JPH0592628A - プリンタの紙送り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２種類以上の紙経路を有したプリンタにおい
て各々の紙経路から連続紙をそれぞれプッシュ送り方式
あるいはプル送り方式により独立して供給することを可
能とする。 【構成】 図２のように連続用紙に対し、印字ヘッド１
により印字し、用紙送り手段で連続用紙を搬送するプリ
ンタにおいて、少なくとも印字位置に対する紙送り方向
上流側にプッシュ送り方式の第一の用紙搬送手段と、第
二の用紙搬送手段とを設け、さらに少なくとも紙送り方
向下流側にプル送り方式の第三の用紙搬送手段を設け
て、各用紙搬送手段に駆動力伝達手段を配設するととも
に、第一の用紙搬送手段または第二、第三の用紙搬送手
段を選択的に駆動源に結合する切り替え手段とを備え、
切り替え手段により第一または第二、第三の用紙搬送手
段を選択的に駆動制御し、連続用紙を搬送することを特
徴としたプリンタの紙送り装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は連続用紙と単票紙を用い
て印字するプリンタにおいて、用紙送り経路の異なる複
数の用紙を搬送する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】印字装置には、印字部に連続用紙や単票
用紙といった各種用紙を供給するために用紙搬送機構を
備えたものがある。そのような用紙搬送機構の従来例と
しては、例えば図１７に示すようなものがある。

【０００３】このものは、連続用紙または単票用紙をプ
リンタ本体の背面からプラテン１０に対し巻回して所定
の印字を行なうように、紙送り手段が背面部に設けてあ
る。特に連続用紙７に対しては、紙送り手段としてトラ
クタ９が１組だけ設けらており、連続用紙は１種類のみ
装着できる構成である。

【０００４】これに対し、特開昭６４ー８０７０号で
は、２種類のプッシュ式ピントラクタを配設し、異なる
連続用紙を装着でき、またそれぞれ交互に連続紙を使用
できるプリンタの構成が提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】特開昭６４−８０７０
号のものは、サイズ，フォーマット等の異なる２種類の
連続紙を印字することは可能であるが、プル式ピントラ
クタを備えていなかったので、用紙の種類やプリンタの
設置場所に制限を受け、また連続用紙を連続して長期間
使用する場合に対応できず不便であった。またプッシュ
トラクタとプルトラクタを同時に使用して連続紙を搬送
することはできなかった。さらに、二つの紙送り経路を
有するとはいえ、実質上は一方の紙送り経路しか使えな
いものであり、用紙挿入作業能率は悪いという欠点があ
った。

【０００６】そこで本発明は上記欠点に鑑みなされたも
ので、その目的とするところは、二種類以上の紙経路を
有したプリンタにおいてそれぞれの紙経路から連続紙を
それぞれプッシュ送り方式あるいはプル送り方式により
独立して供給することが可能な、使いやすいプリンタの
用紙搬送装置を提供するものである。

【０００７】

【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の用紙搬送装置は、連続用紙に対し、印字ヘッド
により印字し、用紙送り手段で前記連続用紙を搬送する
プリンタにおいて、少なくとも印字位置に対する紙送り
方向上流側にプッシュ送り方式による第一の用紙搬送手
段と第二の用紙搬送手段とを設け、さらに少なくとも紙
送り方向下流側にプル送り方式による第三の用紙搬送手
段を設けて、これら各用紙搬送手段に駆動力伝達手段を
配設するとともに、前記第一，第二，第三の用紙搬送手
段を単独で、または第一あるいは第二の用紙搬送手段と
第三の用紙搬送手段とを選択的に駆動源に結合する切り
替え手段を備えたことを特徴とする。

【０００８】

【実施例】図面に従って本発明の一実施例を説明する。
図１は本発明によるプリンタの外観斜視図、図２はその
用紙搬送装置の要部断面図、図３〜６は同装置における
切り替えレバーの各状態に対応する要部側面図、図７〜
１０は図３〜６の各レバー位置に対応する状態を示す要
部平断面図、図１１〜１３は各々フリクション方式で単
票用紙搬送、プッシュ方式での連続用紙搬送、およびプ
ル方式での連続用紙搬送する時のプラテンに対するピン
チローラの接合状態を示す要部側断面図、図１４は図１
１、図１２、図１３の状態におけるプラテンおよびフィ
ードローラに押さえ付ける荷重を示す表図、図１５は同
装置の切り替えレバーおよび主要ギアを示す要部分解斜
視図、図１６は本発明装置の他の実施例のシステムブロ
ック図を示す。

【０００９】図１，２において、１は印字ヘッド、２は
印字ヘッド１を搭載しているキャリッジである。３は後
述する切り替え手段を操作するための切り替え用レバー
である。５はフロント用紙挿入口、６，７は各々連続用
紙である。８は第一の用紙搬送手段をなす前部トラクタ
機構であり、フロント用紙挿入口５から供給される連続
用紙６を搬送する。９は第２の用紙搬送手段をなす後部
トラクタ機構であり、後方から供給される連続用紙７を
搬送する。１０はプラテン、１１は排紙ローラである。
１２，１３は後部ピンチローラ、１４，１５は前部ピン
チローラである。５２は後部ピンチローラホルダであり
前記後部ピンチローラ１２，１３を回転可能に保持する
（図１１参照）。５３は前部ピンチローラホルダであ
り、前記全部ピンチローラ１４，１５を回転可能に保持
する（図１１参照）。１８は前部ホルダ付勢用のバネ
で、前部ピンチローラ１５を前部ピンチローラ１４に対
して付勢する。５４はピンチローラホルダー付勢用のバ
ネで、後部ピンチローラホルダ５２を介して後部ピンチ
ローラ１２，１３をプラテン１０に向け付勢する。５５
は後部ピンチローラ付勢用のバネ、１９は用紙ガイド、
２０はベースフレーム、２１は用紙ガイド板である。２
２，２５は単票用紙、２３は前部紙検出器であり、連続
用紙６または単票用紙２５が供給されたとき、これを検
知する。２４は後部紙検出器であり、連続用紙７または
単票用紙２２が供給されときこれを検知する。図３〜１
０および図１５において２９は駆動源をなす紙送り用モ
ータである。また、切り替え手段は次の各部材により構
成されている。すなわち、３０はモータプーリ、３１は
伝達ギア、３２はプラテンギア、４は切り替え用スライ
ダ、３３はトラクタシャフト、３５，３６はトラクタギ
ア、３７，３８はディスエンゲージギア、３９，４０は
接続ギア、４２はサイドフレーム、４１はプルトラクタ
伝達ギア、４３はプラテンシャフト、４４前部ピンチロ
ーラ駆動ギアである。６０は第三の用紙搬送手段をなす
上部トラクタ機構である。

【００１０】次に以上のようなプリンタの用紙搬送装置
の動作について説明する。プリンタ本体に対して、図
１，２に示すように前方から連続用紙６を挿入し、後方
から別の連続用紙７を挿入する場合、前記連続用紙の一
方に印字、他方を待機状態とする。

【００１１】図３に示すように、切り替えレバー３が３
ーａの位置にある状態では、前後の連続紙のいずれも搬
送されない。すなわち、図３およびび図７に示す通り、
モータ２９が紙送り信号の伝達により回転し、伝達ギア
３１によってプラテンギア３２が回転するが、この状態
ではディスエンゲイジギア３７，３８は切り替えレバー
３の段部３−ｇおよび切り替えスライダ４の段部に乗っ
ているためトラクタギア３５，３６と噛合されずトラク
タ８，９を駆動させず、従って連続用紙は搬送されるこ
とはない。

【００１２】次に図４および図８示すように切り替えレ
バー３をフロントプッシュモード３ーｂの位置に倒す
と、切り替えレバー３と連動した切り替えスライダ４が
平行移動してディスエンゲイジギア３７は図８のように
接続ギア４０と噛合してトラクタギア３５を回転させ連
続用紙６を搬送せしめる。この時切り替えレバー３を回
転させると切り替えレバー３のギア部分３−ｆと噛合う
レリーズ伝達ギア５０が回転し、さらにレリーズ伝達ギ
ア５０と直結したレリーズシャフト５１が回転する。レ
リーズシャフト５１にはカム面５−ａが形成されてお
り、そのカム作用で図１２に示すようにピンチローラホ
ルダ５２がプラテン１０から退避することにより、後部
ピンチローラ１２，１３に作用する荷重は図１４のフロ
ントプッシュモード８ー２の状態となる。この状態で紙
送り信号が入力されるとトラクタ８によって連続用紙６
が搬送され、前部紙検出器２３から所定の量だけ紙送り
されて印字開始位置にセットされる。また、この状態に
おいて印字部より下流側にあるトラクタ機構６０を駆動
すれば、前部トラクタ機構８と両用することによりプッ
シュアンドプル送り方式が可能となる。

【００１３】次に図５及び図９に示すように切り替えレ
バー３をリアプッシュモード３ーｃの位置に倒すと、切
り替えレバー３に形成されたカム面３−ｅによってディ
スエンゲイジギア３７は図９のようにトラクタギア３５
と噛合し、トラクタ９を回転させて連続用紙７を搬送せ
しめる。この時切り替えレバー３を回転させても、レリ
ーズ伝達ギア５０との間に間欠歯車を形成しているた
め、切り替えレバー３の回転を伝達することがない。従
ってレリーズシャフト５１には回転力が伝わらず、ピン
チローラホルダ５２およびびピンチローラレバー５３の
状態はフロントプッシュモード８ー２と同じ状態を保
つ。また各ピンチローラに作用する荷重は図１４のフロ
ントプッシュモード８ー２の状態と同様である。この状
態で紙送り信号が入力されるとトラクタ９によって連続
用紙７が搬送され、後部紙検出器２４から所定の量だけ
紙送りされ印字開始位置にセットされる。また、この状
態において、印字部より下流側にあるトラクタ機構６０
を駆動すれば、後部トラクタ機構９と両用することによ
りプッシュアンドプル送り方式が可能となる。

【００１４】次に図６およびび図１０に示すように切り
替えレバー３をプルモード３ーｄの位置に倒すと、切り
替えレバー３に形成されたカム面３−ｅによってディス
エンゲージギア３７は図１０のようにプルトラクタ伝達
ギア４１と噛合し、トラクタ１０を回転させ連続用紙６
を搬送せしめる。この時切り替えレバー３を回転させる
とレリーズ伝達ギア５０との間でギア部分３−ｆにより
噛合しているため、レリーズ伝達ギア５０へ回転が伝達
し、レリーズ伝達ギア５０と直結したレリーズシャフト
５１に回転力が伝わってピンチローラホルダ５２および
びンチローラレバー５３が図１３の状態となる。また各
ピンチローラはそれぞれプラテン１０、紙送りローラ１
４から解除されるため荷重は図１４のプルモード８ー４
の状態のように作用しなくなる。この状態で用紙をプリ
ンタの前方入口５、下方入口（図示なし）あるいは後方
入口５−ａから連続用紙を挿入してプルトラクタ６０に
セットしてから印字を開始させる。

【００１５】一方、単票用紙については、図３、図７に
示す状態において、図２の、後方または前方から単票用
紙２２または２５を挿入する。

【００１６】まず前方の用紙挿入口５から単票用紙２５
を挿入する時、単票用紙２５を前方から挿入し、切り替
えレバー３を図３の位置にし、前部ピンチローラ１４，
１５に当接するまで挿入すると、前部紙検出器２３がオ
ン状態となり約２秒ほどして自動的に紙送りモータ２９
が所定量だけ回転してピンチローラ１４，１５の回転に
応じて搬送され、印字開始位置にセットされる。

【００１７】同様に後方の用紙挿入口５−ａから単票用
紙２２を挿入する時、単票用紙２２を後方から挿入し、
切り替えレバー３を図３の位置にし、プラテン１０およ
び後部ピンチローラ１２に当接するまで挿入すると、後
部部紙検出器２４がオン状態となり約２秒ほどして自動
的に紙送りモータ２９が所定量だけ回転してプラテン１
０の回転に応じて搬送され、印字開始位置にセットされ
る。

【００１８】以上の説明では前記連続用紙の搬送時に後
部トラクタ９または前部トラクタ８に切り替える際に切
り替えレバー３によって手動にてディスエンゲージギア
３７，３８をそれぞれ切り替えた例について説明した
が、図１６のように前記レバー３の切り替えの代わり
に、プリンタ上のパネルスイッチ（切り替え用スイッチ
７０）や、ホストコンピュータ６５からの情報によるプ
リンタ内部の中央情報処理装置ＣＰＵ６７の命令により
切り替え信号を加え、切り替えモータ駆動回路７１によ
り切り替えモータ７２を回転させ前記ディスエンゲージ
ギア３７，３８を作動カムにより切り替える構成でもよ
い。

【００１９】

【発明の効果】本発明のプリンタの用紙搬送装置によれ
ば、印字位置上流側に少なくとも２つのプッシュ送り方
式の用紙搬送手段を備えているので、サイズ，フォーマ
ット等の異なる２種類の連続紙を印字することが可能で
ある。また、下流側にはプル送り方式の用紙搬送手段を
設けたので、用紙搬送方法をプッシュ送り方式、プル送
り方式及びプッシュ・プル送り方式を選択的に選ぶこと
が可能である。すなわち二種類以上の紙経路を有したプ
リンタにおいてそれぞれの紙経路から連続紙をプッシュ
送り方式及びプル送り方式により搬送できるため、例え
ば用紙の種類、プリンタの設置場所、連続用紙を連続し
て長期間使用する場合にはプル送り方式を、あるいは頻
煩に連続紙を交換する場合にはプッシュ送り方式をとい
ったプリンタの使用条件に応じた使用方法が可能な、使
いやすいプリンタの紙送り装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるプリンタの外観斜視図。

【図２】本発明のプリンタの用紙搬送装置の一実施例を
示す要部断面図。

【図３】

【図４】

【図５】

【図６】同装置における切り替えレバーによる切り替え
状態を示す要部側面図。

【図７】図３のレバー位置に対応する状態を示す要部平
面図。

【図８】図４のレバー位置に対応する状態を示す要部平
面図。

【図９】図５のレバー位置に対応する状態を示す要部平
面図。

【図１０】図６のレバー位置に対応する状態を示す要部
平面図。

【図１１】フリクション方式で単票用紙搬送時のプラテ
ンに対するピンチローラの接合状態を示す要部側断面
図。

【図１２】プッシュ方式での連続用紙搬送時のプラテン
に対するピンチローラの接合状態を示す要部側断面図。

【図１３】プル方式での連続用紙搬送時のプラテンに対
するピンチローラの接合状態を示す要部側断面図。

【図１４】図１１、図１２、図１３の状態におけるプラ
テンおよびフィードローラに押さえ付ける荷重を示す表
図。

【図１５】同装置の切り替えレバーおよび主要ギアを示
す要部分解斜視図。

【図１６】本発明装置の他の実施例のシステムブロック
図。

【図１７】従来例を示す要部断面図。

【符号の説明】

１ 印字ヘッド ２ キャリッジ ３ 切り替え用レバー ４ 切り替え用スライダ ５ フロント用紙挿入口 ６，７ 各々連続用紙 ８ 前部トラクタ機構 ９ 後部トラクタ機構 １０ プラテン １１ 排紙ローラ １２，１３ 後部ピンチローラ １４，１５ 前部ピンチローラ ５２ ピンチローラホルダ ５３ 前部ピンチローラホルダ １８ 前部ホルダ付勢用のバネ １９ 用紙ガイド ２０ ベースフレーム ２１ 用紙ガイド板 ２２，２５ 単票用紙 ２３ 前部紙検出器 ２４ 後部紙検出器 ２９ 紙送り用モータ ３０ モータプーリ ３１ 伝達ギア ３２ プラテンギア ３３ トラクタシャフト ３５，３６ トラクタギア ３７，３８ ディスエンゲージギア ３９，４０ 接続ギア ４２ サイドフレーム ４１ プルトラクタ伝達ギア ４３ プラテンシャフト ４４ 前部ピンチローラ駆動ギア

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 連続用紙に対し、印字ヘッドにより印字
   し、用紙送り手段で前記連続用紙を搬送するプリンタに
   おいて、少なくとも印字位置に対する紙送り方向上流側
   にプッシュ送り方式による第一の用紙搬送手段と第二の
   用紙搬送手段とを設け、さらに少なくとも紙送り方向下
   流側にプル送り方式による第三の用紙搬送手段を設け
   て、これら各用紙搬送手段に駆動力伝達手段を配設する
   とともに、前記第一，第二，第三の用紙搬送手段を単独
   で、または第一あるいは第二の用紙搬送手段と第三の用
   紙搬送手段とを選択的に駆動源に結合する切り替え手段
   を備えたことを特徴とするプリンタの紙送り装置。