JPH0592941A - ペンタクロロニトロベンゼンの精製方法および精製したペンタクロロニトロベンゼン - Google Patents

ペンタクロロニトロベンゼンの精製方法および精製したペンタクロロニトロベンゼン

Info

Publication number
JPH0592941A
JPH0592941A JP3162434A JP16243491A JPH0592941A JP H0592941 A JPH0592941 A JP H0592941A JP 3162434 A JP3162434 A JP 3162434A JP 16243491 A JP16243491 A JP 16243491A JP H0592941 A JPH0592941 A JP H0592941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pcnb
solvent
polar
hcb
extraction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3162434A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2516289B2 (ja
Inventor
Gary A Braden
エイ ブレーデン ゲリー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AMUBATSUKU CHEM CORP
Amvac Chemical Corp
Original Assignee
AMUBATSUKU CHEM CORP
Amvac Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AMUBATSUKU CHEM CORP, Amvac Chemical Corp filed Critical AMUBATSUKU CHEM CORP
Publication of JPH0592941A publication Critical patent/JPH0592941A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2516289B2 publication Critical patent/JP2516289B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D11/00Solvent extraction
    • B01D11/04Solvent extraction of solutions which are liquid
    • B01D11/0492Applications, solvents used
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C201/00Preparation of esters of nitric or nitrous acid or of compounds containing nitro or nitroso groups bound to a carbon skeleton
    • C07C201/06Preparation of nitro compounds
    • C07C201/16Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S210/00Liquid purification or separation
    • Y10S210/902Materials removed
    • Y10S210/908Organic
    • Y10S210/909Aromatic compound, e.g. pcb, phenol

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来法によりすでに得られている比較的不純
なPCNBから、容易に入手できる液−液抽出装置によ
り、HCBの濃度が商業的及び環境的に受容しうる濃度
のPCNB生成物を、エネルギー効率のよい単位操作を
用いて精製を行い、標準条件の使用を可能にするPCN
Bの精製法を提供する。 【構成】 ペンタクロロニトロベンゼン(PCNB)を
極性及び無極性溶媒を用いた液−液抽出法により精製
し、ヘキサクロロベンゼン(HCB)を除去する。この
方法を実施するために、種々の手順、溶媒及び装置を用
いることができる。多層向流液体溶媒抽出装置を用い
て、PCNBおよびHCBに対する溶媒にそれぞれDM
Fおよびオクタンを用いるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液−液抽出法により粗
製ペンタクロロニトロベンゼン出発原料中のヘキサクロ
ロベンゼン(HCB)含量を商業的および環境的に受容
可能な濃度に減少させる、ペンタクロロニトロベンゼン
(PCNB)の精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ペンタクロロニトロベンゼンは種々の植
物病、特にボトリチス、フザリウム、リゾクトニアおよ
びアントクラネースにより引き起こされた植物病を防除
するために土壌および種子に用いる商業的に重要な殺菌
剤である。
【0003】広く用いられているPCNBの工業的製造
法は2通りある。これらの商業的方法の1つは、ブルー
クス(Breaux)の米国特許第4,026,955 号に記載されてい
るように、ペンタクロロベンゼンを硫酸の存在下で硝酸
によりニトロ化する方法である。この方法は、他にも例
えば米国特許第4,147,732 ; 4,138,438、および4,057,
590 号にも記載されている。他に、更に重要なPCNB
の製造方法には、例えばサーストン(Thurston)の「フィ
アット フォーマル レポート(Fiat FormalReport) 第
949号」に記載されているような、触媒としてヨウ素を
用いるクロロスルホン酸中でのニトロベンゼンの塩素化
がある。この方法の変形方法がロジュースキー(Lojewsk
i)の米国特許第3,026,358 号に開示されている。ここで
は、最終的なHCBの含量を減少させるために、クロロ
ニトロベンゼンを出発原料として用いる。前に記載した
2種類の従来技術の商業的方法により得られたPCNB
は、生産性に重大に影響する温和な反応条件を用いる場
合でさえも、HCBを0.1重量%以上の濃度で含有して
いる。
【0004】研究結果によりHCBは動物にとって発ガ
ン性物質であり、HCBが殺菌剤中に存在することは好
ましくないことが示された。この結果、1988年4月23日
に、ジオフィス オブ ペスティサイズ アンド トキ
シック サブスタンス オブジ エンヴァイロメンタル
プロテクション エージェンシー(The office ofPest
icides and Toxic Substance of the EnvironmentalPro
tection Agency)は、PCNB中のHCBの環境的に受
容可能な標準レベルを0.1 重量%またはそれ以下に設定
した。従って、この標準レベルに従うために、商業的製
造者は新たな技術を履行してPCNB中のHCBのレベ
ルを0.1 重量%またはそれ以下に減少させなければなら
なくなった。
【0005】HCB含量を減少させたPCNBを製造す
る数種の方法が近年特許を受けている。これらの方法に
はペンタクロロチオフェノールを使用して(米国特許第
4,454,362 号、第4,461,918 号) 、またペンタクロロベ
ンゾニトリルを使用して(米国特許第3,984,487号) H
CBをPCNBに変換する方法がある。これら2つの方
法は、比較的純粋なPCNBを製造する際の顕著な利点
を示しているが、HCBを出発原料として用いる欠点も
有する。
【0006】HCBをPCNBから除去する他の方法
に、カゼアズ(Cazares)の米国特許第4,842,696 号に記
載されているような蒸留による方法がある。この方法は
PCNBを蒸留に先立って溶融する必要があり、蒸留を
行うのに高温および/または減圧が必要であるという欠
点がある。高温のため、極度の毒物学的懸念があるジオ
キシンの生成を防止するために粗製PCNBが塩基性の
不純物を含有していないことが特に絶対必要である。こ
の方法は、さらに、HCBを除去した後、溶融状のPC
NBを固化させることが必要であるという欠点もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
法によりすでに得られている比較的不純なPCNBから
商業的および環境的に受容しうるレベルのPCNB生成
物を提供することである。
【0008】本発明の他の目的は、容易に入手できる液
−液抽出装置により、HCBの濃度が商業的および環境
的に受容しうる濃度、例えば0.2 重量%以下、好ましく
は0.1 重量%以下であるPCNB生成物を提供すること
のできる方法を提供することである。
【0009】本発明のさらに他の目的は、エネルギー効
率のよい単位操作を用いて精製を行い、標準条件の使用
を可能にするPCNBの精製法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点にお
いては、商業的および環境的に受容しうる分量のHC
B、例えば0.2 重量%以下、好ましくは0.1 重量%以下
のHCBを含有するPCNB生成物を、極性及び無極性
溶媒系においてPCNBを抽出することにより調製す
る。PCNBは極性溶媒中に選択的に保持され、HCB
は無極性溶媒中に選択的に保持される。抽出は、溶媒抽
出法の当業者によく知られている多くの形に配列された
広範囲にわたる装置によって実施することができる。
【0011】溶剤抽出は、一般的に固体浸出または、液
−液抽出という方法を用いて多くの材料を精製する優れ
た方法である。抽出に基づく方法は、比較的低温で実施
でき、真空を必要とせず、一般的にエネルギー効率がよ
く、且つ、所望の精製に対して高度の特異性を示すこと
ができるというような蒸留に勝る数々の利点がある。溶
媒または溶媒対を選択するための全体的なパラメータ
は、長年知られていたが、特定の精製に関する特定の溶
媒または溶媒対を確実に決定することは極めて困難であ
る。
【0012】本発明の方法は、溶媒抽出法の技術の分野
における通常の知識を有する者に知られている広範囲に
わたる装置により実施できる。例えば、本発明の方法は
回分法または連続法により実施できる。いずれの方法に
おいても、逆流または向流操作法を用いることができ、
PCNBを装置の末端または中央段階の一つに加えるこ
とができる。液−液抽出は、典型的に3つの方法、すな
わちミキサー/セトラー装置、液−液抽出搭装置、また
は遠心接触装置のいずれかにより実施する。この方法で
用いる特定の装置は、ミキサー/セトラー装置の任意の
型、塔構造の任意の型、または遠心接触装置の任意の型
とすることができる。2相の分離は、従来の重力沈降、
もしくは数種の強化分離器の任意のもの、例えば強化重
力沈降器、若しくは遠心分離器により行うことができ
る。
【0013】これらの任意の系に用いる溶媒の選択にお
いて、溶媒対は分離を行うことができる特定の性質を有
することが必要である。商業的関心から、二、三の付加
的な特性が溶媒対に得られることが必要である。従っ
て、数種の一般的な指針が溶媒の選択のために存在して
はいるが、HCB及び他の不純物を含有する粗製PCN
Bを有する系では、これらの指針は、特定の化合物が極
めて類似した構造的性質を有しているため、結局用いる
のは困難である。従って、この精製法が、溶媒の一方が
極性溶媒であり、他方が無極性溶媒である液−液溶剤抽
出系を用いて達成可能であるということは全く意外なこ
とである。
【0014】この方法に用いる特定の極性及び無極性溶
媒の選択は、以下の2つの主要なパラメーターに限定さ
れる:1)2種の溶媒が、PCNB及びその不純物、特
にHCBの存在下で2相の不混和相を形成すること;
2)PCNB(またはHCB)についての一つの溶媒が
他の溶媒より優越した選択性を有していること。選択
性、つまり分離因子αは、2種の溶媒中の2種の化合物
の分配係数の比により決定される。分配係数は、通常D
で表され、2つの不混和性相における化合物の濃度がこ
れ等の両相に対する飽和濃度より低い場合の2相の不混
和相中の化合物の濃度の比である。ここで用いられてい
るように選択性は、次式 (式中の角型かっこは溶媒1及び溶媒2中のPCNBま
たはHCBの濃度を示し、ここで溶媒1および2はそれ
ぞれ極性及び無極性溶媒である。)で示される。この選
択性の数値が増加するに従い、分離の容易さもまた増加
する。
【0015】相の不混和性の判断基準は、溶媒対が全体
として不混和性であること、または不均一性の部分が大
きいことが必要でないので比較的柔軟な判断基準であ
る。また溶媒対の選択性がPCNB及びHCBに富んだ
プロセスの流れの分離を行うのに用いられる温度が存在
する場合には流動性は、臨界的ではない。
【0016】抽出に用いることのできる極性の溶媒に
は、エタノール、メタノール及びイソプロパノールのよ
うなアルコール、ニトロメタン及びニトロプロパンのよ
うなニトロ化されたアルカン;クロロスルホン酸のよう
なスルホン酸;ジメチルホルムアミド及び2−ピロリド
ンのようなアミド;無水酢酸のような酸無水物;ジメチ
ルスルホキシドのような置換されたSO2 またはS
3 ;酢酸のようなカルボン酸;アセトニトリルのよう
なニトリル;並びにo−トルイジンのような芳香族アミ
ンがあるが、これらには限定されない。
【0017】抽出に用いることのできる無極性の溶媒に
は、2個または3個以上の炭素原子を有する脂肪族炭化
水素、好ましくは大気圧における操作を容易にするため
に、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、デカン、ド
デカンのような4個または5個以上の炭素原子を有する
脂肪族炭化水素;四塩化炭素及びさらに炭素原子を多く
有する全部または一部が塩素化またはフッ素化された化
合物のような塩素化またはフッ素化された炭化水素;並
びにトルエン、キシレン及び他の置換ベンゼンのような
芳香族化合物があるが、これらには限定されない。
【0018】粗製PCNBの出発原料は、多くの方法に
より調製することができる。いくつかの可能な方法に、
粗製PCNBの出発原料をニトロベンゼン、あるいはモ
ノ−、ジ−、トリ−またはテトラクロロニトロベンゼン
もしくはそれらの混合物のいずれかをハロゲン化するこ
とにより商業的に調製する方法;及びPCNBの出発原
料を、第1にベンゼン、あるいはモノ−、ジ−、トリ−
またはテトラクロロベンゼンもしくはそれらの混合物を
ハロゲン化し、次いで、生成したペンタクロロベンゼン
をニトロ化することにより調製する方法があるが、これ
らには限定されない。
【0019】代表的には、粗製PCNBを極性溶媒に溶
解し、無極性相にくり返し接触させてHCBを除去す
る。しかしながらPCNBを無極性相に溶解し、極性溶
媒で抽出し、HCBを無極性相に残留させるという逆の
方法も用いることができる。さらに、粗製PCNBは溶
媒に完全に溶解する必要はない。PCNBはまた選択さ
れた溶媒(極性または無極性)を粗製PCNBと混合す
ることにより工程に導入して、スラリーまたは懸濁液を
生成することもできる。このようにして、粗製PCNB
は多くの物理的状態、例えばスラリー、懸濁液または溶
液という状態で抽出の操作に導入することができる。
【0020】代表的な方法では、先ず粗製の、不純なP
CNBを極性溶媒に溶解する。温度を上昇させて溶解を
助け、溶液中の固体の含量を増加させることができる。
次いでPCNB/極性溶媒の溶液を無極性溶媒の部分と
くり返し接触させてHCB及びいくらかのPCNBを除
去する。この接触は、ミキサー/セトラーにおけるよう
な回分法または抽出塔におけるような連続法とすること
ができる。精製したPCNBを含有する極性溶媒が抽出
系を排出し、一方PCNBに比較してHCBの含量が上
昇した無極性溶媒が抽出系を排出する。無極性抽出物は
逆抽出し、PCNBを含有しない新鮮な極性溶媒とくり
返し接触させて無極性抽出物中のPCNBのうちのいく
らかをとり出すことができる。同様に、無極性抽出物は
逆抽出し、無極性抽出物から除去したPCNB固体の還
流物を含有する極性溶媒とくり返し接触させることがで
きる。
【0021】無極性抽出物からの固体は、極性相と共に
抽出プロセスに釣り合いをもって戻すことができる。こ
の方法により、極性溶媒中のHCBの濃度は増加させる
ことができ、従ってこのプロセスにおける全収量を増加
させることができる。同様に、極性抽出物からのPCN
B生成物は無極性溶媒の系に還流して戻すことができ、
このため極性抽出物中のPCNBの濃度が増加する。3
相の比は釣り合いがとれ、HCBのPCNBからの最良
の組み合わせ及び可能な限り高いPCNBの収量を提供
する。
【0022】PCNBは、結晶法、水による急冷及び溶
媒の蒸留による除去を含むがこれらに限定されない当業
者に知られている種々の方法により極性溶媒から単離す
ることができる。この結果、HCBの含量が0.2 重量%
以下、通常0.1 重量%以下である商業的及び環境的に受
容しうる程度のPCNB生成物が得られる。
【0023】図1に示す典型的な方法では、前記の如く
他の方法を用いることができるが、粗製PCNB/DM
Fのような極性溶媒の溶液を導管10を介して多段向流抽
出カラム11の中央の板に供給する。オクタンのような無
極性溶媒の流れを、カラム11の底部に導管12を介して供
給し、カラムの同じ底部から精製されたPCNB/DM
Fの抽出物を導管13を介して取出す。
【0024】新鮮なまたは再循環するDMFを、導管14
を介してカラム11の上端に供給する。新鮮なまたは図示
するように導管17により再循環するDMF溶液は、固体
を含有しないかまたはオクタン抽出物から取り出した固
体の量に比例した量の固体を含有する場合がある。
【0025】HCBを含有するオクタンの抽出物はカラ
ム11の最上部から導管15を介して除去する。
【0026】導管15を介して取出したオクタン抽出物は
蒸発器16に供給するが、蒸発器は好ましくは強制循環真
空結晶化器16である。蒸発器16から導管17を介して取出
した固体は、廃棄物として処理するかまたは一部はDM
Fに溶解するために図示するように導管14により再循環
することができる。蒸発器16で固体を分離した後、再循
環したオクタンの流れを導管18を介して取出し、導管12
を介してカラム11に戻す。
【0027】カラム11から導管13を介して取出した精製
PCNB/DMF抽出物は、蒸発器19に供給し、ここで
DMF及び少量のオクタンを導管20を介して取り出す。
蒸発器19からの導管20におけるオーバーヘッドの流れの
中のDMF及びオクタンを濃縮し且つ分離する。DMF
を豊富に含有する相は、導管14を介して抽出カラム11に
再循環する。オクタンを豊富に含有する相は導管12を介
してカラム11に再循環する。
【0028】精製した、湿潤PCNBは導管21を介して
濾過器/遠心器22に供給して精製PCNB固体を極性の
溶媒DMFから分離する。取り出したDMFを、遠心器
22における分離を高温で行う場合には、導管23を介して
蒸発器19に、分離を低温で行う場合には導管14を介して
抽出カラム11に再循環する。
【0029】DMFで湿潤した精製PCNB固体は、次
いで導管25を介して取り出し、乾燥器に送って減圧下で
乾燥し、DMFの溶媒の含量を受容可能な濃度に低下さ
せる。生成した乾燥固体は、包装、荷送り、及び使用す
ることのできる最終生成物である。
【0030】オクタンを豊富に含有する流れを供給する
(HCB中に固体が豊富に含有されている)導管からの
オーバーヘッドは、少量のDMFを含有する。この凝縮
した流れもまた抽出部に再循環する。
【0031】この方法を実施する他の装置配置を図2に
示すが、これはミキサー/セトラーの典型的な配置図で
ある。このミキサー/セトラー系における段数は、例示
の目的で示したに過ぎず、実際の段数は方法の所望の経
済的目的に依存して図示する段数より多くするかまたは
少くすることができる。さらに、その系におけるミキサ
ー/セトラーは、当業者に知られている広範囲にわたる
設計の任意のものとすることができる。
【0032】代表的方法においては、クロロスルホン酸
(CSA)のような極性溶媒に溶解した粗製PCNB
は、導管110 を介して、ミキサー/セトラー系の中央部
のうちの一つのミキサー111 に導入する。ミキサー111
において、PCNB/CSAの溶液を、導管121 を介し
て導入するCSA極性相および、導管122 を介して導入
する二硫化炭素(CS2)のような無極性相と接触させ
る。
【0033】新鮮なCS2 を、導管112 を介して系の最
も右側に供給し、系全体を偶数番号の導管114, 116, 11
8, 120, 122, 124, 126, 128及び130 を介して流す。新
鮮なCSAを、導管113 を介して系の最も左側に供給
し、系全体を奇数番号の導管115, 117, 119, 121, 123,
125, 127, 129 及び131 を介して流す。導管113 を介
してミキサー134 に導入した新鮮なCSAもまた、導管
130 を介してミキサー134 に導入したCS2 抽出物の逆
洗浄剤として作用する。
【0034】PCNB生成物を含有するCSAの抽出物
は導管133 を介して系外に排出し、一方HCBを豊富に
含有するCS2 の抽出物は導管132 を介して系外に排出
する。これらの2種の抽出物の流れを、図1に示した系
のような当業者に知られている多くの方法のうちの任意
のものにより処理して精製したPCNB、無極性抽出物
からのHCBを豊富に含有する固体、または抽出溶媒そ
のものを取り出す。
【0035】取り出した溶媒は、図1の系において使用
した方法と同様の方法でミキサー/セトラー系に再循環
することができ、この系においては無極性抽出物を導管
112を介してこの系に戻し、極性抽出物を導管113 を介
してこの系に戻す。同様に、図1に示したように極性及
び無極性抽出物の両方から取り出した固体を還流させ、
その結果生成物の収量および/または濃度において同様
の利点を達成することができる。
【0036】前記の方法を特定の溶媒対、DMF/オク
タン及びクロロスルホン酸/二硫化炭素について記載し
たが、前記したような他の溶媒を用いることができる。
また、前に記載したように、このプロセスに用いる装置
は一般的に差段階カラム接触器であるが、このプロセス
はまた、例えば図2に示したミキサー/セトラー系のよ
うな別個の容器、中間のプロセス流に対する貯蔵を伴う
一バッチ容器または遠心接触器によっても実施すること
ができる。
【0037】実施例1 HCB 1.21 %、PCNB 95.01%の組成を有する粗製
PCNB 1.06 gの溶液を102ml のクロロスルホン酸
(極性溶媒として)に溶解した。この溶液を、無極性溶
媒として100ml の二硫化炭素と接触させた。接触は振と
うフラスコ中で少なくとも15分間振とうすることにより
実施した。混合物を沈降させて2相に分離させ、上側の
無極性相は81mlであり下側の極性相は119ml であった。
極性相から取り出した固体は0.2 %のHCB及び97.86
%のPCNBを含有しており、一方無極性相から取り出
した固体は1.83%のHCB及び97.69 %のPCNBを含
有していた。このことはその溶媒対がPCNBの抽出よ
りHCBの抽出において選択性があることを示してい
る。
【0038】実施例2 実施例1と同様の方法により実施した実験において、実
施例1で用いたものと同様の組成を有する粗製PCNB
をクロロスルホン酸に溶解し、アリコートを無極性溶媒
としてシクロヘキサン及びノナンに接触させた。無極性
のシクロヘキサン溶媒から取り出した固体は2.84%のH
CB及び 91.78%のPCNBを示し、ノナンから取り出
した固体は1.74%のHCB及び98.26 %のPCNBを示
し、これらのことは、粗製PCNB並びに極性及び無極
性溶媒の系において不混和相を生成する任意の無極性溶
媒は、粗製PCNBの精製を行うのに用いることができ
ることを示す。
【0039】実施例3 他種の化合物の無極性溶媒がPCNBのクロロスルホン
酸溶液と不混和性混合物を生成することを示すために、
実施例1の極性クロロスルホン酸溶液のアリコートを等
容量の四塩化炭素及びトルエン(無極性溶媒として)と
接触させた。いずれの場合においても、十分に混合した
後、混合物を2相つまり極性相及び無極性相に分離し
た。
【0040】実施例4 HCB 1.21 %およびPCNB 95.01%の組成を有する
粗製PCNB 0.94 gの溶液を100ml のメタノール(極
性溶媒として)に溶解した。この溶液を、無極性溶媒と
して100ml のシクロヘキサンと接触させた。接触は振と
うフラスコ中で少なくとも15分間振とうすることにより
実施した。混合物を放置し2相に分離させ;上側の無極
性相は60mlであり下側の極性相は140ml であった。極性
相から取り出した固体は 0.6%のHCB及び98.6%のP
CNBを含有しており、一方無極性相から取り出した固
体は 1.7%のHCB及び97.4%のPCNBを含有してい
た。このことは、この溶媒対がPCNBの抽出よりHC
Bの抽出において選択性が勝ることを示す。
【0041】実施例5 HCB 1.21 %およびPCNB 95.01%の組成を有する
粗製PCNB 0.99 gの溶液を100ml のアセトニトリル
(極性溶媒として)に溶解した。この溶液を、無極性溶
媒としての100ml のノナンと接触させた。接触は振とう
フラスコ中で少なくとも15分間振とうすることにより実
施した。混合物を放置し2相に分離させ;上側の無極性
相は98mlであり、下側の極性相は103ml であった。極性
相から取り出した固体は0.34%のHCB及び98.30 %の
PCNBを含有しており、一方無極性相から取り出した
固体は1.95%のHCB及び94.00 %のPCNBを含有し
ていた。このことは、その溶媒対がPCNBの抽出より
HCBの抽出において選択性が勝ることを示す。
【0042】実施例6 HCB 0.76 %およびPCNB 96.40%の組成を有する
粗製PCNBを100mlのジメチルホルムアミドに溶解し
た。この溶液を50mlずつ3回ノナンと接触させた。ジメ
チルホルムアミド相から取り出した固体は0.097 %のH
CBを含有していた。このことは、極性相を無極性相と
くり返し接触させることによりHCBの含量を 0.1重量
%未満に低下させることができることを示す。
【0043】実施例7 HCB 0.8%およびPCNB 98.8 %の組成を有する粗
製PCNB 10.5 gを45mlのジメチルホルムアミド(極
性溶媒として)に55℃で溶解した。この溶液を、45mlの
オクタンと混合シリンダ中で温度を55℃に保持しながら
接触させた。相を放置して分離させた。極性相から単離
した固体は0.64%のHCB及び99.17 %のPCNBを含
有しており、一方無極性相から単離した固体は1.51%の
HCB及び98.49 %のPCNBを含有していた。この実
施例は、相間には高温で選択性が存在することを示す。
【0044】実施例8 HCB 0.48 %およびPCNB 96.21%の組成を有する
粗性PCNB 9.5gのジメチルホルムアミド溶液を抽出
塔の中央部に圧送した。オクタンを抽出塔の底部から塔
内に圧送した。ジメチルホルムアミドの3番目の流れを
抽出塔にPCNB含有溶液の導入点の上方から圧送し
た。極性溶媒は塔の底部から排出し、無極性溶媒は塔の
上部から排出した。2種の流れを分析したところ、固体
の90%は極性相に含有されており、固体の10%は無極性
相に含有されていた。極性相中の固体の組成にはHCB
0.071%およびPCNB 96.86%が含まれ、一方無極性
相中の固体はHCB 8.37 %、PCNB 90.47%を含有
した。この実施例は、2種の溶媒間のHCBの選択性は
極性溶媒による逆抽出を実施した場合保持されることを
示す。
【0045】実施例9 実施例1と同様の方法により実施した実験において、実
施例1で用いたものと同一の組成を有する粗性PCNB
を極性溶媒として酢酸及びo−トルイジンに溶解した。
これらの溶液を無極性溶媒としてのノナンと接触させ
た。無極性のノナン溶媒から取り出した固体は、酢酸に
よる抽出の結果HCB 1.50 %及びPCNB90.52%を
示し、ノナンから取り出した固体は、o−トルイジンに
よる抽出の結果HCB 2.28 %及びPCNB 96.75%を
示した。この実施例は、極性溶媒、無極性溶媒及びPC
NBの系において、不混和相を生成する他の極性溶媒
は、粗性PCNBの精製を行うのに用いることができる
ことを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を行うのに用いられる一例の連続
カラム系の流れ図である。
【図2】本発明の方法を行うのに用いられる一例のミキ
サー/セトラー系の配置の流れ図である。
【符号の説明】
10 導管 11 抽出カラム 12〜15 導管 16 蒸発器 17, 18 導管 19 蒸発器 20, 21 導管 22 遠心器 23, 25 導管 110 導管 111 ミキサー 112 〜133 導管 134 ミキサー

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HCBを不純物として、商業的および環
    境的に受容しうるレベルを超過する濃度で含有するペン
    タクロロニトロベンゼン(PCNB)を精製するに当
    り、 不純なPCNBを極性溶媒と混合して溶液、懸濁液また
    はスラリーを形成し;この溶液、懸濁液またはスラリー
    を、第2の無極性の不混和溶媒と接触させてHCBを除
    去し;精製したPCNB生成物を第1の溶媒から取り出
    し、ここで上記の精製したPCNB生成物中のHCB含
    量が商業的または環境的に受容しうるレベル以下である
    ことを特徴とするペンタクロロニトロベンゼンの精製方
    法。
  2. 【請求項2】 HCBを不純物として、商業的および環
    境的に受容しうるレベルを超過する濃度で含有する不純
    なペンタクロロニトロベンゼン(PCNB)を精製する
    にあたり、 不純なPCNBを無極性溶媒と混合して、溶液、懸濁液
    またはスラリーを形成し;この溶液、懸濁液またはスラ
    リーを、第2の極性の不混和溶媒と接触させてHCBを
    除去し;精製したPCNB生成物を第2の溶媒から取り
    出し、ここで上記の精製したPCNB生成物中のHCB
    含量が商業的または環境的に受容しうるレベル以下であ
    ることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 HCB含量が0.2 重量%またはそれ以下
    であることを特徴とする請求項1または2記載の精製し
    たPCNB。
  4. 【請求項4】 HCB含量が0.1 重量%またはそれ以下
    であることを特徴とする請求項1または2記載の精製し
    たPCNB。
  5. 【請求項5】 無極性抽出物を新鮮な極性溶媒で逆抽出
    し、付加的な精製したPCNBを取り出すことを特徴と
    する請求項1または2記載の方法。
  6. 【請求項6】 抽出を回分法をもとに行うことを特徴と
    する請求項1または2記載の方法。
  7. 【請求項7】 抽出を連続法をもとに行うことを特徴と
    する請求項1または2記載の方法。
  8. 【請求項8】 極性溶媒としてジメチルホルムアミド
    を、無極性溶媒としてオクタンを用いて抽出を実施する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  9. 【請求項9】 極性溶媒としてクロロスルホン酸を、無
    極性溶媒として二硫化炭素を用いて抽出を実施すること
    を特徴とする請求項1または2記載の方法。
  10. 【請求項10】 極性溶媒としてニトロメタンを、無極
    性溶媒としてシクロヘキサンを用いて抽出を実施するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  11. 【請求項11】 極性溶媒として酢酸を、無極性溶媒と
    してノナンを用いて抽出を実施することを特徴とする請
    求項1または2記載の方法。
  12. 【請求項12】 極性溶媒としてメタノールを、無極性
    溶媒としてノナンを用いて抽出を実施することを特徴と
    する請求項1または2記載の方法。
  13. 【請求項13】 極性溶媒としてアセトニトリルを、無
    極性溶媒として二硫化炭素を用いて抽出を実施すること
    を特徴とする請求項1または2記載の方法。
  14. 【請求項14】 抽出を高温で実施することを特徴とす
    る請求項1または2記載の方法。
  15. 【請求項15】 高温が30℃〜75℃の間であることを特
    徴とする請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 無極性抽出物の抽出産物を再循環して
    極性溶媒中のHCB含量を増加させることを特徴とする
    請求項1または2記載の方法。
  17. 【請求項17】 極性抽出物の抽出産物を、再循環して
    無極性溶媒中のPCNB含量を増加させることを特徴と
    する請求項1または2記載の方法。
JP3162434A 1990-06-08 1991-06-07 ペンタクロロニトロベンゼンの精製方法 Expired - Lifetime JP2516289B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/534895 1990-06-08
US07/534,895 US5057222A (en) 1990-06-08 1990-06-08 Purification of PCNB by solvent extraction

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0592941A true JPH0592941A (ja) 1993-04-16
JP2516289B2 JP2516289B2 (ja) 1996-07-24

Family

ID=24131965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3162434A Expired - Lifetime JP2516289B2 (ja) 1990-06-08 1991-06-07 ペンタクロロニトロベンゼンの精製方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5057222A (ja)
JP (1) JP2516289B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5662802A (en) * 1994-07-07 1997-09-02 Ionics, Incorporated Solvent extraction process using water absorbing solvent at preselected temperature
US8168847B2 (en) * 2009-04-01 2012-05-01 Earth Renewal Group, Llc Aqueous phase oxidation process

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6317849A (ja) * 1986-07-11 1988-01-25 Mitsui Toatsu Chem Inc 高純度ペンタクロロニトロベンゼンの取得方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4842696A (en) * 1987-10-08 1989-06-27 Quimica Organica De Mexico, S.A. De C.Y. Purification of pentachloronitrobenzene by distillation

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6317849A (ja) * 1986-07-11 1988-01-25 Mitsui Toatsu Chem Inc 高純度ペンタクロロニトロベンゼンの取得方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2516289B2 (ja) 1996-07-24
US5057222A (en) 1991-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2466999C (en) Extraction process for removal of impurities from mother liquor in the synthesis of carboxylic acid
US6936741B2 (en) Process for working up the waste water obtained in the preparation of dinitrotoluene
CA2467001A1 (en) Extraction process for removal of impurities from mother liquor in the synthesis of carboxylic acid
WO2005003074A1 (en) Process for separating and recovering 3-hydroxypropionic acid and acrylic acid
JP4246376B2 (ja) ホルムアルデヒド含有混合物の処理
KR101164900B1 (ko) 수성 스트림으로부터 프로필렌 글리콜 및/또는 프로필렌 글리콜 에테르의 분리 방법
JP2001039962A (ja) 粗リプスタチンからのリプスタチンの精製方法
JP3684197B2 (ja) 主成分の酢酸およびギ酸からなる水性混合物を分離および精製するための方法
KR19980064184A (ko) (메트)아크릴산의 제조 방법
JP2516289B2 (ja) ペンタクロロニトロベンゼンの精製方法
JP3769505B2 (ja) 主成分の酢酸およびギ酸からなる水性混合物を分離および精製するための方法
JPS6051464B2 (ja) ε‐カプロクタムの回収方法
KR100516987B1 (ko) 카프로락탐의 정제 방법
US7947855B2 (en) Process for the purification of 1,4-butanediol mononitrate
US5393905A (en) Purification of amido-carboxylic acids
US3321284A (en) Extraction of hydrazine from aqueous solution using a fluorinated alcohol
JPS6025949A (ja) 水溶液から酢酸を回収するための高沸点溶剤系
JP2676910B2 (ja) 高純度0‐トルイル酸の製造法
JPH0441441A (ja) 水和反応用シクロヘキセンの精製方法
JPH01135732A (ja) 分離方法
JP2916953B2 (ja) 高純度トリオキサンの精製方法
US3933929A (en) Process for the purification of p-nitrophenol
US6271424B1 (en) Process for the purification of monotertiarybutyl hydroquinone
JP3164707B2 (ja) 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを回収する方法
KR830001516B1 (ko) 메타크릴산 에스테르의 제조 방법