JPH0594153A - 液晶表示装置と液晶パネルの駆動方法および液晶投写型テレビ - Google Patents

液晶表示装置と液晶パネルの駆動方法および液晶投写型テレビ

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JPH0594153A
JPH0594153A JP25504091A JP25504091A JPH0594153A JP H0594153 A JPH0594153 A JP H0594153A JP 25504091 A JP25504091 A JP 25504091A JP 25504091 A JP25504091 A JP 25504091A JP H0594153 A JPH0594153 A JP H0594153A
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JP
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liquid crystal
crystal panel
signal
light
voltage
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Application number
JP25504091A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takahara
博司 高原
Hideki Omae
秀樹 大前
Hideaki Mochizuki
秀晃 望月
Hiroshi Kubota
浩史 久保田
Tetsu Ogawa
鉄 小川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アクティブマトリクス型液晶パネルの画素電
極に対向電極もしくは共通電極を介して変調電圧61を
印加する。変調電圧61の周期は1フィールドよりも短
くし、また、画素電極に印加される振幅は液晶の立ち上
がり電圧以下となるようにする。液晶パネルの液晶は高
分子分散液晶である。高分子分散液晶はヒステリシス特
性がある。変調電圧61の印加により1フィールド内で
ヒステリシスの立ち下がり時の透過率T1と立ち上がり
時の透過率T2の変化がおこり、見かけ上の透過率は
(T1+T2)/2となる。 【効果】 高分子分散液晶を用いることにより偏光板が
不要であり、TN液晶に比較して2倍以上の高輝度化を
実現できる。また、1フィールド内の透過率はT=(T
1+T2)/2となり、ヒステリシスの影響がほとんどな
くなり良好な多階調表示が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として小型の液晶パ
ネルに表示された画像をスクリーン上に拡大投映する投
写型テレビ(以後、液晶投写型テレビと呼ぶ)および主
としてこの液晶投写型テレビに用いる液晶表示装置およ
びその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は軽量、薄型など数多くの
特徴を有するため、研究開発が盛んである。しかし、大
画面化が困難であるなどの問題点も多い。そこで近年、
小型の液晶パネルの表示画像を投写レンズなどにより拡
大投映し、大画面の表示画像を得る液晶投写型テレビが
にわかに注目をあつめてきている。現在、商品化されて
いる液晶投写型テレビには液晶の旋光特性を利用したツ
イストネマティック(以後、TNと呼ぶ)液晶表示装置
が用いられている。
【0003】(図14)はアクティブマトリックス型液
晶パネルの等価回路図である。(図4)において、G1
〜Gmはゲート信号線であり、その一端にゲートドライ
ブIC105に接続されている。ゲートドライブIC1
05はスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(以
後、TFTと呼ぶ)を動作状態による電圧(以後、オン
電圧と呼ぶ)または非動作状態にする電圧(以後、オフ
電圧と呼ぶ)を出力する。また、S1〜Snはソース信号
線であり、その一端はソースドライブIC104に接続
されている。
【0004】TFT44は画素電極に接続され、画素電
極と対向電極間に液晶46を狭持している。また、TF
T44の一端子には電荷蓄積素子としての付加コンデン
サ45が接続されている。
【0005】(図16)は従来の液晶表示装置に置ける
液晶パネルの断面図である。アレイ基板162上には画
素電極165およびTFT164等が形成され、一方、
対向電極基板161上には対向電極163が形成されて
いる。対向電極163と画素電極165間には配向膜1
67a、167bを介してTN液晶が狭持されている。
なお、168はブラックマトリックスである。
【0006】以下、従来の液晶表示装置について説明す
る。(図15)は従来の液晶表示装置のブロック図であ
る。(図15)において、101はビデオ信号を増幅す
るアンプ、102は正極性と負極性のビデオ信号を作る
位相分割回路、103はフィールドごとに極性が反転し
た交流ビデオ信号を出力する出力切り換え回路、107
は液晶パネル、106はソースドライブIC104およ
びゲートドライブIC105の同期および制御を行なう
ためのドライバ制御回路である。
【0007】以下、従来の液晶表示装置の動作について
説明する。まず、ビデオ信号はアンプ101によりビデ
オ出力振幅が液晶の電気光学特性に対応するように利得
調整が行なわれる。次に、利得調整されたビデオ信号は
位相分割回路102に入り、正極性と負極性の2つのビ
デオ信号が作られる。この2つのビデオ信号は出力切り
換え回路103に入り、フィールドごとに極性を反転し
たビデオ信号が出力される。このようにフィールドごと
に信号の極性を反転させるのは、交流電圧を印加し液晶
が劣化することを防止するためである。次に出力切り換
え回路103からのビデオ信号はソースドライブIC1
04に入力され、ソースドライブIC104はドライブ
制御回路106からの制御信号により、ビデオ信号のレ
ベルシフト、サンプルホールドなどの処理を行ない、ゲ
ートドライブIC105と同期をとって液晶パネル10
7のソース信号線に所定電圧を印加する。
【0008】(図17)は従来の液晶パネルの駆動方法
を説明するための説明図である。171は対向電極16
3への印加電圧波形(以後、対向電極電圧波形と呼ぶ)
である。172はTFT164により、ある画素電極に
印加される電圧波形(以後、画素印加電圧波形と呼ぶ)
であり、前記波形172は対向電極電圧波形171を基
準電圧レベルとして印加される。また、173はゲート
電圧波形である。なお、ある画素に電圧が印加されてか
ら、次に前記画素に電圧が印加されるまでの時間を1フ
ィールドもしくは1フィールド時間と呼ぶ。通常、1フ
ィールド時間は1/60秒である。また、2フィールド
で1フレームと呼ぶ。ゲート電圧波形はゲートドライブ
IC105が1ゲート信号線を選択している時間(以
後、1Hと呼ぶ)だけオン電圧レベルとなる。他の時間
はオフ電圧レベルである。
【0009】ゲート信号線にオン電圧が印加されると、
前記ゲート信号線に接続されているTFTはオン状態と
なり、ソース信号線に印加されている画像信号を画素電
極に印加する。画素電極に印加された信号はゲート信号
線にオフ電圧が印加されることによりTFTはオフ状態
となり前記画素電圧に印加された信号を1フィールド間
保持する。
【0010】以下、従来の液晶投写型テレビについて図
面を参照しながら説明する。(図18)は従来の液晶投
写型テレビの構成図である。(図18)において、18
1は集光光学系、182は赤外線および紫外線を透過さ
せるUVIRカットミラー、183aは青色光反射ダイ
クロイックミラー(以後、BDMと呼ぶ)、183bは
緑色光反射ダイクロイックミラー(以後、GDMと呼
ぶ)、183cは赤色光反射ダイクロイックミラー(以
後、RDMと呼ぶ)、184a,184b,184c,
186a,186b,186cは偏光板、185a,1
85b,185cは透過型のTN液晶表示装置、187
a,187b,187cは投写レンズ系である。なお、
説明に不要な構成物、たとえば、フィールドレンズなど
は図面から省略している。
【0011】以下、従来の液晶投写型テレビの動作につ
いて(図18)を参照しながら説明する。まず、集光光
学系181から出射された白色光はBDM183aによ
り青色光(以後、B光と呼ぶ)が反射され、このB光は
偏光板184aに入射される。同様にBDM183aを
透過した光はGDM183bにより緑色光(以後、G光
と呼ぶ)が反射され偏光板184bに、また、RDM1
83cにより赤色光(以後、R光と呼ぶ)が反射され偏
光板184cに入射される。偏光板では各色光の縦波成
分または横波成分の一方の光のみを透過させ、光の偏光
方向をそろえて各液晶表示装置に照射させる。この際、
50%以上の光は前記偏光板で吸収され、透過光の明る
さは最大でも半分以下となってしまう。
【0012】各液晶表示装置は映像信号により前記透過
光を変調する。変調された光はその変調度合により各偏
光板186a,186b,186cを透過し、各投写レ
ンズ系187a,187b,187cに入射して、前記
レンズ系によりスクリーン(図示せず)に拡大投映され
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述の説明でも明らか
なように、TN液晶を用いた液晶表示装置では、前述液
晶へは直線偏光にして光を入射させる必要がある。した
がって、液晶表示装置の前後には偏光板を配置する必要
がある。前記偏光板は理論的に50%以上の光を吸収し
てしまう。したがって、スクリーンに拡大投映した際、
低輝度画面しか得られないという課題がある。この課題
を解決するため、本発明は高分子分散液晶を用いる。高
分子分散液晶を用いた液晶表示装置は偏光板を用いない
ため光利用効率を非常に高くできる。
【0014】以下、簡単に高分子分散液晶について説明
しておく。高分子分散液晶は、液晶と高分子の分散状態
によって大きく2つのタイプに分けられる。1つは、水
滴状の液晶が高分子中に分散しているタイプである。液
晶は、高分子中に不連続な状態で存在する。以後、この
ような液晶をPDLCと呼び、また、前記液晶を用いた
液晶パネルをPD液晶表示装置と呼ぶ。もう1つは、液
晶層に高分子のネットワークを張り巡らせたような構造
を採るタイプである。ちょうどスポンジに液晶を含ませ
たような格好になる。液晶は、水滴状とならず連続に存
在する。以後、このような液晶をPNLCと呼び、ま
た、前記液晶を用いた液晶表示装置をPN液晶表示装置
と呼ぶ。前記2種類の液晶表示装置で画像を表示するた
めには光の散乱・透過を制御することにより行なう。
【0015】PDLCは、液晶が配向している方向で屈
折率が異なる性質を利用する。電圧を印加していない状
態では、それぞれの水滴状液晶は不規則な方向に配向し
ている。この状態では、高分子と液晶に屈折率の差が生
じ、入射光は散乱する。ここで電圧を印加すると液晶の
配向方向がそろう。液晶が一定方向に配向したときの屈
折率をあらかじめ高分子の屈折率と合わせておくと、入
射光は散乱せずに透過する。
【0016】これに対して、PNLCは液晶分子の配向
の不規則さそのものを使う。不規則な配向状態、つまり
電圧を印加していない状態では入射した光は散乱する。
一方、電圧を印加し配列状態を規則的にすると光は透過
する。なお、前述のPDLCおよびPNLCの液晶の動
きの説明はあくまでもモデル的な考え方である。本発明
においてはPD液晶表示装置とPN液晶表示装置のうち
一方に限定するものではないが、説明を容易にするため
PD液晶表示装置を例にあげて説明する。また、PDL
CおよびPNLCを総称して高分子分散液晶と呼び、P
D液晶表示装置およびPN液晶表示装置を総称して高分
子分散液晶表示装置と呼ぶ。また、高分子分散液晶表示
装置に注入する液晶を含有する液体を総称して液晶溶液
と呼び、前記液晶溶液中の樹脂成分が重合硬化した状態
をポリマーと呼ぶ。
【0017】高分子分散液晶の動作について(図19
(a)(b))を用いて簡単に述べる。(図19(a)
(b))は高分子分散液晶パネルの動作の説明図であ
る。(図19(a)(b))において、191はアレイ
基板、192は画素電極、193は対向電極、194は
水滴状液晶、195はポリマー、196は対向基板であ
る。画素電極192にはTFT等が接続され、TFTの
オン・オフにより画素電極に電圧が印加されて、画素電
極上の液晶配向方向を可変させて光を変調する。(図1
9(a))に示すように電圧を印加していない状態で
は、それぞれの水滴状液晶194は不規則な方向に配向
している。この状態ではポリマー195と液晶とに屈折
率差が生じ入射光は散乱する。ここで(図19(b))
に示すように画素電極に電圧を印加すると液晶の方向が
そろう。液晶が一定方向に配向したときの屈折率をあら
かじめポリマーの屈折率と合わせておくと、入射光は散
乱せずにアレイ基板191より出射する。
【0018】以上のように、高分子分散液晶パネルは偏
光板を用いないため、光利用効率が高く、非常に高輝度
の表示画像が得られる。しかし、前記液晶パネルを液晶
表示装置に用いようとすると以下の課題がある。それは
高分子分散液晶のヒステリシス特性である。ヒステリシ
ス特性の説明図を(図20)に示す。(図20)に示す
ように高分子分散液晶は印加電圧の絶対値を徐々に上昇
させた時の印加電圧(V)対透過率(T)のカーブと、
印加電圧の絶対値を徐々に下降させた時とが同一カーブ
とならない。つまりヒステリシス特性を有する。したが
って、印加の電圧V0からV1に変化させた時の透過率は
1であるが、印加電圧V2からV1に変化させた時の透
過率はT1となる。この現象は表示画像の階調表示に大
きな支障をきたす。
【0019】以上のことより、高分子分散液晶を用いれ
ば光利用率が高くなり高輝度の表示画像が得られる。し
かし、ヒステリシス特性があるため所望の良好な階調表
示が行なえない。このことより、従来では高分子分散液
晶を用いて高画質の液晶表示装置および液晶投写型テレ
ビを構成することは困難であった。
【0020】
【課題を解決するための手段】TN液晶を用いると偏光
板により50%以上の光が吸収されてしまうため光利用
効率が低く、高輝度画像表示が行なえず、また、大画面
の表示画像が得られないという課題がある。そこで、本
発明では高分子分散液晶を用いる。その際に高分子分散
液晶のヒステリシス特性の影響がないようにして用いる
ところに特徴がある。
【0021】本発明の液晶パネルの駆動方法は、画素電
極状の液晶に液晶の立ちあがり電圧以下の交流信号を印
加するものである。前記交流信号の周期は1フィールド
時間の整数倍とする。つまり、1フィールド時間が1/
60秒であれば、1/(60*n)(ただし、nは整
数)で信号の極性が反転する信号を印加する。
【0022】本発明の液晶表示装置は前述の液晶パネル
の駆動方法を実現するために発明されたものであり、1
フィールド時間よりも短い時間で信号の極性が反転する
信号発生器を有し、前記信号発生器からの出力を液晶パ
ネルの対向電極または共通電極に印加する、もしくはゲ
ート信号線に印加するゲート電圧波形に多重させるもの
である。
【0023】また、本発明の液晶投写型テレビは本発明
の液晶表示装置を3枚用いたものであり、隣接した信号
線間の極性を反転させ、フリッカを除去し、また、高分
子分散液晶のヒステリシス特性をも除去して良好な画素
表示を実現したものである。
【0024】
【作用】高分子分散液晶は(図20)でも明らかになる
ようにヒステリシス特性を持っている。電圧V0からV1
に立ちあげる時、a点となり透過率はT2となるが、電
圧V2からV1に立ちあげた時、d点となり透過率はT1
となる。また、電圧V0−V1間のある電圧からV1に変
化させたときは別の透過率となり、同様に電圧V2−V1
間のある電圧からV1に変化させた時も別の透過率とな
る。以上のことから、従来の液晶パネルの駆動方法では
立ちあがりのヒステリシスカーブと立ちさがりのヒステ
リシスカーブの範囲内(以後、ヒステリシス内と呼ぶ)
でどの透過率になるかはわからない。
【0025】a点の透過率T2にある時、V0電圧(以
下、液晶の立ちあがり電圧と呼ぶ)以下の電圧分だけ液
晶層への印加電圧を減少させる。つまり、V1−VX(た
だし、VX<V0)なる電圧を印加する。するとヒステリ
シス内のb点にうつる。つぎにV1+VXなる電圧を液晶
層に印加する。今度はヒステリシス内のc点に移動す
る。以後は、V1−VXとV1+VXの電圧を交互に印加す
れば、ヒステリシス内のc点b点間を往復する。したが
って、みかけ上の透過率はTXとなる。前記透過率TX
立ちあがりのヒステリシスカーブと立ちさがりのヒステ
リシスカーブのほぼ中間位置のカーブ上となる。つま
り、所定の交流信号を液晶層に印加することによりヒス
テリシスカーブは見かけ上非常に小さくなる。交流信号
の周期は液晶の応答性を考慮して定める必要があるが、
液晶が追従出来る範囲で周期が早い方が好ましい。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の液晶パ
ネルの駆動方法について説明する。まず、液晶パネルに
ついて説明する。(図3)は液晶パネルの断面図であ
る。(図3)において、33はアレイ基板であり、前記
アレイ基板32上にはITOからなる画素電極35、T
FT34等が形成されている。31は対向電極基板であ
り、その片面には対向電極33が形成されている。対向
電極33と画素電極35間には高分子分散液晶が狭持さ
れている。
【0027】本発明の液晶表示装置に用いる液晶パネル
の液晶材料としてはネマチック液晶、スメクチック液
晶、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2種
類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含ん
だ混合物であっても良い。なお、先に述べた液晶材料の
うちシアノビフェニル系のネマチック液晶が最も好まし
い。樹脂材料としては透明なポリマーが好ましく、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであっ
ても良いが、製造工程の容易さ、液晶相との分離等の点
より紫外線硬化タイプの樹脂を用いるのが好ましい。具
体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が例示さ
れ、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリルモノ
マー、アクリルオリゴマーを含有するものが好ましい。
これらは、紫外線を照射することによって樹脂のみ重合
反応を起こしてポリマーとなり、液晶のみ相分離する。
【0028】この際、樹脂分と比較して液晶の量が少な
い場合には独立した粒子状の水滴状液晶が形成される
し、一方、液晶の量が多い場合は、樹脂マトリクスが液
晶材料中に粒子状、または、ネットワーク状に存在し、
液晶が連続層を成すように形成される。この際に水滴状
液晶の粒子径、もしくはポリマーネットワークの孔径が
ある程度均一で、かつ大きさとしては0.5μm〜数μ
mの範囲でなければ入射光の散乱性能が悪くコントラス
トが上がらない。なお、好ましくは水滴状液晶の粒子径
もしくはポリマーネットワークの孔径は0.8μm〜
2.0μmの範囲がよい。この為にも紫外線硬化樹脂の
ように短時間で硬化が終了しうる材料でなければならな
い。また、液晶材料と樹脂材料の配向比は9:1〜1:
9であり、中でも2:1〜1:2の範囲が好ましい。ま
た、液晶36の薄膜は5μm〜20μmの範囲が望まし
く、中でも8μm〜15μmの範囲が望ましい。
【0029】(図4)および(図5)は本発明の液晶パ
ネルの駆動方法を説明するため説明図であり、液晶パネ
ルの等価回路図の一部をぬきだしたものである。
【0030】(図4)は共通電極方式と呼ばれる液晶パ
ネル(以後、共通電極方式パネルと呼ぶ)の等価回路図
である。液晶46の一端はTFT44のドレインつまり
画素電極35であり、他端は対向電極33である。対向
電極33は全画に共通な電極である。前記対向電極に電
圧を印加する端子を対向電極端子41と呼ぶ。また付加
コンデンサ45の一端もTFT44のドレインと接続さ
れており、他端は共通電極48に接続されている。共通
電極48も全画に共通な電極である。前記共通電極48
に電圧を印加する端子を共通電極端子42と呼ぶ。
【0031】(図5)は前記ゲート方式と呼ばれる液晶
パネル(以後、前段ゲート方式パネルと呼ぶ)の等価回
路図である。共通電極方式パネルとの差異は付加コンデ
ンサ45の一端がゲート信号線であるという点である。
【0032】(図6)は印加する信号電圧の波形図であ
る。まず、(図4)と(図6)を参照しながら共通電極
端子に交流信号を印加し、ヒステリシスを低減させる方
法について説明する。(図6)における基準電圧Aは
(図17)の対向電極電圧波形171に該当する。前記
基準電圧Aを基準として矩形の信号61(以後、変調電
圧と呼ぶ)が出力され、前記信号61は共通電極端子4
2に印加される。変調電圧は1フィールドよりも短い周
期で基準電圧Aを中心として信号の極性が反転する。変
調電圧の周期は液晶の応答時間を考慮し、液晶がほぼ追
従できる範囲内に実験により設定する。一例として60
Hz、120Hz、180Hz等の60Hzの倍数が該
当する。また、振幅はTFT44のD点に入力される電
圧が液晶の立ちあがり電圧以下となるようにする。通常
液晶の立ちあがり電圧は1.0〜2.0Vである。対向
電極端子41には基準電圧Aの電圧を印加し固定をす
る。
【0033】以上のように信号を印加すると共通電極端
子42に印加された変調電圧は付加コンデンサ45と液
晶46に分圧されて画素電極に印加される。印加された
電圧は液晶に電界を与える。すると、(図20)に示す
ように液晶の透過率は作用の欄で説明したようにbc間
で変化することになり、平均的な透過率はTxとなりヒ
ステリシス特性の影響はほとんどなくなる。つまり、変
調電圧により、ヒステリシス内の2つの透過率TiとTj
を往復する。視覚的な透過率Tは(Tij)/2とな
る。変調電圧の信号周波数が高すぎると、液晶は追従し
なくなる。また、変調電圧の振幅が大きすぎると黒表示
ができなくなる。したがって、液晶の応答速度および立
ちあがり電圧に応じて変調電圧の周波数および振幅は実
験的に設定すべきである。
【0034】変調電圧波形61を対向電極端子41に印
加し、共通電極端子42に基準電圧Aを印加する方法も
ある。この場合も印加された交遮信号は液晶46と付加
コンデンサ45に分圧されて画素電極に印加される。し
たがって先と同様にヒステリシス特性の影響をほとんど
なくすことができる。
【0035】次に、(図5)と(図7)を参照しながら
ゲート信号線49に信号電圧を多重させて、ヒステリシ
スを除去する液晶パネルの駆動方法について説明する。
(図7)は印加する信号電圧の波形図である。(図6)
と(図7)の差異は対向電極電圧を一定値とし、ゲート
電圧波形に信号を多重させたことにある。(図7)にお
いて基準電圧Bは(図17)のゲート電圧のオフ電圧レ
ベルである。ゲート電圧はオフ電圧レベルが基準電圧B
を中心として信号が多重される。多重される変調信号の
振幅はTFTがオン状態にならないレベルに設定され
る。また、変調信号が先と同様に画素電圧に印加される
液晶の立ちあがり電圧以下となるように設定される。
【0036】前述の多重信号は付加コンデンサ45と液
晶46で分圧されて画素電極に印加される。印加された
電圧が液晶に交流電圧を印加し、見かけ上のヒステリシ
スを低減することは前述の液晶パネルの駆動方法の説明
と同様である。
【0037】(図6)(図7)でも明らかなように画素
電極にはフィールドごとに極性を反転させた信号を印加
する。それに加えて隣接したソース信号線には互いに逆
極性の信号を印加する。この逆極性とは、ある時刻に第
1のソース信号線に正極性の信号が印加されておれば、
第1のソース信号線に隣接した第2のソース信号線には
負極性の信号が印加されていることを意味する。当然の
ことながら、第1と第2のソース信号線に印加される信
号は極性が異なるだけでなく、表示画像によって映像信
号の振幅値は異なることは言うまでもない。(図11)
において、1つの四角形は1画素を意味し、+表示は正
極性の電圧を保持していることを、また、一表示は負極
性の電圧を保持していることを示している。(図11
(a))の状態をある時刻つまりあるフィールドでの駆
動状態とすると、1フィールド後の駆動状態は(図11
(b))のごとくなる。以上の駆動を行なうことによ
り、フリッカが大幅に低減でき、また、輝度分布が発生
しない。以上の駆動方法を本発明の液晶表示装置および
液晶パネルの駆動方法として用いている。
【0038】以下、本発明の液晶表示装置について説明
する。(図1)は本発明の液晶表示装置のブロッ図であ
る。変調回路108以外は従来の液晶表示装置と同様で
あるので、変調回路108を中心に説明する。変調回路
108は共通電極端子42もしくは対向電極端子41に
印加する変調電圧を発生し、前記端子に印加し、また、
前記2つの端子のうち変調電圧が印加されていない端子
に基準電圧Aを印加する機能を有している。変調電圧の
周期は1Hごとに出力されるクロックを分周した信号に
より設定される。また、内部にアンプを有しており、基
準変調電圧を可変増幅して対向電極端子41もしくは共
通電極端子42に印加することができる。変調電圧の振
幅は液晶パネルに映像信号を印加しない状態で変調電圧
を印加し、除去に変調電圧の振幅を大きくしながら、表
示に影響を与えない範囲に調整する。
【0039】(図2)は本発明の液晶表示装置の他の実
施例におけるブロック図である。変調回路201はゲー
トドライブIC105に信号を印加する。具体的にはゲ
ートドライブICのオフ電圧に変調をかける。変調をか
けることにより(図7)のゲート信号電圧波形71を容
易に実現することができる。他の点は第1の実施例と同
様であるので説明を省略する。
【0040】以下、図面を参照しながら本発明の液晶投
写型テレビについて説明する。(図12)は本発明の液
晶投写型テレビの構成図である。ただし、説明に不要な
構成要素は省略している。(図12)において、121
は集光光学系であり、内部に凹面鏡および光発生手段と
してのメタルハライドランプの250Wを有している。
122は赤外線を透過させ有視光のみを反射させるUV
IRカットミラーである。ただし、UVIRカットミラ
ー122は集光光学系121の内部に配置してもよいこ
とは言うまでもない。また、123aはBDM、123
bはGDM、123cはRDMである。なお、BDM1
23aからRDM123cの配置は同図の順序に限定す
るものではなく、また、最後のRDM123cは全反射
ミラーにおきかえてもよいことは言うまでもない。
【0041】124a,124bおよび124cは本発
明の液晶表示装置である。なお、前記液晶表示装置のう
ち、R光を変調する液晶表示装置は他の液晶表示装置に
比較して水滴状液晶粒子径を大きく、もしくは液晶膜厚
も厚めにして構成している。これは光が長波長になるほ
ど散乱特性が低下するためである。水滴状液晶の粒子径
は、重合させるときの紫外線光を制御すること、あるい
は使用材料を変化させることにより制御できる。液晶膜
厚はビーズ径を変化することにより調整できる。また、
各液晶表示装置に印加する変調電圧の振幅も変化させて
いる。通常B光では立ちあがり電圧が高いため、変調電
圧も高くしている。125a,125bおよび125c
はレンズ、127a,127bおよび127cは投写レ
ンズ、126a,126bおよび126cはしぼりとし
てのアパーチャである。なお、125,126および1
27でシュリーレン光学系を構成している。ただし、本
発明でいうシュリーレン光学系とはアパーチャを有する
ものであり、本来のシュリーレン光学系とは構成が異な
っている。また、特に支障のないかぎり125,126
および127の組を投写レンズ系と呼ぶ。また、アパー
チャはレンズ125のFNo.が大きいとき必要がない
ことは明らかである。
【0042】投写レンズ系の配置等は、以下のとおりで
ある。まず、液晶表示装置の高分子分散液晶パネル12
4とレンズ125との距離Lと、レンズ125とアパー
チャ126までの距離はほぼ等しくなるように配置され
る。また、レンズ125は集光角θが約8度以下になる
ものが選ばれる。以上のような投写レンズ系は各液晶パ
ネルを透過した平行光線を透過させ、各液晶パネルで散
乱した光を遮光させる役割を果たす。その結果、スクリ
ーン上に高コントラストのフルカラー表示が実現でき
る。アパーチャの開口径Dを小さくすればコントラスト
は向上する。しかし、スクリーン上の画像輝度は低下す
る。
【0043】本発明の液晶パネルの液晶層の膜厚が、1
0〜15μmの時、少なくともレンズの集光角θは8度
以下にする必要があった。中でも6度前後が最適であ
り、その時、コントラストは画面中心部で100:1で
あり、リア方式テレビで40インチスクリーンに投写し
た際、スクリーンゲイン5で300ft以上であり、C
RT投写型テレビと比較して、同等以上の画面輝度を得
ることができた。なお、その時のアパーチャの開口径は
1cm、距離Lは10cm前後であった。
【0044】以下、本発明の液晶投写型テレビの動作に
ついて説明する。なお、R,G,B光のそれぞれの変調
系については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系に
ついて例にあげて説明する。まず、集光光学系121か
ら白色光が照射され、この白色光のB光成分はBDM1
23aにより反射される。このB光は高分子分散液晶パ
ネル124aに入射する。高分子分散液晶パネル124
aは、(図3(a)(b))に示すように画素電極に印
加された信号により入射した光の散乱と透過状態とを制
御し、光を変調する。
【0045】散乱した光はアパーチャ126aで遮光さ
れ、逆に平行光または所定角度内の光はアパーチャ12
6aを通過する。変調された光は投写レンズ127aに
よりスクリーン(図示せず)に拡大投映される。以上の
ようにして、スクリーンには画像のB光成分が表示され
る。同様に高分子分散液晶パネル124bはG光成分の
光を変調し、また、高分子分散液晶パネル124cはR
光成分の光を変調して、スクリーン上にはカラー画像が
表示される。
【0046】一方液晶パネルの画素電極35が金属等で
形成され、反射電極となっている場合は液晶投写型テレ
ビは(図13)のごとく構成すればよいことは明かであ
る。
【0047】以下、本発明の液晶投写型テレビの駆動回
路および駆動方法について説明する。(図8)は駆動回
路のブロック図である。まず、ビデオ信号はY/C分離
回路83により輝度信号(Y)と色信号(C)に分離さ
れ、色信号(C)はさらに色復調回路84によりI信号
とQ信号に分離される。輝度信号(Y)およびI、Q信
号はマトリクス回路に入力され、R・G・Bの原色信号
となる。各原色信号はRGB信号処理部でγ補正、コン
トラスト調整等が行なわれ液晶パネル81a、81b、
81cに印加される。一方、ビデオ信号は前記信号から
水平、垂直周期信号が抜きだされドライブIC制御部に
入力されてソースドライブIC104、ゲートドライブ
IC105のタイミング信号が作成される。
【0048】(図1)および(図2)に示すブロック図
は(図8)のゲインコントロール回路、位相分割回路、
出力切替え回路、液晶パネル、変調回路、ドライブIC
制御部等をぬきだしたものである。また、変調回路は各
液晶パネルに適応した変調で圧の振幅を出力する。
【0049】(図10)は本発明の液晶投写型テレビの
駆動回路のうち出力切り替え回路部の説明図である。
(図10)において、81aはR光を変調する液晶パネ
ル、81bはG光を変調する液晶パネル、81cはB光
を変調する液晶パネル、また、R1とR2およびトラン
ジスタQでベースに入力されたビデオ信号の正極性と負
極性のビデオ信号を作る位相分割回路を構成している。
101a,101bおよび101cはフィールドごとに
極性を反転させた交流ビデオ信号を液晶パネルに出力す
る出力切り換え回路である。(図2)では25が該当す
る。ビデオ信号は所定値に利得調整されたのち、R,
G,B光に対応する信号に分割される。このビデオ信号
をそれぞれビデオ信号(R),ビデオ信号(G),ビデ
オ信号(B)とする。それぞれのビデオ信号(R),
(G),(B)は各位相分割回路に入力され、この回路
により正極性と負極性の2つのビデオ信号が作られる。
【0050】次に上述した3つのビデオ信号はそれぞれ
の出力切り換え回路101a,101b,101cに入
力され、この回路によりフィールドごとに極性を反転さ
せたビデオ信号を出力する。このようにフィールドごと
に極性を反転させるのは、先にも述べたように液晶に交
流電圧が印加されるようにして液晶の劣化を防止するた
めである。次にそれぞれの出力切り換え回路から出力さ
れるビデオ信号はソースドライブIC13に入力され
る。ドライブIC制御部はソースドライブIC104と
ゲートドライブIC105との同期をとり、液晶パネル
に画像を表示させる。
【0051】次に人間の眼の視感度について説明する。
人間の眼は波長555nm付近が最高感度となってい
る。光の3原色では緑が一番高く、次が赤で、青がもっ
とも鈍感である。この感度に比例した輝度信号を得るた
めには、赤色を30%、緑色を60%、青色を10%加
えればよい。したがって、テレビ映像で白色を得るため
にはR:B:G=3:6:1の比率で加えればよい。ま
た、先にも述べたように液晶は交流駆動を行なう必要が
ある。交流駆動は液晶パネルの対向電極に印加する電圧
(つまりコモン電圧)に対して正極性と負極性の信号が
交互に印加されることにより行なわれる。本実施例では
液晶パネルに正極性の信号が印加し視感度n(nは実
数)の強さの光を変調している状態を+n、負極性の信
号が印加し視感度nの強さの光を変調している状態を−
nとあらわす。 たとえば、R:G:B=3:6:1の
光が液晶パネルに照射されており、RとB用の液晶パネ
ルに正極性の信号が印加され、G用の液晶パネルに負極
性の信号が印加されておれば、+3・−6・+1とあら
わすものとする。なお、R:G:B=3:6:1はNT
SCのテレビ映像の場合であって、液晶投写型テレビで
は光源のランプ・ダイクロイックミラーの特性などによ
り上記比率は異なってくる。(図15)では、+3・−
6・+1と示されているとおり、R:G:B=3:6:
1の光が照射され、RとB用の液晶パネルには正極の信
号がG用の液晶パネルには負極性の信号が印加されてい
るところを示している。1フィールド後は、−3・+6
・−1と表現される信号印加状態となる。
【0052】(図9)に各液晶パネルへの印加信号波形
を示す。(図9(a))はR光を変調する液晶パネル8
1aの信号波形、(図9(b))はG光を変調する液晶
パネル81bの信号波形、(図9(c))はB光を変調
する液晶パネル81cの信号波形である。(図23
(a)(b)(c))から明らかなように、G光変調用
の信号波形をR・B光変調用の信号波形と逆極性にして
いる。通常、液晶表示装置には同一信号が印加されてい
ても偶数フィールドと奇数フィールドでわずかに画素に
保持される電圧に差が生じる。これは、TFTのオン電
流およびオフ電流が映像信号の極性により異なる、ある
いは配向膜などの正電界と負電界での保持特性が異なる
ことなどにより生じる。この違いによりフリッカという
現象があらわれる。しかし、本発明の液晶投写型テレビ
では(図11(a)(b))に示すように、隣接したソ
ース信号線間の信号の極性をかえ、また(図23)に示
すようにG光変調用の信号をR,B光変調用の信号と逆
極性にすることにより、フリッカが視覚的に見えること
を防止している。なお、G光変調用の信号を他と逆極性
にしたのは、光の強度がR:G:B=3:6:1であ
り、信号の極性および人間の視覚を考慮したとき(R+
B):G=(3+1):6=4:6となり、ほぼ1:1
となりつりあうようにするためである。
【0053】なお、(図12)および(図13)におい
ては投写レンズ系をシュリーレン光学系としたがこれに
限定するものではなく、平行光を集光し遮光体で遮光
し、散乱光をスクリーンに投映する中心遮へい型の光学
系を用いてもよいことは言うまでもない。また、本発明
の液晶表示装置の構成はTFTに限定するものではな
く、ダイオードなどの2端子素子をスイッチング素子と
して用いる液晶表示装置でも有効である。
【0054】また、(図12)においては光はアレイ基
板側から入射させるとしたが、これに限定するものでは
なく、対向基板から入射させても同様の効果が得られる
ことは明らかである。以上のように、本発明の液晶装置
および液晶投写型テレビは光の入射方向に左右されるも
のではない。
【0055】また、本発明の液晶投写型テレビの実施例
においてはリア型液晶投写型テレビのように表現して説
明したが、これに限定するものではなく反射型スクリー
ンに画像を投映するフロント型液晶投写型テレビでもよ
いことは言うまでもない。さらに、本実施例の液晶投写
型テレビにおいては、ダイクロイックミラーにより色分
離を行なうとしたがこれに限定するものではなく、たと
えば吸収型色フィルタを用いて、色分離を行なってもよ
い。
【0056】また、本実施例の液晶投写型テレビにおい
ては、R,GおよびB光の変調系において投写レンズ系
をそれぞれ1つずつ設けているが、これに限定するもの
ではなく、たとえばミラーなどを用いて液晶パネルによ
り変調された表示画像を1つにまとめてから1つの投写
レンズ系に入射させて投映する構成であってもよいこと
は言うまでもない。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の液晶表示装置は
高分子分散液晶を用いているためTN液晶を用いた液晶
表示装置に比較して2倍以上の高輝度画面を得ることが
できる。また、その液晶パネルの光の散乱特性と透過特
性は良好であり、コントラストは100:1以上得るこ
とができる。したがって、本発明の液晶表示装置を用い
て液晶投写型テレビを構成することにより、100イン
チ以上の大画面ディスプレイを容易に実現できる。
【0058】また、本発明の液晶表示装置と液晶パネル
の駆動方法では、画素電極に変調電圧を印加して1フィ
ールド内で液晶の立ち上がり方向での透過率での画素表
示を行なう。高分子分液晶は立ち上がりと立ち下がり時
の電圧−透過特性カーブが同一軌跡でないという課題が
あり、従来では階調表示特性が劣っていたが、本発明に
よりヒステリシス特性は大幅に低減され、階調表示特性
は良好となり、CRT以上の画像品位を実現できる。
【0059】本発明の液晶投写型テレビでは、本発明の
液晶表示装置を用いているため、画面の高輝化が実現で
き、高分子分散液晶特有のヒステリシス特性もないので
高品位の画像を実現できる。また、G光の変調用の液晶
パネルの信号位相とR・B光の変調用の液晶パネルの信
号位相とを逆位相にし、かつ隣接する列の位相をも互い
に逆位相とすることにより全くフリッカのなく、色バラ
ンスもすぐれた画像表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における液晶表示装置のブロ
ック図である。
【図2】本発明の一実施例における液晶表示装置のブロ
ック図である。
【図3】高分子分散液晶パネルの断面図である。
【図4】本発明の液晶パネルの駆動方法の説明図であ
る。
【図5】本発明の液晶パネルの説明図である。
【図6】液晶パネルへの印加電圧の波形図である。
【図7】液晶パネルへの印加電圧の波形図である。
【図8】本発明の液晶投写型テレビの駆動回路のブロッ
ク図である。
【図9】本発明の液晶投写型テレビの信号波形図であ
る。
【図10】本発明の液晶投写型テレビの駆動回路の説明
図である。
【図11】本発明の液晶パネルの駆動方法の説明図であ
る。
【図12】本発明の一実施例における液晶投写型テレビ
の構成図である。
【図13】本発明の一実施例における液晶投写型テレビ
の構成図である。
【図14】液晶パネルの等価回路図である。
【図15】従来の液晶表示装置のブロック図である。
【図16】液晶パネルの断面図である。
【図17】従来の液晶パネルの駆動方法の説明図であ
る。
【図18】従来の液晶投写型テレビの構成図である。
【図19】高分子分散液晶パネルの動作説明図である。
【図20】ヒステリシス特性の説明図である。
【符号の説明】
108,201 変調回路 36 高分子分散液晶 45 付加コンデンサ 46 液晶 124a,124b,124c 高分子分散液晶表示装
置 126,126b,126c アパーチャ 131 スクリーン 166 TN液晶 185a,185b,185c TN液晶表示装置 194 水滴状液晶 195 ポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 浩史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 鉄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクティブマトリックス型液晶パネルで
    あって、画素電極と対向電極に狭持された液晶層に、前
    記画素電極に印加される電圧が書きかわる周期よりも短
    い周期で交流信号が印加されることを特徴とする液晶パ
    ネルの駆動方法。
  2. 【請求項2】 交流信号の振幅は液晶の立ちあがり電圧
    以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶パネル
    の駆動方法。
  3. 【請求項3】 アクティブマトリックス型液晶パネルで
    あって、画素電極に所定周期で画像信号を印加するスイ
    ッチング素子に接続された電荷蓄積素子の一端子に、前
    記所定周期よりも短い周期の第1の信号を印加すること
    を特徴とする液晶パネルの駆動方法。
  4. 【請求項4】 アクティブマトリックス型液晶パネルで
    あって、対向電極に画素に画像信号が印加され、前記画
    像信号が書きかわる周期よりも短い周期の第1の信号を
    前記対向電極に印加することを特徴とする液晶パネルの
    駆動方法。
  5. 【請求項5】 アクティブマトリックス型液晶パネルで
    あって、画素電極に所定周期で画像信号を印加するスイ
    ッチング素子のオンオフを制御するゲート信号線に、前
    記所定周期よりも短い周期の第1の信号が多重されてい
    ることを特徴とする液晶パネルの駆動方法。
  6. 【請求項6】 画素電極に印加された第1の信号の実効
    値が液晶の立ちあがり電圧よりも小さいことを特徴とす
    る請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の液晶パネル
    の駆動方法。
  7. 【請求項7】 所定周期は1フィールドもしくは1フレ
    ーム時間であることを特徴とする請求項3乃至請求項5
    のいずれかに記載の液晶パネルの駆動方法。
  8. 【請求項8】 第1の信号の周期は所定周期の整数倍で
    あることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか
    に記載の液晶パネルの駆動方法。
  9. 【請求項9】 液晶パネルは高分子分散液晶パネルであ
    ることを特徴とする請求項1または請求項3乃至請求項
    5のいずれかに記載の液晶パネルの駆動方法。
  10. 【請求項10】 画素電極と対向電極間に液晶を狭持
    し、前記画素電極にスイッチング素子が接続され、前記
    スイッチング素子の一端子に電荷蓄積素子が接続され、
    複数の画素の電荷蓄積素子の一端子を共通に接続する共
    通電極端子を有する液晶パネルと、一画面を書きかえる
    のに要する時間よりも短い時間で変化する信号を前記共
    通電極端子に印加する変調手段と、対向電極に所定電圧
    を印加する電圧印加手段を具備することを特徴とする液
    晶表示装置。
  11. 【請求項11】 画素電極と対向電極間に液晶を狭持
    し、前記画素電極にスイッチング素子が接続され、前記
    スイッチング素子の一端子に電荷蓄積素子が接続され、
    複数の画素の電荷蓄積素子の一端子を共通に接続する共
    通電極端子を有する液晶パネルと、一画面を書きかえる
    のに要する時間よりも短い時間で変化する信号を対向電
    極に印加する変調手段と、共通電極端子に所定電圧を印
    加する電圧印加手段を具備することを特徴とする液晶表
    示装置。
  12. 【請求項12】 画素電極と対向電極間に液晶を狭持
    し、前記画素電極にスイッチング素子が接続され、前記
    スイッチング素子とスイッチング素子のオンオフを制御
    するゲート信号線間に電荷蓄積素子が形成された液晶パ
    ネルと、一画面よりも短い時間で変化し、かつ前記スイ
    ッチング素子がオン状態にならない振幅の信号をゲート
    信号線に多重させる信号多重手段と、対向電極に所定電
    圧を印加する電圧印加手段を具備することを特徴とする
    液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 液晶は高分子分散液晶であることを特
    徴とする請求項16乃至請求項12のいずれかに記載の
    液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 一画面を書きかえるのに要する時間は
    1フィールドまたは1フレーム時間であることを特徴と
    する請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の液晶
    表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至請求項12のいずれか
    に記載の液晶表示装置と、光発生手段と、前記光発生手
    段が発生した光を前記液晶表示装置に導く第1の光学要
    素部品と、前記液晶表示装置で変調された光を投映する
    第2の光学要素部品を具備することを特徴とする液晶表
    示装置。
  16. 【請求項16】 請求項10または請求項11もしくは
    請求項12記載の液晶表示装置と、光発生手段と、前記
    光発生手段が発生した光を前記液晶表示装置に導く第1
    の光学要素部品と、前記液晶表示装置で変調された光を
    投映する第2の光学要素部品を具備することを特徴とす
    る液晶投写型テレビ。
  17. 【請求項17】 光発生手段が発生する光は色フィルタ
    で青色光,緑色光および赤色光の3つの所定範囲の波長
    の光に分離され、かつ、前記3つの所定範囲の波長の光
    に対して少なくとも1つに液晶表示装置が配置されてい
    ることを特徴とする請求項16記載の液晶投写型テレ
    ビ。
  18. 【請求項18】 色フィルタはダイクロイックミラーで
    あることを特徴とする請求項17記載の液晶投写型テレ
    ビ。
  19. 【請求項19】 青色光を変調する液晶パネルの光学像
    と、緑色光を変調する液晶パネルの光学像と、赤色光を
    変調する液晶パネルの光学像とが光学要素部品により、
    スクリーンの同一位置に投映されることを特徴とする請
    求項16記載の液晶投写型テレビ。
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