JPH059098B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は超音波診断装置に関する。

(ロ) 従来技術 一般に生体内で反射された超音波を受波して得
られるエコー信号は生体内の音響特性を反映して
いる。すなわち、超音波は生体の音響特性インピ
ーダンスの差に応じて反射され、また送受波の路
程において各組識により組識特有の吸収減衰を受
ける。従つて、超音波の反射波を受波することに
より得られるエコー信号を輝度変調の画像信号と
して表示器に出力すれば画面上には上記音響特性
の差がこれに対応した輝度の差とて表われる。つ
まり、画像のコントラストが生体組識の音響特性
を反映している。このように画像のコントラスト
は診断を適確に行なうために重要である。ところ
で、超音波診断時には表示部の画面上に表示され
た部位のうち、さらに特定の細部についての情報
を得たい場合がある。ところが限られた特定領域
の部分では音響インピーダンスが互いに近似して
いることが多く特定領域に限れば一般にコントラ
ストが小さいので診断が困難である。このため表
示された画像のうちからさらに細部について観察
すべき特定の領域を“関心領域”として選定する
一方、その関心領域内での画素とこれに対する輝
度とのヒストグラムに基づいてコントラストが最
良となるようにエコー信号強度に対応して表示器
の輝度を調整する手法がある。これはルツクアツ
プテーブルメモリを設け、エコー信号をこのルツ
クアツプテーブルメモリに通すことにより実現で
きる。ところが、従来の装置はルツクアツプテー
ブルが１つだけ設けられているので、表示器にエ
コー信号を出力するときには全ての信号がこのル
ツクアツプテーブルを介されるので画面全体のコ
ントラストが調整されてしまう。このため、表示
画像の関心領域以外の部分は輝度が飽和して逆に
コントラストがなくなり関心領域との相関が把み
にくくなるという不具合を生じる。

(ハ) 目的 本発明は上述の問題点を鑑みてなされたもので
あつて、画像の関心領域内とその領域以外の部分
とが互いに独立した最適のコントラストを有する
ことができるようにすることを目的とする。

(ニ) 構成 本発明はこのような目的を達成するため、探触
子からのエコー信号を画像信号として記憶する単
一個の画像メモリに、画像の関心領域を識別する
識別信号を記憶する識別用ビツトを設け、また、
この画像メモリと表示器との内には画像の輝度を
調整するルツクアツプテーブルメモリを複数個設
け、画像メモリの上記識別用ビツトに記憶された
識別信号によりルツクアツプテーブルメモリを切
換えるようにしている。

(ホ) 実施例 以下、本発明を実施例について図面に基づいて
詳細に説明する。

第１図は本発明の超音波診断装置のブロツク構
成図である。同図において、１は超音波診断装
置、２は超音波を被検体に送波するとともに、被
検体からのその反射波を受波し、この反射波に対
応したエコー信号を出力する探触子、４は探触子
２を駆動し、また探触子２から出力されるエコー
信号を増幅、波形整形処理する超音波送受波回
路、６は超音波送受波回路４から出力されるエコ
ー信号をデジタル化するＡ／Ｄ変換器、８はＡ／
Ｄ変換器６でデジタル化されたエコー信号を画像
信号として入力して記憶する単一個の画像メモリ
である。この画像メモリ８の各記憶エリアのアド
レスは後述の表示器１２の各画素のアドレスにそ
れぞれ対応づけられている。さらに、画像メモリ
８の各記憶エリアにはそれぞれ画像の関心領域内
の部分であるか否かを識別する識別信号を記憶す
る識別用ビツト（図示せず）が設けられている。
１０はＤ／Ａ変換器、１２は画像メモリ８に記憶
された画像信号をＡ／Ｄ変換器１０を介して入力
して画像表示する表示器である。この表示器１２
と画像メモリ８との間には画像メモリ８に記憶さ
れたエコー信号の強度に対応して表示器１２上の
画像の輝度を調整するルツクアツプテーブルメモ
リ１４ａ，１４ｂが複数（本例では２つ）設けら
れている。また、１８は画像メモリ８へのエコー
信号の読み込み、読み出しを制御するメモリアド
レス制御回路、１６は超音波送受波回路４、画像
メモリ８、メモリアドレス制御回路１８およびル
ツクアツプテーブルメモリ１４ａ，１４ｂの各動
作を制御する中央制御回路（以下CPUと略称す
る）である。

次に上記構成を有する超音波診断装置１の各部
の一連の動作について説明する。

超音波送受波回路４がCPU１６からの制御信
号を受けると、超音波送受波回路４は探触子２に
駆動信号を出力する。探触子２はこの駆動信号に
より振励されて被検体へ超音波を送波する。被検
体内部から音響特性インピーダンスの差によつて
反射されたその反射波は再び探触子２に受波され
対応した電気信号に変換される。この電気信号は
エコー信号として探触子２から超音波送受波回路
４に出力される。超音波送受波回路４はエコー信
号を入力するとこのエコー信号を増幅、波形整形
処理してこれをＡ／Ｄ変換器６を介してデジタル
信号化した後画像メモリ８へ送出する。一方、
CPU１６がメモリアドレス制御回路１８に制御
信号を出力すると、メモリアドレス制御回路１８
は画像メモリ８の記憶エリアのアドレスを指定す
るので、画像メモリ８には超音波送受波回路４か
らＡ／Ｄ変換器６を介して入力されるエコー信号
が順次所定の記憶エリアに画像信号として記憶さ
れる。

関心領域を指定する前に、まず診断像をそのま
ま表示器１２に表示する必要があるが、その際、
画像メモリ８に設けられた各識別用ビツトには
CPU１６により全て“１”（又は全て“０”）の
識別信号Soが格納されている。従つてCPU１６
が画像メモリ８に記憶された画像信号を読み出す
ときには、識別用ビツトの識別信号Soにより１
つのルツクアツプテーブルメモリたとえば１４ａ
のみ出力可能状態に設定される。そして、このル
ツクアツプテーブルメモリ１４ａに画像信号が入
力されると、この画像信号が表示器１２上で所定
の輝度を示すようにデータ変換され、たとえば１
６階調程度のコントラストに編成し直される。ル
ツクアツプテーブルメモリ１４ａを通過した画像
信号はＤ／Ａ変換器１０でアナログ化された後、
表示器１２に出力される。

このようにして表示された診断画像のうちか
ら、関心領域を指定してその関心領域内でのコン
トラストをより鮮明にしたい場合には次のように
行なう。まずCPU１６により第２図に示すよう
に表示器１２の画面上での関心領域ROIを指定す
る。これは関心領域ROI内ある各画素にそれぞれ
対応する画像メモリ８のアドレスそCPU１６で
指定することにより行なわれる。従つて、画像メ
モリ８の各識別用ビツトにはそれが関心領域ROI
内に存在するならたとえば“１”の識別信号がま
た、関心領域ROI外ならば“０”の識別信号がそ
れぞれ記憶される。また、CPU１６は画像メモ
リ８から関心領域ROI内に存在する画像信号を読
み出し、この関心領域ROI内のエコー強度分布を
作成する。さらにCPU１６は得られたヒストグ
ラムに基づき関心領域ROI内の画像のコントラス
トが最良となるよう一方のルツクアツプテーブル
メモリ１４ｂの輝度変調の変換テーブルを書き変
える。続いて画像メモリ８の画像信号をCPU１
６が読み出すときには識別用ビツトに記憶された
“１”又は“０”の識別信号Soも同時に読み出さ
れる。そして、この識別信号Soがルツクアツプ
テーブルメモリ１４ａ，１４ｂに入力されると、
両者のうちの一方のルツクアツプテーブルメモリ
１４ａ，１４ｂのみが出力可能状態に設定され
る。つまり識別信号Soに応答してルツクアツプ
テーブルメモリ１４ａ，１４ｂが切り換えられ
る。従つて、関心領域ROI内の画像信号は全て一
方のルツクアツプテーブルメモリ１４ｂにより画
面上で所定と輝度を示すように調整され、また関
心領域ROI以外の部分の画像信号は他方のルツク
アツプテーブルメモリ１４ａにより関心領域ROI
の指定前の同じ輝度を示すように調整される。そ
して、それぞれのルツクアツプテーブルメモリ１
４ａ，１４ｂから出力される画像信号はＤ／Ａ変
換器１０でアナログ化されたのち表示器１２に出
力される。このため、表示器１２の一画面上に関
心領域ROIと、それ以外の部分とがそれぞれ独立
したコントラストで表示される。

(ヘ) 効果 以上のように本発明によれば画像メモリに関心
領域から否かを識別する識別信号を記憶する識別
用ビツトを設けるとともに、画像メモリと表示器
との間には画像のコントラストを調整するルツク
アツプテーブルメモリを複数設け、上記識別用ビ
ツトに記憶した識別信号によりルツクアツプテー
ブルメモリを切換えるようにしたので関心領域内
とそれ以外の部分とをそれぞれ独立したコントラ
ストで一つの画面上に表示できるようになる。従
つて、関心領域内の部位とそれ以外の部位との間
の相関関係を把握することが容易となりより適確
な診断が行なえるようになるという優れた効果が
発揮される。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は本発明
の超音波診断装置のブロツク構成図、第２図は表
示器上の表示画像を示す図である。 １……超音波診断装置、２……探触子、８……
画像メモリ、１２……表示器、１４ａ，１４ｂ…
…ルツクアツプテーブルメモリ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 探触子から出力されるエコー信号を画像信号
   として記憶する単一個の画像メモリと、この画像
   メモリに記憶された前記画像信号を入力して画像
   表示する表示器とを備えた超音波診断装置におい
   て、 前記単一個の画像メモリには画面上の関心領域
   内の部分か否かを識別する識別信号を記憶する識
   別用ビツトを設けるとともに、この画像メモリと
   表示器との間には画像の輝度を調整するルツクア
   ツプテーブルメモリを複数個設け、画像メモリの
   前記識別用ビツトに記憶された識別信号によりル
   ツクアツプテーブルメモリを切換え、関心領域内
   とそれ以外の部分とをそれぞれ独立したコントラ
   ストで画像表示できるようにしたことを特徴とす
   る超音波診断装置。