JPH0596285A - アルカリ剤注入制御装置 - Google Patents
アルカリ剤注入制御装置Info
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- JPH0596285A JPH0596285A JP25532691A JP25532691A JPH0596285A JP H0596285 A JPH0596285 A JP H0596285A JP 25532691 A JP25532691 A JP 25532691A JP 25532691 A JP25532691 A JP 25532691A JP H0596285 A JPH0596285 A JP H0596285A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、季節や天候によって変動する緩衝
能を求めてアルカリ剤の注入制御に生かすことにより、
季節や天候の変化に対応したアルカリ剤の注入量の自動
的に制御でき、操作員の精神的，肉体的な負担を軽減す
ることにある。 【構成】 注入対象水の水温ｔ，アルカリ度Ａｌｋ，実
測ｐＨ値ｐＨから緩衝能を求める緩衝能演算部７と、こ
の緩衝能演算部７で求めた緩衝能の他、実測ｐＨ値ｐ
Ｈ，目標ｐＨ値ＳＶ，薬剤注入率Ｐａｃ，Ｒｐを用いて
アルカリ剤注入率ｏｕｔを求めるアルカリ剤注入制御部
１１とを設け、この注入制御部１１で得られたアルカリ
剤注入率ｏｕｔをアルカリ剤注入機１２を与えることに
より、注入対象水に注入するアルカリ剤注入量を制御す
るアルカリ剤注入制御装置である。
能を求めてアルカリ剤の注入制御に生かすことにより、
季節や天候の変化に対応したアルカリ剤の注入量の自動
的に制御でき、操作員の精神的，肉体的な負担を軽減す
ることにある。 【構成】 注入対象水の水温ｔ，アルカリ度Ａｌｋ，実
測ｐＨ値ｐＨから緩衝能を求める緩衝能演算部７と、こ
の緩衝能演算部７で求めた緩衝能の他、実測ｐＨ値ｐ
Ｈ，目標ｐＨ値ＳＶ，薬剤注入率Ｐａｃ，Ｒｐを用いて
アルカリ剤注入率ｏｕｔを求めるアルカリ剤注入制御部
１１とを設け、この注入制御部１１で得られたアルカリ
剤注入率ｏｕｔをアルカリ剤注入機１２を与えることに
より、注入対象水に注入するアルカリ剤注入量を制御す
るアルカリ剤注入制御装置である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、浄水場などの水処理施
設に利用されるアルカリ剤注入制御装置に係わり、特に
原水である注入対象水に所望とするアルカリ剤注入量の
アルカリ剤を注入するアルカリ剤注入制御装置に関す
る。
設に利用されるアルカリ剤注入制御装置に係わり、特に
原水である注入対象水に所望とするアルカリ剤注入量の
アルカリ剤を注入するアルカリ剤注入制御装置に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】一般に、浄水場などでは、原水に含まれ
る有機物質の浄化を行うために、あるｐＨ値の範囲内で
原水の濁りを除去し、或いは微生物の殺菌効果を発揮す
るために凝集剤や塩素系の滅菌剤などが注入されてい
る。このとき、これら凝集剤や滅菌剤の作用を有効に発
揮するように所要とする注入量のアルカリ剤を注入する
制御を行う方式をとっている。ところで、アルカリ剤の
注入量を制御するに際し、従来，大きく別けて２通りの
制御方式が考えられている。
る有機物質の浄化を行うために、あるｐＨ値の範囲内で
原水の濁りを除去し、或いは微生物の殺菌効果を発揮す
るために凝集剤や塩素系の滅菌剤などが注入されてい
る。このとき、これら凝集剤や滅菌剤の作用を有効に発
揮するように所要とする注入量のアルカリ剤を注入する
制御を行う方式をとっている。ところで、アルカリ剤の
注入量を制御するに際し、従来，大きく別けて２通りの
制御方式が考えられている。
【０００３】その１つは、原水を一時貯留しながら凝集
剤，滅菌剤などを注入する薬品注入部の上流側に検水ポ
ンプを設置し、この検水ポンプによって検水された原水
のｐＨ値を測定した後、この実測ｐＨ値と予め設定した
目標ｐＨ値とから偏差を求める。そして、得られた偏差
に対して制御ゲインをかけてアルカリ剤注入量を求めた
後、これをアルカリ剤注入機に設定し、この注入機より
前記薬品注入部へアルカリ剤を注入する，いわゆるフィ
ードフォワード制御方式である。
剤，滅菌剤などを注入する薬品注入部の上流側に検水ポ
ンプを設置し、この検水ポンプによって検水された原水
のｐＨ値を測定した後、この実測ｐＨ値と予め設定した
目標ｐＨ値とから偏差を求める。そして、得られた偏差
に対して制御ゲインをかけてアルカリ剤注入量を求めた
後、これをアルカリ剤注入機に設定し、この注入機より
前記薬品注入部へアルカリ剤を注入する，いわゆるフィ
ードフォワード制御方式である。
【０００４】他の１つは、薬品注入部の下流側に検水ポ
ンプを設置し、この検水ポンプによって検水された薬品
およびアルカリ剤注入後の処理水のｐＨ値を測定し、こ
の実測ｐＨ値，目標ｐＨ値，比例ゲインおよびカスケー
ドゲインなどを用いて操作出力値を求めた後、この操作
出力値を受けてアルカリ剤注入機ではアルカリ剤注入量
を増減しながらアルカリ剤を注入制御するＰＩＤフィー
ドバック制御方式である。
ンプを設置し、この検水ポンプによって検水された薬品
およびアルカリ剤注入後の処理水のｐＨ値を測定し、こ
の実測ｐＨ値，目標ｐＨ値，比例ゲインおよびカスケー
ドゲインなどを用いて操作出力値を求めた後、この操作
出力値を受けてアルカリ剤注入機ではアルカリ剤注入量
を増減しながらアルカリ剤を注入制御するＰＩＤフィー
ドバック制御方式である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような制御方式のうち、前者のフィードフォワード制御
方式では、実測ｐＨ値と目標ｐＨ値とが同じであっても
季節（例えば温度など）によってアルカリ剤注入量を示
す緩衝能が異なり、また天候（降雨の有無など）によっ
てもアルカリ剤注入量を示す緩衝能が異なるが、これら
の季節，天候による緩衝能の変化については何ら考慮さ
れていないので、温度が高くなったり、或いは降雨があ
ったときには、所要とするアルカリ剤を注入したにも拘
らず、処理水が常に目標ｐＨ値よりも低い値となって表
れ、このため作業員が頻繁に制御ゲインを変更する必要
がある。ここで、緩衝能とは注入対象水のｐＨを変化さ
せにくくする能力をいう。
ような制御方式のうち、前者のフィードフォワード制御
方式では、実測ｐＨ値と目標ｐＨ値とが同じであっても
季節（例えば温度など）によってアルカリ剤注入量を示
す緩衝能が異なり、また天候（降雨の有無など）によっ
てもアルカリ剤注入量を示す緩衝能が異なるが、これら
の季節，天候による緩衝能の変化については何ら考慮さ
れていないので、温度が高くなったり、或いは降雨があ
ったときには、所要とするアルカリ剤を注入したにも拘
らず、処理水が常に目標ｐＨ値よりも低い値となって表
れ、このため作業員が頻繁に制御ゲインを変更する必要
がある。ここで、緩衝能とは注入対象水のｐＨを変化さ
せにくくする能力をいう。
【０００６】一方、後者のＰＩＤフィードバック制御方
式は、検水ポンプの検水時間が長い場合、アルカリ剤注
入機によるアルカリ剤の注入が常に相当前の時間の制御
に基づくアルカリ剤の注入量にてアルカリ剤の注入制御
を行っていることから、薬品注入部のｐＨ値がハンチン
グを起こし、制御不可能となる現象が発生する。
式は、検水ポンプの検水時間が長い場合、アルカリ剤注
入機によるアルカリ剤の注入が常に相当前の時間の制御
に基づくアルカリ剤の注入量にてアルカリ剤の注入制御
を行っていることから、薬品注入部のｐＨ値がハンチン
グを起こし、制御不可能となる現象が発生する。
【０００７】従って、従来の浄水場におけるアルカリ剤
の注入制御は、操作員が昼夜を問わずに制御ゲインを変
更したり、また検水ポンプの検水時間によって制御不可
能となったときに人為的に実測ｐＨ値と目標ｐＨ値との
中間値による一定値制御を行うことから、操作員の肉体
的，精神的な負担が非常に大きかった。
の注入制御は、操作員が昼夜を問わずに制御ゲインを変
更したり、また検水ポンプの検水時間によって制御不可
能となったときに人為的に実測ｐＨ値と目標ｐＨ値との
中間値による一定値制御を行うことから、操作員の肉体
的，精神的な負担が非常に大きかった。
【０００８】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、季節や天候条件に十分に対応しつつアルカリ剤の注
入量を自動的に制御でき、操作員の肉体的および精神的
な負担を軽減しうるアルカリ剤注入量制御装置を提供す
ることを目的とする。
で、季節や天候条件に十分に対応しつつアルカリ剤の注
入量を自動的に制御でき、操作員の肉体的および精神的
な負担を軽減しうるアルカリ剤注入量制御装置を提供す
ることを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、注入対象水を薬品注入部に導き、この薬品
注入部の注入対象水にアルカリ剤を注入し所要とするｐ
Ｈ値の処理水を得るアルカリ剤注入制御装置において、
前記薬品注入部上流側の注入対象水から時期や気候条件
などによって緩衝能を変動させる例えば温度、アルカリ
度およびＰＨ値などの要素の測定値を取り込んで前記注
入対象水の緩衝能を求める緩衝能演算手段の他、この緩
衝能演算手段によって求めた緩衝能、実測ｐＨ値、目標
ｐＨ値、凝集剤注入率および滅菌剤注入率に基づいてア
ルカリ剤注入量を決定し、この決定されたアルカリ剤注
入量によって前記注入対象水にアルカリ剤を注入制御す
るアルカリ剤注入量制御手段を設けたアルカリ剤注入量
制御装置である。
するために、注入対象水を薬品注入部に導き、この薬品
注入部の注入対象水にアルカリ剤を注入し所要とするｐ
Ｈ値の処理水を得るアルカリ剤注入制御装置において、
前記薬品注入部上流側の注入対象水から時期や気候条件
などによって緩衝能を変動させる例えば温度、アルカリ
度およびＰＨ値などの要素の測定値を取り込んで前記注
入対象水の緩衝能を求める緩衝能演算手段の他、この緩
衝能演算手段によって求めた緩衝能、実測ｐＨ値、目標
ｐＨ値、凝集剤注入率および滅菌剤注入率に基づいてア
ルカリ剤注入量を決定し、この決定されたアルカリ剤注
入量によって前記注入対象水にアルカリ剤を注入制御す
るアルカリ剤注入量制御手段を設けたアルカリ剤注入量
制御装置である。
【００１０】
【作用】従って、本発明は以上のような手段を講じたこ
とにより、注入対象水から時期や気象条件に係わる測定
要素を取り込んで緩衝能を求めた後、この緩衝能を生か
しながらアルカリ剤注入量を決定するので、例えば温度
上昇や降雨時に注入対象水が酸性化してｐＨ値を下げる
方向に変動するが、このとき前記測定要素の測定値に基
づいて緩衝能を上げてアルカリ剤注入量を決定するよう
にしたので、季節や天候の変化に対応したアルカリ剤の
注入量を自動的に決定でき、しかもフィードフォワード
制御方式を用いて実現することから、安定な制御動作を
確保することができる。
とにより、注入対象水から時期や気象条件に係わる測定
要素を取り込んで緩衝能を求めた後、この緩衝能を生か
しながらアルカリ剤注入量を決定するので、例えば温度
上昇や降雨時に注入対象水が酸性化してｐＨ値を下げる
方向に変動するが、このとき前記測定要素の測定値に基
づいて緩衝能を上げてアルカリ剤注入量を決定するよう
にしたので、季節や天候の変化に対応したアルカリ剤の
注入量を自動的に決定でき、しかもフィードフォワード
制御方式を用いて実現することから、安定な制御動作を
確保することができる。
【００１１】
【実施例】以下、本発明装置の一実施例について図１を
参照して説明する。同図において１は薬品注入部であっ
て、この注入部１には原水などの注入対象水が導入さ
れ、ここで後述する凝集剤，滅菌剤などの薬品の他、注
入対象水を所要とするｐＨ値に設定するアルカリ剤が注
入される。この薬品注入部１の上流側配管には検水ポン
プ２が設置され、この検水ポンプ２で注入対象水を取り
込んで検水槽３に供給する。
参照して説明する。同図において１は薬品注入部であっ
て、この注入部１には原水などの注入対象水が導入さ
れ、ここで後述する凝集剤，滅菌剤などの薬品の他、注
入対象水を所要とするｐＨ値に設定するアルカリ剤が注
入される。この薬品注入部１の上流側配管には検水ポン
プ２が設置され、この検水ポンプ２で注入対象水を取り
込んで検水槽３に供給する。
【００１２】この検水槽３には季節（時期）の影響を受
けて変化する注入対象水の温度を測定する温度計４、天
候の影響を受けて変化する注入対象水のアルカリ度を測
定するアルカリ度計５および同様に天候の影響を受けて
変化する注入対象水のｐＨ値を測定するｐＨ計６が設け
られ、ここで測定された温度ｔ、アルカリ度Ａｌｋ、ｐ
Ｈ値ｐｈは緩衝能演算部７に送られる。
けて変化する注入対象水の温度を測定する温度計４、天
候の影響を受けて変化する注入対象水のアルカリ度を測
定するアルカリ度計５および同様に天候の影響を受けて
変化する注入対象水のｐＨ値を測定するｐＨ計６が設け
られ、ここで測定された温度ｔ、アルカリ度Ａｌｋ、ｐ
Ｈ値ｐｈは緩衝能演算部７に送られる。
【００１３】この緩衝能演算部７は、薬品注入部１にお
ける季節の影響を受けて変化する注入対象水のｐｈ値を
目標ｐｈ値に近づけるために、温度ｔ、アルカリ度Ａｌ
ｋ、ｐＨ値ｐｈなどを用いて緩衝能Ｂｕｆを求める機能
をもっている。
ける季節の影響を受けて変化する注入対象水のｐｈ値を
目標ｐｈ値に近づけるために、温度ｔ、アルカリ度Ａｌ
ｋ、ｐＨ値ｐｈなどを用いて緩衝能Ｂｕｆを求める機能
をもっている。
【００１４】８は凝集剤の注入率を求める凝集剤注入率
演算部、９は滅菌剤の注入率を求める滅菌剤注入率演算
部、１０はオペレータにより、或いは時期，時間などに
応じて予め目標ｐＨ値であるＳＶをテーブル化し、その
時期，時間などに応じて自動的にテーブルから読み出し
て目標ｐＨ値ＳＶを入力する入力装置である。
演算部、９は滅菌剤の注入率を求める滅菌剤注入率演算
部、１０はオペレータにより、或いは時期，時間などに
応じて予め目標ｐＨ値であるＳＶをテーブル化し、その
時期，時間などに応じて自動的にテーブルから読み出し
て目標ｐＨ値ＳＶを入力する入力装置である。
【００１５】１１は薬品注入部１へ注入するアルカリ剤
注入量を制御するアルカリ剤注入制御部であって、ここ
では緩衝能演算部７によって得られた緩衝能Ｂｕｆの
他、実測ｐＨ値ｐｈ、目標ｐＨ値ＳＶ、凝集剤注入率Ｐ
ａｃおよび滅菌剤注入率Ｒｐなどを用いてアルカリ剤注
入率を求めた後、このアルカリ剤注入率に基づいてアル
カリ注入機１２にてアルカリ剤注入量を制御する機能を
もっている。
注入量を制御するアルカリ剤注入制御部であって、ここ
では緩衝能演算部７によって得られた緩衝能Ｂｕｆの
他、実測ｐＨ値ｐｈ、目標ｐＨ値ＳＶ、凝集剤注入率Ｐ
ａｃおよび滅菌剤注入率Ｒｐなどを用いてアルカリ剤注
入率を求めた後、このアルカリ剤注入率に基づいてアル
カリ注入機１２にてアルカリ剤注入量を制御する機能を
もっている。
【００１６】次に、以上のように構成された装置の動作
についてを説明する。オペレータの指示により、或いは
所定周期もしくは連続的に検水ポンプ２から注入対象水
を取り込んで検水槽３に送給すると、この検水槽３に設
置される各温度計４、アルカリ度計５およびｐＨ計６で
はその検水槽３内の注入対象水の温度ｔ、アルカリ度Ａ
ｌｋ、Ｐｈを測定し，これら測定値をそれぞれ緩衝能演
算部７に送出する。この緩衝能演算部７では、温度計４
による注入対象水の水温ｔを受けると下記する演算式に
基づいて炭酸第１解離定数ｋ１を求める。 ｋ１＝１０0.0059(t+273)-8.15 ……（１） 次に、緩衝能演算部７では、アルカリ度計５から実測さ
れたアルカリ度Ａｌｋを受けると、 ｍＡｌｋ＝Ａｌｋ／１００／１０００ ……（２） なる演算を行ってモル濃度ｍＡｌｋを求める一方、ま
た、ＰＨ計６からの実測ｐｈに基づいて水素イオン濃度
ｈを求める。 ｈ＝１０-ph ……（３） さらに、緩衝能演算部７においては、以上のようにして
炭酸第１解離定数ｋｌおよび水素イオン濃度ｈを求めた
ならば、これらの演算値ｋｌ，ｈを用いて、 ａｌ＝ｋｌ・ｈ／（ｈ・ｈ＋ｋｌ・ｈ｝ ……（４） なる演算式に基づいて炭酸水素イオンのモル分率ａｌを
求める。
についてを説明する。オペレータの指示により、或いは
所定周期もしくは連続的に検水ポンプ２から注入対象水
を取り込んで検水槽３に送給すると、この検水槽３に設
置される各温度計４、アルカリ度計５およびｐＨ計６で
はその検水槽３内の注入対象水の温度ｔ、アルカリ度Ａ
ｌｋ、Ｐｈを測定し，これら測定値をそれぞれ緩衝能演
算部７に送出する。この緩衝能演算部７では、温度計４
による注入対象水の水温ｔを受けると下記する演算式に
基づいて炭酸第１解離定数ｋ１を求める。 ｋ１＝１０0.0059(t+273)-8.15 ……（１） 次に、緩衝能演算部７では、アルカリ度計５から実測さ
れたアルカリ度Ａｌｋを受けると、 ｍＡｌｋ＝Ａｌｋ／１００／１０００ ……（２） なる演算を行ってモル濃度ｍＡｌｋを求める一方、ま
た、ＰＨ計６からの実測ｐｈに基づいて水素イオン濃度
ｈを求める。 ｈ＝１０-ph ……（３） さらに、緩衝能演算部７においては、以上のようにして
炭酸第１解離定数ｋｌおよび水素イオン濃度ｈを求めた
ならば、これらの演算値ｋｌ，ｈを用いて、 ａｌ＝ｋｌ・ｈ／（ｈ・ｈ＋ｋｌ・ｈ｝ ……（４） なる演算式に基づいて炭酸水素イオンのモル分率ａｌを
求める。
【００１７】さらに、この（４）式によって求めた炭酸
水素イオンモル分率ａｌと前記（２）式のアルカリ度モ
ル濃度ｍＡｌｋと前記（３）式の水素イオン濃度ｈとを
用いて全炭酸濃度ｍｔｃを算出する。 ｍｔｃ＝｛ｍＡｌｋ−（１０-14 ／ｈ）＋ｈ｝／ａｌ ……（５） この全炭酸濃度ｍｔｃは、季節，天候の変化によって変
動する注入対象水の水温、アルカリ度、実測ｐＨによっ
てその値を異にするものである。
水素イオンモル分率ａｌと前記（２）式のアルカリ度モ
ル濃度ｍＡｌｋと前記（３）式の水素イオン濃度ｈとを
用いて全炭酸濃度ｍｔｃを算出する。 ｍｔｃ＝｛ｍＡｌｋ−（１０-14 ／ｈ）＋ｈ｝／ａｌ ……（５） この全炭酸濃度ｍｔｃは、季節，天候の変化によって変
動する注入対象水の水温、アルカリ度、実測ｐＨによっ
てその値を異にするものである。
【００１８】以上のようにして全炭酸濃度ｍｔｃを求め
たならば、当該全炭酸濃度ｍｔｃ、水素イオン濃度ｈお
よび炭酸第１解離定数ｋｌから、下記の演算式に基づい
てアルカリ剤注入対象水の緩衝能Ｂｕｆを求めるもので
ある。 Ｂｕｆ＝２．３０２５・１０5 ・ｈ・［ｍｔｃ ・｛ｋｌ／（ｋｌ＋ｈ）／（ｋｌ＋ｈ）｝＋ｈ＋１０-14 ・ｈ］…（６）
たならば、当該全炭酸濃度ｍｔｃ、水素イオン濃度ｈお
よび炭酸第１解離定数ｋｌから、下記の演算式に基づい
てアルカリ剤注入対象水の緩衝能Ｂｕｆを求めるもので
ある。 Ｂｕｆ＝２．３０２５・１０5 ・ｈ・［ｍｔｃ ・｛ｋｌ／（ｋｌ＋ｈ）／（ｋｌ＋ｈ）｝＋ｈ＋１０-14 ・ｈ］…（６）
【００１９】従って、この（６）式のアルカリ剤注入対
象水の緩衝能Ｂｕｆから次のことが言える。つまり、ア
ルカリ剤注入対象水は、一定量のアルカリ剤を注入した
場合でも、季節や天候の変化で変動する前記全炭酸濃度
ｍｔｃが低ければｐＨが変化しやしくなり、逆に全炭酸
濃度ｍｔｃが高ければｐＨが変化しにくくなる特性を有
することになる。以上のようにして求めたアルカリ剤注
入対象水の緩衝能ＢｕｆはｐＨ計６の実測ｐＨとともに
アルカリ剤注入制御部１１に送られる。
象水の緩衝能Ｂｕｆから次のことが言える。つまり、ア
ルカリ剤注入対象水は、一定量のアルカリ剤を注入した
場合でも、季節や天候の変化で変動する前記全炭酸濃度
ｍｔｃが低ければｐＨが変化しやしくなり、逆に全炭酸
濃度ｍｔｃが高ければｐＨが変化しにくくなる特性を有
することになる。以上のようにして求めたアルカリ剤注
入対象水の緩衝能ＢｕｆはｐＨ計６の実測ｐＨとともに
アルカリ剤注入制御部１１に送られる。
【００２０】ここで、このアルカリ剤注入制御部１１で
は、入力装置１０から目標ｐＨ値ＳＶが入力され、また
凝集剤注入率演算部８および滅菌剤注入率演算部９から
それぞれ凝集剤注入率Ｐａｃおよび滅菌剤注入率Ｒｐが
入力されており、このとき制御ゲインｇａｉｎとする
と、アルカリ剤注入機１２に対するアルカリ剤注入率ｏ
ｕｔは、 ｏｕｔ＝ｇａｉｎ・｛Ｂｕｆ・（ＳＶ−ｐｈ）・（アル
カリ剤のモル数／炭酸カルシウムのモル数）＋アルカリ
換算率１・ｐａｃ ＋アルカリ換算率２・Ｒｐ｝ ……（７） となる。
は、入力装置１０から目標ｐＨ値ＳＶが入力され、また
凝集剤注入率演算部８および滅菌剤注入率演算部９から
それぞれ凝集剤注入率Ｐａｃおよび滅菌剤注入率Ｒｐが
入力されており、このとき制御ゲインｇａｉｎとする
と、アルカリ剤注入機１２に対するアルカリ剤注入率ｏ
ｕｔは、 ｏｕｔ＝ｇａｉｎ・｛Ｂｕｆ・（ＳＶ−ｐｈ）・（アル
カリ剤のモル数／炭酸カルシウムのモル数）＋アルカリ
換算率１・ｐａｃ ＋アルカリ換算率２・Ｒｐ｝ ……（７） となる。
【００２１】さらに、アルカリ剤注入制御部１１におい
て前記（７）式に基づいてアルカリ剤注入率ｏｕｔを求
めたならば、このアルカリ剤注入率ｏｕｔをアルカリ剤
注入機１２に設定する。ここで、アルカリ剤注入機１２
では当該注入率ｏｕｔに基づいてアルカリ剤の注入量を
調整し、注入対象水のｐＨを所望とするｐＨ範囲内，つ
まり凝集剤および滅菌剤が本来のもつ作用を十分に発揮
するｐＨ値となるように設定する。
て前記（７）式に基づいてアルカリ剤注入率ｏｕｔを求
めたならば、このアルカリ剤注入率ｏｕｔをアルカリ剤
注入機１２に設定する。ここで、アルカリ剤注入機１２
では当該注入率ｏｕｔに基づいてアルカリ剤の注入量を
調整し、注入対象水のｐＨを所望とするｐＨ範囲内，つ
まり凝集剤および滅菌剤が本来のもつ作用を十分に発揮
するｐＨ値となるように設定する。
【００２２】従って、以上のような実施例の構成によれ
ば、注入対象水から季節や天候の影響を受ける水温ｔや
アルカリ度Ａｌｋなどを取り込んで緩衝能演算部７にて
緩衝能Ｂｕｆを求めてアルカリ剤注入量を決定するよう
にしたので、季節や天候によって変動する緩衝能を正確
に求めてアルカリ剤注入の自動制御に有効に利用するこ
とができる。
ば、注入対象水から季節や天候の影響を受ける水温ｔや
アルカリ度Ａｌｋなどを取り込んで緩衝能演算部７にて
緩衝能Ｂｕｆを求めてアルカリ剤注入量を決定するよう
にしたので、季節や天候によって変動する緩衝能を正確
に求めてアルカリ剤注入の自動制御に有効に利用するこ
とができる。
【００２３】よって、入力装置１０から目標ｐＨを入力
するだけで、アルカリ剤注入制御部１１では、季節や天
候などで変動する緩衝能Ｂｕｆの他、各種の薬剤を考慮
しながらアルカリ剤注入率を求めるので、季節や天候な
どの変化に対応したアルカリ剤注入率を自動的に求めら
れ、ひいてはフィードフォワード制御方式でアルカリ剤
の注入率を正確に求めることができる。
するだけで、アルカリ剤注入制御部１１では、季節や天
候などで変動する緩衝能Ｂｕｆの他、各種の薬剤を考慮
しながらアルカリ剤注入率を求めるので、季節や天候な
どの変化に対応したアルカリ剤注入率を自動的に求めら
れ、ひいてはフィードフォワード制御方式でアルカリ剤
の注入率を正確に求めることができる。
【００２４】従って、従来の季節や天候の変化による制
御ゲインの変更という面倒な操作が不要になり、また検
水ポンプの検水時間の長さも問題にならず、操作員の精
神的および肉体的な負担が大幅に軽減することができ
る。
御ゲインの変更という面倒な操作が不要になり、また検
水ポンプの検水時間の長さも問題にならず、操作員の精
神的および肉体的な負担が大幅に軽減することができ
る。
【００２５】なお、上記実施例では、浄水場におけるア
ルカリ剤の注入制御について述べたが、この注入制御に
限定されるものではなく、例えば水のｐＨ調整を行うた
めにアルカリ剤を使用する種々の分野でも同様に適用で
きる。また、季節や天候による緩衝能の変動要素として
注入対象水の水温，アルカリ度および実測ｐＨを測定し
たが、その１つまたは２つ以上を用いてもよく、或いは
これらの水温，アルカリ度および実測ｐＨ以外のものを
含めて緩衝能を求めてもよい。また、薬剤として、凝集
剤および滅菌剤を用いたが、同様に凝集剤，滅菌剤以外
のものを含めてもよい。その他、本発明はその要旨を逸
脱しない範囲で種々変形して実施できる。
ルカリ剤の注入制御について述べたが、この注入制御に
限定されるものではなく、例えば水のｐＨ調整を行うた
めにアルカリ剤を使用する種々の分野でも同様に適用で
きる。また、季節や天候による緩衝能の変動要素として
注入対象水の水温，アルカリ度および実測ｐＨを測定し
たが、その１つまたは２つ以上を用いてもよく、或いは
これらの水温，アルカリ度および実測ｐＨ以外のものを
含めて緩衝能を求めてもよい。また、薬剤として、凝集
剤および滅菌剤を用いたが、同様に凝集剤，滅菌剤以外
のものを含めてもよい。その他、本発明はその要旨を逸
脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【００２６】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、季
節や天候によって変動する緩衝能を求めてアルカリ剤注
入量を決定することにより、検水ポンプの検水時間を問
題としないフィードフォワード制御方式を用いて季節や
天候の変化に対応したアルカリ剤注入量の自動制御を行
うことができ、操作員の精神的および肉体的な負担を大
幅に軽減できるアルカリ剤注入制御装置を提供できる。
節や天候によって変動する緩衝能を求めてアルカリ剤注
入量を決定することにより、検水ポンプの検水時間を問
題としないフィードフォワード制御方式を用いて季節や
天候の変化に対応したアルカリ剤注入量の自動制御を行
うことができ、操作員の精神的および肉体的な負担を大
幅に軽減できるアルカリ剤注入制御装置を提供できる。
【図１】 本発明に係わるアルカリ剤注入制御装置の一
実施例を示す構成図。
実施例を示す構成図。
１…薬剤注入部、２…検水ポンプ、４…温度計、５…ア
ルカリ度計、６…ｐＨ計、７…緩衝能演算部、８…凝集
剤注入率演算部、９…滅菌剤注入率演算部、１０…目標
ｐＨ入力装置、１１…アルカリ剤注入制御部、１２…ア
ルカリ剤注入機。
ルカリ度計、６…ｐＨ計、７…緩衝能演算部、８…凝集
剤注入率演算部、９…滅菌剤注入率演算部、１０…目標
ｐＨ入力装置、１１…アルカリ剤注入制御部、１２…ア
ルカリ剤注入機。
Claims (2)
- 【請求項１】 注入対象水を薬品注入部に導き、この薬
品注入部の注入対象水にアルカリ剤を注入して所定のＰ
Ｈ値の処理水を得るアルカリ剤注入制御装置において、 前記薬品注入部の上流側の注入対象水から時期や気候条
件などによって緩衝能を変動させる要素の測定値を取り
込んで前記注入対象水の緩衝能を求める緩衝能演算手段
と、 この緩衝能演算手段によって求めた緩衝能、前記注入対
象水の実測ＰＨ値、目標ＰＨ値、凝集剤注入率および滅
菌剤注入率に基づいてアルカリ剤注入量を求めるアルカ
リ剤注入量制御手段とを備え、 このアルカリ剤注入量制御手段により得られたアルカリ
剤注入量のアルカリ剤を注入して前記目標ＰＨ値の処理
水を得ることを特徴とするアルカリ剤注入制御装置。 - 【請求項２】 緩衝能を変動させる要素は、注入対象水
の温度およびアルカリ度または前記注入対象水の温度、
アルカリ度およびＰＨ値であることを特徴とする請求項
１記載のアルカリ剤注入制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03255326A JP3103155B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | アルカリ剤注入制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03255326A JP3103155B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | アルカリ剤注入制御装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0596285A true JPH0596285A (ja) | 1993-04-20 |
| JP3103155B2 JP3103155B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=17277232
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03255326A Expired - Fee Related JP3103155B2 (ja) | 1991-10-02 | 1991-10-02 | アルカリ剤注入制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3103155B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001293483A (ja) * | 2000-04-14 | 2001-10-23 | Kureha Techno Enji Kk | 浄水処理方法 |
| JP5733872B1 (ja) * | 2015-01-07 | 2015-06-10 | 渡部 秀一 | 浄水システム |
| JP2019195794A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 近畿基礎工事株式会社 | ｐＨ中和処理装置およびｐＨ中和処理方法 |
-
1991
- 1991-10-02 JP JP03255326A patent/JP3103155B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001293483A (ja) * | 2000-04-14 | 2001-10-23 | Kureha Techno Enji Kk | 浄水処理方法 |
| JP4522534B2 (ja) * | 2000-04-14 | 2010-08-11 | 株式会社クレハエンジニアリング | 浄水処理方法 |
| JP5733872B1 (ja) * | 2015-01-07 | 2015-06-10 | 渡部 秀一 | 浄水システム |
| JP2016123961A (ja) * | 2015-01-07 | 2016-07-11 | 渡部 秀一 | 浄水システム |
| JP2019195794A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 近畿基礎工事株式会社 | ｐＨ中和処理装置およびｐＨ中和処理方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3103155B2 (ja) | 2000-10-23 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |