JPH0592551U - 空調設備などの防振台に用いられる耐震ストッパー兼 用揺れ止 装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造で十分な揺れ止め効果を有し、し
かも耐震ストッパーを兼用でき、その結果として、防振
台の据付け調整の時間を短縮できる、空調設備などの防
振台の耐震ストッパー兼用揺れ止装置を提供する。 【構成】 ベース上１に防振部材２を介して架台３を支
持する空調設備などの防振台において、ベース１に弾性
体取付孔５を設け、貫通穴７を有する弾性部材６、６を
前記取付穴５の上下箇所に対向して嵌装すると共にこれ
ら弾性部材６、６の上下外方面に座金９、９を重置し、
且つ、架台３にはボルト１０を上下方向に固定してこれ
の先端側を座金９、９の孔及び前記貫通孔７、７に挿貫
すると共にこのボルト１０に螺合されたナット１２、１
２で座金９、９の上下外方面を挟圧したものとなす。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、振動を発生する空調設備などの下部に取付けて建物に設置され空 調設備から建物への振動の伝達を減少させるようにした空調設備などの防振台に 用いられる揺れ止装置に係り、特にその揺れ止効果の増大化並びに構造、取付、 調整などの簡易化を図らしめる耐震ストッパー兼用揺れ止装置に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の空調設備などの防振台の揺れ止手段としては、実開平２−７６ ２４１号公報に開示されているように、通常の風圧などの小さな外力に対して効 果を有する、弾性部材を用いた揺れ止装置と、地震などの大きな外力に対して充 分な強度を有する金属製の耐震用ストッパーとで構成されたものがある。

【０００３】 斯かる手段にあっては、通常の風圧などの小さな外力でも防振台にはその上面 を傾斜させるものとなる曲げモーメントが作用するが、前記揺れ止装置の弾性部 材が上下方向のどちらか片側にしか揺れ止の効果を発揮しない構造であるため、 通常、前後左右の四箇所に設けられた揺れ止装置のうち、実際には二箇所しか揺 れ止の効果を奏しないので、効果的な揺れ止効果が得られないのであり、また揺 れ止装置のほかに金属製の耐震ストッパーを設けたことから構造が複雑で価格が 高くつくほか揺れ止装置と耐震ストッパーの双方を別々に調整しなければならず 防振台の据付けなどに時間がかかるのである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記の欠点を解消するためになされたもので、簡単な構造で、十 分な揺れ止効果を有し、しかも耐震ストッパーを兼用でき、その結果として、防 振台の据付け、調整の時間を短縮できる、空調設備などの防振台の耐震ストッパ ー兼用揺れ止装置を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための、この考案の構成を実施例である図面の符号を援用 して説明すると、この考案は、ベース上１に防振部材２を介して架台３を支持す る空調設備などの防振台において、ベース１又は架台３のどちらか一方に弾性体 取付孔５を設け、貫通穴７を有するゴムなどの弾性部材６、６を前記取付穴５を 介してこれの上下箇所に対向して嵌装すると共にこれら弾性部材６、６の上下外 方面に一対の座金９、９を重置し、他方の架台３又はベース１にはボルト１０を 上下方向に固定してこれの先端側を座金９、９の孔及び前記貫通孔７、７に挿貫 すると共にこのボルト１０に螺合されたナット１２、１２で一対の座金９、９の 外方面を挟圧したことを特徴とする空調設備などの防振台に用いられる耐震スト ッパー兼用揺れ止装置である。

【０００６】

【作用】

上記のように構成した空調設備などの防振台の耐震ストッパー兼用揺れ止装置 において、架台３はボルト１０、ナット１１、１２、１２、座金９、９及び弾性 部材６、６を介してベース１と一体に結合されているため、地震などの大きな上 下、水平の他、すべての方向の外力が作用してもベース１から脱落することはな い。また防振台に上面を傾斜させるような曲げモーメントが作用すると、例えば 図５に示すように架台３が傾き、片側の各耐震ストッパー兼用揺れ止装置４ａ、 ４ａは上側の各弾性部材６ａ、６ａが圧縮され、反対側の各耐震ストッパー兼用 揺れ止装置４ｂ、４ｂは下側の各弾性部材６ｄ、６ｄが圧縮され、四箇所すべて の耐震ストッパー兼用揺れ止装置が効果を奏することになり、また同図の反対方 向に架台３が傾いたときには前述とは対称の作動が生じて前とは反対側の弾性部 材６ｂ、６ｂ、６ｃ、６ｃが圧縮され、同様にすべての耐震ストッパー兼用揺れ 止装置が効果を奏することになり、結局、すべての方向の曲げモーメントに対し て十分な揺れ止効果が得られることになる。

【０００７】

【実施例】 この考案の一実施例を図面により説明すると、図１において、１は建物の基礎 に固定する防振台のベースであり、２はコイルばね等よりなる防振部材で空調設 備Ａなどを取りつける架台３を支持している。

【０００８】 ４は耐震ストッパー兼用揺れ止装置であり、図２に示すように防振台に四箇所 設けてあって各々を４ａ、４ａ、４ｂ、４ｂで示してあるが、その構成は次のよ うなものとなされている。すなわち、１３はベース１に固着された弾性取付部材 であり、弾性部材６、６を対向して嵌装させるための弾性体取付穴５が設けられ ている。１４は架台３に固着されたボルト固定部材であり、ボルト１０を固定す るための透孔８が設けられている。そして、透孔８、弾性部材６、６の貫通孔７ 、７及び座金９、９との間にわたってボルト１０を挿貫してナット１１及びナッ ト１２、１２で螺着している。なお、本実施例ではベース１に弾性体取付部材１ ３が、そして架台３にボルト固定部材１４が、それぞれ固着されているが、これ に限定されるものではなく、この反対でもよいし、弾性体取付部材１３及びボル ト固定部材１４を用いず、ベース１及び架台３に弾性体取付穴５及び透孔８を任 意の組合わせで設けてもよい。また、耐震ストッパー兼用揺れ止装置４の数は四 箇所に限定されるものではない。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によるときは、別途、耐震用ストッパーを設け る必要がないため、構造が簡単で安価となり、また調整が一度ですみ、防振台の 据付け、調整時間も短縮できる。しかも、耐震ストッパー兼用揺れ止装置部に弾 性部材を対向して嵌装させてあることにより、上下方向どちらにも揺れ止効果を 発揮できるので、通常の風圧等の小さな外力で防振台に曲げモーメントが作用し た場合でも、防振台に設けたすべての耐震ストッパー兼用揺れ止装置が効果を有 するものとなり、十分な揺れ止効果が得られるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の拡大部分側面図（一部分
は断面図）である。

【図２】この考案の一実施例の平面図である。

【図３】この考案の一実施例の正面図である。

【図４】この考案の一実施例の側面図である。

【図５】この考案の実施例に係る耐震ストッパー兼用揺
れ止装置に曲げモーメントが作用した時の状態を示す図
である。

【符号の説明】

１ ベース ２ 防振部材 ３ 架台 ４、４ａ、４ｂ 耐震ストッパー兼用揺れ止装置 ５ 弾性体取付穴 ６、６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ 弾性部材 ７ 貫通穴 ８ 透孔 ９ 座金 １０ ボルト １１ ナット １２ ナット １３ 弾性体取付部材 １４ ボルト取付部材 Ａ 空調設備

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベース上（１）に防振部材（２）を介し
   て架台（３）を支持する空調設備などの防振台におい
   て、ベース（１）又は架台（３）のどちらか一方に弾性
   体取付孔（５）を設け、貫通穴（７）を有するゴムなど
   の弾性部材（６、６）を前記取付穴（５）を介してこれ
   の上下箇所に対向して嵌装すると共にこれら弾性部材
   （６、６）の上下外方面に一対の座金（９、９）を重置
   し、他方の架台（３）又はベース（１）にはボルト（１
   ０）を上下方向に固定してこれの先端側を座金（９、
   ９）の孔及び前記貫通孔（７、７）に挿貫すると共にこ
   のボルト（１０）に螺合されたナット（１２、１２）で
   一対の座金（９、９）の外方面を挟圧したことを特徴と
   する空調設備などの防振台に用いられる耐震ストッパー
   兼用揺れ止装置。