JPH0592970A - ヌクレオシド誘導体の合成法 - Google Patents

ヌクレオシド誘導体の合成法

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JPH0592970A
JPH0592970A JP4079421A JP7942192A JPH0592970A JP H0592970 A JPH0592970 A JP H0592970A JP 4079421 A JP4079421 A JP 4079421A JP 7942192 A JP7942192 A JP 7942192A JP H0592970 A JPH0592970 A JP H0592970A
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JP4079421A
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Choung Un Kim
アン キム チヤング
John C Martin
シー マーチン ジヨン
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Bristol Myers Squibb Co
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Bristol Myers Squibb Co
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
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    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易でかつ有用なヌクレオシド合成法を提供
する。 【構成】 有用なヌクレオシド誘導体の合成過程で、新
規なテトラヒドロフラニル化合物を使用することによ
り、これらの合成反応により、期待する立体配置をもつ
さまざまなヌクレオシド誘導体が合成される。新規な合
成経路は、有用な既知のヌクレオシド誘導体の合成に加
え、新規なヌクレオシド誘導体合成にも利用することが
でき、新規なテトラヒドロフラニル中間体、およびその
合成法、テトラヒドロフラニル中間体から、種々のヌク
レオシド誘導体の合成法を提供する。 【効果】 反応経路に異性体分割の必要がないため、ヌ
クレオシド誘導体製造が容易になる。よって、抗癌性ヌ
クレオシド、抗感染症性ヌクレオシド、特に抗ウイルス
性ヌクレオシド製造等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヌクレオシド誘導体合
成法の大きな改良となる、新規かつ有用な化学反応経路
に関するものである。これらの新規な反応経路は、抗癌
性ヌクレオシド化合物や、抗感染症性ヌクレオシド化合
物、特に抗ウイルス性ヌクレオシド化合物の製造に適用
される汎用性のある中間体であるテトラヒドロフラニル
化合物を使用するものである。これらの反応経路の有用
性のひとつに、最終ヌクレオシド生成物を立体化学的に
適したものに合成制御できる点がある。立体特異性や少
なくとも立体選択性を与える中間体を経由する合成経路
は、異性体分割を必要とする従来までに報告されている
反応経路に比べて、ヌクレオシドやヌクレオシド誘導体
の製造を行うのに圧倒的に有用である。
【0002】
【従来の技術】ヌクレオシド誘導体合成のための古典的
手法は、インタクトなヌクレオシドの改変か、修飾した
炭水化物成分へのプリン塩基やピリミジン塩基の結合の
うち、いずれかの反応を含む経路を使用するものであっ
た。本発明の反応過程に用いられているテトラヒドロフ
ラニル反応物は、立体化学的に正しいヌクレオシド生成
物に速やかに変換する化学構造を有するところの修飾炭
水化物化合物であるということができる。
【0003】現在までに、さまざまなフラニル型の合成
中間体の利用例が報告されている。
【0004】バイアル(Vial)らは、ヌクレオシズ
アンド ヌクレオタイズ(Nucleosides
and Nucleotides)1990年、9巻
(2号)、245−258頁に、抗HIV剤である1−
(2、3−ジデオキシ−β−D−グリセローペント−2
−エノフラノシル)チミン(D4T)製造反応過程にお
いて、チミン誘導体の中間体(1)(2)(3)を利用
することを報告している。
【化20】
【0005】中間体(4)(5)は、D4T製造過程に
おいてβ選択性を与える中間体として、ウイルソン(W
ilson)らによりテトラヘドロン レターズ(Te
trahedron Letters)1990年、3
1巻(13号)、1815−1818頁に報告されたも
のである。
【化21】
【0006】中間体(6)(7)は、チュ(Chu)ら
によりジャーナル.オーガニック.ケミストリー(J.
Org.Chem.)1990年、55巻(5号)、1
418−1420頁に、2’,3’−ジデオキシヌクレ
オシドや2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒ
ドロヌクレオシドを合成するための立体選択的反応過程
の中間体として報告されたものである。しかしこれら既
報のテトラヒドロフラニル中間体は、次反応に移行する
前の中間体自身の段階か、反応後のヌクレオシド誘導体
の段階かのいずれかで、異性体分割の操作が必要であっ
た。
【化22】
【0007】サトウ(Sato)は、1990年8月3
日公開の特開平2−2069469号にて、ジヒドロフ
ラン化合物(8)(9)とそれらの製造法を開示してい
る。これらの中間体は、ピリミジンジデオキシヌクレオ
シドを製造するための出発材料として開示されたもので
ある。
【化23】
【0008】
【課題を解決するための手段】これら既報の反応経路に
比べ、本発明の反応経路は大変有利であるといえる。こ
れらの反応過程において新規なテトラフラニル誘導体を
使用することにより、生成物のヌクレオシドに立体特異
性を与えるだけでなく、生成産物の汎用性を高め、さま
ざまなヌクレオシド誘導体の合成反応に応用することが
できる。
【0009】本発明は、新規なテトラヒドロフラニル化
合物を有用なヌクレオシド誘導体を合成する方法に用い
ることを特徴としている。この合成方法によれば、意図
した立体配位を持った各種のヌクレオシド誘導体を合成
することができる。有用な公知のヌクレオシド誘導体を
提供しうるのに加えて、本発明の新規な方法によれば、
新規有用なヌクレオシド誘導体を合成することができ
る。本発明を更に詳しく説明する。以下のフローチャー
トは、新規な合成中間体の合成反応経路(スキーム1)
と、これらの中間体を希望するヌクレオシド誘導体に変
換する合成反応経路(スキーム2)を示している。
【化24】
【化25】
【0010】スキーム1は式Iに示す中間化合物の基本
合成経路を示しており、Rは立体的にかさばっているア
ルキル基、アリル基、シリル基、あるいはピバロイル
基、t−ブチジフェニルシリル基、トリチル基、4−モ
ノメトキシトリチル基といったアリルアルキル基であ
り、Yはクロル、ブロム、ヨードである。
【化26】 式Iにおいて、Bは式XIに示すピリミジニル基か、式
XIIに示すプリニル基のうち、いずれかである。
【化27】
【0011】複素環部分のXIやXIIの中で、XR
はアミノ基、水酸基、保護基のついたアミノ基、保護基
のついた水酸基のうちいずれかであり、RはHかメチ
ル基であり、RはHかアミノ基である。塩基XIと塩
基XIIは、既知のヌクレオシド解析技術により識別さ
れる典型的な互変異性体としても、存在している。
【0012】それゆえ式Iに示す化合物は、式Iaに示
すピリミジン修飾体か、式Ibに示すプリン修飾体かの
うち、いずれかとなる。
【化28】 構造式Ia、1b、XI、XIIにおいて、Xは−NH
−連結部か、−O−連結部のうち、いずれかを表してい
る。RはH、あるいは水酸基やアミノ基を保護するた
めの合成保護基のうち、いずれかである。たとえば、ピ
リミジニル環やピリニル環の1級アルコール基やアミノ
基は、Xが−O−のときはエーテルかエステルの形で保
護することができ、Xが−NH−のときはアミドの形で
保護することができる。より望ましい保護基は、トリメ
チルシリル基である。これらや他の有機合成保護基の使
用についてはよく報告されており、その利用や化学は
「有機合成における保護基(Protective G
roups in Organic Synthesi
s)」T.W.グリーン(Greene)、ジョン ワ
イリー(John Wiley)著、ニューヨーク、1
981年に記載されている。
【0013】ピリミジニル環やプリニル環上のその他の
置換基に関しては、RがHあるいはメチル基、R
Hあるいはアミノ基となる。
【0014】スキーム1の最初のステップは、出発物質
の(S)−(+)−ブチロラクトンに結合している側鎖
の水酸基を、RYによりアルキル化、アクリル化、ある
いはシリル化により保護し、式Vに示すラクトンを得る
反応である。側鎖の水酸基を保護するために、既に報告
されているその他の方法も使用できる。望ましいアクリ
ル化剤のひとつに、ピバロイルクロリドがある。ラクト
ンVは、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBA
L−H)といった選択的水素化物還元剤により還元さ
れ、化合物IVのα−およびβ−アノマーの混合物とな
る。アノマー混合物は、構造式IV上で波線を用いて示
してある。ラクトールIVは、チオニルクロリドといっ
たハロゲン化剤で処理後カリウムt−ブトキシドといっ
た強塩基で処理するか、あるいは、化合物IVをオキサ
リルクロリドと反応させた後トリエチルアミンで処理す
ることにより脱水され、ジヒドロフラン中間体IIIと
なる。式Iに示される生成物としてプリニル(Ib)か
ピリミジニル(Ia)のうちどちらを望むかによって、
化合物IIIをN−ヨードスクシンイミドといったN−
ハロスクシンイミドの存在下で、適当に保護をしたシリ
ル化ピリミジンと反応させる(経路A)か、あるいは化
合物IIIをまずアセテート中間体IIに変換してか
ら、プリン化合物Ibに変換する(経路B)。
【0015】反応経路に示してある最後のステップで
は、活性化ピリミジン化合物か活性化プリン化合物のう
ち、どちらかを使用する。これらの複素環は、ヌクレオ
シド化学でよく知られている方法により合成的に活性化
されたものであり、シリル化、アセチル化、あるいはベ
ンゾイル化された塩基となっている。一般的に、複素環
塩基は、この分野ではよく知られた標準法により、その
塩基の環の側鎖アミノ基や側鎖水酸基が、シリル化剤、
アセチル化剤、ベンゾイル化剤と反応することにより活
性化される。シリル化は、好ましい活性化法である。プ
リン塩基のR基は通常アシル基であり、ベンゾイル基
が好ましい。プリン塩基やピリミジン塩基の好ましい活
性化法は、シリル化である。Ia化合物を得るのに用い
る典型的なピリミジン試薬には、ビス−2,4−トリメ
チルシリルシトシン、ビスー2,4−トリメチルシリル
チミン、ビスー2,4−トリメチルシリルウラシルがあ
る。アセテート化合物IIと反応させて化合物Ibを得
るための典型的なプリン試薬には、6−ベンゾイルアミ
ノ−9−トリメチルシリルプリン、ビス−6,9−トリ
メチルシリルイノシン、トリス−2,6,9−トリメチ
ルシリルグアニンある。
【0016】以上を要約すると、スキーム1に示した合
成反応経路は、以下に記載するステップからなる。 a)RYを用いて(S)−(+)−γ−(ヒドロキシメ
チル)−γ−ブチロラクトンをアシル化し、式Vに示さ
れる化合物を得る工程、
【化29】 b)ジイソブチルアルミニウムヒドリド、あるいは他の
選択的水素化物還元剤を用いて化合物Vを還元し、式I
Vに示すアノマー混合物化合物を得る工程、
【化30】 c)チオニルクロリドに続くカリウムt−ブトキシド処
理、あるいはオキサリルクロリドに続くトリエチルアミ
ン処理により、ラクトールIVを相当するジヒドロフラ
ニル誘導体IIIに変換する工程、
【化31】 そして、 d)経路Aを通るときは、反応化合物IIIを、ビス−
2,4−(トリメチルシリル)シトシン、ビス−2,4
−(トリメチルシリル)チミン、ビス−2,4−(トリ
メチルシリル)ウラシルの中から選択したシリル化ピリ
ミジン誘導体と反応させ、続いてN−ヨードスクシンイ
ミドといったN−ハロスクシンイミド処理をし、さらに
重炭酸水溶液で処理し、化合物Iaを得る工程、
【化32】 経路Bを通るときは、反応化合物IIIを、酢酸と反応
させ、続いてN−ヨ−ドスクシンイミドといったN−ハ
ロスクシンイミド処理をし、式IIに示すアセテート化
合物を得、
【化33】 さらに化合物IIを、6−ベンゾイルアミノ−9−トリ
メチルシリルプリン、ビス−6,9−トリメチルシリル
イノシン、トリス−2,6,9−トリメチルシリルグア
ニンの中から選択したシリル化プリン誘導体と反応さ
せ、化合物Ibを得る工程である。
【化34】
【0017】スキーム2には、本発明の改善された簡便
な合成法を用いて、種々のヌクレオシド誘導体を得るた
めの、さまざまな反応経路を記載してある。これらの方
法は、スキーム1により合成される式Iに示す新規合成
中間体を使用している。スキーム2において、B、R、
、Rはスキーム1で定義されたものであり、B
はそれぞれ式XXIIとXXIに示すプリン塩基あるい
はピリミジン塩基である。
【化35】 (ここで、Vはアミノ基あるいは水酸基で、Rは水素
あるいはメチル基で、Rは水素あるいはアミノ基であ
る。)
【0018】BとBとの違いは、アミノ基あるいは水
酸基に結合している保護基がはずれているか否かであ
る。VIIIとXVIIIの構造式中のX(R)とい
う記号は、オキシ基あるいはイミン基を表している。す
なわち、
【化36】
【0019】(記号Zは、アミノ基、アジド基、ハロゲ
ン、水酸基、あるいはそれらと同類の求核性原子団を表
している。)
【0020】スキーム2において、反応経路Aは、式V
Iに示すジデオキシジデヒドロリボシド誘導体(D4
型)を得るため、中間体Iをカリウムt−ブトキシドと
いった立体的にかさばった強力な塩基で処理することに
より、化合物VIの前駆体式XVIを得るものである。
【化37】 目的の式VIに示すD4型ヌクレオシド生成物は、さら
に例えばメタノール中のナトリウムメトキシドを用い
て、保護アシル基を除去することにより得られる。この
反応過程および以下の反応過程において、塩基部分(X
IとXII)のすべての保護基は、ピバロイル開裂反応
により、通常同時に除去される(すなわち−X−R
−V)。
【0021】反応経路Bは、炭素−ハロゲン結合を水素
分解した後、反応経路Aと同様な保護基の除去反応を行
い、式VIIに示すジデオキシリボシド誘導体(DD
型)を得るものである。水素分解反応は、既知の標準的
な方法を用いて行うことができる。望ましい水素分解法
は、水素分解用触媒(例えば炭素にパラジウムや白金を
添加したもの)の存在下、常圧で、水素ガスを使用する
ものである。
【0022】反応経路Cは、式IXaに示すピリミジニ
ルリボシド誘導体を得るものであり、Zはアジド基、水
酸基、アミノ基、ハロゲン、あるいは同類の求核性原子
団より選択される。ハロゲンは、ヨード、ブロム、クロ
ルのうちいずれかである。反応経路Cは、式Iaに示さ
れるピリミジニル中間体を、1,8−ジアザビシクロ
〔5、4、0〕アンデカ−7−エン(DBU)で処理
し、式VIIIに示される無水化合物を得る反応を含
む。
【化38】 化合物VIIIは、さらにNHOH、
ハライドといったアニオン性求核性試薬と反応させた
後、ナトリウムメトキシド処理による保護基の除去によ
り、化合物IXaに変換される。そのほかの反応経路と
して、化合物VIIIをメトキシドで処理することによ
り保護基を除去し、式XVIIIに示す無水ヌクレオシ
ド誘導体を得るというものもある。
【0023】反応経路Dは、化合物Iから保護基を除去
することにより、式Xに示すハロゲン置換したリボシド
誘導体を得るものである。ここでも、ナトリウムメトキ
シドを用いる方法が望ましい。
【0024】本発明には、これらの新規の反応経路を用
いて、新規なリボシジル誘導体を容易に得られるという
もうひとつの側面がある。感染症治療剤として使用で
き、さらに抗ウイルス物質であるとも予測される化合物
の例として、式IXに示す化合物がある。BとZは上
記に既に定義されている。
【化39】 新規なIX化合物の2種類の具体例を以下に示す。
【化40】
【0025】本発明のヌクレオシド誘導体やフラニル中
間体の合成法を、上記スキーム1およびスキーム2の好
ましい具体例として、以下の実施例でより詳細に述べ
る。。しかしこれらの実施例は、決して本発明の範囲を
限定するものではない。
【0026】I.中間体の合成
【0027】
【実施例1】 (S)−γ−ピバロイルオキシメチル−γ−ブチロラク
トン(V)の調製 (S)−γ−ヒドロキシメチル−γ−ブチロラクトン
(40g、0.34M)のピリジン(200ml)溶液
に、ピバロイルクロリド(46g、0.38M)を加
え、窒素ガス中で50℃で5時間加熱する。反応液を室
温に戻し、メタノール(50ml)を加える。混合液を
真空中で濃縮し、CHCl−水に吸収させる。CH
Cl層を水、30%リン酸、塩水で洗浄し、MgS
で乾燥する。減圧下で溶媒を除去した後、残存した
油を、CHClを溶出液としたシリカゲルを担体の
クロマトグラフィーにかけ、無色の油V(48g、70
%)を得る。H−NMR(CDCl)の解析値は、
δ1.15(s,9H)、1.9−2.6(m,4
H)、4.09(dd,J=4.8,12.3Hz,1
H)、2.29(dd,J=3.3,12.3Hz,1
H)、4.7−4.75(m,1H)。の調製は以下
の文献に従って行った。:M.タニグチ(Tanigu
chi)、K.コガ(Koga)、S.ヤマダ(Yam
ada)著、テトラヘドロン(Tetrahedro
n)、1974年、30巻、3547頁。
【0028】
【実施例2】 2−(R,S)−ヒドロキシ−5−(S)−(ピバロイ
ルオキシメチル)テトラヒドロフラン(IV)の調製 (S)−γ−ピバロイルオキシメチル−γ−ブチロラク
トン(44.5g、0.22M)のエーテル(1リット
ル)−THF(150ml)溶液に、−70℃の窒素ガ
ス中で、1Mジイソブチルアルミニウムヒドリド(DI
BAL−H)のTHF(250ml、0.25M)溶液
を、90分間かけて加える。−70℃で2時間攪拌した
後、メタノール(80ml)を加え、反応液を室温に戻
した後、60%酒石酸カリウムナトリウム溶液(800
ml)を加える。混合液を2時間攪拌後、有機層を分離
し、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮する。残存した
油を、CHCl−5%メタノールを溶出液としたシ
リカゲルを担体のクロマトグラフィーにかけ、無色の油
IV(37g、82%)を得る。H−NMR(CDC
)の解析値は、δ1.15と1.17(s,9
H)、1.6−2.2(m,4H)、2.78と2.8
4(ブロードs,1H、3.9−4.4(m,3H)、
5.47(d,J=1.9Hz,0.5H)、5.55
(d,J=3.9Hz,0.5H)。
【0029】
【実施例3】 (S)−5−ピバロイルオキシメチル−4,5−ジヒド
ロテトラヒドロフラン(III)の調製 ラクトールIV(5g、24.7mmol)のCH
(75ml) 溶液に、窒素ガス中で、チオニルク
ロリド(6g、50mmol)を加える。23℃で2時
間攪拌後、真空中で揮発性物質を除去する。残存した油
状物をトルエンに溶解し、エバポレーターで蒸発させ
て、無色の塩化化合物を得る。この物質は、さらなる精
製をせず、直接次の反応に用いる。ラクトールIV(5
g、24.5mmol)から得られた上記塩化化合物の
THF(60ml)溶液に、−70℃の窒素ガス中で、
カリウムt−ブトキシド(2.9g、25mmol)を
少しずつ加える。−70℃で1時間攪拌後、酢酸(5m
l)を加えて反応を停止させ、混合液を室温に戻す。反
応液真空中で蒸発させ、残存した油をCHClに吸
収させ、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、MgSO
で乾燥し、エバポレーターで蒸発させる。残存した液
体を蒸留し、沸点60−68℃/4 Torrの無色の
油IIIを得る。H−NMR(CDCl)の解析値
は、δ1.18(s,9H)、2.28−2.39
(m,1H)、2.60−2.75(m,1H)、4.
08(dd,J=6.0,11.7Hz,1H)、4.
16(dd,J=4.5,11.7Hz,1H)、4.
65−4.75(m,1H)、4.85(dd,J=
2.4,4.8Hz,1H)、6.25(dd,J=
2.4,4.8Hz,1H)。13C−NMR(50.
3MHz、CDCl)の解析値は、δ27.369、
31.662、44.806、66.146、77.7
36、78.756、99.423、145.772。
組成式C1016に対する重量分析の理論値は、
Cが65.19、Hが8.75。実測値は、Cが65.
51、Hが8.57。
【0030】
【実施例4】 5’−O−ピバロイル−2’−ヨード−2’,3’−ジ
デオキシー5−メチルウリジン(Ia)の調製 チミン(1.5g、12mmol)のヘキサメチルジシ
ラザン(40ml)懸濁液に、クロロトリメチルシラン
(0.2ml)を加え、非水的に15時間加熱還流す
る。得られた透明な溶液を、真空中で蒸発させる。残存
した油をキシレン(20ml)に溶解し、真空中で蒸発
させて濃縮する。得られた透明な油をTHF(40m
l)に溶解し、ジヒドロフランIII(1.84g、1
0mmol)を加える。−15℃で、N−ヨードスクシ
ンイミド(2.25g、10mmol)のTHF(20
ml)溶液を滴下し、得られた黄色の溶液を−15℃で
90分間攪拌する。炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて
反応を停止させ、減圧下でTHFを濃縮する。残存した
油をエーテルに吸収させ、水および亜硫酸水素ナトリウ
ム水溶液で洗浄後、MgSOで乾燥し、真空中で濃縮
し、黄色の油Iaを得る。H−NMR(CDCl
の解析値は、δ1.18(s,9H)、1.87(s,
3H)、2.2−2.4(m,2H)、4.25(d
d,J=3.3,12.0Hz,1H)、4.2−4.
3(m,1H)、4.39(dd,J=4.5,12.
0Hz,1H)、6.18(d,J=3.9Hz,1
H)、7.21(s,1H)。
【0031】
【実施例5】 (2S,3R,5S)−2−アセトキシ−3−ヨード−
5−ピバロイルオキシメチルテトラヒドロフラン(I
I)の調製 ジヒドロフランIII(710mg、3.85mmo
l)のCHCl(10ml)溶液に、−20℃の窒
素ガス中で、酢酸(1.2g、20mmol)を加え、
さらにN−ヨードスクシンイミド(877mg、3.8
5mmol)を加える。−20℃で60分間攪拌した
後、反応液をエーテル(50ml)で希釈し、炭酸水素
ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥する。エ
バポレーターで溶媒を蒸発させ、やや黄色の油状のヨー
ドアセテート中間体IIを得る。H−NMR(CDC
)の解析値は、δ1.16(s,9H)、1.99
(s,3H)、2.2−2.35(m,2H)、4.1
7(d,J=4.2Hz,2H)、4.25(d,J=
4.5Hz,1H)、4.65(m,1H)、6.38
(s,1H)。この物質は、さらなる精製をせず、直接
以下の化学変換に用いる。
【0032】
【実施例6】 (2S,3R,5S)−6−N−ベンゾイル−9−(テ
トラヒドロ−2−ヨード−5−ピバロイルオキシメチル
−2−フラニル)アデニン(Ib)の調製 9−N−ベンゾイルアデニン(87mg、3.5mmo
l)のヘキサメチルジシラジン(15ml)懸濁液に、
クロロトリメチルシラン(0.3ml)と硫酸アンモニ
ウム(30mg)を加え、窒素ガス中で、135℃で1
8時間加熱する。得られた透明な溶液を、水分を遮断し
て、真空中で蒸発させる。残存した油をキシレン(20
ml)に溶解し、真空中で蒸発させて濃縮する。残存し
た透明な油と、上記の方法で調製されたヨードアセーテ
ート中間体IIとを、1,2−ジクロロエタン(10m
l)に溶解する。20℃で、1.0M四塩化スズのCH
cl(3.2ml)溶液を滴下し、得られた黄色の
溶液を、−20℃で60分間攪拌し、続いて冷浴をはず
してさらに2時間攪拌する。炭酸水素ナトリウム水溶液
を加えて反応を停止させ、CHClで希釈する。混
合液を濾過し、有機層を分離し、MgSOで乾燥し、
蒸発させて濃縮する。残存した油を、CHCl−5
%メタノールを溶出液としたシリカゲルを担体のクロマ
トグラフィーにかけ、白色の泡Ib(650mg、43
%)を得る。H−NMR(CDCl)の解析値は、
δ1.67(s,9H)、2.4−2.6(m,2
H)、4.35−4.4(m,2H)、4.78(m,
1H)、5.11(m,1H)、6.46(d,J=
3.0Hz,1H)、7.4−7.6(m,3H)、
8.0(d,J=3.0Hz,2H)、8.18(s,
1H)、8.98(s,1H)。適当な試薬の変更をす
れば、上記の実験方法で、式Iに示すその他の中間体も
調製することができる。
【化41】
【0033】II.ヌクレオシド誘導体の合成 反応経路A
【0034】
【実施例7】 1−(2,3−ジデオキシ−β−D−グリセロ−ペント
−2−エノフラノシル)チミン(D4T;VI)の調製 Ia化合物(実施例4で調製;4.1g、11.3mm
ol)のTHF(25ml)溶液に、カリウムt−ブト
キシド(1.7g、14.6mmol)のTHF(5m
l)溶液を3分間かけて加え、窒素ガス中で冷浴を用い
ずに30分間攪拌する。塩化アンモニウム水溶液を加え
て反応を停止し、混合液をエーテル(200ml)で抽
出する。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥す
る。溶媒を除去した後、残存した油を、CHCl
3%メタノールを溶出液としたシリカゲルを担体のクロ
マトグラフィーにかけ、エーテル−CHCl中で容
易に結晶化する白色固体1−(5−O−ピバロイル−
2,3−ジデオキシ−β−D−グリセロ−ペント−2−
エノフラノシル)チミン(ピバロイルD4T 950m
g、33%)を得る。融点は、203℃(文献値は2
06℃)。H−NMR(CDCl)の解析値は、δ
1.18(s,9H)、1.89(s,3H)、4.1
4(dd,J=5.0,12.2Hz,1H)、4.3
8(dd,J=3.7,12.2Hz,1H)、5.0
3(m,1H)、5.92(m,1H)、6.27
(m,1H)、6.94(m,1H)、7.14(d,
J=1.2Hz,1H)、8.35(ブロードs,1
H)。ピバロイルD4T(800mg、2.6mmo
l)のメタノール(30ml)溶液に、ナトリウムメト
キシド(560mg、10.4mmol)のメタノール
(10ml)溶液を加え、室温で4時間攪拌する。反応
液をDowex50X8−200メッシュイオン交換樹
脂で処理し、溶液のpHを7.0にする。混合液を濾過
し、濾液を真空中で蒸発させ、白色固体のD4T産物
(600mg、100%)を得る。融点は、152℃。
H−NMR(DO)の解析値は、δ1.81(s,
3H)、3.74(d,J=3.0Hz,2H),4.
95( ブロードs,1H),5.91(d,J=5.
9Hz,1H),6.42(d,J=5.9Hz,1
H),6.90(ブロードs,1H)、7.58(s,
1H)。このNMR解析値は、真のD4Tの値と一致す
る。J.M.バイアル(Vial)、P.アグバック
(Agback)、J.キャットバドヒャヤ(Chat
topadhyaya)著、1990年、ヌクレオシズ
アンドヌクレオチズ(Nucleosides &
Nucleotides)、9巻、245頁。
【0035】反応経路B
【0036】
【実施例8】 2’,3’−ジデオキシアデノシン(DDA;VII)
の調製 (2S,3R,5S)−6−N−ベンゾイル−9−(テ
トラヒドロ−2−ヨード−5−ピバロイルオキシメチル
−2−フラニル)アデニン(実施例6;150mg、
0.37mmol)のエタノール−水(9:1)(10
ml)溶液を、炭素上の10%パラジウム(80mg)
の存在下、常圧で6時間水素化する。触媒をセライトで
濾過し、熱エタノール(5ml)で洗浄する。付着した
溶媒を、エバポレーターで蒸発させる。残存した油を、
CHCl−3%メタノールを溶出液としたシリカゲ
ルを担体のクロマトグラフィーにかけ、非結晶性白色粉
体の6−N−ベンゾイル−5’−O−ピバロイル−
2’,3’−ジデオキシアデノシン(69mg、59
%)を得る。H−NMR(CDCl)の解析値は、
δ1.14(s,9H)、1.9−2.6(m,4
H)、4.27(d,J=4.5Hz,2H)、4.4
(m,1H)、6.08(q,J=6.9,3.3H
z,1H)、7.91(s,1H)、8.04(s,1
H)。このピバロイルDDA(69mg、0.16mm
ol)のメタノール(2ml)溶液に、0℃で、25%
ナトリウムメトキシドのメタノール(0.5ml)溶液
を加える。25℃で8時間攪拌した後、1N塩酸を注意
深く加えて、溶液をpH7.0に中和する。真空中です
べての揮発性物質を除去し、残存物をメタノール−水
(1:1)を溶出液としたC18逆相カラム(圧力8p
si)で精製し、非結晶性白色粉体のDDA(15m
g、39%)を得る。H−NMR(DO)の解析値
は、δ1.9−2.6(m,4H)、3.59(q,J
=12.6,5.1Hz,1H)、3.78(q,J=
12.6,3.0Hz,1H)、4.27(m,1
H)、6.08(q,J=6.9,3.3Hz,1
H)、7.91(s,1H)、8.04(s,1H)。
このNMRの値は、ブリストルーマイヤーズ スクイブ
カンパニー製造部で製造しているDDAの値と一致す
る。
【0037】反応経路C
【0038】
【実施例9】 2,2’−アンヒドロ−1−(5’−O−ピパロイル−
3’−デオキシ−β−D−アラビノフラノシル)チミン
(VIII)の調製 化合物Ia(実施例4で調製したもの:5.0g、1
1.5mmol)のCHCl(100ml)溶液
に、0℃の窒素ガス中で、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕アンデカ−7−エン(4.2g、28m
mol)を加える。0℃で1時間攪拌した後、反応液を
10%リン酸、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、真
空中で濃縮する。残存した油を、CHCl−5%メ
タノールを溶出液としたシリカゲルを担体のクロマトグ
ラフィーにかけ、白色粉体の化合物VIII(2.6
g、48%)を得る。H−NMR(CDCl)の解
析値は、δ1.18(s,9H)、1.95(s,3
H)、2.3−2.6(m,2H)、3.90(m,2
H)、4.53(m,1H)、4.54(m,1H)、
6.04(d,J=5.7Hz,1H)、7.18
(s,1H)
【0039】
【実施例10】 2,2’−アンヒドロ−1−(3−デオキシ−β−D−
アラビノフラノシル)チミン(XVIII)の調製 化合物VIII(800mg、2.6mmol)のメタ
ノール(10ml)溶液に、1Nナトリウムメトキシド
のメタノール(10ml)溶液を加え、窒素ガス中室温
で4時間攪拌する。反応混合液をDowex50X8−
200メッシュイオン交換樹脂で処理し、溶液のpHを
7.0にする。混合液を濾過し、濾液をエバポレーター
で蒸発させる。残存した油を、水−20%メタノールを
溶出液としたC18逆相カラム(圧力8psi)で精製
し、白色粉体の化合物XVIII(200mg、34
%)を得る。UV極大吸収(HO)は、λ266nm
(ε6500)。H−NMR(CDOD)の解析値
は、δ1.69(s,3H)、2.2−2.4(m,2
H),3.06(dd,J=5.3,12.6Hz,1
H)、3.19(dd,J=4.5,12.6Hz,1
H)、4.22m,1H)、5.31(dd,J=4.
7,5.7Hz,1H),5.99(d,J=5.7H
z,1H),7.44(s,1H)。
【0040】
【実施例11】 2’α−アジド−2’,3’−ジデオキシ−5−メチル
ウリジン(IXa、X=N)の調製 化合物VIII(400mg、1.3mmol)のDM
F(4ml)溶液に、ナトリウムアジド(253mg、
3.9mmol)の水(1ml)溶液を加え、窒素ガス
中125℃で16時間加熱する。反応液を室温に戻し、
真空中で揮発性物質を除去する。残存した油をエーテル
(50ml)に吸収させ、水および塩水で洗浄した後、
MgSOで乾燥し、エバポレーターで蒸発させる。不
純な産物を、CFCl−5%メタノールを溶出液と
したシリカゲルを担体のクロマトグラフィーにかけ、無
色の油状の5’−O−ピバロイル−2’−アジド−2,
3’−ジデオキシ−5−メチルウリジン(140mg、
32%)を得る。H−NMR(CDCl)の解析値
は、δ1.20(s,9H)、1.91(s,3H)、
1.9−2.1(m,2H)、4.23(dd,J=
2.7,12.4Hz,1H)、4.28(m,1
H),4.39(dd,J=4.9,12.4Hz,1
H)、4.47(m,1H)、5.73(d,J=2.
0Hz,1H)、7.31(s,1H)、9.82(ブ
ロードs,1H)。13C−NMR(50.3MHz、
CDCl)の解析値は、δ178.870、164.
922、151.051、135.235、111.3
38、91.466、79.029、64.109、6
4.227、39.149、31.841、27.41
4、12.773。IR極大吸収(ニート(nea
t))は、γmax2110cm−1。5’−O−ピバ
ロイル−2’−アジド−2’,3’−ジデオキシ−5−
メチルウリジン(120mg、0.36mmol)のメ
タノール(5ml)溶液に、1Nナトリウムメトキシド
のメタノール(1.5ml)溶液を加え、室温で4時間
攪拌する。1N塩酸を加えて液のpHを8.0にし、反
応を停止する。真空中で揮発物質を除去し、残存した油
を、CHCl−5%メタノールを溶出液としたシリ
カゲルを担体のクロマトグラフィーにかけ、白色固体の
2’−アジド−ジデオキシ化合物(60mg、67%)
を得る。融点は、140℃。UV極大吸収(HO)
は、λ268nm(ε7911)。IR極大吸収(KB
r)は、γmax2135cm−1H−NMR(C
OD)の解析値は、δ1.61(s,3H)、1.
70(ddd,J=2.4,5.7,13.6Hz,1
H)、2.0(ddd,J=6.5,9.9,13.6
Hz,1H),3.43(dd,J=3.0,12.9
Hz,1H)、3.71(dd,J=2.7,12.9
Hz,1H)、4.09(m,2H)、5.58(d,
J=1.8Hz,1H)、7.77(s,1H)。13
C−NMR(50.3MHz、CDOD)の解析値
は、δ166.823、152.549、137.97
7、111.168、91.697、83.193、6
7.974、62.913、31.637、12.74
2。組成式C10131/2HO重量分析
理論値は、Cが43.47、Hが5.07、Nが25.
36。実測値は、Cが43.75、Hが4.86、Nが
24.83。
【0041】反応経路D
【0042】
【実施例12】上記実施例に記載したような標準的開裂
反応を適用し、式Iに示す中間体の保護基を除去するこ
とにより、式Xに示す産物が得られる。この反応経路
は、化合物XのBがプリン塩基のときに、特に有用で
ある。同様に、ヌクレオシド合成の分野でよく知られて
いる方法に、これらの反応経路をうまく適用すれば、他
のヌクレオシド誘導体も合成することができる。
フロントページの続き (72)発明者 ジヨン シー マーチン アメリカ合衆国カリフオルニア州 94070 サンカルロス レスリー ドライブ 116

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式VIに示す化合物 【化1】 (ここで、Bは、式XXIに示すピリミジニル基、あ
    るいは式XXIIに示すプリニル基であり、 【化2】 ここで、Vはアミノ基、あるいは水酸基で、Rは水
    素、あるいはメチル基で、Rは水素、あるいはアミノ
    基である。)の合成方法において、 a)式Iに示す化合物 【化3】 (ここで、Rはピバロイル基、t−ブチルジフェニルシ
    リル基、トリチル基、4−モノメトキシトリチル基から
    選択される原子団であり、Yはクロル、ブロム、ヨード
    から選択され、Bは式XIに示すピリミジニル基、ある
    いは式XIIに示すプリニル基であり、 【化4】 ここで、Xは−NH−、あるいは−O−で、Rは水
    素、あるいは保護基で、Rは水素、あるいはメチル基
    で、Rは水素、あるいはアミノ基である。)を、カリ
    ウムt−ブトキシドで処理し、式XVIに示す化合物 【化5】 を得、そして b)化合物XVIをナトリウムメトキシドで処理するこ
    とにより保護基を除去し、化合物VIを得る工程より成
    ることを特徴とする合成方法。
  2. 【請求項2】 式VIIに示す化合物 【化6】 (ここで、Bは式XXIに示すピリミジニル基、ある
    いは式XXIIに示すプリニル基であり、 【化7】 ここで、Vはアミノ基、あるいは水酸基で、Rは水
    素、あるいはメチル基で、Rは水素、あるいはアミノ
    基である。)の合成方法において、 a)式Iに示す化合物を、 【化8】 (ここで、Rはピバロイルt−ブチルジフェニルシリル
    基、トリチル基、4−モノメトキシトリチル基から選択
    される原子団であり、Yはクロル、ブロム、ヨードから
    選択され、Bは式XIに示すピリミジニル基、あるいは
    式XIIに示すプリニル基であり、 【化9】 ここで、Xは−NH−、あるいは−O−で、Rは水
    素、あるいは保護基で、Rは水素、あるいはメチル
    基、Rは水素、あるいはアミノ基である。)を、水素
    化触媒の存在下、常圧で水素ガスと反応させ、化合物X
    VIIを得、 【化10】 そして b)化合物XVIIをナトリウムメトキシド処理するこ
    とにより保護基を除去し、化合物VIIを得る工程より
    成ることを特徴とする合成方法。
  3. 【請求項3】 式IXに示す化合物 【化11】 (ここでBは式XXIに示すピリミジニル基であり、 【化12】 ここで、Vはアミノ基、あるいは水酸基で、Rは水
    素、あるいはメチル基で、Zはアミノ基、アジド基、あ
    るいは水酸基である。)の合成方法において、 a)式Iaに示すピリミジニル化合物を、 【化13】 (ここで、Rはピバロイル基、t−ブチルジフェニルシ
    リル基、トリチル基、4−モノメトキシトリチル基から
    選択される原子団であり、Yはクロル、ブロム、ヨード
    から選択され、Bは式XXIに示すピリミジニル基であ
    り、 【化14】 ここで、Vはアミノ基、あるいは水酸基で、Rは水
    素、あるいはメチル基である。)を、1,8ジアザビシ
    クロ〔5,4,0〕アンデカ−7−エン(DBU)で処
    理し、式VIIIに示す無水化合物を得、 【化15】 そして b)化合物VIIIをNHOHから選
    択されるアニオン種と反応させ、さらにナトリウムメト
    キシドで処理することにより、化合物IXを得る工程よ
    り成ることを特徴とする合成方法。
  4. 【請求項4】 式Xに示す化合物 【化16】 (ここで、Bは式XXIに示すピリミジニル基、あるい
    は式XXIIに示すプリニル基であり、 【化17】 ここで、Vはアミノ基、あるいは水酸基で、Rは水
    素、あるいはメチル基で、Rは水素、あるいはアミノ
    基である。)の合成方法において、式Iに示す化合物 【化18】 (ここで、Rはピバロイル基、t−ブチルジフェニルシ
    リル基、トリチル基、4−モノメトキシトリチル基から
    選択される原子団であり、Yはクロル、ブロム、ヨード
    から選択され、Bは式XIに示すピリミジニル基、ある
    いは式XIIに示すプリニル基であり、 【化19】 ここで、Xは−NH−、あるいは−O−で、Rは水
    素、あるいは保護基で、Rは水素、あるいはメチル基
    で、Rは水素、あるいはアミノ基である。)を、ナト
    リウムメトキシドと反応させ、化合物Xを得ることを特
    徴とする合成方法。
  5. 【請求項5】Xがアミノ基である請求項3記載の式IX
    で示される化合物。
  6. 【請求項6】化合物が5,2’−α−アミノ−2’,
    3’−ジデオキシ−5−メチルウリジンである請求項5
    記載の化合物。
  7. 【請求項7】Xが水酸基である請求項3記載の式IXで
    示される化合物。
  8. 【請求項8】化合物が7,3’−デオキシ−5−メチル
    ウリジンである請求項7記載の化合物。
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