JPH05912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は静電複写機、同プリンタなど静電転
写プロセスを利用する画像形成装置に関するもの
である。

（従来技術と解決すべき課題） 像担持体表面感光層に形成した可転写のトナー
像を、紙を主とするシート状の転写材に転写し、
ついでこの転写材を定着部位に搬送し、この位置
で、トナー像とこれを担持する転写材に圧力ない
しは圧力と熱を加えて、該トナー像を転写材に定
着固定するように構成した画像形成装置は従来か
ら周知である。

このような画像形成装置は、いつぱんに、像担
持体を中心とする画像形成部位と、トナー像を転
写材に定着させる定着部位とに大別して構成され
ており、装置の安定性、原稿の装脱の容易性、作
動時の安定性などの観点から、装置の使用状態に
おいては、これら両部位をおおむね水平方向に配
置し、これに沿つて、転写材が、画像形成部位か
ら定着部位にむかつてほぼ水平方向に搬送される
ように構成してあるのが普通である。

一方、近来この種の装置は小型化の傾向が進み
携帯自在のものが提案されるようになつてきてい
るが、このような場合、不使用時に載置するさい
には、そのためのスペースを小さくし、重心位置
の関係から、またトナーの寄りを防止するため
に、前述のような画像形成装置では、定着機構側
を下にして縦方向に置くように装置を構成するの
が好ましい。

しかしながら、このようにすると、定着機構部
分には、よく知られているように、加熱手段が配
されたものがひろく使用されており、このような
場合には、定着部位が200℃程度まで昇温せしめ
られるので、不使用時、上述のような方向で載置
すると、定着部位で発生する熱が上昇して画像形
成部位を加熱し、感光体や現像剤の特性に悪影響
を与え、以後作成されるコピーの画質を劣化させ
るおそれがあつた。

本考案はこのような事態に対処すべくなされた
ものであつて、携帯可能の小型の画像形成装置に
おいて、これを縦方向に置いても定着部位の熱が
画像形成部位が加熱することがなく、常に良質の
画像を安定して得られるような画像形成装置を提
供することを目的とするものである。

(2) 考案の構成 （課題を解決する技術手段、その作用） 上記の目的を達成するために、本考案において
は、前述のような、画像形成部位と、定着部位と
を具備した画像形成装置において両者の間にシヤ
ツタ部材を配設し、使用時には該シヤツタ部材が
転写材の搬送に寄与するとともに、不使用時には
該部材が定着部位と画像形成部位との間を遮断し
て下方にある定着部位近傍の加熱空気が上昇して
画像形成部位に達するのを阻止するように構成し
たことを特徴とするものである。

このように構成することによつて、画像形成装
置不使用時にも感光体や現像剤に悪影響を与える
ことがない。

（実施例の説明） 第１図は本考案を複写機に適用した実施例を示
す概略側面図であつて、被複写原稿は画像形成装
置１０の筐体頂面に置くものとし、不図示の光
源、光学系を介して該原稿の光像が、回転円筒状
に形成された感光体１ａの表面に投写されて静電
潜像が形成され、ついでこの潜像にトナーが供給
されて現像される。

一方、携帯時の把手を兼ねる給紙台１０ａから
供給された転写紙は搬送路２をとおつて進行し、
感光体に当接してその表面のトナー像が転写紙に
転写せしめられ、ついでトナー像を担持したこの
転写紙は搬送路３をとおつて、互に圧接する一対
のローラを有する定着部位に至り、両ローラのニ
ツプ部をとおつてトナー像が転写紙に固定された
のち装置外に排出される。

前記画像形成部位１には、周知のように、感光
体１ａの周辺に主帯電器１ｂ、露光部位１ｃ、現
像器１ｄ、転写帯電器１ｅ、クリーニング装置１
ｆなどが配置されているが、これらは本考案には
直接関係がないので、それらについての説明は省
略する。

このような構成の複写機において、本考案にお
いては、前記搬送路３と定着ローラ対６との間に
シヤツタ部材５を配設してある。

該シヤツタ部材は、第１図に示す使用状態にお
いては、同図のように方向づけられて転写紙の搬
送路の一部を形成している。

第２図、第３図はシヤツタ部材の作動を示す拡
大図であつて、第２図は、第１図と同様複写機使
用時におけるシヤツタ部材の姿勢を示す。

第１図に示すように、定着ローラ対６は隔壁４
によつて囲繞されており、その一部、搬送路３の
延長方向位置に開口Ｓが形成してあつて、該開口
部に前記シヤツタ部材５が揺動自在に配設されて
いる。

シヤツタ部材５は、第２図から判るように、転
写紙の進行方向にみた断面がほぼＴ字状に形成さ
れており、そのひとつの脚部にウエイトＷが取着
してある。したがつて同図に示す使用時には、該
脚部が隔壁部４ｂに当接する位置で安定して転写
紙の搬送に寄与する。

複写機を使用せず、把手１０ａを把持して持ち
上げ移動し、さらにそのまま適所に収納する場合
を考えると、このとき複写機は、定着ローラ対６
が下方になる姿勢をとることになる。

第３図はこのときのシヤツタ部材の振舞いを示
すものである。前述のように複写機の姿勢を変え
ることは、第１図に示す姿勢から複写機を90°反
時計方向に回動することになるから、これにとも
なつて、シヤツタ部材５は、ウエイトＷの存在に
よつて、隔壁部４ａ，４ｂに対して、第２図の位
置から第３図の位置に相対回動して開口Ｓを閉塞
することになる。

なお、隔壁部４ａ，４ｂとシヤツタ部材５とを
第２図に示すように関係配置することにより、該
部材が反時計方向にのみ回動可能であり、かつ回
動にさいして、その端部が定着ローラ対６から離
れるようにのみ動くようにできるので、ローラ対
６を損傷することはない。

このように、定着部分が下になるように立てる
とシヤツタ部材が開口Ｓを閉じるので高温の空気
が直接感光体１ａ、現像器１ｄなどを昇温させる
ことがなく、感光層やトナーの特性に悪影響を与
えることがない。

(3) 考案の効果 本考案は以上説明したように、画像形成部位と
これから転写材を搬送されてトナー像を定着固定
する定着部位とを備えた画像形成装置において、
これを、定着部位を下方にして置く場合、その載
置動作によつて、自動的に定着部位が画像形成部
位と遮断されるので、定着部位近傍の高温空気が
画像形成部位部に悪影響を及ぼすことがなく、長
期にわたつて安定して良質の画像を得ることがで
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を複写機に適用した実施例を示
す側面図、第２、第３図はシヤツタ部材の作動を
示す要部の拡大側面図である。 １……画像形成部位、２，３……搬送路、４…
…定着部位、５……シヤツタ部材、６……定着ロ
ーラ対。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 画像形成部位と、画像形成後これから搬送され
   る転写材のトナー像を定着する定着部位とを具備
   する画像形成装置において、 前記定着部位を下にして該画像形成装置を載置
   したときに、前記定着部位と前記画像形成部位と
   を熱的に遮断するシヤツタ部材を設けてなる画像
   形成装置。