JPH059171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ゴム胴に対して少なくとも第１板胴
と第２版胴を有する２色以上の多色刷オフセツト
印刷機におけるインキユニツトの着脱装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、多色刷オフセツト印刷機における第２イ
ンキユニツトの着脱装置としては、第７図に示し
た如くゴム胴ａに対して第２版胴ｂを有する第２
インキユニツトｃをスライドさせて着脱する構成
のものと、第８図、第９図に示した如く、第２イ
ンキユニツトｃの偏心軸ｄを、インキフレーム
ｅ，ｅに架設した偏心軸ｆを中心として所望角度
回転させ、本機フレームｇに支点軸ｈにて枢着し
た第２インキユニツトｃを、その支点軸ｈを中心
に揺動させて着脱する構成のものが知られてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述従来のインキユニツト着脱
装置は、例えば米国特許第7860577号明細書に開
示されている第１０図に示した如き自動版圧機構
ｉを備えた印刷機には適用できない。

即ち、上記自動版圧機構ｉを備えた場合、上述
従来装置でインキユニツトｃを着脱するには、図
示のリンクｊと弾撥力伝達アームｋを連結してい
るピンｌを着脱し、第２インキユニツトｃをスラ
イドさせるか、又はピンｌを偏心させて操作側と
反操作側を夫々回転させて着脱させることが必要
であり、機構が複雑になるだけでなく、着脱に時
間がかゝる問題点がある。

又、２色刷オフセツト印刷機において、１色
（単色）印刷を行う場合、第２インキユニツトｃ
にはインキを入れない為、ゴムローラーが発熱
し、該ゴムローラーが摩耗するのを防止する為
と、枚葉印刷機においては、各胴に切欠部を有す
る為、各胴の回転により、切欠部によつて機械的
シヨツクが生じ、このシヨツクにより高級印刷物
では、印刷面に濃淡（シヨツク目）があらわれる
ことを防止する目的で、第２インキユニツトｃを
離脱するが、上述従来装置ではゴムローラー保護
及びシヨツク目防止を行うことができない問題点
もある。

本考案は上述従来の問題点に鑑みて検討の結
果、自動版圧機構を備えた２色等、多色刷オフセ
ツト印刷機に適用できて、かつ簡易な構成によ
り、ゴム胴に対する第２インキユニツトの着脱
を、自動版圧機構の版圧解除を要せずして容易
に、しかも短時間に行い得るようにしたオフセツ
ト印刷機におけるインキユニツト着脱装置を提供
しようとするのが、その目的である。

〔問題点を解決する為の手段〕

即ち本考案は、ゴム胴に対して第１版胴と第２
版胴等を有する多色刷オフセツト印刷機における
インキユニツト着脱装置において、本機フレーム
は第２版胴を有する第２インキユニツトを支点軸
を中心として揺動可能に支持すると共に、操作軸
を回転操作可能に架設して、その両端に夫々カム
を固定し、該カムの回転により、上記ゴム胴に対
して第２インキユニツトを着脱可能なるよう自動
版圧機構の弾撥力伝達アームをバネ力に抗して揺
動可能に、同アームに上記カムを係合して構成
し、上述問題点を解決したのである。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

先ず、図示した２色刷印刷機は、第１図ないし
第６図に示したように、本機のフレーム１，２間
に、ゴム胴３と、圧胴４と、第１版胴５を備え、
上記第１版胴５とインキング装置６とで第１イン
キユニツト７が形成されている。

上記第１インキユニツト７に対する第２インキ
ユニツト８は、インキフレーム９，１０に架設し
た版胴軸１１にベアリング１２を介在して回転自
在に支持した第２版胴１３と、インキング装置１
４とで形成されている。

上記第２インキユニツト８は、インキフレーム
９，１０に固定した支点フレーム１５を介して本
機のフレーム１，２に支点軸１６，１７にて、同
支点軸１６，１７を中心として、ゴム胴３に対し
て第２版胴１３が着脱（接離）する方向へ揺動可
能に軸支されている。

又、本機のフレーム１，２間には操作軸１８が
回転自在に架設させてあり、該操作軸１８の両端
にはカム１９，２０が夫々固定させてある。

上記操作軸１８は回転操作し易いように、その
端部を多角形部１８ａに形成して、例えがＴ型ボ
ツクスレンチ等の工具で回転操作するようにして
ある。

上記カム１９，２０は、これを操作軸１８にて
回転することによりゴム胴３に対して第２インキ
ユニツト８を離脱可能に自動版圧機構２１，２２
の弾撥力伝達アーム２３，２４を揺動可能に係合
させてある。

こゝで、上記自動版圧機構２１，２２は、第１
図ないし第３図、又は第４図に夫々例示したもの
等を使用することができる。

即ち、第１図ないし第３図に示す自動版圧機構
２１，２２は次のように構成されている。

上記版胴軸１１の端部に夫々設けられている偏
心軸２５，２６に夫々リンク２７，２８の一端が
回転自在に外装され、該リンク２７，２８の他端
を、本機のフレーム１，２に植設したスタツド２
９，３０に揺動自在に枢支した上記弾撥力伝達ア
ーム２３，２４の一端にピン３１，３２にて回転
可能に枢着させてある。

上記弾撥力伝達アーム２３，２４の他端にはピ
ン３３，３４を夫々植設してネジ３５，３６の一
端を回動可能に連結してある。

又、上記本機のフレーム１，２にはブロツク３
７，３８がネジ３９にて固定させてあり、該各ブ
ロツク３７，３８に設けた貫通孔３７ａ，３８ａ
に上記ネジ３５，３６を摺動可能に貫通し、その
突出端部にナツト４０，４１を螺合した後、ロツ
クナツト４２，４３を螺着させてある。

又、上記ネジ３５，３６に固定したバネ受け４
４，４５と、上記ブロツク３７，３８に両端を支
持して、上記各ネジ３５，３６には圧縮バネ４
６，４７が外装させてあり、該圧縮バネ４６，４
７のバネ力により各ネジ３５，３６を介して弾撥
力伝達アーム２３，２４に第１図においては反時
計回り方向へ、第２図においては時計回り方向へ
回転力を付勢することで、リンク２７，２８を介
して第２版胴１３にゴム胴３に対する版圧を弾撥
付勢させてある。

又、上記第２インキユニツト８は、上記支点軸
１６，１７と、上記自動版圧機構２１，２２によ
つて本機のフレーム１，２に揺動可能に支持され
ている。

こゝで、ゴム胴３と第２版胴１３の隙間は、予
め所定間隔に設定されるが、この所定間隔にゴム
胴３と第２版胴１３を合わせるには、上記ナツト
４０，４１を螺動させ、上記間隔に調整した後、
ロツクナツト４２，４３でロツクするようにして
ある。

又、第２版胴１３へ巻装する版（図示せず）は
種々の厚さがあり、基準版よりも厚い版を巻装す
ると、ナツト４０，４１がブロツク３７，３８よ
り小量だけ離間し、ゴム胴３と第２版胴１３の適
切な圧力が得られなくなり、第２版胴１３が微動
し印刷障害を起す。

そこで、版の厚さが変わる毎に、ゴム胴３と第
２版胴１３の隙間を変更するのは面倒であるの
で、上述のように圧縮バネ４６，４７を介在さ
せ、版の厚さが僅かな違いであれば、無調整で所
定の版圧が得られるように自動版圧機構２１，２
２は形成されている。

又、上記弾撥力伝達アーム２３，２４の先端部
は正面略Ｙ字形状に形成することにより突起部２
３ａ，２４ａが突設してあり、該突起部２３ａ，
２４ａの側面を上記カム１９，２０が当接して押
圧することにより、弾撥力伝達アーム２３，２４
はスタツド２９，３０を支点として第１図では時
計回り方向に、第２図では反時計回り方向へ回転
し、リンク２７，２８を介して第２版胴１３は支
点軸１６，１７を中心として揺動し、ゴム胴３よ
り離脱する。

又、上記操作軸１８は、直接操作レバー（図示
せず）を設けるか、又は左右のカム１９，２０を
連動可能にソレノイド（図示せず）等を設けて操
作盤等からの電気信号により作動するようにして
も良い。

第４図は公知の自動版圧機構２１，２２を本案
に採用した場合を示す。

かゝる場合は、本機のフレーム１，２に架設し
た操作軸１８のカム１９を図において時計回り方
向へ回転することにより、ピポツトスタンド２９
を中心に弾撥力伝達アーム２３を反時計回り方向
へ回転し、第２インキユニツト８が支点軸１６を
中心に揺動して第２版胴１３をゴム胴３から離脱
するよう形成される。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るオフセツト印
刷機におけるインキユニツト着脱装置は構成した
から、操作軸１８によりカム１９，２０を回転す
るだけの容易な操作によつて簡単、かつ短時間に
ゴム胴３に対して第２インキユニツト８を着脱し
て、多色刷と単色刷の切換えを容易に行うことが
できると共に、自動版圧機構２１，２２の版圧を
解除することなく、該自動版圧機構２１，２２の
弾撥力伝達アーム２３，２４を上記カム１９，２
２にて揺動してゴム胴３から第２インキユニツト
８を離脱するようにしたので、上記自動版圧機構
２１，２２を備えた印刷機に適用でき、かつ単色
印刷時における第２インキユニツト８の投げ込み
ゴムローラーの摩耗及び各胴の切欠部により生じ
るシヨツク目等の印刷障害を防止できる等の効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るオフセツト印刷機におけ
るインキユニツト着脱装置の実施例を示す主要部
の操作側の側面図、第２図は同実施例における主
要部の反操作側の側面図、第３図は第１図、第２
図における−線矢視展開断面図、第４図は自
動版圧機構の他の使用例を示す側面図、第５図、
第６図は同実施例を備えた２色刷印刷機における
第２インキユニツト着脱状態の各略示側面図、第
７図は従来のインキユニツト着脱装置の略示側面
図、第８図、第９図は従来の他のインキユニツト
着脱装置における第２インキユニツト着脱状態を
示す各側面図、第１０図は従来のインキユニツト
着脱装置を備えた場合の自動版圧機構の説明図で
ある。 １，２……本機のフレーム、３……ゴム胴、５
……第１版胴、８……第２インキユニツト、１３
……第２版胴、１６，１７……支点軸、１８……
操作軸、１９，２０……カム、２１，２２……自
動版圧機構、２３，２４……弾撥力伝達アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゴム胴３に対して第１版胴５と第２版胴１３等
   を有する多色刷オフセツト印刷機におけるインキ
   ユニツト着脱装置において、本機フレーム１、２
   に第２版胴を有する第２インキユニツト８を支点
   軸１６，１７を中心として揺動可能に支持すると
   共に操作軸１８を回転操作可能に架設してその両
   端に夫々カム１９，２０を固定し、該カムの回転
   により、上記ゴム胴に対して第２インキユニツト
   を着脱可能なるよう自動版圧機構２１，２２の弾
   撥力伝達アーム２３，２４をバネ力に抗して揺動
   可能に、同アームに上記カムを係合してなること
   を特徴とするオフセツト印刷機におけるインキユ
   ニツトの着脱装置。