JPH058988U - 電子機器の筐体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ガイドレール間の別段の間隔調整作業を行わな
くともガイドレール間にプリント配線板を滑かに挿入で
き、しかもこのガイドレールを案内としてプリント配線
板をコネクタ接続できる電子機器の筐体の提供。 【構成】プリント配線板43を案内する一対のガイドレー
ルのうちの一方のガイドレール41が筐体の所定位置に固
定され、他方のガイドレール42はガイド穴37の範囲でガ
イドレール41に近接離間する方向にスライド自在とさ
れ、かつガイドレール42は弾性部材29によりガイドレー
ル41に向けて押圧されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プリント配線板がガイドレールに案内されてコネクタ接続される電 子機器の筐体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図７及び図８にこの種の従来の電子機器の筐体を示す。

【０００３】 筐体１は、複数のコネクタ３が上下方向に配列されたコネクタ取付板５、この コネクタ取付板５にねじ６で固定された上下一対の取付金具７，７、この取付金 具７，７間にねじ８で固定された左右一対のレール保持板９，９とで構成されて おり、レール保持板９，９には、相対向させるようにして、ガイドレール11，11 が設けられている。そして、プリント配線板13は、その左右両側縁がガイドレー ル11，11で案内されて筐体１内に収納され、プリント配線板13の先端に設けられ たコネクタ15がコネクタ３に接続される構成となっている。

【０００４】 尚、プリント配線板13の基端側角部にはイジェクタ17が設けられており、プリ ント配線板13の筐体１への挿抜の際にはこのイジェクタ17を用いることにより、 無理のない力でコネクタ15とコネクタ３との着脱を行える。

【０００５】 この従来の筐体１によると、ガイドレール11，11で案内させてプリント配線板 13のコネクタ15をコネクタ３に円滑に接続させるためには、プリント配線板13を 保持する一対のガイドレール11，11の間隔をプリント配線板13をガタツキのない 状態で保持でき、かつ、プリント配線板13を滑かに挿入できる適正な間隔とする 必要がある。

【０００６】 ところが従来の筐体１では、コネクタ取付板５、取付金具７、レール保持板９ の製造、組立誤差のため、単に組立てるのみでは、ガイドレール11，11の間隔を 適正な間隔とすることが困難であった。

【０００７】 そのため従来は、ねじ８が挿入される取付金具７の穴部を長穴とし、レール保 持板９を取付金具７に仮止めした状態でプリント配線板13をガイドレール11，11 間に挿入してガイドレール11，11の間隔を調整し、その後にねじ８を締め付けて レール保持板９を取付金具７に固定する構成としていたが、この方法だとガイド レール11，11の間隔調整に工数がかかるため、筐体１の量産が困難になるという 不具合があった。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上述の如く、従来の電子機器の筐体では、筐体組立時に、一対のガイドレール が適正な間隔となるように調整作業を行う必要があり、この調整作業に工数を要 していた。

【０００９】 本考案はこのような従来の欠点に鑑みてなされたものであり、別段の間隔調整 作業を行うことなく、プリント配線板を滑かに挿入してコネクタ接続できる間隔 にガイドレールを位置付けられる電子機器の筐体を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案では、プリント配線板の両側縁を案内する一対のガイドレールとこのガ イドレールに案内された前記プリント配線板の先端側が接続されるコネクタとを 有する電子機器の筐体において、前記一対のガイドレールのうちの一方のガイド レールは所定位置に固定され、他方のガイドレールは前記一方のガイドレールに 対して近接離間する方向に所定範囲移動自在とされるとともに弾性部材により前 記一方のガイドレールに向けて付勢された構成となっている。

【００１１】

【作用】

本考案では、プリント配線板の両側縁を保持する一対のガイドレールは、一方 が所定位置に固定され他方は弾性部材により一方に向けて付勢されているので、 プリント配線板をコネクタに接続し得る所定位置において、適度な力で挟持でき る。従って、この一対のガイドレールを案内としてプリント配線板を滑かに筐体 に挿入できコネクタに接続することができる。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１乃至図６を参照して詳述する。

【００１３】 図１乃至図３は第１の実施例を説明する図であり、図１は電子機器の筐体を示 す正面図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図３はガイドレールのスライド構造を 説明する筐体の要部斜視図である。

【００１４】 本考案に係る電子機器の筐体21は、図１及び図２に示す如く、コネクタ取付板 23、上下一対の取付金具25，25、取付金具25，25の左端側に取り付けられた固定 レール保持板27、取付金具25，25の右端側に取り付けられた移動レール保持板28 、及び板バネ（弾性部材）29より構成されている。

【００１５】 コネクタ取付板23は、上下方向に所定間隔を開けて、複数のコネクタ31が設け られている。また、一対の取付金具25，25は基端がねじ33にてコネクタ取付板23 に固定されており、複数のコネクタ31を間にして対向させられている。

【００１６】 固定レール保持板27は、その両端がねじ34で取付金具25，25に固定されており 、コネクタ31と所定の間隔を開けて位置付けられている。移動レール保持板28は 、その両端にガイドピン35が２本づつ立設されており、図３に示す如く、取付金 具25，25の右端側に設けられた長穴状のガイド穴37にこのガイドピン35が挿入さ れて取付金具25，25に取り付けられている。従って、移動レール保持板28は固定 レール保持板27に近接離間する方向（図１に示す矢印方向）にガイド穴37の範囲 で移動可能となっている。また、板バネ29は、その両端が取付金具25，25にねじ 39で固定されており、移動レール保持板28を固定レール保持板27に向けて常時押 し付けている。

【００１７】 一方、固定レール保持板27には、コネクタ31に対応させて複数のガイドレール （一方のガイドレール）41が設けられ、同様に、移動レール保持板28には複数の ガイドレール（他方のガイドレール）42が設けられており、プリント配線板43は その両側縁がガイドレール41，42に案内されて筐体21内に挿入され、その先端側 に設けられたコネクタ45がコネクタ31に接続される。尚、従来例同様、プリント 配線板43の基端側には、プリント配線板31挿抜用のイジェクタ47が設けられてい る。

【００１８】 筐体21は上記の如き構成となっているので、プリント配線板43をガイドレール 41，42間に挿入すると、このプリント配線板43の横幅に対応してガイドレール42 が移動し、板バネ29の適度の押圧力によりプリント配線板43がガイドレール41， 42で挟持される。従って、プリント配線板43はガイドレール41，42に対してガタ のない状態とされ、しかも、プリント配線板43をガイドレール41，42に対して円 滑にスライドさせることができる。従って、ガイドレール41，42を案内としてプ リント配線板43のコネクタ45をコネクタ31に容易に接続できる。

【００１９】 図４は、ガイドレールのスライド構造の変形例を示すものである。本例では、 ガイド穴37に挿入されるガイドピンとしておねじ35a が用いられており、移動レ ール保持板28はガイド穴37に挿入されたおねじ35a が捩じ込まれることにより取 付金具25，25に取り付けられている。本例の構造によれば、筐体21を輸送するよ うな場合に、おねじ35a を締め付けることにより移動レール保持板28を取付金具 25，25に固定することができ、従って、輸送中の振動で移動レール保持板28が固 定レール保持板27から離れる方向へ移動しプリント配線板43が脱落することを防 止できる。

【００２０】 図５及び図６は本考案の第２の実施例を説明する図である。

【００２１】 本例では、移動レール保持板28a が筐体21a に収納されるプリント配線板43の 数だけ設けられており、夫々の移動レール保持板28a には一個のガイドレール42 が取り付けられている。この移動レール保持板28a の取付構造は次のようになっ ている。

【００２２】 移動レール保持板28a には、一対の取付金具25，25の間隔よりも長いシャフト 51が設けられており、このシャフト51の両端が取付金具25，25に形成されたガイ ド穴37に挿入されることにより、移動レール保持板28a は取付金具25，25にガイ ド穴37の範囲で移動自在に保持されている。また、コネクタ取付板23に立設され たスプリング取付板53に設けられた圧縮スプリング55により、移動レール保持板 28a は固定レール保持板27に向けて押圧されている。尚、夫々の移動レール保持 板28a に設けられているシャフト51は互いに位置をずらされて設けられており、 取付金具25，25にはシャフト51の数に対応する数のガイド穴37が設けられ、夫々 の移動レール保持板28a には、他の移動レール保持板28a のシャフト51を逃げる ための長穴57が形成されている。

【００２３】 本例の筐体21a によれば、夫々のプリント配線板43に対応する移動レール保持 板28a が夫々独立して移動自在となっているので、夫々のプリント配線板43を、 他のプリント配線板43に影響されることなく、良好な状態でガイドレール41，42 で保持させることができる。従って、第１の実施例よりもさらに正確にプリント 配線板43の位置決めをガイドレール41，42で行うことが可能となる。その他の構 成、作用は第１の実施例と同様である。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案の電子機器の筐体では、一方のガイドレールは所定 位置に固定され、他方のガイドレールはプリント配線板の幅に応じて移動自在と されかつ一方のガイドレールに向けて付勢されているので、両ガイドレールによ りプリント配線板を常に適性な位置で保持できる。従って、ガイドレールの間隔 の調整作業を行わなくとも、ガイドレールを案内として確実かつ円滑にプリント 配線板を筐体側のコネクタに接続できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例に係る筐体の正面図。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図。

【図３】ガイドレールのスライド構造を説明する図１に
係る筐体の要部斜視図。

【図４】ガイドレールのスライド構造の変形例を示す斜
視図。

【図５】本考案の第２の実施例に係る筐体の正面図。

【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図。

【図７】従来の筐体の正面図。

【図８】図７のＣ−Ｃ線断面図。

【符号の説明】

21 筐体 29 弾性部材 31 コネクタ 35 ガイドピン 37 ガイド穴 41 一方のガイドレー
ル 42 他方のガイドレール 43 プリント配線板

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 プリント配線板の両側縁を案内する一対
   のガイドレールとこのガイドレールに案内された前記プ
   リント配線板の先端側が接続されるコネクタとを有する
   電子機器の筐体において、前記一対のガイドレールのう
   ちの一方のガイドレールは所定位置に固定され、他方の
   ガイドレールは前記一方のガイドレールに対して近接離
   間する方向に所定範囲移動自在とされるとともに弾性部
   材により前記一方のガイドレールに向けて付勢されてい
   ることを特徴とする電子機器の筐体。