JPH0596614A - 真空成形用転写シート、転写方法および絵付け成形品 - Google Patents

真空成形用転写シート、転写方法および絵付け成形品

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JPH0596614A
JPH0596614A JP26209591A JP26209591A JPH0596614A JP H0596614 A JPH0596614 A JP H0596614A JP 26209591 A JP26209591 A JP 26209591A JP 26209591 A JP26209591 A JP 26209591A JP H0596614 A JPH0596614 A JP H0596614A
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polyvinyl chloride
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Noboru Araki
荒木  登
Isao Yoshimura
功 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 成形品の絵付けに用いる真空成形用転写シー
トにおいて、転写台紙の材料として、クラッシュベルグ
柔軟温度が55℃以上のポリ塩化ビニルを用いる。 【効果】 転写時の熱による転写台紙の過度の軟化が防
止できて、外観上欠陥のない絵付け成形品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空成形法、すなわち
特公昭56−45768号公報に記載のような真空ラミ
ネート法、真空プレス法等を利用して成形品に絵付けを
行なうための真空成形用転写シートの改良に関し、この
転写シートを使用した転写方法および絵付け成形品をも
包含する。
【0002】
【従来の技術】家電製品や家具など多彩な分野で行なわ
れているプラスチックなどの成形品の絵付けの手法のひ
とつに、真空成形を利用した転写方法がある。 その方
法は、成形品に加熱可塑化した成形用転写シートをかぶ
せ、両者の間にある空気を吸引して積層一体化し化粧層
を成形品に転移させた後に、転写台紙を剥離するもので
ある。
【0003】この目的に用いる真空成形用転写シート
は、安価で入手しやすく成形加工性がよいポリ塩化ビニ
ルシートを転写台紙とし、その上に所望の化粧層および
接着剤層を設け、必要により転写台紙と化粧層との間に
剥離剤層を設けたものがほとんどである。 この剥離層
は、転写後は保護層となる。
【0004】接着剤には、成形品と化粧層との強固な接
着を実現するために感熱タイプのものが使用され、転写
時には、この接着剤が機能する温度、すなわち105℃
以上の温度となる熱が、転写シートに加えられる。 こ
の時の熱により台紙が必要以上に軟化してしまい、台紙
を成形品から剥離するときに、それが伸びたり破れたり
することがある。 また、真空プレス機を使用して、シ
リコーンゴムシートで転写シートを加熱軟化させて成形
品に積層する場合には、ゴムシートを外すときに、軟化
しすぎた台紙がゴムシートに粘着して、冷却後の剥離を
またずに取れてしまうことがあった。
【0005】このため、在来の転写シートを使用した絵
付け成形品には、化粧層が歪んでいたり、欠けていたり
する外観不良の問題があった。 この問題は、形状が複
雑な成形品の絵付けのときに、とくに深刻であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、真空
成形を利用した転写法による成形品への絵付けに使用す
るための転写シートであって、転写台紙が過度に軟化し
ないものを提供すること、さらに、この転写シートを用
いた転写方法および絵付け成形品を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の真空成形用転写
シートは、ポリ塩化ビニルの転写台紙を用いた真空成形
用転写シートにおいて、転写台紙として、クラッシュベ
ルグ柔軟温度が55℃以上、好ましくは60℃以上のも
のを用いたことを特徴とする。
【0008】本発明の転写方法は、成形品の表面に真空
成形により転写シートを積層して化粧層を密着させたの
ちに転写台紙を剥離することからなる転写方法におい
て、転写シートとして、上記の真空成形用転写シートを
使用することを特徴とする。
【0009】本発明の絵付け成形品は、成形品の表面に
真空成形を利用した転写により化粧層を設けた絵付け成
形品において、化粧層が、上記の真空成形用転写シート
を使用して設けたものであることを特徴とする。
【0010】ポリ塩化ビニルのクラッシュベルグ柔軟温
度を高めるひとつの方法は、これに耐熱スチレン系樹
脂、たとえばα−メチルスチレンにN−フェニルマレイ
ミドおよび無水マレイン酸を共重合させたものを添加す
ることである。 この種の耐熱スチレン系樹脂は、ポリ
塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.1〜10重量
部添加するとよい。 柔軟温度を高めるいまひとつの方
法は、ポリ塩化ビニルにさらに塩素を導入する後塩素化
処理を行ない、強極性基の導入による加熱変形温度の上
昇をはかることである。 この後塩素化の技術は知られ
ている。
【0011】ポリ塩化ビニルの可塑剤としては、トリ−
2−エチルヘキシルトリメリテートやエポキシ化大豆
油、またはアジピン酸、フタル酸などの二塩基酸とグリ
コール類との縮合により得た分子量800〜4000程
度のポリエステル系可塑剤が好適である。 そのほか必
要であれば、強化剤、安定剤などをポリ塩化ビニル樹脂
組成物に加えてもよいことはいうまでもない。 可塑剤
の配合量は、樹脂100重量部あたり8重量部以下にす
ることが好ましい。
【0012】上記の樹脂組成物をシート化してなる転写
台紙の厚さは、絵付け成形法や成形品の形状に応じて適
宜にえらぶが、通常は0.05〜0.1mmが適当であ
る。転写台紙の表面に、シリコーンやワックスなどで離
型処理を施しておいてもよい。
【0013】転写台紙と化粧層との間に必要に応じて設
ける剥離剤層は、熱可塑性樹脂製、熱硬化性樹脂製また
は電離放射線硬化性樹脂製の既知の剥離剤を使用し、通
常の手法で形成すればよい。
【0014】台紙または剥離剤層の上に設ける化粧層は
任意であり、所望の絵柄印刷層や着色塗膜を設ければよ
い。 たとえば、ビヒクルとして酢酸セルロースを使用
し、希釈溶剤として酢酸エチル、トルエンまたはイソプ
ロピルアルコールからえらんだものを使用したインキを
用いて形成すればよい。
【0015】接着剤は、転写すべき成形品の材料に応じ
て、ポリアミド系のものをはじめとする常用の接着剤を
使用すればよい。 接着剤に、炭酸カルシウムなど必要
な添加剤を加えてもよい。
【0016】
【作用】転写台紙としてクラッシュベルグ柔軟温度が5
5℃以上のポリ塩化ビニルのシートを用いたことによ
り、転写時の熱によって台紙が過度に軟化することがな
くなり、歪みや欠けのない化粧層を与えることができ
る。 この効果は、柔軟温度55℃以上で明瞭に認めら
れ、60℃以上で顕著になる。
【0017】
【実施例】下記の2種の配合のポリ塩化ビニル樹脂組成
物を、カレンダー法により厚さ0.08mmのシートに成
形した。
【0018】 成 分 比較例(従来品) 実施例 ポリ塩化ビニル(重合度800) 100重量部 100重量部 トリ−2−エチルヘキシル 8重量部 8重量部 トリメリテート(可塑性) エポキシ化大豆油(可塑剤) 3重量部 − Ba/Zn系熱安定剤 2重量部 2重量部 Sn系メルカプチド熱安定剤 1重量部 1重量部 耐熱スチレン樹脂 − 5重量部 これらのシートのクラッシュベルグ柔軟温度をJIS−
K6734の方法に従って測定したところ、比較例は4
3℃、実施例は60℃であった。
【0019】上記のシートを転写台紙とし、その上に印
刷インキ「KL−CF」(諸星インキ製)で木目柄をグ
ラビア印刷し、ついでポリアミド系感熱接着剤「BSA
−145」(諸星インキ製)を厚さが8μmとなるよう
にベタ印刷して、真空成形用転写シートを得た。
【0020】MDFで製作した、縦300mm、横200
mm、厚さ18mmの平たい箱形で、すべての稜に5mmRの
丸みをつけた成形品を用意した。 この成形品を、シリ
コーンゴムシートで箱体を上下に二分割した真空プレス
機の下室に配置した。 成形品の上に前記2種の真空成
形用転写シートをのせ、下室を真空にするとともに上室
を圧空にして、シリコーンゴムシートで成形用転写シー
トを110℃の温度に加熱し、成形品表面に4kgf/cm2
の圧力で120秒間押しつけて接着させた。転写台紙を
引き剥がし、化粧層の上に無色透明なウレタン塗料で表
面保護層を形成して絵付け成形品を得た。
【0021】本発明に従う絵付け成形品は美麗な外観を
有していたが、従来技術にによる転写シートで製造した
絵付け成形品は、転写台紙を引き剥がすときに台紙が伸
びてしまい化粧層に歪みが生じていた。
【0022】
【発明の効果】本発明の真空成形用転写シートは、真空
成形により成形品に積層一体化したとき、熱による台紙
の過度の軟化がなく、外観に欠陥のない絵付け成形品を
与えることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニルの転写台紙を用いた真空
    成形用転写シートにおいて、転写台紙として、クラッシ
    ュベルグ柔軟温度が55℃以上のものを用いたことを特
    徴とする転写シート。
  2. 【請求項2】 成形品の表面に真空成形により転写シー
    トを積層して化粧層を密着させたのち転写台紙を剥離す
    ることからなる転写方法において、転写シートとして、
    クラッシュベルグ柔軟温度が55℃以上のポリ塩化ビニ
    ルを転写台紙とする真空成形用転写シートを使用するこ
    とを特徴とする転写方法。
  3. 【請求項3】 成形品の表面に真空成形を利用した転写
    により化粧層を設けた絵付け成形品において、化粧層
    が、転写台紙としてクラッシュベルグ柔軟温度が55℃
    以上のポリ塩化ビニルの転写台紙を有する真空成形用転
    写シートを使用して設けたものであることを特徴とする
    絵付け成形品。
JP26209591A 1991-10-09 1991-10-09 真空成形用転写シート、転写方法および絵付け成形品 Expired - Lifetime JP3175057B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103183883A (zh) * 2013-03-19 2013-07-03 西北工业大学 一种高性能硬质pvc泡沫塑料及其制备方法
JP2015093420A (ja) * 2013-11-12 2015-05-18 凸版印刷株式会社 延伸性転写フィルム、およびこれを用いた転写成形品
JP2016078301A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 バンドー化学株式会社 加飾成形用積層体、加飾成形品の製造方法及び加飾成形品

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WO2015072112A1 (ja) * 2013-11-12 2015-05-21 凸版印刷株式会社 転写フィルム、及びこれを用いて製造した転写成形品
JP2016078301A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 バンドー化学株式会社 加飾成形用積層体、加飾成形品の製造方法及び加飾成形品

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