JPH0594593U - 異種金属の継手構造 - Google Patents

異種金属の継手構造

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JPH0594593U
JPH0594593U JP8433391U JP8433391U JPH0594593U JP H0594593 U JPH0594593 U JP H0594593U JP 8433391 U JP8433391 U JP 8433391U JP 8433391 U JP8433391 U JP 8433391U JP H0594593 U JPH0594593 U JP H0594593U
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copper pipe
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庸彦 田中
悦郎 久保田
敏弘 鈴木
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】銅製管体とアルミニウム製管体の異種金属の接
合部の耐蝕性の向上及び継手強度の向上を図る。 【構成】銅製管体4とステンレス鋼製連結体5の一端部
とをろう付けする。アルミニウム製管体1とステンレス
鋼製連結体5の他端部とをろう付けして、銅製管体4と
アルミニウム製管体1とを間隔Aをおいて連結する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は異種金属の継手構造に関するもので、更に詳細には、銅製管体と、 アルミニウム製管体とを連結する異種金属の継手構造の改良に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の継手構造を有するものとして、例えばアルミニウム製熱交換器 が知られている。この熱交換器は、図13に示すように、一対のアルミニウム製 ヘッダーパイプa,aと、これらヘッダーパイプa,aを連結する複数のアルミ ニウム製の偏平状熱交換管b,b…と、熱交換管間に対して直交状に配設される 熱交換用フィンc,c…とで構成されており、かつ、ヘッダーパイプaには銅製 配管iが直接連結されるか、図14及び図15に示すように、アルミニウム製配 管eを介して銅製配管dが連結されている。この場合、ヘッダーパイプa、ある いはアルミニウム製配管eと銅製配管dとを突合わせて抵抗溶接するフラッシュ バット溶接、アルミニウム製連結用パイプと銅製連結用パイプのいずれか一方の 端部を拡管し、そして、Al−Zn系等の半田を用い、超音波振動を付与しつつ 半田材を活性化させて半田付けする超音波半田付けを行う超音波半田付け(図1 4、図15参照)、あるいはアルミニウム製配管eと銅製配管dのいずれか一方 の端部を拡管して他方を挿入し、Al−Si系ろう材を用いて、フッ化物系非腐 食性フラックスまたは塩化物系フラックスと共にろう付けするトーチろう付け又 は高周波ろう付け(図15参照)が知られている。また、アルミニウム製熱交換 器基部の炉中ろう付けにおいて、熱交換器基部に接合されるアルミニウム製パイ プを炉中で同時にろう付けしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこの種の異種金属の継手構造においては、フラッシュバ ット溶接の場合では、アルミニウムと銅との接合部においてアルミニウム部分に 優先的に電気化学的腐食が生じるため、エポキシ系樹脂塗料等で外部雰囲気から 遮断する保護被膜が不可欠であった。また、接合面が小さいため、衝撃に対して 脆いという問題があり、継手部で内面への突出が生じるため、部分的に内径減少 が生じ、更には、加工後のバリ取りが必要であるため、工程が繁雑となるという 問題があった。また、超音波半田付けの場合には、アルミニウムと銅との接合部 で半田部分が最も陽極となるため、電気化学的腐食を生じ、半田部分を通じて内 部と外部が貫通するという問題があった。また、トーチろう付け又は高周波ろう 付けでは、アルミニウム−銅の接合面にアルミニウム−銅の共晶組織が生じ、そ の組織は脆い。また、共晶点が低いためAl−Si系ろう材の融点との温度差が 大きく、共晶組織は厚くなりやすい。共晶組織を薄くするために、ごく短時間に ろう付けを行い、瞬時に冷却する対策が採られているが、製品の信頼性にばらつ きが生じ易く、継手の衝撃に対する信頼性が低いという問題があった。
【0004】 これに加えて、アルミニウムと銅との接合構造では長尺の物は製造できないと いう欠点がある。したがって、アルミニウムと銅との接合に加えて、接合部側の アルミニウム製連結用パイプfと熱交換器基部側のアルミニウム製パイプgとの 接合、接合側の銅製連結用パイプhと図示しない黄銅製継手に連結される銅製パ イプiとの接合及び銅製パイプiと黄銅製継手との接合が必要となり、構成部材 が多くなると共に、作業工程が増大するという問題もあった。
【0005】 更に、銅製連結用パイプhとアルミニウム製連結用パイプfの接合部はアルミ ニウム−銅の共晶組織、又は半田であっていずれも低融点であるので、熱交換器 基部のろう付け時に炉内へ投入することができないため、熱交換器基部のろう付 け後に別工程で接合しなければならないという問題もあった。
【0006】 この考案は上記事情に鑑みなされたもので、少ない部材で簡単に接合でき、し かも、耐蝕性及び強度の向上が図れるようにした異種金属の継手構造を提供する ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、この考案の異種金属の継手構造は、銅製管体と、 アルミニウム製管体とを連結する異種金属の継手構造を前提とし、上記銅製管体 とステンレス鋼製連結体の一端部とをろう付けすると共に、上記アルミニウム製 管体とステンレス鋼製連結体の他端部とをろう付けして、上記銅製管体とアルミ ニウム製管体とを間隔をおいて連結してなるものである。
【0008】 この考案において、上記銅製管体とアルミニウム製管体とは間隔をおいて連結 されていればよく、例えばステンレス鋼製連結体の両端部にそれぞれ銅製管体と アルミニウム製管体とをろう付けして両者間に間隔を設けるようにしてもよく、 あるいはステンレス鋼製連結体の中間部に間隔保持用の鍔部を設けて、この鍔部 によって銅製管体とアルミニウム製管体との間に間隔を設けるようにしてもよい 。
【0009】 上記銅製管体とステンレス鋼製連結体とのろう付けは銀ろうを用いたろう付け により行うことができ、また、上記アルミニウム製管体とステンレス鋼製連結体 とのろう付けはフッ化物系非腐食性フラックス及びシリコン(Si)7〜13% 含有のAl−Si系ろう材を用いてろう付けすることができる。この場合、ろう 付けはトーチろう付け、高周波ろう付け等の大気雰囲気中でのろう付けでもよい が、アルミニウム製管体とステンレス鋼製連結体とのろう付けは、非酸化性雰囲 気中での炉中ろう付けにて行う方がよい。
【0010】
【作用】
上記のように構成されるこの考案の異種金属の継手構造によれば、銅製管体と ステンレス鋼製連結体の一端部とをろう付けすると共に、アルミニウム製管体と ステンレス鋼製連結体の他端部とをろう付けして、銅製管体とアルミニウム製管 体とを間隔をおいて連結することにより、ステンレス鋼の不動態化によって塩分 を含まない通常の雰囲気での腐食を防止することができる。また、アルミニウム とステンレス鋼の組合わせではアルミニウム−銅の組合わせのような低融点の共 晶組織とはならないため、接合界面が脆く厚い共晶組織になることはない。また 、銅とステンレス鋼を銀ろうでろう付けした場合は脆い組織は生じないため、継 手強度は向上する。
【0011】
【実施例】
以下にこの考案の実施例を図面に基いて説明する。
【0012】 ◎第一実施例 図1はこの考案の異種金属の継手構造の第一実施例の側面図、図2は図1の要 部拡大断面図が示されている。
【0013】 第一実施例はこの考案の継手構造を熱交換器の継手部に適用した場合である。 この考案の継手構造を有する熱交換器は、一対のアルミニウム製管体であるアル ミニウム製ヘッダーパイプ1,1と、これらヘッダーパイプ1,1を連結する複 数のアルミニウム製の偏平状熱交換管2,2…と、熱交換管間に対して直交状に 配設される熱交換用フィン3,3…とで構成されている。そして、ヘッダーパイ プ1と銅製管体4(以下に銅製パイプという)とがこの考案の継手構造によって 連結されている。 なお、図1中の符号9は一対のアルミニウム製管体の両端部を塞ぐエンドキャ ップである。
【0014】 この考案の継手構造は、銅製パイプ4とステンレス鋼製連結体5の一端部とを ろう付けすると共に、ヘッダーパイプ1とステンレス鋼製連結体5の他端部とを ろう付けして、銅製パイプ4とヘッダーパイプ1とを表面積を得るための間隔A をおいて連結した構造となっている。
【0015】 この場合、ヘッダーパイプ1は、例えば外径22.2mm、肉厚が1.6mmで、 銅製パイプ接合部にステンレス鋼連結体5の挿入用の穴径が9.56mmが穿設さ れたものが使用され、銅製パイプ4は、外径9.53mm、長さ1000mmの無酸 素銅が使用され、また、ステンレス鋼製連結体5は、ヘッダーパイプへの挿入側 の外径が9.53mm、長さが10mm、肉厚が0.8mmで、銅製パイプ4の挿入側 の内径が9.56mm、長さ10mm、肉厚が0.8mmのほぼ円筒状のステンレス鋼 (SUS304)が使用される。 なお、図2中の符号8はステンレス鋼連結体5の銅製パイプの接合端部に設け た拡管部である。
【0016】 上記のように形成されるヘッダーパイプ1と銅製パイプ4とを連結体5を介し て接合するには、まず、連結体5に銅製パイプ4を差込み、その内部に不活性ガ スを流しながら銀含有量30%以上の銀ろうを用いてろう付けする。ここで、連 結体5と銅製パイプ4の内部に不活性ガスを流す理由は、銅製パイプ4を大気中 でろう付けすると、銅表面にスマットが生じるので、配管内面に不活性ガスを流 して清浄度を保つようにするためである。また、銅製パイプ4と連結体5とを銀 ろうでろう付けした場合は、脆い組織は生じないので、継手強度が向上する。次 に、銅製パイプ4を接合した連結体5とヘッダーパイプ1の接合部にSi7〜1 3%含有のAl−Si系ろう材を置きろうし、フッ化物系非腐食性フラックスを 用いて非酸化性雰囲気中で最高温度620℃、600℃以上の下で保持時間5分 で炉中ろう付けして、ヘッダーパイプ1と銅製パイプ4との間に間隔Aをおいて 連結することにより、熱交換器を製造することができる。したがって、構成部材 の削減が図れるので、製造作業が容易となる。
【0017】 なお、上記説明ではステンレス鋼製連結体5の銅製パイプの接合側端部に拡管 部8を設けた場合について説明したが、必ずしもこのような構造である必要はな く、図3に示すように銅製パイプ4のステンレス鋼製連結体5との接合側端部に 拡管部8を設けてもよい。
【0018】 図3において、その他の部分は上記実施例と同一であるので、同一部分には同 一符号を付してその説明は省略する。
【0019】 ◎第二実施例 図4はこの考案の第二実施例の要部拡大断面図が示されている。
【0020】 第二実施例の継手構造は、上記第一実施例における連結体5の中間部に間隔保 持用の鍔部6を設けて、鍔部6に当接した状態でヘッダーパイプ1と銅製パイプ 4とをろう付けして、ヘッダーパイプ1と銅製パイプ4間に表面積を得るための 間隔Aを設けるようにした場合である。
【0021】 この場合、ヘッダーパイプ1は、上記第一実施例と同様に、外径22.2mm、 肉厚が1.6mmで、銅製パイプ接合部にステンレス鋼連結体5の挿入用の穴径が 9.56mmが穿設されたものが使用され、銅製パイプ4も第一実施例と同様に、 外径9.53mm、長さ1000mmの無酸素銅が使用され、また、連結体5は、外 径が9.56mm、長さが20mm、肉厚が0.8mmで、中央部に幅10mmの鍔部6 を突設した鍔付き円筒状のステンレス鋼(SUS304)が使用される。
【0022】 上記のように形成されるヘッダーパイプ1と銅製パイプ4とを連結体5を介し て接合するには、まず、連結体5の鍔部6に当接するように銅製パイプ4を差込 み、その内部に不活性ガスを流しながら銀含有量30%以上の銀ろうを用いてろ う付けする。次に、銅製パイプ4を接合した連結体5の鍔部6の反対側面にヘッ ダーパイプ1を当接し、その接合部にSi7〜13%含有のAl−Si系ろう材 を置きろうし、フッ化物系非腐食性フラックスを用いて非酸化性雰囲気中で最高 温度620℃、600℃以上の下で保持時間5分で炉中ろう付けして、ヘッダー パイプ1と銅製パイプ4との間に間隔Aをおいて連結することにより、熱交換器 を製造することができる。したがって、鍔部6によって間隔保持が確実となると 共に、更に強度を向上することができる。
【0023】 なお、図4において、その他の部分は上記実施例と同じであるので、同一部分 には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0024】 次に、この考案の継手構造と従来の継手構造の腐食に関する実験について説明 する。
【0025】 実験条件 本考案:第一実施例で説明した構造のヘッダーパイプ−銅製パイプの接合部 従来例:アルミニウム−銅のフラッシュバット溶接品 従来例:アルミニウム−銅の超音波半田付け品 を塩水噴霧試験(SST)(JIS Z2371)により耐蝕性の比較を行った ところ、保護被覆の全くない状態では、表1に示すような結果が得られ、また、 エポキシ系樹脂塗料で被覆した場合には、表2に示すような結果が得られた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】 上記実験の結果、この考案の継手構造を有するアルミニウム製熱交換器と銅製 パイプ4の接合では塩分を含む環境では腐食が進むが、従来例、と比較する と、耐蝕性が向上することが判明した。
【0029】 また、この考案の継手構造においてヘッダーパイプ1と銅製パイプ4との間隔 Aを例えば7mm、10mm、13mmと変えて塩水噴霧試験(SST)(JIS Z 2371)を行ったところ、表3に示すような結果が得られた。なお、この場合 、保護被覆のない状態で試験を行った。
【0030】
【表3】
【0031】 上記試験の結果、アルミニウム部分と銅部分をステンレスを介して間隔をおい たこの考案の継手は、間隔が大きい程耐蝕性に対する効果は大きいが、実用上、 間隔Aは10mm以上が好ましいことが判明した。 ◎第三実施例 図5はこの考案の継手構造の第三実施例の拡大断面図が示されている。
【0032】 第三実施例は、アルミニウム製管体7(以下にアルミニウム製パイプという) と銅製管体である銅製パイプ4とステンレス鋼製連結体5を介して同軸状に連結 した場合である。この場合、アルミニウム製パイプ7と銅製パイプ4の接合側端 部にはそれぞれ拡管部8,8が施されており、この拡管部8,8に円筒状連結体 5が挿入され、かつ、アルミニウム製パイプ7と銅製パイプ4との間に間隔Aが 設けられている。
【0033】 このように構成される継手構造において、アルミニウム製パイプ7は外径が9 .53mm、肉厚が1.0mmのアルミニウム(A1050)が使用され、銅製パイ プ4は外径9.53mm、肉厚が0.8mmの銅(無酸素銅)が使用され、また、連 結体5は外径が9.53mm、長さが20mm、肉厚が0.8mmの円筒状ステンレス (SUS304)が使用されている。
【0034】 上記継手構造の加工手順を説明すると、まず、アルミニウム製パイプ7及び銅 製パイプ4の接合部側端部に拡管加工を施す。この際、アルミニウム製パイプ7 と銅製パイプ4の端部が10mm以上離れるように拡管部8,8の深さを設定する 。次に、連結体5を銅製パイプ4の拡管部8に挿入し、内部に不活性ガスを流し ながら銀含有量30%以上の銀ろうを用いてトーチろう付けする。そして、銅製 パイプ4と反対側の連結体5をアルミニウム製パイプ7の拡管部8に挿入し、フ ッ化物系の非腐食性フラックスを塗布してシリコン(Si)含有量9〜13%の Al−Si合金ろう材を用いて内部に不活性ガスを流しながらトーチろう付けし てアルミニウム製パイプ7と銅製パイプ4の連結を完了する。
【0035】 また、別の加工手順としては、上記加工手順と同様に、連結体5と銅製パイプ 4をトーチろう付けした後、銅製パイプ4の反対側の連結体5をアルミニウム製 パイプ7の拡管部8に挿入し、Si含有量9〜13%のAl−Si合金ろう材を 置きろうして、フッ化物系の非腐食性フラックスを塗布し、非酸化性雰囲気の炉 中にて590〜620℃の温度範囲で炉中ろう付けすることもできる。
【0036】 なお、上記説明ではアルミニウム製パイプ7と銅製パイプ4の接合側端部に拡 管部8,8を設けて円筒状の連結体5を挿入し、ろう付けする場合について説明 したが、必ずしもこのような構造である必要はなく、図6及び図7に示すように 、アルミニウム製パイプ7又は銅製パイプ4のいずれか一方の接合側端部に拡管 部8を設け、連結体5の一端部に拡管部8を有しない銅製パイプ4又はアルミニ ウム製パイプ7を挿入する拡管部8を設けてもよく、あるいは、図8に示すよう に、連結体5の両端部に拡管部8,8を設けて、これら拡管部8,8にアルミニ ウム製パイプ7及び銅製パイプ4を挿入し、ろう付けするようにしてもよい。
【0037】 ◎第四実施例 図9はこの考案の継手構造の第四実施例の拡大断面図が示されている。第四実 施例はアルミニウム製パイプ7と銅製パイプ4とを間隔保持用の鍔部6を有する ステンレス鋼製連結体5を介して同軸状に連結するようにした場合である。この 場合、アルミニウム製パイプ7と銅製パイプ4の接合側端部にはそれぞれ拡管部 8,8が施されており、この拡管部8,8に円筒状連結体5が挿入されると共に 、鍔部6にアルミニウム製パイプ7と銅製パイプ4の端部が当接して表面積を得 るための間隔Aが保持されている。パイプ内部の通路抵抗が問題にならない場合 は、アルミニウム製パイプ7と銅製パイプ4の拡管部8,8を省略することも可 能である。
【0038】 このように構成される継手構造において、アルミニウム製パイプ7は外径が9 .53mm、肉厚が1.0mmのアルミニウム(A1050)が使用され、銅製パイ プ4は外径9.53mm、肉厚が0.8mmの銅(無酸素銅)が使用され、また、連 結体5は外径が9.53mm、長さが20mm、肉厚が0.8mm、中央部に幅10mm の鍔部6を有するほぼ円筒状ステンレス(SUS304)が使用されている。
【0039】 上記継手構造の加工手順を説明すると、まず、アルミニウム製パイプ7及び銅 製パイプ4の接合部側端部に拡管加工を施す。次に、連結体5を銅製パイプ4の 拡管部8に挿入して鍔部6に当接した後、内部に不活性ガスを流しながら銀含有 量30%以上の銀ろうを用いてトーチろう付けする。そして、銅製パイプ4と反 対側の連結体5をアルミニウム製パイプ7の拡管部8に挿入して鍔部6に当接し た後、フッ化物系の非腐食性フラックスを塗布してSi含有量9〜13%のAl −Si合金ろう材を置きろうして、フッ化物系の非腐食性フラックスを塗布し、 非酸化性雰囲気の炉中にて590〜620℃の温度範囲で炉中ろう付けしてアル ミニウム製パイプ7と銅製パイプ4の連結を完了する。
【0040】 ◎第五実施例 図10はこの考案の継手構造の第五実施例の拡大断面図が示されている。 第五実施例は、アルミニウム製ヘッダーパイプ1の端部に設けたエンドキャッ プ(図1参照)9に代えて銅製パイプ4とステンレス鋼製連結体5の一端部とを ろう付けすると共に、アルミニウム製ヘッダーパイプ1の端部とステンレス鋼製 連結体5の他端部とを同軸状にろう付けして、銅製パイプ4とヘッダーパイプ1 とを表面積を得るための間隔Aをおいて連結した構造となっている。
【0041】 この場合、ヘッダーパイプ1は例えば外径22.2mm、肉厚が1.6mmで銅製 パイプ4は外径9.53mm、長さ10000mmの無酸素銅が使用され、ステンレ ス鋼製連結体5は銅製パイプ4の挿入側内径が9.56mmで、アルミニウム製ヘ ッダーパイプ1の挿入側の内径が22.2mmで肉厚0.8mmの異径円筒状のステ ンレス鋼成形体が使用される。
【0042】 上記のように形成されるヘッダーパイプ1と銅製パイプ4とを連結体5を介し て接合するには、まず、連結体5に銅製パイプ4を差込み、その内部に不活性ガ スを流しながら銀含有量30%以上の銀ろうを用いてろう付けする。ここで、連 結体5と銅製パイプ4の内部に不活性ガスを流す理由は、銅製パイプ4を大気中 でろう付けすると、銅表面にスマットが生じるので、配管内面に不活性ガスを流 して清浄度を保つようにするためである。また、銅製パイプ4と連結体5とを銀 ろうでろう付けした場合は、脆い組織は生じないので、継手強度が向上する。次 に、銅製パイプ4を接合した連結体5とヘッダーパイプ1の接合部にSi7〜1 3%含有のAl−Si系ろう材を置きろうし、フッ化物系非腐食性フラックスを 用いて非酸化性雰囲気中で最高温度620℃、600℃以上の下で保持時間5分 で炉中ろう付けして、ヘッダーパイプ1と銅製パイプ4との間に間隔Aをおいて 連結することにより、熱交換器を製造することができる。したがって、キャップ 部材並びに他の構成部材の削減が図れるので、製造作業が容易となる。
【0043】 なお、上記説明でアルミニウム製ヘッダーパイプ1の端部に接合するステンレ ス鋼連結体5を当該パイプ1を覆うようしてろう付けする場合について説明した が、必ずしもこのような構造である必要はなく、図11に示すようにアルミニウ ム製ヘッダーパイプ1の端部に接合するステンレス鋼連結体5を当該パイプ1内 に挿入してろう付けするようにしてもよく、或いは図12に示すように、アルミ ニウム製ヘッダーパイプ1の端部と銅製パイプ4をステンレス鋼製連結体5を介 して同軸状にろう付けすることなく、ステンレス鋼製連結体5を塞ぐキャップ状 に構成し、当該キャップ状のステンレス鋼製連結体5の側面の適所に銅製パイプ 4の挿入孔を設け、当該挿入孔に銅製パイプ4を挿入後、ろう付けする構成とし てもよい。
【0044】 なお、図11、図12において、その他の部分は上記実施例と同じであるので 同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0045】 次に、第三実施例と第四実施例の継手構造と従来の継手構造の耐蝕性について 比較した実験結果について説明する。
【0046】 実験条件 本考案:第三実施例で説明した構造のヘッダーパイプ−銅製パイプの接合部 本考案:第四実施例で説明した構造のヘッダーパイプ−銅製パイプの接合部 従来例:アルミニウム−銅のフラッシュバット溶接品 従来例:アルミニウム−銅の超音波半田付け品 従来例:アルミニウム−銅のろう付け品 を塩水噴霧試験(SST)(JIS Z2371)により耐蝕性の比較を行った ところ、保護被覆の全くない状態では、表4に示すような結果が得られ、また、 エポキシ系樹脂塗料で被覆した場合には、表5に示すような結果が得られた。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】 上記実験の結果、この考案の継手構造では塩分を含む環境では腐食が進むが、 従来例、、と比較すると、耐蝕性が向上することが判明した。
【0050】 なお、この考案の継手構造においてアルミニウム製パイプ7と銅製パイプ4と の間隔Aを例えば7mm、10mm、13mmと変えて塩水噴霧試験(SST)(JI S Z2371)を行ったところ、表3に示すような結果が得られた。なお、こ の場合、保護被覆のない状態で試験を行った。
【0051】
【考案の効果】
以上に説明したようにこの考案の継手構造によれば、銅製管体とステンレス鋼 製連結体の一端部とをろう付けすると共に、アルミニウム製管体とステンレス鋼 製連結体の他端部とをろう付けして、銅製管体とアルミニウム製管体とを間隔を おいて連結してなるので、ステンレス鋼の不動態化により耐蝕性が向上する。ま た、アルミニウムと銅の組合わせのような脆い共晶組織にはならないので、継手 強度の向上を図ることができる。更に、構成部材の削減が図れるので、製造作業 が容易となり、かつ低廉な熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の継手構造の第一実施例を有する熱交
換器を示す側面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】第一実施例の別の形態を示す拡大断面図であ
る。
【図4】この考案の継手構造の第二実施例を示す拡大断
面図である。
【図5】この考案の継手構造の第三実施例を示す拡大断
面図である。
【図6】第三実施例の別の形態を示す拡大断面図であ
る。
【図7】第三実施例の更に別の形態を示す拡大断面図で
ある。
【図8】第三実施例の更に別の形態を示す拡大断面図で
ある。
【図9】この考案の継手構造の第四実施例を示す拡大断
面図である。
【図10】この考案の継手構造の第五実施例を示す拡大
断面図である。
【図11】第五実施例の別の形態を示す拡大断面図であ
る。
【図12】第五実施例の更に別の形態を示す拡大断面図
である。
【図13】従来の継手構造を有する熱交換器を示す側面
図である。
【図14】従来の別の継手構造を示す拡大断面図であ
る。
【図15】従来の更に別の継手構造を示す拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ヘッダーパイプ(アルミニウム製管体) 4 銅製パイプ(銅製管体) 5 ステンレス鋼製連結体 6 鍔部 7 アルミニウム製パイプ(アルミニウム製管体) 9 エンドキャップ A 間隔

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅製管体と、アルミニウム製管体とを連
    結する異種金属の継手構造において、 上記銅製管体とステンレス鋼製連結体の一端部とをろう
    付けすると共に、上記アルミニウム製管体とステンレス
    鋼製連結体の他端部とをろう付けして、上記銅製管体と
    アルミニウム製管体とを間隔をおいて連結してなること
    を特徴とする異種金属の継手構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の異種金属の継手構造にお
    いて、 ステンレス鋼製連結体に間隔保持用の鍔部を形成してな
    ることを特徴とする異種金属の継手構造。
JP8433391U 1991-06-12 1991-09-20 異種金属の継手構造 Pending JPH0594593U (ja)

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JP3-52242 1991-06-12
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