JPS585408Y2 - 回転電機の固定子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は回転電機の固定子、特にその通風構造の改良
に関するものである。

従来、この種の回転電機、例えば全閉性扇形電動機の固
定子として第１図ないし第３図に示すものがあった。

図において、１はフレーム、２はフレーム１に形成され
軸方向の内部通風溝３を有する波状突起部であり、うす
鋼板を波状に屈曲成形し両端の接合部２ａが溶接等で封
着される。

４はフレーム１の内周に装着され波状突起部２の底部に
接し、軸方向に積層された固定子鉄心、５は固定子鉄心
４の軸方向の中間部に複数個形成された径方向に延びる
通風ダクトであり、複数個のダクトピース６が放射状に
配置され、内周側がら外周側へ向う径方向の通風路が形
成されている。

７はフレーム１の両側に装着されたブラツケット、８は
両ブラツケット７，７の軸受部に支承された回転軸、９
はこの回転軸８に固着され、固定子鉄心４の内周に空隙
を介して対向した回転子鉄心、１０は回転子鉄心９にあ
けられた複数個の軸方向通風孔、１１は回転子鉄心９に
形成され、内部通風溝１０と連通した径方向の通風ダク
ト、１２は回転子鉄心９の一方側において回転軸８に固
着された内部ファン、１３はフレーム１の一方側に装着
された外扇カバー、１４は外扇カバー１３に内蔵された
回転軸８に装着された外部ファンである。

回転軸８が回転すると、外部ファン１４によって外扇カ
バー１３を経て、フレーム１の波状突起部２相互間に形
成された外部通風溝に外気が送られる。

一方、内部ファン１２の回転によって、フレーム１と両
ブラケット７．７とで形成された内部空間を内気が一周
し、固定子鉄心４やコイル等を冷却する。

また、回転子鉄心９の回転に伴って、軸方向通風孔１０
を通る内気は、通風ダク） １１．５を経てフレーム１
の軸方向内部通風溝３へ送られ固定子鉄心４等を冷却す
る。

従来の回転電機は以上のように構成されており、内部で
発生した熱の大部分は固定子鉄心４と接したフレーム１
内周や内部通風溝３から、フレーム１のうすい壁部を介
し波状突起部２の外表面から放散され、外部ファン１４
からの外気によって熱交換される。

しかし、第２図に示されるように、内部通風溝３の数に
比べて固定子鉄心のダクトピース６の数が多い場合は、
Ａ部のようなフレーム１の内周壁によって通風ダクト５
が外方に対して塞がれる。

このため、内部の循環が妨げられて冷却作用が十分に行
えないという欠点があった。

この考案は上記のような従来のものの欠点を除去するた
めになされたもので、フレームに、固定子鉄心の通風ダ
クトに連通ずると共に、軸方向の内部通風溝相互間を連
通ずる通風溝を形成することにより、内気が固定子鉄心
の通風ダクトを容易に通過、でき、冷却効果を増大でき
る回転電機の固定子を提供するものである。

以下、この考案の一実施例を第４図、第５図について説
明する。

図において、２１はフレーム１に形成され波状突起部２
，２相互間を連通した周方向突起部、２２はこの突起部
２１内に形成され固定子鉄心４の外周に位置し、上記固
定子鉄心の通風ダクト５に沿ってフレームの内部通風溝
３，３相互間を連通ずる周方向通風溝である。

なお、上記周方向突起部２１は波状突起部２と共にプレ
ス等で成形される。

その他の構成は従来と同様であるから説明を省略する。

以上のように固定子鉄心の通風ダクト５はその外周に沿
って形成された周方向通風溝２２を介して、軸方向の内
部通風溝３に連通している。

このため、通風ダクト５を通った内気はすべて径方向に
送られ、周方向通風溝２２、内部通風溝３を経て回転電
機内部を循滅することができる。

上述の構成では、フレーム１はうす板で形成され、波状
突起部２のプレス成形時に周方向突起部２１もプレス成
形しうるので、成形作業に余分な手間がかからない。

なお、フレーム１はうす板組外に厚鋼板又は鋳造品で形
成してもよい。

また、外部ファン１４をなくして全閉自冷形に構成して
もよく、内部ファン１２も設けなくてもよい。

以上のようにこの考案によれば、フレームに、固定子鉄
心の通風ダクトに沿って軸方向の内部通風溝相互間を連
通ずる通風溝を形成したので、上記通風ダクトの一部が
フレームの内周壁により通風が妨げられず、上記通風ダ
クトを通る内気は、上記内部通風溝を経て回転電機内部
を容易に循環でき、更に冷却効果が増大される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の全閉形回転電機で、一部を断面で示す縦
断面図、第２図は第１図のＩＩ −ＩＩ線における断面
図、第３図は従来のフレームの波状突起部の一部断面を
示す平面図、第４図はこの考案の一実施例による回転電
機固定子の一部断面を示す斜視図、第５図は第３図の■
−ｖ線断面図である。 図中、１はフレーム、２は波状突起部、３は軸方向の内
部通風溝、４は固定子鉄心、５は通風ダクト、２１は周
方向突起部、２２は周方向通風溝である。 なお、図中同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）径方向に延びる通風ダクトが軸方向に沿って複数
   個形成された固定子鉄心と、この固定子鉄心の外周に装
   着され、上記通風ダクトに連通ずる軸方向の内部通風溝
   が形成された波形フレームとを備えた回転電機の固定子
   において、上記フレームに、上記固定子鉄心の通風ダク
   トに連通し、かつ上記フレームの内部通風溝相互間を連
   通ずる周方向通風溝を形成したことを特徴とする回転電
   機の固定子。
2. （２）フレームの波状突起部は鋼板を屈曲形成してなる
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の回転電機の固定子
   。