JPH059343A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH059343A
JPH059343A JP18393491A JP18393491A JPH059343A JP H059343 A JPH059343 A JP H059343A JP 18393491 A JP18393491 A JP 18393491A JP 18393491 A JP18393491 A JP 18393491A JP H059343 A JPH059343 A JP H059343A
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JP
Japan
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weight
copolymer
acrylonitrile
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styrene
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JP18393491A
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English (en)
Inventor
Akira Kobayashi
明 小林
Tetsuya Kawamura
哲也 河村
Tatsuo Teraya
竜男 寺屋
Eiji Kuchiki
栄治 朽木
Yuji Fujita
祐二 藤田
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】相溶性が改善され、表面特性および各種力学的
特性に優れた、ポリオレフィン系樹脂およびアクリロニ
トリル‐スチレン(AN−St)系共重合体を主成分と
する樹脂組成物を提供する。 【構成】(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)エポキシ
変性AN−St系共重合体を含有するAN−St系共重
合体、(C)エポキシ基と反応性のポリマー (A)お
よび(B)の合計100重量部に対して0.1〜100
重量部、ならびに(D)オレフィン‐不飽和グリシジル
化合物 (A)100重量部に対して1〜100重量部
を含む熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車部品、家具、電
気製品等各種成形品の材料として広く用いられる、ポリ
オレフィン系樹脂およびアクリロニトリル‐スチレン系
共重合体を含む樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂は、機械的強度、
成形性、耐薬品性等に優れており、自動車の内外装部
品、家電部品あるいはハウジングなど、様々な工業分野
で広く利用されている。しかし、ポリオレフィンは無極
性分子であるので、二次加工性、特に固相状態での接着
性、塗装性に難がある。この様なポリオレフィン系樹脂
の改良方法として、ポリオレフィン系樹脂に接着性の良
好なポリスチレンをブレンドすることが行われている。
【0003】特にスチレン‐アクリロニトリル共重合体
はポリスチレン系樹脂の中でも耐薬品性、強度、耐熱性
に優れていることから、それとポリオレフィン系樹脂と
のブレンド物は良好な各種特性を発揮することが期待さ
れている。
【0004】しかしながら、ポリオレフィン系樹脂とポ
リスチレン系樹脂とは相溶性が良好でないので、そのブ
レンド物は物性の低下、特に耐表面剥離性の低下が著し
いという問題がある。
【0005】そこで、ポリプロピレン系樹脂とポリスチ
レン系樹脂との組成物にその相溶性を改善することを目
的として、相溶化剤を添加してなる組成物が種々提案さ
れている(特開昭64-87945号公報、特開平1-174550号公
報)。上記いずれの組成物もポリプロピレン系樹脂とポ
リスチレン系樹脂との相溶化剤として、スチレン‐非共
役ジエンブロック共重合体等を含有するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記相
溶化剤ではポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂
との相溶化にはある程度の効果を発揮するものの、ポリ
プロピレン系樹脂とスチレン‐アクリロニトリル共重合
体との相溶化にはほとんど効果がないという問題があ
る。
【0007】このように、ポリオレフィン系樹脂とスチ
レン‐アクリロニトリル共重合体とが良好に相溶化した
組成物は、従来得ることができなかった。
【0008】そこで本発明は、ポリオレフィン系樹脂と
アクリロニトリル‐スチレン(以下、AN‐Stと称す
ることがある)系共重合体とが良好に相溶化し、表面特
性、各種力学的特性に優れた、ポリオレフィン系樹脂と
AN‐St系共重合体とを主成分とする熱可塑性樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、(A)ポリオレフィン系樹脂 5〜95重量
部、(B)エポキシ変性アクリロニトリル‐スチレン系
共重合体を1重量%以上含有するアクリロニトリル‐ス
チレン系共重合体 95〜5重量部、ならびに(C)エ
ポキシ基と反応性のポリマー (A)および(B)の合
計100重量部に対して0.1〜100重量部を含み、
かつ(D)オレフィン‐不飽和グリシジル化合物を
(A)100重量部に対して1〜100重量部含むこと
を特徴とする。
【0010】本発明で使用するポリオレフィン系樹脂と
は、エチレン、プロピレン、ブテン、4-メチルペンテン
-1等のα‐オレフィン系モノマーの単独重合体、これら
のブロックまたはランダム共重合体、あるいはこれらと
一般式(化1):
【0011】
【化1】 (ただし、R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ独立
して、水素原子または炭素原子数1〜6を有するアルキ
ル基であり、mは1〜20の整数である)で示される非共
役ジエンコモノマーを含有するオレフィン共重合体およ
びその水添物等のすべてのポリオレフィン系樹脂であ
る。好ましくはオレフィンモノマーを主成分として重合
した結晶性のポリマーであり、40重量%程度までエチレ
ン、ブテン、4-メチルペンテン-1等の他のα‐オレフィ
ンと共重合したものでもよい。 さらに本発明において
(A)ポリオレフィン系樹脂として、すべてあるいは一
部が不飽和カルボン酸またはその無水物で変性されたポ
リオレフィン系樹脂であってもよい。
【0012】ここで、不飽和カルボン酸またはその無水
物で変性されたポリオレフィン系樹脂とは、不飽和カル
ボン酸またはその無水物が上記のポリオレフィン系樹脂
にグラフト重合されてなるものをいう。不飽和カルボン
酸またはその無水物としては、具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸等のジカルボン酸、無水マレイン
酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、エンド‐ビシクロ
[2,2,1]-5-ヘプテン-2,3- ジカルボン酸無水物(無水ハ
イミック酸)等のジカルボン酸無水物等が挙げられる。
変性ポリオレフィン系樹脂は、グラフト共重合体、ラン
ダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体のいず
れでもよい。
【0013】不飽和カルボン酸またはその無水物とポリ
オレフィン系樹脂との反応は、溶液法または溶融混練法
のいずれでも行うことができ、好ましくは溶融混練法で
行う。溶融混練法の場合、不飽和カルボン酸(またはそ
の無水物)とポリオレフィン系樹脂、および必要に応じ
て触媒を一軸または二軸押出機、バンバリーミキサー、
またはバッチ混練機等に投入し、180〜250℃の温
度に加熱して溶融しながら0.1〜20分間混練する。
また溶液法の場合、キシレン等の有機溶剤に上記出発物
質を溶解し、80〜140℃の温度で0.1〜100時
間攪拌しながら行う。いずれの場合にも、触媒として通
常のラジカル重合用触媒を用いることができ、例えば過
酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジターシャ
リーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブチルペル
オキシ安息香酸、過酸化ジクミル、ペルオキシ安息香
酸、ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチルペルオキシピ
バレート、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリー
ブチルペルオキシヘキシン等の過酸化物類、あるいはア
ゾビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物類等が好ま
しい。触媒の添加量は不飽和カルボン酸(またはその無
水物)100重量部に対して0.1〜10重量部程度で
ある。なお、上記反応時にフェノール系酸化防止剤を添
加することができる。ただし、ラジカル重合用触媒を添
加しない場合には、それを添加しない方が好ましい。
【0014】不飽和カルボン酸(またはその無水物)の
ポリオレフィン系樹脂へのグラフト率は好ましくは0.
1〜5.0重量%、さらに好ましくは0.3〜3.0重
量%である。このような不飽和カルボン酸またはその無
水物で変性されたポリオレフィン系樹脂のメルトフロー
レート(MFR)は0.1〜300g/10分であるの
が好ましい。
【0015】本発明において成分(A)の総てがポリオ
レフィン系樹脂または変性ポリオレフィン系樹脂である
ことができる。しかし、ポリオレフィン系樹脂100重
量部に対して変性ポリオレフィン系樹脂を少なくとも1
重量部含むことにより、本発明の効果をより良く達成す
ることができる。
【0016】次に、本発明で使用するアクリロニトリル
‐スチレン(AN‐St)系共重合体は、アクリロニト
リルから誘導される繰り返し単位とスチレンから誘導さ
れる繰り返し単位とがランダムに共重合したものであ
る。アクリロニトリルの含有量は、AN‐St系共重合
体全体を100重量%として通常2〜50重量%であ
り、好ましくは20〜30重量%である。また、ポリオ
レフィン系ゴム、例えばポリブタジエンゴムを40重量
%以下程度グラフト重合したアクリロニトリル‐ブタジ
エン‐スチレン樹脂(ABS樹脂)、エチレン‐プロピ
レン共重合体ゴム(EPゴム)を40重量%以下程度グ
ラフト重合したアクリロニトリル‐EPゴム‐スチレン
樹脂(AES樹脂)等も成分(B)におけるアクリロニ
トリル‐スチレン系共重合体に包含される。
【0017】このようなAN‐St系共重合体は通常、
MFRが1〜60g/10分、重量平均分子量(Mw)
が10,000〜1,000,000 のものである。
【0018】エポキシ変性アクリロニトリル‐スチレン
系共重合体とは、アクリロニトリル‐スチレン‐不飽和
エポキシ化合物共重合体である。アクリロニトリル‐ス
チレン部分については、上記のAN‐St系共重合体と
同様のものを使用できる。不飽和エポキシ化合物として
は、例えば下記式(化2):
【0019】
【化2】 (式中、Ra はエチレン系不飽和結合を有する炭素数2
〜18の炭化水素基である)で示される不飽和グリシジル
エステル類、下記式(化3):
【0020】
【化3】 [式中、Rb はエチレン系不飽和結合を有する炭素数2
〜18の炭化水素基であり、Xは−CH2 −O−または−
φ−O−(ここで、φはフェニレン基を表す)である]
で示される不飽和グリシジルエーテル類が挙げられる。
【0021】このような不飽和グリシジルエステル類、
不飽和グリシジルエーテル類としては、例えばグリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート(GM
A)、イタコン酸グリシジルエステル類、アリルグリシ
ジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、ス
チレン-p- グリシジルエーテル等が挙げられる。特にG
MAが好ましい。またこの他にさらに、メチルメタクリ
レート等の不飽和カルボン酸エステルモノマーをエポキ
シ変性AN‐St系共重合体全体の99.9重量%まで
の量で含むことができる。
【0022】上記のエポキシ変性AN‐St系共重合体
におけるアクリロニトリル含量は、この共重合体全体を
100重量%として、通常2〜50重量%、好ましくは
20〜30重量%であり、不飽和エポキシ化合物含量は
通常0.1〜70重量%、好ましくは5〜10重量%で
ある。このようなエポキシ変性AN‐St系共重合体は
通常、MFR 1〜60g/10分、Mw10,000〜1,00
0,000 である。
【0023】このようなエポキシ変性AN‐St系共重
合体は、AN‐St系共重合体と不飽和エポキシ化合物
とを、バルク重合、エマルジョン重合、懸濁重合、溶液
重合等により重合して製造することができる。
【0024】成分(B)は、上記したエポキシ変性AN
‐St系共重合体を、変性および未変性AN‐St系共
重合体の合計に対して1重量%以上使用する。
【0025】上記した成分(A)および(B)は、
(A)5〜95重量部に対して(B)95〜5重量部、
好ましくは(A)10〜90重量部に対して(B)90
〜10重量部の割合で使用する。
【0026】本発明の樹脂組成物はさらに、(C)エポ
キシ基と反応性のポリマーを(A)および(B)の合計
100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましく
は0.5〜10重量部含有する。(C)の量が0.1重
量部より少ないと相溶性が不十分であり、100重量部
より多いと得られる組成物の流動性が低下する。エポキ
シ基と反応性のポリマーとしては、成分(B)のエポキ
シ変性AS‐St共重合体の有するエポキシ基および後
述する成分(D)の有するエポキシ基と反応するもので
あればいずれを使用することもできる。好ましくはポリ
アミドおよび/またはポリエステル(ポリカプロラクト
ンを含む)である。ポリアミドはそれ自体公知であり、
具体的にはナイロン‐4、ナイロン‐6、ナイロン‐6,
6 、ナイロン‐12、ナイロン‐6,10等の各種ナイロン、
ポリアミドイミド等を挙げることができる。これらを単
独でまたは2種以上混合して用いることができる。反応
効率、成形性、力学物性への効果を考慮すると、好まし
くはナイロン‐6またはナイロン‐6,6 である。
【0027】ポリエステルはそれ自体公知であり、一般
に飽和ジカルボン酸成分と飽和二価アルコール成分とか
らなる熱可塑性樹脂、または環状エステルの開環重合に
より得られる熱可塑性樹脂である。飽和ジカルボン酸と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸等が
挙げられ、飽和二価アルコールとしてはエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、ビスフェノールA等が挙げら
れる。具体的にはポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘ
キサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン-1,4
- ジメチロールテレフタレート、ポリネオペンチルテレ
フタレート、ポリアリーレート等が挙げられる。また、
環状エステルとしては、ポリカプロラクトン(数平均分
子量1〜100,000 のものが好ましい)などのε−カプロ
ラクトンが挙げられる。これらを単独でまたは2種以上
混合して用いることができる。反応効率、成形性、力学
物性への効果を考慮すると、これらの中でもポリエチレ
ンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフ
タレート(PBT)が好ましい。
【0028】ポリエチレンテレフタレートの場合、固有
粘度[η]は0.30〜0.80で、末端カルボキシル基濃度は
15〜200 ミリ当量/Kgであることが好ましい。固有粘
度[η]が0.80を超えると、グラフト共重合体の溶融粘
度が高くなりゲルが生じる。なお、ポリエチレンテレフ
タレート中のテレフタル酸成分は、アルキル基、ハロゲ
ン原子等で置換されたものでもよく、またグリコール成
分はエチレングリコールの他に50重量%程度まで他のグ
リコール、例えば1,4-ブチレングリコール、プロピレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール等を含有してい
ても良い。
【0029】また、ポリブチレンテレフタレートの場
合、固有粘度[η]は0.3 〜1.20で、末端カルボキシル
基濃度は15〜200 ミリ当量/Kgであることが好まし
い。この場合も同様に、テレフタル酸成分は、アルキル
基、ハロゲン原子等で置換されたものでもよく、またグ
リコール成分は1,4-ブチレングリコールの他に50重量%
程度まで他のグリコール、例えばエチレングリコール、
プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール等を
含有していても良い。
【0030】次に、本発明においては、さらに(D)オ
レフィン‐不飽和グリシジル化合物を(A)100重量
部に対して1〜100重量部、好ましくは3〜10重量
部含む。(D)の量が1重量部より少ないと相溶性が不
十分であり、100重量部より多いと組成物の剛性低
下、溶融粘度の増加により成形性の低下を生じる。
【0031】オレフィン‐不飽和グリシジル化合物の不
飽和グリシジル化合物としては、成分(B)において先
に述べた不飽和エポキシ化合物、すなわち例えば上記式
(化2)で示される不飽和グリシジルエステル類、上記
式(化3)で示される不飽和グリシジルエーテル類等が
使用できる。具体的には、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート(GMA)、イタコン酸グリシ
ジルエステル類、アリルグリシジルエーテル、2-メチル
アリルグリシジルエーテル、スチレン-p- グリシジルエ
ーテル等が挙げられる。特にGMAが好ましい。
【0032】また、オレフィンとしては、エチレン、プ
ロピレン等のオレフィン類を単独でまたは2種以上混合
して用いることができ、好ましい例は、エチレン‐グリ
シジルメタクリレート(GMA)である。オレフィン‐
不飽和グリシジル化合物における不飽和グリシジル化合
物の含有量は通常0.1〜30重量%である。
【0033】本発明の樹脂組成物には、上記の成分の他
に、慣用の添加剤、例えば顔料、染料、充填材、強化
材、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃
剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤等を添加するこ
とができる。
【0034】本発明の樹脂組成物は、上記した各成分を
溶融混練することによって製造することができる。溶融
混練温度は通常230 〜300 ℃、好ましくは250 〜280 ℃
である。溶融混練に使用する装置は、通常の装置、例え
ば一軸または二軸押出機、バンバリーミキサー、混練ロ
ール、ブラベンダー、ニーダー、ヘンシェルミキサー、
バッチ混練機等を使用して行うことができる。
【0035】
【作用】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、成分
(C)エポキシ基と反応性のポリマーが(D)オレフィ
ン‐不飽和グリシジル化合物のエポキシ基と反応し、か
つ(B)エポキシ変性AN‐St系共重合体のエポキシ
基とも反応する。したがって、溶融混練により、これら
の間に反応が生じ、オレフィン‐不飽和グリシジル化合
物〜エポキシ基と反応性のポリマー〜エポキシ変性AN
‐St系共重合体のグラフト体が生成する。またオレフ
ィン‐不飽和グリシジル化合物はポリオレフィン系樹脂
と親和性があるため、このグラフト体は、相溶化剤とな
り得る。また、無水カルボン酸(またはその無水物)で
変性されたポリオレフィン系樹脂が存在すると、この無
水カルボン酸(またはその無水物)が、(D)オレフィ
ン‐不飽和グリシジル化合物のエポキシ基と反応し、未
変性のポリオレフィン系樹脂だけの場合より親和性が向
上するので、より高い相溶化効果が得られる。このよう
な機構により、(A)および(B)の相溶性が改善され
るものと推測される。
【0036】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0037】なお、各実施例および比較例において用い
た原料は、以下の通りである。 1.ポリオレフィン系樹脂 (1-1) ポリプロピレン(ホモポリマー、以下でPPと略
記することがある)、J209(東燃化学株式会社
製)、MFR(230℃、荷重2.16kg、JISK7
210)9.0g/10分 (1-2) エチレン‐プロピレンブロック共重合体(以下で
EPRと略記することがある)、BJ309(東燃化学
株式会社製)、MFR 9.0g/10分、エチレン含
有量7.5重量% 2.変性ポリオレフィン系樹脂 (2-1) 無水マレイン酸変性ポリプロピレン ポリプロピレンホモポリマー(Y201、東燃化学株式
会社製、MFR 1.5g/10分)100重量部と、無
水マレイン酸(MAH)3重量部および過酸化物触媒と
してパーヘキシン2−5B(日本油脂株式会社製)1重
量部とをドライブレンドし、65mmの2軸押出機によ
り、230℃、100rpmにて溶融混練してグラフト反
応を行い、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(以下
で、MAH−PPと略記する)を得た。なお、グラフト
の際の平均反応時間は約1分であった。得られたMAH
−PPの無水マレイン酸グラフト率は0.3重量%であ
った。 3.アクリロニトリル‐スチレン系共重合体 (3-1) アクリロニトリル‐スチレンランダム共重合体
(以下でASと略記することがある)、AS230(日
本合成ゴム株式会社製)、MFR 6.62g/10
分、アクリロニトリル含有量25重量% (3-2) アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(AB
S)樹脂(以下で、ABSと略記する)、ABS−10
(日本合成ゴム株式会社製)、MFR10g/10分、
アクリロニトリル含有量(アクリロニトリル‐スチレン
を100重量%として)25重量% 4.エポキシ変性アクリロニトリル‐スチレン系共重合
体 (4-1) アクリロニトリル‐スチレン‐グリシジルメタク
リレートランダム共重合体(以下で、GMA−ASと
略記する)、マープルーフG−1505SA(日本油脂
株式会社製)、グリシジルメタクリレート(GMA)含
有量5重量%、アクリロニトリル含有量(アクリロニト
リル‐スチレンを100重量%として)27重量%、重
量平均分子量(Mw)150,000 、数平均分子量(Mn)
55,000 (4-2) アクリロニトリル‐スチレン‐グリシジルメタク
リレートランダム共重合体(以下で、GMA−ASと
略記する)、マープルーフG−1005SA(日本油脂
株式会社製)、グリシジルメタクリレート(GMA)含
有量5重量%、アクリロニトリル含有量(アクリロニト
リル‐スチレンを100重量%として)27重量%、重
量平均分子量(Mw)100,000 、数平均分子量(Mn)
40,000 (4-3) アクリロニトリル‐スチレン‐グリシジルメタク
リレートランダム共重合体(以下で、GMA−ASと
略記する)、ブレンマーCP510SA(日本油脂株式
会社製)、エポキシ当量1500、アクリロニトリル含
有量(アクリロニトリル‐スチレンを100重量%とし
て)27重量%、重量平均分子量(Mw)50,000、数平
均分子量(Mn)19,000 5.エチレン‐グリシジルメタクリレート共重合体 ボンドファースト・E(住友化学株式会社製)、GMA
含量12.3重量%、重量平均分子量(Mw)263,000
、以下で、EGMAと略記する 6.ポリアミド ナイロン‐6、グレードA28(エムス・ジャパン株式
会社)、数平均分子量(Mn)=18,000、以下で、Ny
−6と略記する 6.ポリエステル ポリブチレンテレフタレート(PBT)、C7000N
(帝人株式会社製)、固有粘度[η]1.05(0-クロ
ロフェノール中、25℃で測定)、以下で、PBTと略
記する実施例1〜7および比較例1〜5 各成分を表1〜2に示す割合(重量%)でヘンシェルミ
キサーで常温にて混合した後、直径45mmの2軸混練機
を用いて、250℃、200rpmにて混練を行い、吐出
物を水中で急冷して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得
た。
【0038】得られた樹脂組成物に対して、MFR、耐
表面剥離性、アイゾット衝撃強度、引張り強度、破断伸
び、曲げ弾性率および熱変形温度(HDT)を測定し
た。結果を表1〜2に示す。
【0039】なお、耐表面剥離性は、ペレット表面に1
mm2 のマスを100 個作り、その部分のテープ剥離試験を
行い、100 個中剥離せずに残ったマスの個数で評価し
た。アイゾット衝撃強度は、JIS K7110にした
がって、−30℃におけるアイゾット衝撃強度を測定し
た。引張り強度は、JIS K7113にしたがって測
定した。破断伸びは、JIS K7113にしたがって
測定した。曲げ弾性率は、JIS K7203にしたが
って測定した。熱変形温度(HDT)はJISK720
7にしたがって測定した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【発明の効果】本発明によれば、相溶性が改善され、表
面特性および各種力学的特性に優れた、ポリオレフィン
系樹脂およびアクリロニトリル‐スチレン系共重合体を
主成分とする樹脂組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NJX 8416−4J NJZ 8416−4J (72)発明者 朽木 栄治 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 藤田 祐二 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番1 号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)ポリオレフィン系樹脂 5〜95
    重量部、 (B)エポキシ変性アクリロニトリル‐スチレン系共重
    合体を1重量%以上含有するアクリロニトリル‐スチレ
    ン系共重合体 95〜5重量部、ならびに (C)エポキシ基と反応性のポリマー (A)および
    (B)の合計100重量部に対して0.1〜100重量
    部 を含み、かつ (D)オレフィン‐不飽和グリシジル化合物を(A)1
    00重量部に対して1〜100重量部含むことを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物。
JP18393491A 1991-06-12 1991-06-28 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH059343A (ja)

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DE69215147T DE69215147T2 (de) 1991-06-12 1992-06-11 Thermoplastische Harzzusammensetzung
US08/156,092 US5367020A (en) 1991-06-12 1993-11-22 Thermoplastic resin composition

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