JP3164707B2 - 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを回収する方法 - Google Patents

1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを回収する方法

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JP3164707B2
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distilled
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勝行 永松
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学反応などを行った
後の、含水1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
(以下、DMIと略記する)の溶液からDMIを回収す
る方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、含水DMIに共沸組成を
作る溶媒を添加して、数段の段数を有する蒸留塔を用い
て蒸留し、添加した溶媒とともに水を系外に留出除去
し、溶媒は蒸留塔の塔頂から系内に戻し、さらに添加し
た溶媒を留出除去後、DMIを留出させることを特徴と
するDMIの回収方法に関する。
【0003】
【従来の技術】DMIは、各種の無機および有機化合物
に対して優れた溶解力、安定性を有するため、溶媒とし
て広範囲な分野で使用されている。
【0004】しかしDMIは吸湿性が強いため、DMI
を溶媒として用いた場合、回収して再使用するに際し、
水分の除去が必要となることが多い。特に化学反応にお
いてDMIを溶媒として用いる際、含水量の少ないDM
Iの品質が要求される場合が多い。
【0005】一方、DMIと水は任意の割合で混合でき
るので、反応終了後、DMIを含む反応液を水に排出
し、DMIや無機塩類を水相側へ分離する方法が良く用
いられることもあり、さらに回収が困難となる。
【0006】本発明は、このような反応に使用したDM
I溶液から、簡単な装置を用い、簡単な操作で、効率良
く、しかも回収率良くDMIを回収する方法に関する。
【0007】従来、含水DMIから水を除去しDMIを
得るには、10段以上の段数を有する蒸留塔により、直
接蒸留精製する方法が一般的であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法に
おいて、回収DMIの含水量300ppm以下の品質を
確保するには、10段以上の段数を有する蒸留塔におい
て、還流比を5以上大きく取る必要がある。
【0009】そのため蒸留装置を建設するために設備コ
ストがかかる上、運転管理が煩雑になり、さらに含水量
を下げるにはDMIのロスも大きく、工業的に実施する
場合、未だ満足すべきものではなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決するため、鋭意検討した結果、漸く本発明に到
達した。
【0011】すなわち本発明は、含水DMIに水と共沸
組成を作る溶媒を添加して、数段の段数を有する蒸留塔
を用いて蒸留し、添加した溶媒とともに水を系外に留出
除去し、溶媒は蒸留塔の塔頂から系内に戻し、さらに添
加した溶媒を留出除去後、DMIを留出させることを特
徴とするDMIの回収方法である。
【0012】本発明は、反応、抽出、再結晶精製などに
使用された含水DMIからDMIを回収するのに適す
る。本発明に用いられる蒸留塔の段数は、2〜5段、好
ましくは2〜3段が適当である。単蒸留では上記の効果
は十分に現れず、5段以上段数を有しても、蒸留効果は
変わらず、建設費が高くなるばかりで経済的に不利であ
る。
【0013】本発明に用いられる水と共沸組成を作る溶
媒としては、DMIより沸点の低い溶媒なら何れも使用
できる。このような溶媒としては、例えば、トルエン、
ベンゼン、m−キシレン、スチレン、エチルベンゼンな
どの芳香族系化合物、シクロヘキサン、n−ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ドデカンなどの脂肪族炭化水素系
化合物、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、
1,2−ジクロロエチレン、クロロベンゼンなどの塩素
系化合物等が挙げられる。
【0014】上記溶媒の添加量は、DMI100重量部
に対して、30〜300重量部、好ましくは50〜20
0重量部が適当である。30重量部より少ないと本発明
の上記効果は十分得られない。また、300重量部以上
になっても効果は変わらず蒸留処理量が多くなるばかり
で経済的に不利である。
【0015】なお、上記溶媒の添加量は、回分蒸留の際
の割合を示す。連続蒸留に際しては最初に上記割合で溶
媒を蒸留釜に仕込み、後から連続供給するDMIには溶
媒の添加は必要ない。蒸留は回分蒸留でも連続蒸留でも
同じ効果が得られるが、連続蒸留の方がトータル溶媒の
添加量が少なく好ましい。
【0016】また、蒸留は常圧あるいは減圧のいずれの
条件でも実施できる。本発明の好ましい態様は以下の通
りである。 a)含水DMIと上記の溶媒を上記割合で添加して、上
記の段数を有する蒸留塔を用いて蒸留し、まず、水を溶
媒とともに系外に留出除去し、水は静置分液し系外に排
出する。 b)溶媒は蒸留塔の塔頂から系内に戻し循環利用する。 c)脱水終了後、さらに添加した溶媒を留出除去する。 d)次にDMIを留出させることにより、DMIを得
る。
【0017】本発明は上記の如く、添加した溶媒を系内
に戻すときに蒸留塔の塔頂に返すだけで、DMIの留出
を防ぎ、蒸留塔の段数を数段に減らすことができる。
【0018】更に、従来の方法のように、10段以上の
塔を建てた上に、還流比を大きく取る必要がなく、蒸留
装置の建設コストは低く抑えられ、また蒸留操作も簡単
であり、かつDMIを効率良く回収でき非常に有用であ
る。
【0019】本発明の方法によりDMIの回収をすれ
ば、DMI回収率90%以上を達成することができ、従
来の方法と比べDMIのロスが少なくなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的に説明するた
め、実施例および比較例をあげて説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 図1に本発明を実施した装置の概略図を示す。DMI4
2.6重量%の含水DMIからDMIの回収を行った。
含水DMI140kgと、共沸溶媒トルエン100kg
を、図中1の蒸留器に仕込む。さらに含水DMI580
kgを脱水中に50l/hrの速度で連続的に送る。常
圧下にてトルエンと水の共沸液を留出させる。留出液は
4の分液器にて静置され、水とトルエンに分離され、下
層の水は排出され、上層のトルエンはオーバーフローに
より2の塔頂へ戻る。原料の供給を止めた後も脱水を続
け、塔頂温度がトルエンの沸点になることにより脱水の
終了を確認する。 383.3kgの水が留出した。次
いで100mmHgの減圧下でトルエンを留出させる。
71.1kgのトルエンが留出した。トルエンの留出が
止まったら、真空度を30mmHgとし、この間留出液
をカットする。初留は56.5kgカットした。さらに
昇温し 120℃にてDMIを留出させる。 この結
果、含水量が300ppmのDMIが254.6kg得
られた。排水中に0.1%、トルエン中に9.0%、釜
残に7.9%のDMIが存在しているため、DMI回収
率は83.0%であるが、初留カット分、釜残ロス分を
次バッチにて回収すると、回収率は99.0%まで改善
される。
【0021】比較例1 含水DMIを10段相当の塔を用いて、直接蒸留して水
とDMIを分離した。実施例1と同種のDMI35.9
重量%の含水DMIからDMIの回収を行った。111
22.8gの含水DMIを仕込み、初留として水を61
92.9g留出させた。初留カット時は全留出した。さ
らに中留として194.2g留出させた。中留時には還
流比を5とした。中留品中にDMIは98.6重量%含
有しており仕込みに対して 4.8%のロスである。こ
の結果、主留として回収できるDMIは、3223.7
gであり回収率は80.7%であり、中留品を次バッチ
にて回収すると、回収率は85.5%になる。なお、得
られたDMI中の水分は400ppmである。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法は、実施例から明らかの如
く、留出溶媒を蒸留塔の塔頂から系内に戻すという簡単
な操作で、効率よく、しかも回収率良くDMIを回収精
製でき、従来の方法のように、10段以上の塔を建てる
必要がなくなり、数段の蒸留塔で蒸留できるようにな
り、蒸留装置の建設コストは低く抑えられ、さらに、水
へのDMIの留出を防ぎ、回収率90%以上を達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に用いた蒸留精製装置の概略
図である。
【符号の説明】
1.蒸留器 2.蒸留塔 3.凝縮器 4.分液器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 233/34 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
    ジノンを蒸留精製するに当たり、水と共沸組成を作る溶
    媒を添加し、2段以上の理論段数を有する蒸留塔を用
    い、留出した液を水相と油相に分離し、水相を系外に除
    き、油相は蒸留塔塔頂部へ戻して脱水蒸留を行い、水分
    の留出が終了した後に、通常の蒸留操作で添加した溶媒
    を留出除去し、さらに1,3−ジメチル−2−イミダゾ
    リジノンを留出させることを特徴とする1,3−ジメチ
    ル−2−イミダゾリジノンを回収する方法。
JP21364493A 1993-08-30 1993-08-30 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを回収する方法 Expired - Fee Related JP3164707B2 (ja)

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