JP2004244348A - パプトグロビンの精製法 - Google Patents

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浩明 藤田
Takashi Sato
隆 佐藤
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Abstract

【課題】簡単な操作によりアルブミン等が混在する蛋白質を効率よく分離することができる実用的なハプトグロビンの精製法の提供。
【解決手段】洗浄緩衝液のpHを5.0〜5.4に調製するという比較的簡単な操作だけで、ハプトグロビンの活性収率の低下を極力抑制しながらアルブミン等の混在蛋白質の含有率を大幅に低減することに成功した。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルブミン等の混在蛋白質を含有するヒト血漿由来のハプトグロビン含有水溶液から簡単な操作により効率よく混在蛋白質を除去するハプトグロビンの精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬として用いられるヒト血漿由来の蛋白質には種々のものがあるが、それらは生理活性の分離、副作用の抑制などの観点から、いずれもできる限り精製されたものであることが望ましい。
ハプトグロビンは分子量8万5千〜40万の血漿蛋白質であり、血中に遊離しているヘモグロビンと特異的に結合して複合体を形成し、代謝経路である肝臓に運ばれる。しかしハプトグロビンの量が遊離のヘモグロビン量よりも少ないと、遊離ヘモグロビンが血漿中に存在することになり、その結果としてヘモグロビン血症やヘモグロビン尿症などを引き起こす。火傷、輸血、外科手術の際には、溶血により大量の遊離ヘモグロビンが組織や血中に生成してくるので、それによって引き起こされるヘモグロビン血症やヘモグロビン尿症の予防、治療のためには、ハプトグロビンの投与が有効である。
【0003】
これまでに、ハプトグロビンの精製法としては、血漿の硫安画分を強陰イオン交換体とpH5.5附近で接触させ、ついで同じpHの緩衝液で洗浄した後、塩溶液で溶離する方法(特許文献1)、コロイド珪酸処理法(特許文献2)、固定化ヘパリン処理法(特許文献3)などが知られている。
特許文献1では、リバノール処理や硫安処理と強陰イオン交換体を用いて、好ましくはpH5.5、イオン強度0.01〜0.08の低イオン濃度緩衝液を少量用いて洗浄し、続いてイオン強度0.25〜0.35、pH4.5〜8.5、好ましくはpH5.5の緩衝液で溶出することにより精製が行われている。
特許文献2では、吸着剤としてシリカゲル軽量無水珪酸、ケイ藻土、酸性白土、ベントナイト、カオリン、珪酸アルミン酸、マグネシウムなど、好適には軽質無水珪酸を用いて精製が行われている。
特許文献3には、固定化ヘパリンを用いるアフィニティー・クロマトグラフィーにより精製した後、pH7に調整したハプトグロビン溶液を弱陰イオン交換体であるDEAE−デキストランに接触させ、pH7の緩衝液で洗浄、塩溶液溶出を行う精製法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開昭50−77516号公報
【特許文献2】特開昭63−17899号公報
【特許文献3】特開平8−92287号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記特許文献1に記載の方法では、ハプトグロビンとアルブミンおよびビタミンD結合蛋白との分離が不十分である。特許文献2に記載の方法も、操作が煩雑なうえ夾雑物との分離も不十分である。特許文献3は、ヘパリンカラムという特殊且つ高価な装置を使用しなければならないので、工業的製造法としては必ずしも有利な方法ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ハプトグロビンの精製において精製度を向上させるために種々の研究を重ねた結果、pH6〜8に調製された弱陰イオン交換体にハプトグロビン含有水溶液を接触させ、ついでpH5.0〜5.4に調製された緩衝液で洗浄するという比較的簡単な操作を行うことにより、ハプトグロビンの活性収率の低下を極力抑制しながら、混在蛋白質、特にアルブミンの含量を著しく減少させることができることを知見し、さらに研究を重ねて本発明を完成させた。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)ヒト血漿由来のハプトグロビンおよび混在物を含有する水溶液をpH6〜8に調整し、弱陰イオン交換体にハプトグロビンを吸着させ、ついでpH5.0〜5.4に調製された緩衝液で洗浄した後、塩含有水溶液でハプトグロビンを溶出させるハプトグロビンの精製法、
(2)緩衝液が、1.5〜8mSの電導度を有するものである(1)記載のハプトグロビンの精製法、
(3)緩衝液が、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液又はリン酸緩衝液である(1)または(2)記載のハプトグロビンの精製法、および
(4)塩含有水溶液が10mS以上の電導度を有するものである(1)〜(3)のいずれかに記載のハプトグロビンの精製法、である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の原料として用いられるハプトグロビンおよび混在物を含有する水溶液は、血漿由来、細胞培養由来、遺伝子工学的産物由来等のいずれでも良い。ヒト血漿由来の場合は、α−およびβ−グロブリン画分、コーン低温エタノール分画法の第IV、IV−1、IV−4等の各沈澱画分から調製することができる。
本発明に使用することができる弱陰イオン交換体としては、ハプトグロビンに対して親和性を示す不溶性の有機合成ポリマーの弱陰イオン交換体が挙げられるが、他の蛋白質及び混在物に比してハプトグロビンの選択的吸着と脱着のために適当な弱陰イオン交換体は当業者によって容易に選択できる。
例えばDEAE(ジエチルアミノエチル基)交換基を持つ不溶性担体、具体的には、DEAE−A800(チッソ(株))、DEAE−TOYOPEARL 650(C)(東ソー社)、DEAE−FF(アムシャムファルマシア社)、フラクトゲル EMD DEAE−650(M)(メルク社)等が好適な例として挙げられる。特に担体サイズの小さいもので、そのポアサイズが大きいものが好ましい。
【0009】
原料ハプトグロビン含有水溶液を負荷する前に、弱陰イオン交換体は、緩衝液により平衡化しておくのが良い。平衡化に用いる緩衝液は特に限定されないが、好ましいものとしては、リン酸系、トリス系緩衝液が例示され、濃度は10〜30mM、好ましくは15〜25mM、pHは6〜8、好ましくは6.5〜7.5、電導度は1〜4mS程度のものが好適に使用される。
【0010】
このようにして調製された弱陰イオン交換体に、ヒト血漿由来のハプトグロビン含有水溶液が接触させられる。接触させるハプトグロビン含有水溶液中のハプトグロビンの濃度は通常0.1〜20単位/mL、好ましくは1〜15単位/mLである。
また、ハプトグロビン含有液と弱陰イオン交換体の使用割合は、弱陰イオン交換体1cmに対し、ハプトグロビン含有液1〜7単位程度が好ましい。
ハプトグロビン含有液と弱陰イオン交換体の接触温度は、通常0〜37℃である。この操作により溶液中のハプトグロビンおよび他の蛋白質の一部が弱陰イオン交換体に吸着される。この操作に続いて、イオン交換体をpH5.0〜5.4、好ましくは5.0〜5.2、電導度を1.5〜8mS、好ましくは2.5〜6mSに調製された緩衝液で洗浄する。この操作により、ハプトグロビン溶出の犠牲が少なく、混在する蛋白質、特にアルブミンを高率に溶出除去することができる。
この洗浄液としては、酢酸系、クエン酸系又はリン酸系緩衝液が好ましく使用され、さらにこれらの緩衝液は塩化ナトリウム等の塩類の適量を含んでいてもよい。
【0011】
緩衝液の洗浄に続いて、塩溶液によるハプトグロビンの溶出が行われる。塩としては、通常塩化ナトリウムが好適に使用される。塩溶液の電導度は、10mS以上、好ましくは15〜30mSである。この溶出操作は、通常0〜37℃で行われるが、2〜10℃の低温で行うのが好ましい。
精製や製剤化には、従来公知の方法を組み合わせて有利に実施することが好ましい。
【0012】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
実施例1
常法に従い、ヒト血漿由来のコーン定温エタノール分画法により分画したIV−4沈澱画分を4%PEG溶液で処理し、硫安分画処理を行った。得られた沈殿物をグリシン加リン酸バッファー(グリシン15w/v%、リン酸ナトリウム20mM)に溶解し、ウイルス不活化の為の加熱処理(60℃、10時間以上)を行い、限外濾過装置によりグリシンを除いた。このようにして得られたハプトグロビン含有水溶液を原料として用いた。
このハプトグロビン含有水溶液25mLを、20mMリン酸緩衝液でpH7.0、電導度2.7mSに調整した弱陰イオン交換体(DEAE−A800、チッソ(株)製)のカラム40cmに、4℃の温度下に加えた。ついで、20mM酢酸ナトリウム加20mM塩化ナトリウム、電導度4.0mS、pH5.4、に調整した緩衝液600mLで洗浄を行った。
その後、4℃、130mM塩化ナトリウム、電導度13.9mSの塩溶液80mLでハプトグロビンを溶出させた。
【0013】
実施例2及び3
実施例1と同様の操作により、原料ハプトグロビン含有水溶液を弱陰イオン交換体に負荷し、洗浄用緩衝液のpHを、それぞれ5.2(実施例2)および5.0(実施例3)とした以外は実施例1と同一条件で洗浄操作を行った。
後処理も実施例1と同様に行い、それぞれハプトグロビン溶出液を得た。
【0014】
比較例1及び2
洗浄液のpHを7.0(比較例1)及び4.8(比較例2)とした以外はすべて実施例1と同様に操作して、ハプトグロビン溶出液を得た。
【0015】
試験例1
実施例1〜3と比較例1、2の画分の活性収率およびハプトグロビン(Hp)とアルブミン(alb)の量比を測定した。
活性収率は迅速定量法(ヘモグロビン結合能試験)により測定した。また、ハプトグロビン(Hp)とアルブミン(alb)の量比[alb/(Hp+alb)]は、各サンプルのSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、デンシトメトリー:ATTO Densitograph software library, Lane & spot Analyzer ver.6, Lane Analyzer ver.3 Macintosh版(アトー(株))で取り込んで算出した。
結果を表1に示した。
【0016】
【表1】
Figure 2004244348
【0017】
実施例1〜3で得られたハプトグロビンは比較例1で得られたものに比してハピトブロビンの活性収率はそれほど低下せず、アルブミンの混在率が大幅に減少している。比較例2で得られたハプトグロビンは、アルブミンの混在率は低いものの、ハピトブロビンの活性収率もかなり低下した。
実施例2および3は、特にアルブミン混在率が低く、且つハプトグロビン活性収率も高いので、極めて実用に適したものである。
【0018】
【発明の効果】
従来の陰イオン交換体を用いるハプトグロビンの精製は負荷するハプトグロビン液のpHと、洗浄する緩衝液のpHを同程度のものとしていたため、混在蛋白質、特にアルブミンが残存し、充分な精製を行うことができなかった。
本発明においては、洗浄緩衝液のpHを5.0〜5.4に調製するという比較的簡単な操作により、ハプトグロビンの活性収率の低下を極力抑えながらアルブミン等混在蛋白質をより効率よく分離することに成功した。

Claims (4)

  1. ヒト血漿由来のハプトグロビンおよび混在物を含有する水溶液をpH6〜8に調整し、弱陰イオン交換体にハプトグロビンを吸着させ、ついでpH5.0〜5.4に調製された緩衝液で洗浄した後、塩含有水溶液でハプトグロビンを溶出させるハプトグロビンの精製法。
  2. 緩衝液が、1.5〜8mSの電導度を有するものである請求項1記載のハプトグロビンの精製法。
  3. 緩衝液が、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液又はリン酸緩衝液である請求項1または2記載のハプトグロビンの精製法。
  4. 塩含有水溶液が10mS以上の電導度を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載のハプトグロビンの精製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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