JPH059200A - ヒト尿性トリプシンインヒビターの製造方法 - Google Patents
ヒト尿性トリプシンインヒビターの製造方法Info
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- JPH059200A JPH059200A JP3161828A JP16182891A JPH059200A JP H059200 A JPH059200 A JP H059200A JP 3161828 A JP3161828 A JP 3161828A JP 16182891 A JP16182891 A JP 16182891A JP H059200 A JPH059200 A JP H059200A
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- JP
- Japan
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- phosphate buffer
- fraction
- human urinary
- trypsin inhibitor
- huti
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、HUTIを高度に精製でき
るHUTIの製造方法を提供することにある。 【構成】 本発明は、ヒト尿性トリプシンインヒビター
含有水溶液を金属キレート樹脂で処理および/または疎
水性担体で処理することを特徴とするヒト尿性トリプシ
ンインヒビターの製造方法である。
るHUTIの製造方法を提供することにある。 【構成】 本発明は、ヒト尿性トリプシンインヒビター
含有水溶液を金属キレート樹脂で処理および/または疎
水性担体で処理することを特徴とするヒト尿性トリプシ
ンインヒビターの製造方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒト尿性トリプシンイン
ヒビターの製造方法に関する。
ヒビターの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】ヒト尿性トリプシンインヒビター(ヒト尿
由来トリプシンインヒビター、以下HUTI)は、Po
rkschらによりヒト尿より初めてintactな形
で分離・精製された(J.Lab.Clin.Me
d.,79,491,(1972))。同分子はシアル
酸及び中性ヘキソースを数十%含む、分子量約67kd
(ゲル濾過分析)、等電点2〜3.5の糖タンパク質で
ある(J.Lab.Clin.Med.,79,49
1,(1972)、日泌尿会誌、74,1627,(1
983)、Proteinase Inhibitor
s,12,389,(1986)、Biochim.B
iophys.Res.Commun.,109,12
47,(1982))。
由来トリプシンインヒビター、以下HUTI)は、Po
rkschらによりヒト尿より初めてintactな形
で分離・精製された(J.Lab.Clin.Me
d.,79,491,(1972))。同分子はシアル
酸及び中性ヘキソースを数十%含む、分子量約67kd
(ゲル濾過分析)、等電点2〜3.5の糖タンパク質で
ある(J.Lab.Clin.Med.,79,49
1,(1972)、日泌尿会誌、74,1627,(1
983)、Proteinase Inhibitor
s,12,389,(1986)、Biochim.B
iophys.Res.Commun.,109,12
47,(1982))。
【0003】このHUTIは、膵酵素のトリプシン及び
キモトリプシンを特に強く阻害するが、AT−III やF
OYと異なり凝固・線溶系の酵素を全く或は弱くしか阻
害しない(日薬理会誌、81,235,(198
3))。また、ライソゾーム膜の安定化効果を持つこと
から同酵素の産生を抑制したり、心筋抑制因子の産生抑
制作用を有すると言われている(麻酔、33,137,
(1984))。
キモトリプシンを特に強く阻害するが、AT−III やF
OYと異なり凝固・線溶系の酵素を全く或は弱くしか阻
害しない(日薬理会誌、81,235,(198
3))。また、ライソゾーム膜の安定化効果を持つこと
から同酵素の産生を抑制したり、心筋抑制因子の産生抑
制作用を有すると言われている(麻酔、33,137,
(1984))。
【0004】以上の活性・作用を有することから、急性
膵炎や急性循環不全への有用性が期待され、持田製薬
(株)により初めて製剤化され、1985年に商品名ミ
ラクリッドとして発売されるに到った(持田製薬
(株)、ミラクリッド添付文書(1985)) 本製剤は、臨床的に急性膵炎及び手術時やエンドトキシ
ンショック時に対処する重篤な副作用の見られない製剤
として使われており、近年の売上は100億円に達して
いる。
膵炎や急性循環不全への有用性が期待され、持田製薬
(株)により初めて製剤化され、1985年に商品名ミ
ラクリッドとして発売されるに到った(持田製薬
(株)、ミラクリッド添付文書(1985)) 本製剤は、臨床的に急性膵炎及び手術時やエンドトキシ
ンショック時に対処する重篤な副作用の見られない製剤
として使われており、近年の売上は100億円に達して
いる。
【0005】HUTIの精製法としては陰イオン交換体
処理、限外濾過、ゲル濾過、アフィニティクロマト、無
機吸着剤処理、塩析、等電点沈殿法、キトサン処理、不
溶性トリプシン処理等が知られている(特開昭51−5
1579、同51−118810、同51−12381
0、同55−160724、同56−99427、同5
7−140728、同60−260518、同61−3
7736等)。
処理、限外濾過、ゲル濾過、アフィニティクロマト、無
機吸着剤処理、塩析、等電点沈殿法、キトサン処理、不
溶性トリプシン処理等が知られている(特開昭51−5
1579、同51−118810、同51−12381
0、同55−160724、同56−99427、同5
7−140728、同60−260518、同61−3
7736等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、HU
TIを高度に精製できるHUTIの製造方法を提供する
ことにある。
TIを高度に精製できるHUTIの製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは上記の事情
に鑑み、各種検討を行った結果、HUTI含有水溶液を
金属キレート樹脂または疎水性担体で処理することによ
りHUTIを効率よく精製できることを見出した。さら
に、これらの方法を従来から公知の方法と組合わせるこ
とにより、高度に精製されたHUTIを製造できること
を見出して本発明を完成した。
に鑑み、各種検討を行った結果、HUTI含有水溶液を
金属キレート樹脂または疎水性担体で処理することによ
りHUTIを効率よく精製できることを見出した。さら
に、これらの方法を従来から公知の方法と組合わせるこ
とにより、高度に精製されたHUTIを製造できること
を見出して本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、ヒト尿性トリプシンイン
ヒビター含有水溶液を金属キレート樹脂で処理および/
または疎水性担体で処理することを特徴とするヒト尿性
トリプシンインヒビターの製造方法である。
ヒビター含有水溶液を金属キレート樹脂で処理および/
または疎水性担体で処理することを特徴とするヒト尿性
トリプシンインヒビターの製造方法である。
【0009】本発明のHUTI含有水溶液は、尿由来、
細胞培養液由来、遺伝子組換え由来のいずれであっても
よい。また、原液そのもの、部分精製、高度精製のいず
れの段階にあってもよい。
細胞培養液由来、遺伝子組換え由来のいずれであっても
よい。また、原液そのもの、部分精製、高度精製のいず
れの段階にあってもよい。
【0010】HUTI含有水溶液を金属キレート樹脂で
処理し、その非吸着画分を回収することにより、精製し
たHUTIを得ることができる。金属キレート樹脂はキ
レート化合物を不溶性担体に化学結合させたものに、金
属イオンをキレート結合させたものである。金属イオン
としては銅イオン(Cu2+)、亜鉛イオン(Zn2+)等
が例示される。キレート化合物としてはEDTA等が例
示される。不溶性担体としてはアガロース型(商品名セ
ファロース等)、デキストラン型(商品名セファデック
ス等)、セルロース型(商品名セルロファイン等)が例
示される。また、このようなキレート樹脂として、キレ
ート・セファロース6B、同FF(ファルマシア社)、
キレート・セルロファイン(生化学工業)等が市販され
ている。
処理し、その非吸着画分を回収することにより、精製し
たHUTIを得ることができる。金属キレート樹脂はキ
レート化合物を不溶性担体に化学結合させたものに、金
属イオンをキレート結合させたものである。金属イオン
としては銅イオン(Cu2+)、亜鉛イオン(Zn2+)等
が例示される。キレート化合物としてはEDTA等が例
示される。不溶性担体としてはアガロース型(商品名セ
ファロース等)、デキストラン型(商品名セファデック
ス等)、セルロース型(商品名セルロファイン等)が例
示される。また、このようなキレート樹脂として、キレ
ート・セファロース6B、同FF(ファルマシア社)、
キレート・セルロファイン(生化学工業)等が市販され
ている。
【0011】金属キレート樹脂の製法として具体的には
以下の方法が用いられる。亜鉛をキレート化する場合は
塩化亜鉛ZnCl2 を1〜10mg/mlの濃度でキレ
ート樹脂と接触させ、pH3〜4で処理する。銅をキレ
ート化する場合は硫酸銅、例えば、CuSO4 ・5H2
Oを1〜10mg/mlの濃度でキレート樹脂を接触さ
せ、pH5〜7で処理する。
以下の方法が用いられる。亜鉛をキレート化する場合は
塩化亜鉛ZnCl2 を1〜10mg/mlの濃度でキレ
ート樹脂と接触させ、pH3〜4で処理する。銅をキレ
ート化する場合は硫酸銅、例えば、CuSO4 ・5H2
Oを1〜10mg/mlの濃度でキレート樹脂を接触さ
せ、pH5〜7で処理する。
【0012】HUTI含有水溶液と金属キレート樹脂の
接触条件はpH7〜9.0程度、塩濃度0.1〜1M程
度が例示される。具体的には0.1〜1M塩化ナトリウ
ム加0.01〜0.2Mリン酸緩衝液(pH7〜9.
0)等を用いる。
接触条件はpH7〜9.0程度、塩濃度0.1〜1M程
度が例示される。具体的には0.1〜1M塩化ナトリウ
ム加0.01〜0.2Mリン酸緩衝液(pH7〜9.
0)等を用いる。
【0013】また、HUTI含有水溶液を疎水性担体で
処理し、その非吸着画分を回収することにより、精製し
たHUTIを得ることができる。疎水性担体は不溶性担
体に疎水性基を結合させたものである。疎水性基として
はアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のもの:例え
ば、ブチル基、オクチル基等)、フェニル基、フェニル
アラニル基等が例示される。不溶性担体としてはアガロ
ース型(商品名セファロース等)、デキストラン型(商
品名セファデックス等)、セルロース型(商品名セルロ
ファイン等)が例示される。また、このような疎水性担
体としてオクチル・セファロースCL−6B、ブチル・
セファロース4B、フェニルセファロースCL−6B
(全てファルマシア)等が市販されている。。
処理し、その非吸着画分を回収することにより、精製し
たHUTIを得ることができる。疎水性担体は不溶性担
体に疎水性基を結合させたものである。疎水性基として
はアルキル基(好ましくは炭素数1〜10のもの:例え
ば、ブチル基、オクチル基等)、フェニル基、フェニル
アラニル基等が例示される。不溶性担体としてはアガロ
ース型(商品名セファロース等)、デキストラン型(商
品名セファデックス等)、セルロース型(商品名セルロ
ファイン等)が例示される。また、このような疎水性担
体としてオクチル・セファロースCL−6B、ブチル・
セファロース4B、フェニルセファロースCL−6B
(全てファルマシア)等が市販されている。。
【0014】HUTI含有水溶液を疎水性担体で処理す
る際の接触条件としてはpH5〜7程度、塩濃度0.5
〜3M程度が例示される。具体的には、0.7〜1M硫
酸アンモニウム、0.7〜1M硫酸アンモニウム加1〜
10mMリン酸緩衝液等が例示される。
る際の接触条件としてはpH5〜7程度、塩濃度0.5
〜3M程度が例示される。具体的には、0.7〜1M硫
酸アンモニウム、0.7〜1M硫酸アンモニウム加1〜
10mMリン酸緩衝液等が例示される。
【0015】本発明の方法はお互いを組合せることによ
って、または、従来から公知の方法と組合せることによ
って、HUTIをさらに高度に精製することができる。
具体的には以下のような方法が挙げられる。 (1)陰イオン交換体処理 HUTI含有水溶液を陰イオン交換体で処理し、吸着画
分を回収する。
って、または、従来から公知の方法と組合せることによ
って、HUTIをさらに高度に精製することができる。
具体的には以下のような方法が挙げられる。 (1)陰イオン交換体処理 HUTI含有水溶液を陰イオン交換体で処理し、吸着画
分を回収する。
【0016】陰イオン交換体は陰イオン交換基を不溶性
担体に結合したものである。陰イオン交換基としてはD
EAE系、QAE系等が例示される。不溶性担体として
はアガロース型(商品名セファロース等)、デキストラ
ン型(商品名セファデックス等)、セルロース型(商品
名セルロファイン等)が例示される。
担体に結合したものである。陰イオン交換基としてはD
EAE系、QAE系等が例示される。不溶性担体として
はアガロース型(商品名セファロース等)、デキストラ
ン型(商品名セファデックス等)、セルロース型(商品
名セルロファイン等)が例示される。
【0017】吸着条件としてはpH3〜10程度、塩濃
度0.01〜0.2M程度が例示される。具体的には
0.01〜0.2Mリン酸緩衝液(pH5〜7.5)等
を用いる。
度0.01〜0.2M程度が例示される。具体的には
0.01〜0.2Mリン酸緩衝液(pH5〜7.5)等
を用いる。
【0018】溶出条件としてはpH5〜7.5程度、塩
濃度0.4、0.1〜1.2M程度が例示される。具体
的には0.1〜1M塩化ナトリウム加0.01〜0.2
Mリン酸緩衝液(pH5〜7.5)等を用いる。 (2)金属キレート樹脂処理 (1)の吸着画分を金属キレート樹脂で処理し、非吸着
画分を回収する。 (3)疎水性担体処理 (2)の非吸着画分を疎水性担体で処理し、非吸着画分
を回収する。 (4)限外濾過 (3)の非吸着画分を限外濾過膜に通し、低分子量画分
または高分子量画分をカットする。
濃度0.4、0.1〜1.2M程度が例示される。具体
的には0.1〜1M塩化ナトリウム加0.01〜0.2
Mリン酸緩衝液(pH5〜7.5)等を用いる。 (2)金属キレート樹脂処理 (1)の吸着画分を金属キレート樹脂で処理し、非吸着
画分を回収する。 (3)疎水性担体処理 (2)の非吸着画分を疎水性担体で処理し、非吸着画分
を回収する。 (4)限外濾過 (3)の非吸着画分を限外濾過膜に通し、低分子量画分
または高分子量画分をカットする。
【0019】低分子量側のカット値としては分子量1万
程度、高分子量側のカット値としては分子量100万程
度が例示される。 (5)ゲル濾過 (4)の濃縮画分をゲル濾過処理し、その溶出画分中か
らHUTI含有画分を回収する。
程度、高分子量側のカット値としては分子量100万程
度が例示される。 (5)ゲル濾過 (4)の濃縮画分をゲル濾過処理し、その溶出画分中か
らHUTI含有画分を回収する。
【0020】ゲル濾過用担体としてはアガロース型(商
品名セファロース)、デキストラン型(商品名セファデ
ックス)、ポリアクリルアミド型(商品名セファクリ
ル)が例示される。
品名セファロース)、デキストラン型(商品名セファデ
ックス)、ポリアクリルアミド型(商品名セファクリ
ル)が例示される。
【0021】処理条件としてはpH5〜7程度、塩濃度
0.1〜1M程度が例示される。具体的には0.1〜1
M塩化ナトリウム加0.01〜0.2Mリン酸緩衝液
(pH5〜7)が用いられる。
0.1〜1M程度が例示される。具体的には0.1〜1
M塩化ナトリウム加0.01〜0.2Mリン酸緩衝液
(pH5〜7)が用いられる。
【0022】本発明は公知の他の精製方法と組合せるこ
とができる。また、加熱処理等を施してもよい。この
際、安定化剤としてEDTA1〜100mM、ゼラチン
等が例示される。
とができる。また、加熱処理等を施してもよい。この
際、安定化剤としてEDTA1〜100mM、ゼラチン
等が例示される。
【0023】本発明の製法により得られるHUTIは分
子量6〜7万程度(好ましくは6万7千)、等電点は2
〜3.5程度、比活性は2000〜3000単位/mg
蛋白程度、純度はほぼ100%である。また、不純物は
ほとんど認められず、金属イオン、EDTA等も検出限
界以外である。着色物質も充分に除去される。
子量6〜7万程度(好ましくは6万7千)、等電点は2
〜3.5程度、比活性は2000〜3000単位/mg
蛋白程度、純度はほぼ100%である。また、不純物は
ほとんど認められず、金属イオン、EDTA等も検出限
界以外である。着色物質も充分に除去される。
【0024】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために実施例お
よび実験例を挙げるが、本発明はこれらによって何ら限
定されるものではない。 実施例1 人尿を特開昭62−93238の方法に準じて調製した
ものを本発明の出発原料とした。
よび実験例を挙げるが、本発明はこれらによって何ら限
定されるものではない。 実施例1 人尿を特開昭62−93238の方法に準じて調製した
ものを本発明の出発原料とした。
【0025】出発原料420mlをpH6.4に調整
後、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.4)で平衡化した
QAE−アガロースゲル(商品名Q−セファロース フ
ァストフロー、 ファルマシア社、100cm2 ×6.
5cm)にアプライした。その後、0.5M塩化ナトリ
ウム加0.1Mリン酸緩衝液(pH6.4)で溶出しH
UTI含有画分を回収した。
後、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.4)で平衡化した
QAE−アガロースゲル(商品名Q−セファロース フ
ァストフロー、 ファルマシア社、100cm2 ×6.
5cm)にアプライした。その後、0.5M塩化ナトリ
ウム加0.1Mリン酸緩衝液(pH6.4)で溶出しH
UTI含有画分を回収した。
【0026】溶出画分400mlをpH7.9に調整
後、0.5M塩化ナトリウム加0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.9)で平衡化したCu2+キレートアガロース
ゲル(商品名キレートセファロース ファスト フロ
ー、 ファルマシア社、参考例参照)にアプライし、非
吸着画分を回収した。
後、0.5M塩化ナトリウム加0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.9)で平衡化したCu2+キレートアガロース
ゲル(商品名キレートセファロース ファスト フロ
ー、 ファルマシア社、参考例参照)にアプライし、非
吸着画分を回収した。
【0027】非吸着画分840mlに2M硫酸アンモニ
ウムを添加して濃度0.8Mに調整後、0.8M硫酸ア
ンモニウム加6mMリン酸緩衝液(pH6)で平衡化し
たフェニル−アガロースゲル(商品名フェニル セファ
ロース4B、ファルマシア社、3.3×7.3cm)に
アプライし、非吸着画分を回収した。
ウムを添加して濃度0.8Mに調整後、0.8M硫酸ア
ンモニウム加6mMリン酸緩衝液(pH6)で平衡化し
たフェニル−アガロースゲル(商品名フェニル セファ
ロース4B、ファルマシア社、3.3×7.3cm)に
アプライし、非吸着画分を回収した。
【0028】非吸着画分1520mlにEDTAを1m
Mとなるように添加後に限外濾過膜(商品名UFメンブ
ラン、フィルトロン社、分子量1万以下の画分をカット
で処理し、濃縮画分を回収した。
Mとなるように添加後に限外濾過膜(商品名UFメンブ
ラン、フィルトロン社、分子量1万以下の画分をカット
で処理し、濃縮画分を回収した。
【0029】濃縮画分36mlを0.3M塩化ナトリウ
ム加0.1Mリン酸緩衝液(pH6.2)で平衡化した
ポリアクリルアミドゲル(商品名セファクリルS−20
0HP、ファルマシア社、7.6×120cm)にアプ
ライし、同緩衝液で溶出しHUTI画分を回収した。
ム加0.1Mリン酸緩衝液(pH6.2)で平衡化した
ポリアクリルアミドゲル(商品名セファクリルS−20
0HP、ファルマシア社、7.6×120cm)にアプ
ライし、同緩衝液で溶出しHUTI画分を回収した。
【0030】得られたHUTIは以下のような性質を有
していた 分子量6万7千 比活性4922単位/OD280 Cu2+イオンおよびカリクレインは認められなかった。
また着色物質は充分に除去されていた。下記ゲル濾過分
析および逆相クロマト分析を行った結果、両者とも単一
ピークを示した。
していた 分子量6万7千 比活性4922単位/OD280 Cu2+イオンおよびカリクレインは認められなかった。
また着色物質は充分に除去されていた。下記ゲル濾過分
析および逆相クロマト分析を行った結果、両者とも単一
ピークを示した。
【0031】ゲル濾過分析 カラム:G3000SWXL(トーソー社)、 溶出溶媒:0.3M塩化ナトリウム加0.1M酢酸緩衝
液(pH6.8) 逆相クロマト分析 カラム:214TP54(VYDAC社、0.46×2
5cm) 溶出溶媒A:0.1%TFA B:0.1%TFA+25%メタノール+74.9%イ
ソプロパノール 勾配度 A対Bを90:10から40:60まで 各精製工程での蛋白質と活性の回収の度合を表1に示し
た。また、上記実験を繰り返して、吸光度を測定し、着
色物質の挙動を調べ、その結果を表2に示した。
液(pH6.8) 逆相クロマト分析 カラム:214TP54(VYDAC社、0.46×2
5cm) 溶出溶媒A:0.1%TFA B:0.1%TFA+25%メタノール+74.9%イ
ソプロパノール 勾配度 A対Bを90:10から40:60まで 各精製工程での蛋白質と活性の回収の度合を表1に示し
た。また、上記実験を繰り返して、吸光度を測定し、着
色物質の挙動を調べ、その結果を表2に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】実施例2 人尿を特開昭62−93238の方法に準じて調製した
ものを本発明の出発原料とした。
ものを本発明の出発原料とした。
【0035】出発原料420mlをpH6.4に調整
後、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.4)で平衡化した
QAE−アガロースゲル(商品名Q−セファロース フ
ァストフロー、ファルマシア社)にアプライした。その
後、0.5M塩化ナトリウム加0.1Mリン酸緩衝液
(pH6.4)で溶出しHUTI含有画分を回収した。
後、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.4)で平衡化した
QAE−アガロースゲル(商品名Q−セファロース フ
ァストフロー、ファルマシア社)にアプライした。その
後、0.5M塩化ナトリウム加0.1Mリン酸緩衝液
(pH6.4)で溶出しHUTI含有画分を回収した。
【0036】溶出画分800mlをpH8に調整後、
0.5M塩化ナトリウム加0.1Mリン酸緩衝液(pH
8)で平衡化したCu2+キレートアガロースゲル(商品
名キレートセファロース ファスト フロー、 ファル
マシア社、参考例参照)にアプライし、非吸着画分を回
収した。
0.5M塩化ナトリウム加0.1Mリン酸緩衝液(pH
8)で平衡化したCu2+キレートアガロースゲル(商品
名キレートセファロース ファスト フロー、 ファル
マシア社、参考例参照)にアプライし、非吸着画分を回
収した。
【0037】非吸着画分260mlに酢酸緩衝液(pH
5)を加えて、最終50mMに調整し、60℃、10時
間加熱処理した。さらに2M硫酸アンモニウムを添加し
て濃度0.8Mに調整後、0.8M硫酸アンモニウムで
平衡化したフェニル−アガロースゲル(商品名フェニル
セファロース4B、ファルマシア社)にアプライし、
非吸着画分を回収した。
5)を加えて、最終50mMに調整し、60℃、10時
間加熱処理した。さらに2M硫酸アンモニウムを添加し
て濃度0.8Mに調整後、0.8M硫酸アンモニウムで
平衡化したフェニル−アガロースゲル(商品名フェニル
セファロース4B、ファルマシア社)にアプライし、
非吸着画分を回収した。
【0038】非吸着画分610mlにEDTAを1mM
となるように添加後に限外濾過膜(商品名UFメンブラ
ン、フィルトロン社、分子量1万以下の画分をカット)
で処理し、濃縮画分を回収した。
となるように添加後に限外濾過膜(商品名UFメンブラ
ン、フィルトロン社、分子量1万以下の画分をカット)
で処理し、濃縮画分を回収した。
【0039】濃縮画分28mlを0.15M塩化ナトリ
ウム加50mM酢酸緩衝液(pH6.2)で平衡化した
ポリアクリルアミドゲル(商品名セファクリルS−20
0HP、ファルマシア社、7.6×120cm)にアプ
ライし、同緩衝液で溶出しHUTI画分を回収した。
ウム加50mM酢酸緩衝液(pH6.2)で平衡化した
ポリアクリルアミドゲル(商品名セファクリルS−20
0HP、ファルマシア社、7.6×120cm)にアプ
ライし、同緩衝液で溶出しHUTI画分を回収した。
【0040】得られたHUTIは実施例1と同様の性質
を有していた。各精製工程での蛋白質と活性の回収の度
合いを表3に示した。
を有していた。各精製工程での蛋白質と活性の回収の度
合いを表3に示した。
【0041】
【表3】
【0042】また、リムラス試験によるエンドトキシン
量の測定結果を表4にゲル濾過による分子量分布の測定
結果を表5に示した。
量の測定結果を表4にゲル濾過による分子量分布の測定
結果を表5に示した。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】参考例 キレート樹脂(商品名キレート セファロース ファス
ト フロー、ファルマシア社に5mg/mlの硫酸銅C
uSO4 ・5H2 Oを添加し、室温で30分間インキュ
ベーションした。蒸留水で洗浄した後に0.5M塩化ナ
トリウム加0.1Mリン酸緩衝液(pH7.9)で平衡
化する。
ト フロー、ファルマシア社に5mg/mlの硫酸銅C
uSO4 ・5H2 Oを添加し、室温で30分間インキュ
ベーションした。蒸留水で洗浄した後に0.5M塩化ナ
トリウム加0.1Mリン酸緩衝液(pH7.9)で平衡
化する。
【0046】
【発明の効果】本発明により高度に精製されたHUTI
を調整することができる。従って、本発明は医療用医薬
品として極めて有用なHUTIを提供することができ
る。
を調整することができる。従って、本発明は医療用医薬
品として極めて有用なHUTIを提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武智 和男 大阪府枚方市招提大谷2丁目1180番地の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 西槙 秀男 大阪府枚方市招提大谷2丁目1180番地の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 成田 修策 京都府福知山市長田野町2丁目11番地 株 式会社ミドリ十字オサダノ工場内 (72)発明者 石川 昭一 京都府福知山市長田野町2丁目11番地 株 式会社ミドリ十字オサダノ工場内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ヒト尿性トリプシンインヒビター含有水
溶液を金属キレート樹脂で処理および/または疎水性担
体で処理することを特徴とするヒト尿性トリプシンイン
ヒビターの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3161828A JP2722140B2 (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | ヒト尿性トリプシンインヒビターの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3161828A JP2722140B2 (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | ヒト尿性トリプシンインヒビターの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059200A true JPH059200A (ja) | 1993-01-19 |
JP2722140B2 JP2722140B2 (ja) | 1998-03-04 |
Family
ID=15742691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3161828A Expired - Fee Related JP2722140B2 (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | ヒト尿性トリプシンインヒビターの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2722140B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR970020116A (ko) * | 1995-09-19 | 1997-05-28 | 노보루 아까사까 | 인간 뇨 트립신 억제제 제제 및 그의 제조방법 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03176499A (ja) * | 1989-12-04 | 1991-07-31 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 人尿トリプシンインヒビターの精製方法 |
JPH04193894A (ja) * | 1990-11-27 | 1992-07-13 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 入尿トリプシンインヒビターの精製方法 |
-
1991
- 1991-07-02 JP JP3161828A patent/JP2722140B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03176499A (ja) * | 1989-12-04 | 1991-07-31 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 人尿トリプシンインヒビターの精製方法 |
JPH04193894A (ja) * | 1990-11-27 | 1992-07-13 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 入尿トリプシンインヒビターの精製方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR970020116A (ko) * | 1995-09-19 | 1997-05-28 | 노보루 아까사까 | 인간 뇨 트립신 억제제 제제 및 그의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2722140B2 (ja) | 1998-03-04 |
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