JPS6321177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は回転電気、特にその冷却用通風路の
改良に関する。

従来の回転電機は第１図に示す構造となつてい
た。図において、１は発電機の固定子鉄心、２は
固定子コイル、３は固定子クランパ、４は回転
軸、５は回転子鉄心、６は回転子コイル、７は回
転子クランパ、８は固定子鉄心１を回転子鉄心５
の外周面に対向して保持するフレーム、９は回転
子鉄心５の内部に設けられた複数の軸方向通風
路、１０は上記軸方向通風路９に連通しかつこの
軸方向通風路９から放射方向外方に延びて回転子
鉄心５に設けられた複数の放射方向通気ダクト、
１１は固定子鉄心１にその内周面から放射方向に
延びて設けられた放射方向通気ダクトで、上記回
転子鉄心５の放射方向通気ダクト１０に対応した
位置に設けられている。１２は固定子鉄心１の放
射方向通気ダクト１１に連通して固定子鉄心１と
フレーム８との間に設けられた軸方向通風路、１
３はフレーム８の固定子鉄心支承部外においてそ
の上半部の一部に設けられた、空気の如き適当な
冷却媒体をフレーム８内に吸入するための吸気
口、１４は固定子鉄心１とフレーム８との間にか
つ上記軸方向通風路１２と吸気口１３との間に設
けられて、軸方向通風路１２と吸気口１３とが直
接連通するのを防止する制風板、１５は回転軸４
に取付けられた冷却フアンである。

冷却フアン１５により吸気口１３を通してフレ
ーム８内に導入された冷却風は第１図に矢印で示
すように、固定子コイル２のコイルエンドおよび
回転子コイル６のコイルエンドを冷却した後、回
転子鉄心５の軸方向通風路９内へと流れ込み、回
転子鉄心５および固定子鉄心１の放射方向通風ダ
クト１０，１１を通過して軸方向通風路１２へ導
かれ、冷却フアン１５により矢印で示すように外
部へ排出される。

しかして、従来の制風板１４は通風口を有しな
い完全な盲板となつていたため、吸気口１３を通
して吸入された冷却風は固定子コイル２のコイル
エンドの上半部および回転子コイル６のコイルエ
ンドを冷却した後、すぐに回転子鉄心５の軸方向
通風路９に流入し、固定子コイル２のコイルエン
ドの下半部にまでは冷却風が流れにくい欠点があ
つた。

この考案はこのような従来のものの欠点を除去
するためになされたもので、吸気口から遠去かつ
た位置に通気口を有する制風装置を従来の盲板の
制風板に代えて使用することにより固定子コイル
を均等に冷却し得るようにした回転電機を提供す
ることを目的とする。

以下この考案の一実施例を第２図および第３図
について説明する。第２図において、１乃至１５
は制風板１４を除いて第１図のものと同じであ
る。また、１６はこの考案による制風装置として
の制風板であつて、本実施例では吸気口１３がフ
レーム８の上部に設けられているため、第３図に
示すように、制風板１６の上半部は盲板にする一
方、吸気口１３から遠去かつた位置、即ち下半部
に通気口１６１，１６２，１６３を設けている。
なお各通気口は、吸気口１３から遠去かつた位置
にあるものほど、その開口面積が大きくなるよう
にされている。また、１７は制風板１６の環状支
持体である。

このような構成の制風板１６を従来の制風板１
４に代えて使用することにより、吸気口１３を通
して吸入された冷却風は、一部は従来と同様に固
定子コイル２のコイルエンドの上半部と回転子コ
イル６のコイルエンドを冷却した後、回転子内部
へ流入するが、他の一部は矢印で示すように固定
子コイル２のコイルエンドの下半部に向けて流れ
てこれを冷却し、その後制風板１６の下半部に設
けられた通気口１６１，１６２，１６３を通つて
軸方向通風路１２に流入して固定子鉄心１とフレ
ーム８を冷却した後、外部に排出される。従つ
て、固定子コイル２のコイルエンドは上半部、下
半部の区別なく均等に冷却され、より有効な冷却
効果が得られる。

制風板１６の通気口は、第３図に示すように複
数個設ける場合には、吸気口１３から遠去かつた
位置にあるものほど、即ち第２図および第３図に
おいては下部に設けられるものほど開口面積を大
きくして通風量が多くなるように形成することに
より固定子コイル２のコイルエンドを一層均等に
冷却することができる。

また、制風板１６には、第３図に示すように、
その内、外周部に等間隔に設けられた取付穴１６
４があるので取付位置をずらすだけで容易に通風
路の微調整を行なうことができる。

なお、以上の実施例では制風装置を一枚の制風
板として示したがこれは複数の板状部材からなる
分割形式にしても良い。更に第４図に示すように
独立した適当な大きさのセグメント１８１乃至１
８５を適当な間隔で環状支持体１７に固定して各
セグメント間に通気口１８６乃至１９０を形成す
ることにより制風装置を構成しても良い。また、
制風装置の通気口の数、形状、大きさ等は種々の
条件に応じて適宜選定しうるものである。また、
制風板１６の上半部（即ち吸気口１３に近い位
置）にも必要に応じて通気口を設けることもでき
るがその場合には下半部のものより開口面積が小
さくなるように構成することはいうまでもない。
吸気口１３はフレーム８の上半部以外の例えば側
部あるいは底部に設けてもよいが、その場合には
制風装置の通気口の位置をずらせて、吸気口１３
から遠去かつた位置で開口するようにすれば同様
な効果が得られる。

また、上記実施例では回転電機として発電機を
示したが電動機であつても良く、この考案は回転
電機一般に適用しうることが明らかである。

以上のようにこの考案によれば、フレームの軸
方向通風路と吸気口との間に吸気口から遠去かつ
た位置に通気口を形成した制風装置を設けること
により、固定子コイルが均等に冷却され、温度上
昇限界による機器の出力にも余裕が得られを効果
が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転電機の軸方向断面図、第２
図はこの考案の一実施例による回転電機の軸方向
断面図、第３図はこの考案の主要部を構成する制
風装置の一例を示す縮小正面図、第４図は制風装
置の他の例を示す縮小正面図であり、図中１は固
定子鉄心、５は回転子鉄心、８はフレーム、９，
１２は軸方向通風路、１０，１１は放射方向通気
ダクト、１６は制風板、１６１，１６２，１６
３，１８６〜１９０は通気口である。なお、図中
同一符号は同一または相当部を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部を軸方向に延びた複数の軸方向通風路と
   この軸方向通風路に連通しかつこの軸方向通風
   路から放射方向外方に延びた複数の放射方向通
   気ダクトとを有する回転子鉄心、内周面から放
   射方向外方に延びた複数の放射方向通気ダクト
   を有する固定子鉄心、この固定子鉄心を上記回
   転子鉄心の外周面に対向して支承すると共に、
   上記固定子鉄心の各放射方向通気ダクトに連通
   しかつ軸方向に延びた軸方向通風路を上記固定
   子鉄心の周囲に形成するフレーム、このフレー
   ムの固定子鉄心支承部外に設けられた冷却媒体
   導入用の吸気口およびこの吸気口と上記固定子
   鉄心の周囲に形成された軸方向通風路との間に
   おいて上記フレームと上記固定子鉄心との間に
   設けられ、上記吸気口から遠去かつた位置に通
   気口を有する制風装置を備えたことを特徴とす
   る回転電機。 (2) 吸気口をフレームの上半部に設け、通気口を
   制風装置の下半部に設けたことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の回転電機。 (3) 制風装置に通気口を複数個設け、各通気口は
   吸気口から遠去かるに従つてその開口面積を大
   きくしたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の回転電機。 (4) 制風装置は通気口を有する一枚の制風板で構
   成したことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の回転電機。