JPH0591001U

JPH0591001U - 誘電体共振器

Info

Publication number: JPH0591001U
Application number: JP3794492U
Authority: JP
Inventors: 毅遠藤; 克治安田; 稔高谷
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1992-05-11
Filing date: 1992-05-11
Publication date: 1993-12-10
Anticipated expiration: 2007-05-11
Also published as: JP2585865Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】急峻な共振特性が得られ、かつ所望の特性が得
やすい小型の誘電体共振器提供する。【構成】誘電体１の内部に積層構造により複数本の伝送
線路用導体２ａ、２ｂを埋設し、各導体２ａ、２ｂ間に
接地電極３ｂを埋設して１つのチップ内に独立した複数
個の共振器を構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高周波用の電圧制御発振器やフィルタ等を構成する誘電体共振器に関する。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

誘電体共振器は、例えば自動車電話等の移動用無線機器、あるいは携帯電話等の各種無線機器、またはこれらに組み込まれる電圧制御発振器やフィルタ等の構成部品として広く用いられている。このような誘電体共振器は、従来、円筒形に加工した誘電体セラミックに伝送線路用導体を塗布または電気めっきして形成することにより作製していた。

【０００３】このような誘電体共振器において、急峻な共振特性を得るには複数個の共振器を外付けコンデンサを介して組合わせる必要があり、このため、全体のサイズが大型になるという問題点があった。

【０００４】本考案は、上記問題点に鑑み、急峻な共振特性が得られ、かつ所望の特性が得やすい小型の誘電体共振器提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、本考案は、誘電体の内部に積層構造により複数本の伝送線路用導体を埋設し、各導体間に接地電極を埋設して１つのチップ内に独立した複数個の共振器を構成したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案の誘電体共振器は、上述の構造を有するものであって、複数個の共振器が導体間に介在する接地電極により隔離された形で一体に形成される。

【０００７】

【実施例】

図１（Ａ）は本考案による誘電体共振器の一実施例を周囲の側面電極を付ける前の状態で示す斜視図、（Ｂ）は側面電極を付けた状態で示す斜視図、（Ｃ）はその等価回路図である。また、図２（Ａ）、（Ｂ）はそれぞれ図１（Ａ）、（Ｂ）のＥ−Ｅ、Ｆ−Ｆ断面図である。

【０００８】図１（Ａ）において、１はセラミックでなる誘電体、２ａ、２ｂは伝送線路となる導体、３ａ〜３ｃは接地電極であり、導体２ａ、２ｂおよび接地電極３ａ〜３ｃは銅、銀、あるいは銀−パラジウム等によりなり、誘電体１と共に印刷法あるいはシート法により積層し、焼成して形成される。導体２ａ、２ｂは、積層構造の異なる高さに形成され、かつ水平位置を異ならせて形成されている。これらの導体２ａ、２ｂは、図１（Ａ）の中間製品においては、矩形に形成される誘電体１の同じ側面に各導体２ａ、２ｂの一端を露出させ、各導体２ａ、２ｂの他端を反対側の面に露出させている。これらの導体２ａ、２ｂの長さは、共振周波数の波長の１／４の長さに形成される。

【０００９】中間の接地電極３ｂは前記導体２ａ、２ｂの間に形成され、上下の接地電極３ａ、３ｃはこれらと中間の接地電極３ｂとの間に導体２ａ、２ｂが挟まるように形成される。また、これらの接地電極３ａ〜３ｃは、図１（Ａ）の中間製品においては、図２（Ａ）、（Ｂ）にも示されているように、その各４辺のうち、導体２ａ、２ｂの後述の入出力端子電極４ａ、４ｂとの接続側端部が露出した側面以外の３面に各３辺を露出させて形成される。

【００１０】図１（Ｂ）に示すように、誘電体１の１側面には、前記導体２ａ、２ｂの一端にそれぞれ接続される入力端子電極４ａ、出力端子電極４ｂを焼付けまたは電気めっきにより形成し、他の３側面に前記接地電極３ａ〜３ｃおよび導体２ａ、２ｂの他端に接続される接地端子電極５を焼付けや電気めっきにより形成している。これらの端子電極４、５も銅、銀あるいは銀−パラジウム等により形成される。

【００１１】図１（Ｃ）に示すように、この誘電体共振器は、おおよそ、導体２ａ、２ｂがインダクタンスＬ₁、Ｌ₂成分を形成し、導体２ａと接地電極３ａ、３ｂとその間の誘電体１とで容量Ｃ₁成分を形成し、導体２ｂと接地電極３ｂ、３ｃとその間の誘電体１とで容量Ｃ₂成分を形成する。６は端子電極４ａ、４ｂ間に外付けされるコンデンサであるが、図１（Ｂ）においては図示していない。

【００１２】この共振器は印刷法またはシート法により、下層から順次所定の厚み毎に複数枚分積層後、これを焼成し、１個分ごとに切断することにより、図１（Ａ）に示す中間製品を得、その後、端子電極４ａ、４ｂ、５を焼付けあるいは電気めっきして図１（Ｂ）に示す製品とする。

【００１３】このように、導体２ａ、２ｂが中間の接地電極３ｂにより隔離された積層構造とすることにより、導体２ａ、２ｂを伝送線路とする２個の独立した共振器を、１つのチップで小型に実現することが可能となる。また、２個の共振器は、外付けされるコンデンサ６で結合することにより、急峻な共振特性のものを得ることができる。また、２個の共振器は、それぞれ導体２ａ、２ｂ間に介在させる中間の接地電極３ｂにより隔離されるから、導体２ａ、２ｂ間の信号の伝播は少なく、それぞれ独立に設計できるから、目的とする特性を容易に得ることができる。また、本考案において、上下の接地電極３ａ、３ｃは表裏面に露出した構造としてもよいが、本実施例においては、接地電極３ａ、３ｃを誘電体層により覆っているので、接地電極３ａ、３ｃの腐食を防止でき、しかもこの腐食防止構造が、共振器作製のための印刷法やシート法による一連の工程で容易に実現できる。

【００１４】本考案において、伝送線路用導体の本数は３本以上としてより急峻な共振特性のものを得ることも可能である。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、誘電体の内部に積層構造により複数本の伝送線路用導体を埋設し、各導体間に接地電極を埋設して１つのチップ内に独立した複数個の共振器を構成したので、外付けコンデンサでこれらの共振器を結合することにより、小型で共振特性の急峻なものを得ることが可能となる。また、１つのチップ内に形成される複数個の共振器がその間に介在する接地電極により隔離されるので、設計が容易であり、所望の特性のものを容易に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本考案による誘電体共振器の一実施例
を中間製品の状態で示す透視図、（Ｂ）は本実施例の全
体構成を示す斜視図、（Ｃ）はその等価回路図である。

【図２】（Ａ）、（Ｂ）はそれぞれ図１（Ａ）、（Ｂ）
のＥ−Ｅ、Ｆ−Ｆ断面図である。

【符号の説明】

１誘電体２ａ、２ｂ導体３ａ〜３ｃ接地電極４ａ入力端子電極４ｂ出力端子電極５接地端子電極６外付けコンデンサ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】誘電体の内部に積層構造により複数本の伝
送線路用導体を埋設し、各導体間に接地電極を埋設して
１つのチップ内に独立した複数個の共振器を構成したこ
とを特徴とする誘電体共振器。