JPH059159U - 回転電機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 温度上昇の低い、しかも温度上昇にバラツキ
のない高品質の回転電機を提供する。 【効果】 発熱体である鉄心の表面を局部的に外部へ露
出し、かつフレームの開口部と鉄心表面とを溶接固着す
ることにより、鉄心表面の直接冷却と、鉄心〜フレーム
フィン間の伝熱抵抗を小さく、かつそのバラツキを殆ど
でないようにすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考察は、外周に放熱フィンを有する回転電機の冷却構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

外周に放熱フィンを有する回転電機の従来例を図面を用いて説明する。図５ において、１は鋼板を積層してなる円筒状の固定子鉄心、２は固定子鉄心へ挿入 されたコイル、３は放熱フィン３ａを設けたフレーム、４はフレーム３の両端に 設置したブラケット、５は回転子、６は回転子５を保持するシャフト、７はシャ フト６をブラケット４に回転自在に保持するためのベアリングである。８はブラ ケットより突出したシャフト端６ａに嵌着固定した冷却扇、９は冷却扇カバーで フレーム３の表面に冷却風を導く。

【０００３】 図６は、図５ＩＩ−ＩＩ部の要部断面を示す。固定子鉄心１は、フレーム３の 内周面に嵌合設置されている。また、この種の冷却構造としては、例えば実開昭 ５０−７０４０７が知られている。この冷却構造は、図７に示すように内側円筒 体１０と、この内側円筒体１０の外周部に嵌合される外側円筒体１１とからなり 、この外側円筒体１１に複数個の一部破断された放熱用押し出し突起１１ａを設 けた鋼板製フレームから成る構成となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の放熱フィン付回転電機では、固定子鉄心１及びコイル２の発 生熱の伝達が、固定子鉄心とフレーム３間の接触熱抵抗により阻害され、回転電 機温度上昇をまねき、さらに製造過程において固定子鉄心１とフレーム３との接 触熱抵抗のバラつきから、回転電機の温度上昇にもバラつきを生じ、品質も安定 しないという問題点があった。

【０００５】 また、公知例に示される冷却構造においても同様に、固定子鉄心１と内側は円 筒体１０間、さらにこの内側円筒体１０と外周円筒体１１間には二重の嵌合接触 熱抵抗が存在するため、固定子鉄心１から外側円筒体１１までの熱伝達が阻害さ れ温度上昇が高くなる問題もある。

【０００６】 本考案は、かかる従来の問題点を解消するためになされたもので温度上昇の低 い、しかも温度上昇にバラツキのない高品質の回転電機を提供することを目的と する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

固定子鉄心の外周部に、ルーバ状の放熱のフィンと開口部を設けた鋼板製筒 状フレームを嵌着溶接する。

【０００８】

【作用】

以上のように構成したことにより、発熱体である鉄心の表面を局部的に外部 へ露出し、かつフレームの開口部と鉄心表面とを溶接固着することにより、鉄心 表面の直接冷却と、鉄心〜フレームフィン間の伝熱抵抗を小さく、かつそのバラ ツキを殆どでないようにすることができる。

【０００９】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示したもので、その構成の中で従来例にて示した ものと同様のものは同一の図番を付し詳細な説明は省略する。図において、３は フレームであり、フレーム３には複数箇所の打抜き成形してなるルーバ状の放熱 フィン３ａ及び開口部３ｂを設けてある。

【００１０】 図２は、図１Ｉ−Ｉ部の要部断面を示したものである。開口部３ｂは、固定子 鉄心１の外周面１ａで塞がれており、前記開口部３ｂの縁３ｃの全周は、固定子 鉄心外周面１ａとスミ内溶接により固着されている。

【００１１】 図３は、鋼板を回転電機の回転軸方向にルーバ状にプレス抜きしたものを円筒 状に成形して成るフレーム３の外観例を示したものである。図４は、固定子鉄心 外周面１ａとフレーム開口部の縁３ｃとの溶接状況例の要部を斜視図で示したも のである。

【００１２】 このように構成することによって次のような効果が得られる。発熱体である固 定子鉄心１の外周面１ａを局部的に外部へ露出させ、ルーバ状に打抜かれた開口 部３ｂと前記外周面１ａは溶接により固着されているので、鉄心１からの伝熱抵 抗は極めて小さくなり鉄心露出面からと放熱フィレ３ａからの放熱効果が向上し 、回転電機の温度上昇が低減する。しかも溶接により鉄心１とフレーム３が確実 に固着できるため、熱抵抗のバラつきも殆どでなくなる。

【００１３】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、固定子鉄心の外周部に、ルーバ状の放熱フ ィンと開口部を設けた鋼板製筒状フレームを前記開口部を鉄心外周面で塞ぐ如く 設置し、該鉄心と溶接固着させることにより、放熱抵抗が極めて小さくなり、し かもそのバラつきも殆どなくなるので、温度上昇が低く、品質の高い回転電機が 得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す回転電機の上半部分断
面図。

【図２】図１Ｉ−Ｉ部の要部断面図。

【図３】本考案フレーム単体の外観斜視図。

【図４】フレームと鉄心の溶接状況例の要部の斜視図。

【図５】従来例を示す回転電機の上半部分断面図。

【図６】図５II−II部の要部断面。

【図７】他の従来例の回転電機上半部分断面図。

【符号の説明】

１…固定子鉄心、 １ａ…外周面、２…コ
イル、 ３…フレーム、３ａ…放熱フィ
ン、 ３ｂ…開口部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転子をとり巻くように配置された円筒
   の固定子鉄心と、この固定子鉄心の外周部に嵌着溶接さ
   れる外被円筒体とからなり、この外被円筒体に複数箇所
   の打抜きを成形してなるルーバ状のフィン及び開口部を
   設けた鋼板製フレームを備えた回転電機。
2. 【請求項２】 ルーバ状のフィン及び開口部を回転軸に
   平行とし、しかも前記開口部を固定子鉄心外周面により
   塞ぐ如く設置した請求項１記載の回転電機。