JPH0593175U - 陰極線管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ＣＲＴの取付けを充分な保持力で位置精度良く
達成でき、画面位置精度も高く、かつ取付け用のパーツ
の小型化軽量化をも図ることができる取付けを、容易に
安価に実現できる陰極線管を提供するものである。 【構成】ファンネル４の前面にパネル２を備える構成の
陰極線管において、パネル２には外周方向に突出するパ
ッド部３，３１〜３４を設け、このパッド部を用いて取
付けを行う構成とした陰極線管。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は陰極線管に関し、特に、ファンネルの前面にパネルを備える構成の陰 極線管のパネルにおける取付け構造を改良した陰極線管に関するものである。本 考案の陰極線管は、例えば、テレビ受像機のディスプレイとして利用できる。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、陰極線管（以下適宜ＣＲＴと記す場合もある）を取付けるには、ホ ルダーによりファンネルの背面を押えてシャシ等にＣＲＴを固定する方式（ＣＲ Ｔホルダー方式）や、爆発防止の防爆バンド（以下適宜ＨＳバンドと記す場合も ある）を利用して、このＨＳバンドをシャシ等に取付けて固定する方式（ＨＳバ ンド方式）が知られている。

【０００３】 ＣＲＴホルダー方式は、図５に示すように、陰極線管１のファンネル４の背面 部分を、これとほぼ密着するホルダー８で押えて、シャシ７の前面方向にパネル ２を押し、これにより陰極線管１をホルダー８とシャシ７の前面との間に挟着し て取付けるものである。

【０００４】 また、ＨＳバンド方式は、図６に示すように、陰極線管１の前部外周に巻き付 け固定した爆発防止用のＨＳバンド９に取付け用の金具９１等を固定し、これを ボルト９２等でシャシ７に取付けることにより固定を行う。図６中、９３はフリ ットガラスによるシール、９４はシールド板、９５は防爆コーティングである。

【０００５】

【考案が解決しようとする問題点】

上記ＣＲＴホルダー方式は、ＣＲＴのファンネル４をホルダー８で押さえる構 成であり、ファンネル４の背面の曲面部を、この曲面部に対応する曲面をなすホ ルダー面（図５の面８１）で押すようにしているので、密着が確実でなく、強く 押さえることができない。よって、保持力が弱い。このため、ＣＲＴが大きく重 くなると、この方式での取付けは困難であり、大型のＣＲＴには適さない。

【０００６】 かつ、ＣＲＴホルダー方式は、ＣＲＴのファンネル４が、ホルダー８の形状に ならって動きやすく、有効画面の位置がばらつきやすい。

【０００７】 更に、取付け精度を高めようとすると保持力が落ち、逆に保持力を高めように すると精度が落ちるという問題がある。

【０００８】 一方、ＨＳバンド方式は、パネル２のスカート部が低いとＨＳバンドは取付け ることができず、また、ＣＲＴ単体で防爆処理を行わない場合通常ＨＳバンドは 取付けないので、このような場合この方式は適用できない。このようにＨＳバン ド方式は汎用性に欠ける。

【０００９】 かつ、ＨＳバンドをつけると、材料費、工数、重量が増加するという問題があ る。

【００１０】

【考案の目的】

本考案は上記従来技術の問題点を解決して、ＣＲＴの取付けを充分な保持力で 位置精度良く達成でき、画面位置精度も高く、かつ取付け用のパーツの小型化軽 量化をも図ることができるものであって、かつこのような取付けを容易に安価に 実現できる陰極線管を提供せんとするものである。

【００１１】

【問題点を解決するための手段】

本考案の陰極線管は、ファンネルの前面にパネルを備える構成の陰極線管にお いて、前記パネルには外周方向に突出するパッド部を設け、このパッド部を用い て取付けを行う構成としたことを特徴とするものである。

【００１２】

【作用】

本考案の陰極線管は、取付け用のパッド部を突出して設けたので、ここを押圧 して強く押さえるようにすることができ、また、パッド部の位置で取付けの位置 が正確に決まり、かつ、パッド部の面を基準面にすることができるので、有効画 面を精度良く収めることができる。よって陰極線管の取付けを充分な保持力で位 置精度良く達成でき、画面位置精度も高くできる。かつパッド部の存在により、 取付け用のパーツの小型化軽量化をも図ることができる。パッド部を利用した取 付けは容易であり、特に高価な構成部材は要さず、安価にできる。

【００１３】

【実施例】

以下本考案の実施例について、図面を参照して説明する。但し当然のことでは あるが、本考案は以下に述べる実施例により限定されるものではない。

【００１４】 実施例１ この実施例は、本考案をカラーテレビ等のテレビ受像機に用いる陰極線管に具 体化したものである。図１及び図２を参照する。

【００１５】 本実施例の陰極線管は、図１に示すようにファンネル４の前面にパネル２を備 える構成の陰極線管であって、パネル２には、図１に示し、また図２にパネル２ 自体の構成を示すように、外周方向に突出するパッド部３１〜３４を設け、この パッド部３１〜３４を用いて取付けを行う構成としたものである。

【００１６】 本実施例では、パネル２はガラスパネルであり、外周側方向に突出する４本の パッド部３１〜３４は、このガラスパネル２に一体に形成されている。

【００１７】 本実施例では、パッド部３１〜３４の前面平面、例えば図２の符号３１ａで示 す平面は、この面をモールドマッチと同じ高さにすることにより、精度の良い平 面となるようにしている。

【００１８】 本実施例においては、パッド部３１〜３４を、図１に示すように、取付けコマ ５１，５２で各パッド部の背面を押圧し、かつこの取付けコマ５１，５２はボル ト６１，６２でシャシ７に取付け固定することによって、陰極線管１の取付けを 行っている。陰極線管１は、パネル２において、このパッド部３１〜３４及びパ ネル前面がそれぞれ取付けコマ５１，５２及びシャシ７前面の間に挟着されるこ とにより、固定される。

【００１９】 この結、陰極線管１は、曲面状のファンネル４が押されるのでなく、精度の良 いパッド部３１〜３４の平面を押すことになるので、強く押さえることが可能と なり、保持力を大きくできる。

【００２０】 また、パッド部３１〜３４の面を基準面にでき、位置精度の良好な取付けが可 能となる。

【００２１】 かつ、パネル２に基準面となるパッド部３１〜３４がついているので、ベズル に対して有効画面が精度良くおさまる。

【００２２】 更に、図３に示すようにパッド部３を押さえる取付けコマ５に段５ａを付ける と、図の上下方向（ディスプレイ平面のＸＹ方向）の位置精度も上げることがで きる。図３において、コマ５をボルト６により図の左方向に押しあてるとともに 、コマ５には長穴を開けておくことにより、パネル２をコマ５の段５ａにおいて 図３の上方に押し、上部でパネル２をシャシに押し当てることにより、この方向 での位置を精度良く定めることができる。

【００２３】 本実施例によれば、重いＣＲＴや、ＨＳバンドを巻けないＣＲＴを固定する場 合も、保持力の高い、精度の良い取付け固定が実現できる。また、構成は簡明で 取付けも容易であり、固定用パーツの小型化や軽量化や、コスト削減も可能とな る。

【００２４】 実施例２（各種変形例） 上述した実施例１は、パネル２の外周に４つのパッド部を設けたが、このパッ ド部の構成は様々なものを採用できる。

【００２５】 図４（ａ）に示すように、パッド部３を２カ所に構成できる。図示例は左右に ２カ所であり、かつ、長さもパネル２の一辺の長さに近い程長くしたものである 。

【００２６】 パッド３を２カ所設ける変形例としては、図１のパッド部３１〜３４程度の大 きさとし（この場合、厚さ幅とも、５インチクラスのＣＲＴで、最小１ｍｍ程度 である）、左右１対の場合、上下１対の場合、上右角と下左角、逆に上左角と下 右角などの位置にしたものを挙げることができる。２カ所パッド部３が存在する 構成は、特定方向の最大寸法に制約がある場合、有効に用いることができる。

【００２７】 図４（ｂ）の例は、全周にわたってパッド部５を形成したものである。この構 成であると、シャシの押さえ位置を自由に設定することが可能である。

【００２８】 図４（ｃ）の例は、３カ所にパッド部３を設けた例である。図示例は上辺中央 と、下辺の左右に各々１カ所の計３カ所としたものである。下辺のパッド部は左 右の角に位置するのであってもよい。これらの上下が逆で、下辺中央に１カ所、 上辺の左右がわ、あるいは上辺の左右の角の計３カ所に形成するのでもよい。こ のような３カ所形成の例は、ガラス精度がばらついても、パネルが浮き上がらな いというメリットがある。

【００２９】 図４（ｄ）の例は、４カ所にパッド部３を設けた例である。図示例は各角隅に おいてパッド部３を形成した。その他、左右の各辺に各々２カ所ずつの例、左辺 に２カ所、右辺に１カ所、下辺に１カ所の例、左辺に２カ所、右辺に１カ所、上 辺に１カ所の例、各辺に１カ所ずつ等、各種の位置のバリエーションで形成でき る。

【００３０】 更に、５カ所以上設けてもよく、その場合も様々なパターンが可能である。

【００３１】 また、パッド部自体に段を付けたり、シャシとの取付けについて噛み合わせ構 造（例えばアリとアリ溝との構造）にしたりすることもできる。

【００３２】

【考案の効果】

本考案の陰極線管は、その取付けを充分な保持力で位置精度良く達成でき、画 面位置精度も高く、かつ取付け用のパーツの小型化軽量化をも図ることができ、 このような取付けを容易に安価に実現できるという効果を有する。

【提出日】平成４年２月１８日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００２

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００２】

【従来の技術】

従来より、陰極線管（以下適宜ＣＲＴと記す場合もある）を取付けるには、ホ ルダーによりファンネルの背面を押えてシャシ等にＣＲＴを固定する方式（ＣＲ Ｔホルダー方式）や、爆縮防止の防爆バンド（以下適宜ＨＳバンドと記す場合も ある）を利用して、このＨＳバンドをシャシ等に取付けて固定する方式（ＨＳバ ンド方式）が知られている。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】 また、ＨＳバンド方式は、図６に示すように、陰極線管１の前部外周に巻き付 け固定した爆縮防止用のＨＳバンド９に取付け用の金具９１等を固定し、これを ボルト９２等でシャシ７に取付けることにより固定を行う。図６中、９３はフリ ットガラスによるシール、９４はシールド板、９５は防爆コーティングである。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の陰極線管の構成及び取付けを示す図
である。

【図２】実施例１の陰極線管の構成図であり、（ａ）は
前面図、（ｂ）は上面図である。

【図３】パネルおさえの構成例を示す図である。

【図４】パネルの構成例を示す図である。

【図５】従来技術を示す図である。

【図６】従来技術を示す図である。

【符号の説明】

１ 陰極線管 ２ パネル ３，３１〜３４ パッド部 ４ ファンネル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ファンネルの前面にパネルを備える構成の
   陰極線管において、 前記パネルには外周方向に突出するパッド部を設け、 このパッド部を用いて取付けを行う構成としたことを特
   徴とする陰極線管。