JPH059511A - Fe−Co系軟磁性粉末の製造法 - Google Patents
Fe−Co系軟磁性粉末の製造法Info
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- JPH059511A JPH059511A JP3190760A JP19076091A JPH059511A JP H059511 A JPH059511 A JP H059511A JP 3190760 A JP3190760 A JP 3190760A JP 19076091 A JP19076091 A JP 19076091A JP H059511 A JPH059511 A JP H059511A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い飽和磁束密度を有するFe−Co系軟磁
性粉末を安価に量産する方法を提供する。 【構成】 Fe−Co合金粉末を窒化処理することによ
り表層部に窒化層を有しかつ全体組成が(Fe1-αCo
α)1-βNβ(但し、αおよびβはモル比でα=0.0
5〜0.6,β=0.05〜0.15)となる窒化処理
粉末を製造し、この窒化処理粉末を高エネルギーを与え
ながら混合粉砕するFe−Co系軟磁性粉末の製造法。
性粉末を安価に量産する方法を提供する。 【構成】 Fe−Co合金粉末を窒化処理することによ
り表層部に窒化層を有しかつ全体組成が(Fe1-αCo
α)1-βNβ(但し、αおよびβはモル比でα=0.0
5〜0.6,β=0.05〜0.15)となる窒化処理
粉末を製造し、この窒化処理粉末を高エネルギーを与え
ながら混合粉砕するFe−Co系軟磁性粉末の製造法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高い飽和磁束密度を
有するFe−Co系軟磁性粉末の製造法に関するもので
ある。
有するFe−Co系軟磁性粉末の製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、モーターやトランスなどの磁心、
さらに磁気シールドなどの樹脂結合軟磁性複合部材の製
造に高い飽和磁束密度(以下、Bsで示す)をもったF
e−Co系合金粉末が用いられている。
さらに磁気シールドなどの樹脂結合軟磁性複合部材の製
造に高い飽和磁束密度(以下、Bsで示す)をもったF
e−Co系合金粉末が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、樹脂結
合軟磁性複合部材の性能をさらに向上させることのでき
る高いBs値をもった磁性粉末が求められており、かか
る磁性粉末として、上記Fe−Co系合金粉末よりも高
いBsを有する準安定(Fe,Co)16N2 化合物を含
むFe−Co系合金粉末が注目されてきた。
合軟磁性複合部材の性能をさらに向上させることのでき
る高いBs値をもった磁性粉末が求められており、かか
る磁性粉末として、上記Fe−Co系合金粉末よりも高
いBsを有する準安定(Fe,Co)16N2 化合物を含
むFe−Co系合金粉末が注目されてきた。
【0004】上記準安定(Fe,Co)16N2 化合物を
含むFe−Co系合金は、現在のところ、N2 ガス中で
蒸着やスパッタリングにより薄膜にしか製造することが
できず、薄膜を剥離して粉砕することにより準安定(F
e,Co)16N2 化合物を含むFe−Co系合金粉末を
製造することも可能であるが、生産性が悪く、コストの
面でも採算がとれないなどの課題があった。
含むFe−Co系合金は、現在のところ、N2 ガス中で
蒸着やスパッタリングにより薄膜にしか製造することが
できず、薄膜を剥離して粉砕することにより準安定(F
e,Co)16N2 化合物を含むFe−Co系合金粉末を
製造することも可能であるが、生産性が悪く、コストの
面でも採算がとれないなどの課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上記準安定(Fe,Co)16N2 化合物を含むFe−C
o系合金粉末を大量に安価に生産できる方法を開発すべ
く研究を行った結果、Fe−Co合金粉末を窒化処理す
ることにより表層部に窒化層を有しかつ全体組成が(F
e1-αCoα)1-βNβ(但し、αおよびβはモル比で
α=0.05〜0.6,β=0.05〜0.15)であ
る窒化処理粉末を製造し、この窒化処理粉末を高エネル
ギーを与えながら混合粉砕すると(以下、高エネルギー
を与えながら混合粉砕することを高エネルギー処理とい
う)、準安定(Fe,Co)16N2 化合物を含むFe−
Co系合金粉末を大量に生産することができるという知
見を得たのである。
上記準安定(Fe,Co)16N2 化合物を含むFe−C
o系合金粉末を大量に安価に生産できる方法を開発すべ
く研究を行った結果、Fe−Co合金粉末を窒化処理す
ることにより表層部に窒化層を有しかつ全体組成が(F
e1-αCoα)1-βNβ(但し、αおよびβはモル比で
α=0.05〜0.6,β=0.05〜0.15)であ
る窒化処理粉末を製造し、この窒化処理粉末を高エネル
ギーを与えながら混合粉砕すると(以下、高エネルギー
を与えながら混合粉砕することを高エネルギー処理とい
う)、準安定(Fe,Co)16N2 化合物を含むFe−
Co系合金粉末を大量に生産することができるという知
見を得たのである。
【0006】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、表層部に窒化層を有しかつ全体組成
が(Fe1-αCoα)1-βNβ(モル比でα=0.05
〜0.6,β=0.05〜0.15)である窒化処理粉
末を高エネルギー処理するFe−Co系軟磁性粉末の製
造法に特徴を有するものである。
れたものであって、表層部に窒化層を有しかつ全体組成
が(Fe1-αCoα)1-βNβ(モル比でα=0.05
〜0.6,β=0.05〜0.15)である窒化処理粉
末を高エネルギー処理するFe−Co系軟磁性粉末の製
造法に特徴を有するものである。
【0007】上記高エネルギー処理はメカニカルアロイ
ング法とも呼ばれ、この方法により粉末表層部に窒化層
を有するFe−Co系合金粉末を粉砕ボールとともにア
トライターや遊星ボールミルに装入し、混合粉砕処理を
施すと、粉砕ボールの高い衝突エネルギーが粉末に付与
されて原料粉末の粉砕、薄片化、および薄片の冷間圧接
あるいは薄片のたたみ込みが起り、窒化層の窒素拡散に
よる合金化が進行し、高Bsの準安定(Fe,Co)16
N2 相が形成されるものと考えられる。
ング法とも呼ばれ、この方法により粉末表層部に窒化層
を有するFe−Co系合金粉末を粉砕ボールとともにア
トライターや遊星ボールミルに装入し、混合粉砕処理を
施すと、粉砕ボールの高い衝突エネルギーが粉末に付与
されて原料粉末の粉砕、薄片化、および薄片の冷間圧接
あるいは薄片のたたみ込みが起り、窒化層の窒素拡散に
よる合金化が進行し、高Bsの準安定(Fe,Co)16
N2 相が形成されるものと考えられる。
【0008】この発明のFe−Co系軟磁性粉末の製造
法において原料粉末として用いる表層窒化されたFe−
Co系合金粉末は、Fe−Co合金粉末をアンモニア雰
囲気中において短時間窒化処理することにより製造され
る。すなわち、上記Fe−Co合金粉末をアンモニア雰
囲気中で短時間窒化処理すると、内部はFe−Co合金
のまま残り、表層部のみに窒化層が形成される。このよ
うにして得られた窒化処理Fe−Co系合金粉末は、全
体組成が(Fe1-αCoα)1-βNβ(但し、αおよび
βはモル比でα=0.05〜0.6,β=0.05〜
0.15)となるようにする必要がある。上記αはモル
比で0.05未満では十分な量の準安定(Fe,Co)
16N2 相を形成することができず、またCo添加による
Bs増大効果が小さく、一方、αがモル比で0.6を越
えると準安定(Fe,Co)16N2 相の生成が困難とな
り、かえってBsが低下するので好ましくない。したが
って上記αはモル比で0.05〜0.6と定めた。また
βはモル比で0.05未満であるか0.15を越えても
準安定(Fe,Co)16N2 相の生成が困難となり、B
s値は低下するので好ましくない。したがって、βはモ
ル比で0.05〜0.15と定めた。
法において原料粉末として用いる表層窒化されたFe−
Co系合金粉末は、Fe−Co合金粉末をアンモニア雰
囲気中において短時間窒化処理することにより製造され
る。すなわち、上記Fe−Co合金粉末をアンモニア雰
囲気中で短時間窒化処理すると、内部はFe−Co合金
のまま残り、表層部のみに窒化層が形成される。このよ
うにして得られた窒化処理Fe−Co系合金粉末は、全
体組成が(Fe1-αCoα)1-βNβ(但し、αおよび
βはモル比でα=0.05〜0.6,β=0.05〜
0.15)となるようにする必要がある。上記αはモル
比で0.05未満では十分な量の準安定(Fe,Co)
16N2 相を形成することができず、またCo添加による
Bs増大効果が小さく、一方、αがモル比で0.6を越
えると準安定(Fe,Co)16N2 相の生成が困難とな
り、かえってBsが低下するので好ましくない。したが
って上記αはモル比で0.05〜0.6と定めた。また
βはモル比で0.05未満であるか0.15を越えても
準安定(Fe,Co)16N2 相の生成が困難となり、B
s値は低下するので好ましくない。したがって、βはモ
ル比で0.05〜0.15と定めた。
【0009】
【実施例】粒度:−100メッシュの表1に示されるC
o:0.05〜0.6(モル比)のFe−Co合金粉末
を用意し、これらFe−Co合金粉末をアンモニア雰囲
気中で表1の温度および保持時間条件で窒化処理するこ
とにより全体組成でN:0.05〜0.15(モル比)
の窒化処理粉末A〜Jを製造し、これら窒化処理粉末を
直径:11mmのステンレス製ボール11個と共に容積:
80cm3 のステンレス製容器を備えた遊星ボールミルの
容器内に充填し、容器内をN2 雰囲気として容器を公転
速度:300r.p.mで20時間回転の高エネルギー処理
を施すことにより本発明法1〜6および比較法1〜4を
実施した。
o:0.05〜0.6(モル比)のFe−Co合金粉末
を用意し、これらFe−Co合金粉末をアンモニア雰囲
気中で表1の温度および保持時間条件で窒化処理するこ
とにより全体組成でN:0.05〜0.15(モル比)
の窒化処理粉末A〜Jを製造し、これら窒化処理粉末を
直径:11mmのステンレス製ボール11個と共に容積:
80cm3 のステンレス製容器を備えた遊星ボールミルの
容器内に充填し、容器内をN2 雰囲気として容器を公転
速度:300r.p.mで20時間回転の高エネルギー処理
を施すことにより本発明法1〜6および比較法1〜4を
実施した。
【0010】上記比較法1〜4は、Co含有量または窒
素含有量がこの発明の条件から外れた値を有するもの
で、この発明の条件から外れた値に※印を付して示して
ある。
素含有量がこの発明の条件から外れた値を有するもの
で、この発明の条件から外れた値に※印を付して示して
ある。
【0011】上記本発明法1〜6および比較法1〜4に
より製造されたFe−Co系軟磁性粉末について準安定
(Fe,Co)16N2 相の生成率(容量%)を200kV
透過電子顕微鏡を用いて制限視野電子線回折を行ない、
この結果の回折パターンの中の準安定(Fe,Co)16
N2 相の反射を用いて暗視野像を結像して写真撮影し、
この写真から準安定(Fe,Co)16N2 相の体積分率
を算出することにより求め、さらに得られた軟磁性粉末
の飽和磁束密度Bsについても振動試料型磁力計を用
い、10kOe の磁場を印加して測定し、得られた準安定
(Fe,Co)16N2 相の生成率および飽和磁束密度の
測定結果を表2に示した。
より製造されたFe−Co系軟磁性粉末について準安定
(Fe,Co)16N2 相の生成率(容量%)を200kV
透過電子顕微鏡を用いて制限視野電子線回折を行ない、
この結果の回折パターンの中の準安定(Fe,Co)16
N2 相の反射を用いて暗視野像を結像して写真撮影し、
この写真から準安定(Fe,Co)16N2 相の体積分率
を算出することにより求め、さらに得られた軟磁性粉末
の飽和磁束密度Bsについても振動試料型磁力計を用
い、10kOe の磁場を印加して測定し、得られた準安定
(Fe,Co)16N2 相の生成率および飽和磁束密度の
測定結果を表2に示した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】表1〜表2に示される結果から、Fe−
Co合金粉末を全体組成が(Fe1-αCoα)1-βNβ
(但し、αおよびβはモル比でα=0.05〜0.6,
β=0.05〜0.15)となるように窒化処理し、こ
れを高エネルギー処理することにより(Fe,Co)16
N2 相を含み高Bsを有するFe−Co系軟磁性粉末を
製造できることがわかる。
Co合金粉末を全体組成が(Fe1-αCoα)1-βNβ
(但し、αおよびβはモル比でα=0.05〜0.6,
β=0.05〜0.15)となるように窒化処理し、こ
れを高エネルギー処理することにより(Fe,Co)16
N2 相を含み高Bsを有するFe−Co系軟磁性粉末を
製造できることがわかる。
【0015】したがって、この発明により準安定(F
e,Co)16N2 相を含む高BsのFe−Co系軟磁性
粉末を従来よりも安価に大量に生産することができ、こ
のFe−Co系軟磁性粉末を用いて樹脂結合圧粉電磁気
部品を低コストで生産できるので産業の発展に大いに貢
献することができる。
e,Co)16N2 相を含む高BsのFe−Co系軟磁性
粉末を従来よりも安価に大量に生産することができ、こ
のFe−Co系軟磁性粉末を用いて樹脂結合圧粉電磁気
部品を低コストで生産できるので産業の発展に大いに貢
献することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 303 S 7325−4K 38/10 7217−4K // C23C 8/26 8116−4K
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 Fe−Co合金粉末を窒化処理すること
により表層部に窒化層を有しかつ全体組成が(Fe1-α
Coα)1-βNβ(但し、αおよびβはモル比でα=
0.05〜0.6,β=0.05〜0.15)となる窒
化処理粉末を製造し、この窒化処理粉末を高エネルギー
を与えながら混合粉砕することを特徴とする準安定(F
e,Co)16N2 相を有するFe−Co系軟磁性粉末の
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3190760A JPH059511A (ja) | 1991-07-04 | 1991-07-04 | Fe−Co系軟磁性粉末の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3190760A JPH059511A (ja) | 1991-07-04 | 1991-07-04 | Fe−Co系軟磁性粉末の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059511A true JPH059511A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=16263275
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3190760A Withdrawn JPH059511A (ja) | 1991-07-04 | 1991-07-04 | Fe−Co系軟磁性粉末の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH059511A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102214509A (zh) * | 2010-04-12 | 2011-10-12 | 北京有色金属研究总院 | 一种(FeCo)N微波吸收材料及其制备方法 |
WO2019059256A1 (ja) * | 2017-09-25 | 2019-03-28 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 磁性材料とその製造法 |
JP2019143238A (ja) * | 2018-01-11 | 2019-08-29 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | 軟磁性複合材料およびその製造方法 |
-
1991
- 1991-07-04 JP JP3190760A patent/JPH059511A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102214509A (zh) * | 2010-04-12 | 2011-10-12 | 北京有色金属研究总院 | 一种(FeCo)N微波吸收材料及其制备方法 |
WO2019059256A1 (ja) * | 2017-09-25 | 2019-03-28 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 磁性材料とその製造法 |
US11732336B2 (en) | 2017-09-25 | 2023-08-22 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Magnetic material and method for producing same |
JP2019143238A (ja) * | 2018-01-11 | 2019-08-29 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh | 軟磁性複合材料およびその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19981008 |