ
リスリトールなどの四価アルコールで代表される多価ア
ルコールおよびこれらに、より水溶性を与える水酸基、
アミン基、カルボキシル基などを付加した化合物であ
る。
る。ポリオール樹脂は下記に示すポリオールを付加した
水溶性の樹脂である。付加するポリオールの例として
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールポリブチレンアジペ
ート、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオールや各種グリコールの二価アルコ
ール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパンレンなどの三価アルコール、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、ジグリセロール、ジペンタエ
リスリトールなどの四価アルコールで代表される多価ア
ルコールおよびこれらに、より水溶性を与える水酸基、
アミン基、カルボキシル基などを付加した化合物であ
る。
【００１４】骨格となる樹脂は、ノボラック型のフェノ
ールエポキシ樹脂、ビスフェノールエポキシ樹脂、アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、各種エポキシ樹脂が適用
できる。これらのポリオール樹脂の内、ノボラック型フ
ェノール樹脂およびノボラック型エポキシフェノール樹
脂が最も優れた性能が得られる。また、ポリオール樹脂
には、ポリオールの他にアミン基、カルボキシル基、ス
ルホン酸基を付加した樹脂を用いることもできる。
ールエポキシ樹脂、ビスフェノールエポキシ樹脂、アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、各種エポキシ樹脂が適用
できる。これらのポリオール樹脂の内、ノボラック型フ
ェノール樹脂およびノボラック型エポキシフェノール樹
脂が最も優れた性能が得られる。また、ポリオール樹脂
には、ポリオールの他にアミン基、カルボキシル基、ス
ルホン酸基を付加した樹脂を用いることもできる。
【００１５】本発明のクロメート液にはリン酸、フッ素
化合物、金属化合物および酸化物ゾルから選択した１種
以上の化合物をＣｒ3+，Ｃｒ6+のトータルのクロム酸１
に対して０．０１〜５の割合で加えることができる。リ
ン酸、フッ素化合物はめっき金属表面とクロメート液の
反応を促進させ、クロメート液の濡れ性および外観を無
色化し、均一な無色の被膜を得る効果を奏する。また、
めっき金属表面およびクロムとの反応によるリン酸塩
や、フッ素錯体の形成により耐食性が向上する。特にリ
ン酸はクロム酸（三価クロム）およびポリオール樹脂と
化学反応し、耐水性のリン酸クロムキレート樹脂被膜を
形成するので、本発明において向上効果の大きい添加物
である。酸化物ゾルの添加によりクロメート被膜の加工
後の耐食性、上塗り塗装後の耐食性および耐指紋性が向
上する。金属塩はめっき表面との反応により金属もしく
は金属塩がめっき表面に析出し、クロメート被膜の耐食
性、塗装後耐食性を向上させる。添加量はリン酸、フッ
素化合物の場合クロム酸との比で０．２〜２．０が好ま
しい。酸化物ゾルはシリカゾル、ジルコニアゾル、アル
ミナゾルおよびチタニアゾルが望ましく、添加量はクロ
ム酸との比で０．５〜３．０が最適の範囲である。金属
塩はニッケルイオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、マ
グネシウムイオン、バリウムイオン等をクロメート液に
供給できる化合物を加える。添加量は完全に溶解させる
必要があり、クロム酸との比で０．０１〜０．５が好ま
しい範囲である。
化合物、金属化合物および酸化物ゾルから選択した１種
以上の化合物をＣｒ3+，Ｃｒ6+のトータルのクロム酸１
に対して０．０１〜５の割合で加えることができる。リ
ン酸、フッ素化合物はめっき金属表面とクロメート液の
反応を促進させ、クロメート液の濡れ性および外観を無
色化し、均一な無色の被膜を得る効果を奏する。また、
めっき金属表面およびクロムとの反応によるリン酸塩
や、フッ素錯体の形成により耐食性が向上する。特にリ
ン酸はクロム酸（三価クロム）およびポリオール樹脂と
化学反応し、耐水性のリン酸クロムキレート樹脂被膜を
形成するので、本発明において向上効果の大きい添加物
である。酸化物ゾルの添加によりクロメート被膜の加工
後の耐食性、上塗り塗装後の耐食性および耐指紋性が向
上する。金属塩はめっき表面との反応により金属もしく
は金属塩がめっき表面に析出し、クロメート被膜の耐食
性、塗装後耐食性を向上させる。添加量はリン酸、フッ
素化合物の場合クロム酸との比で０．２〜２．０が好ま
しい。酸化物ゾルはシリカゾル、ジルコニアゾル、アル
ミナゾルおよびチタニアゾルが望ましく、添加量はクロ
ム酸との比で０．５〜３．０が最適の範囲である。金属
塩はニッケルイオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、マ
グネシウムイオン、バリウムイオン等をクロメート液に
供給できる化合物を加える。添加量は完全に溶解させる
必要があり、クロム酸との比で０．０１〜０．５が好ま
しい範囲である。
【００１６】本発明の金属表面処理浴の金属への塗布の
方法としてはロールコート法、スクイズロールコート
法、エアーナイフ絞り法、静電霧化法等従来実施されて
いる塗布方法が適用できる。本発明の金属表面処理浴を
塗布した後、乾燥程度の焼付けで高性能が得られるが、
到達板温で５０〜２５０℃に焼付けることが好ましい。
本発明の金属表面処理浴は、別の方法で予めクロメート
被膜を形成させためっき鋼板の上に適用して上述したク
ロメートを形成することができる。この場合耐食性、上
塗り塗装後の耐食性に、より特徴のある被膜が得られ
る。下地のクロメートとしては電解クロメート、後水洗
型の反応クロメートが望ましい。
方法としてはロールコート法、スクイズロールコート
法、エアーナイフ絞り法、静電霧化法等従来実施されて
いる塗布方法が適用できる。本発明の金属表面処理浴を
塗布した後、乾燥程度の焼付けで高性能が得られるが、
到達板温で５０〜２５０℃に焼付けることが好ましい。
本発明の金属表面処理浴は、別の方法で予めクロメート
被膜を形成させためっき鋼板の上に適用して上述したク
ロメートを形成することができる。この場合耐食性、上
塗り塗装後の耐食性に、より特徴のある被膜が得られ
る。下地のクロメートとしては電解クロメート、後水洗
型の反応クロメートが望ましい。
【００１７】上述したクロメートを形成させためっき表
面に、さらに樹脂被膜を被覆することによってプライマ
ー的な性能、すなわち高度の耐食性や塗装後の耐食性に
優れた表面処理鋼板が得られる。
面に、さらに樹脂被膜を被覆することによってプライマ
ー的な性能、すなわち高度の耐食性や塗装後の耐食性に
優れた表面処理鋼板が得られる。
【００１８】
【実施例】
実施例１
電気亜鉛めっき鋼板（目付量２０ｇ／m2）の表面に、ク
ロム還元比（Ｃｒ3+／Ｔ．Ｃｒ）が０．４の還元クロム
酸４０ｇ／ｌ、リン酸２０ｇ／ｌおよびエチレングリコ
ールをノボラック型エポキシフェノール樹脂に結合させ
たポリオール樹脂（ＮＥＰ）をクロム酸１に対して０，
０．２５，０．５，０．７５，１．０になるように加え
てpH１．８の水溶液を作成し、４０℃で１週間経過した
後、浴中のＣｒ3+／Ｔ．Ｃｒを測定した。
ロム還元比（Ｃｒ3+／Ｔ．Ｃｒ）が０．４の還元クロム
酸４０ｇ／ｌ、リン酸２０ｇ／ｌおよびエチレングリコ
ールをノボラック型エポキシフェノール樹脂に結合させ
たポリオール樹脂（ＮＥＰ）をクロム酸１に対して０，
０．２５，０．５，０．７５，１．０になるように加え
てpH１．８の水溶液を作成し、４０℃で１週間経過した
後、浴中のＣｒ3+／Ｔ．Ｃｒを測定した。
【００１９】
【表１】
【００２０】実施例２
実施例１のNo．４の組成比のクロメート液に表２に示す
添加剤を加えて溶解させた後、得られた金属表面処理浴
を用いて溶融亜鉛めっき鋼板（目付量４５ｇ／m2）を処
理した。評価方法は実施例１と同様に行った。
添加剤を加えて溶解させた後、得られた金属表面処理浴
を用いて溶融亜鉛めっき鋼板（目付量４５ｇ／m2）を処
理した。評価方法は実施例１と同様に行った。
【００２１】No．６はホウフッ化水素酸添加浴、No．７
はシリカゾル添加の例、No．８〜１２は金属イオンを添
加した例である。
はシリカゾル添加の例、No．８〜１２は金属イオンを添
加した例である。
【００２２】
【表２】
【００２３】実施例３
クロム還元比（Ｃｒ3+／Ｔ．Ｃｒ＝０．３）の還元クロ
ム酸を用いて、クロム酸濃度として４０ｇ／ｌのクロム
酸水溶液を作成し、表３に示すポリオール樹脂（ＰＲ）
をクロム酸１に対して表３に示す割合で調合した。液の
pHは１．８前後で行った。
ム酸を用いて、クロム酸濃度として４０ｇ／ｌのクロム
酸水溶液を作成し、表３に示すポリオール樹脂（ＰＲ）
をクロム酸１に対して表３に示す割合で調合した。液の
pHは１．８前後で行った。
【００２４】試料No．１３はリン酸を含まないＮＥＰを
添加した本発明のクロメート液、No．１４はノボラック
型エポキシフェノール樹脂にポリプロピレングリコール
を付加したポリオール樹脂を添加した例、No．１５はノ
ボラック型エポキシフェノール樹脂にポリエーテルポリ
エチレングリコールを付加したポリオール樹脂を添加し
た例、No．１６はNo．１５と同じ樹脂にペンタエリスリ
トールを付加したポリオール樹脂を添加した例、No．１
７は骨格の樹脂をポリアクリル酸エステルとするポリオ
ール樹脂を用いた本発明例、No．１８はビスフェノール
型エポキシ樹脂を骨格樹脂とするポリオール樹脂を用い
た例である。
添加した本発明のクロメート液、No．１４はノボラック
型エポキシフェノール樹脂にポリプロピレングリコール
を付加したポリオール樹脂を添加した例、No．１５はノ
ボラック型エポキシフェノール樹脂にポリエーテルポリ
エチレングリコールを付加したポリオール樹脂を添加し
た例、No．１６はNo．１５と同じ樹脂にペンタエリスリ
トールを付加したポリオール樹脂を添加した例、No．１
７は骨格の樹脂をポリアクリル酸エステルとするポリオ
ール樹脂を用いた本発明例、No．１８はビスフェノール
型エポキシ樹脂を骨格樹脂とするポリオール樹脂を用い
た例である。
【００２５】
【表３】
【００２６】
【発明の効果】本発明の金属表面処理浴は、クロメート
液中のクロム酸イオンが無害のＣｒ3+がメインで構成さ
れ、オールＣｒ3+のクロム酸でも良好な耐食性、塗料密
着性、不溶解化性が得られる画期的なものであり、従来
クロメートのＣｒ6+による害を防止できる全く新しい金
属表面処理浴である。
液中のクロム酸イオンが無害のＣｒ3+がメインで構成さ
れ、オールＣｒ3+のクロム酸でも良好な耐食性、塗料密
着性、不溶解化性が得られる画期的なものであり、従来
クロメートのＣｒ6+による害を防止できる全く新しい金
属表面処理浴である。
【図１】還元クロム酸およびリン酸の水溶液にノボラッ
ク型エポキシフェノール樹脂を骨格とし、ポリエチレン
グリコールを付加した平均分子量１０００の高分子ポリ
オール（ＮＥＰ）の添加量と金属表面処理浴中の全クロ
ム中の六価クロムの含有率の関係図である。
ク型エポキシフェノール樹脂を骨格とし、ポリエチレン
グリコールを付加した平均分子量１０００の高分子ポリ
オール（ＮＥＰ）の添加量と金属表面処理浴中の全クロ
ム中の六価クロムの含有率の関係図である。
Claims (3)
- 【請求項１】 浴中のクロムが実質的に三価クロムのク
ロム酸と、樹脂を骨格とする高分子ポリオールとで構成
したことを特徴とする三価クロムで構成する金属表面処
理浴。 - 【請求項２】 浴中のクロムが実質的に三価クロムのク
ロム酸と、樹脂を骨格とする高分子ポリオールとを必須
成分とし、さらにリン酸イオン、フッ酸イオン、フッ素
錯イオン、金属イオン、水希釈性の無機および有機高分
子化合物から選択した１種以上の化合物を添加してなる
ことを特徴とする三価クロムで構成する金属表面処理
浴。 - 【請求項３】 高分子ポリオールがノボラック型フェノ
ール樹脂を骨格とする多官能ポリオールである請求項１
または２記載の三価クロムで構成する金属表面処理浴。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3157214A JP2601734B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 金属表面処理浴 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3157214A JP2601734B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 金属表面処理浴 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH059746A true JPH059746A (ja) | 1993-01-19 |
| JP2601734B2 JP2601734B2 (ja) | 1997-04-16 |
Family
ID=15644713
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3157214A Expired - Lifetime JP2601734B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 金属表面処理浴 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2601734B2 (ja) |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS53115625A (en) * | 1977-03-16 | 1978-10-09 | Oxy Metal Industries Corp | Metal surface treatment method |
| JPS5729581A (en) * | 1980-07-26 | 1982-02-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Chromate treatment of zinc plated steel plate |
| JPS6335782A (ja) * | 1986-07-30 | 1988-02-16 | Nippon Steel Corp | 外観性能及び耐食性能にすぐれた表面処理鋼板の製造法 |
| JPH01177379A (ja) * | 1988-01-04 | 1989-07-13 | Kao Corp | 金属表面処理用添加剤および金属表面処理用水溶液 |
-
1991
- 1991-06-27 JP JP3157214A patent/JP2601734B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS53115625A (en) * | 1977-03-16 | 1978-10-09 | Oxy Metal Industries Corp | Metal surface treatment method |
| JPS5729581A (en) * | 1980-07-26 | 1982-02-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Chromate treatment of zinc plated steel plate |
| JPS6335782A (ja) * | 1986-07-30 | 1988-02-16 | Nippon Steel Corp | 外観性能及び耐食性能にすぐれた表面処理鋼板の製造法 |
| JPH01177379A (ja) * | 1988-01-04 | 1989-07-13 | Kao Corp | 金属表面処理用添加剤および金属表面処理用水溶液 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2601734B2 (ja) | 1997-04-16 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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