JPH0589514A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JPH0589514A
JPH0589514A JP4070365A JP7036592A JPH0589514A JP H0589514 A JPH0589514 A JP H0589514A JP 4070365 A JP4070365 A JP 4070365A JP 7036592 A JP7036592 A JP 7036592A JP H0589514 A JPH0589514 A JP H0589514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
optical recording
recording medium
layer
softening point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4070365A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3516022B2 (ja
Inventor
Hideki Hirata
秀樹 平田
Toshifumi Tanaka
敏文 田中
Setsuko Shibuya
節子 渋谷
Atsuko Motai
敦子 甕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP07036592A priority Critical patent/JP3516022B2/ja
Publication of JPH0589514A publication Critical patent/JPH0589514A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3516022B2 publication Critical patent/JP3516022B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂製の基板上に、気相成膜法による記録層
やその下地層を設層する場合、高温高湿下に保存したと
きの基板と記録層等との密着性を高める。 【構成】 光記録媒体の基板を、下記化7のくり返し構
造単位を有する環状ポリオレフィン製とし、この環状ポ
リオレフィン中に、アルキルフェノール縮合物の1種以
上を含有させる。 【化7】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録ディスクや
相変化型の光記録ディスク等の各種光記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体のうち、例えば光磁気記録デ
ィスクや相変化型の光記録ディスクなどでは、基板上
に、直接または下地層を介し、各種記録層構成材料をス
パッタリングや蒸着によって成膜している。この際、基
板材料として、ポリカーボネートやポリメチルメタクリ
レート等の樹脂が用いられるが、光学特性や吸水性の点
で満足できない。
【0003】特開昭60−26024号公報、特開平3
−223341号公報等には、光学特性や吸水性の点で
良好な基板材質として、ノルボルネンやデトラシクロド
デセン等のノルボルネン系の環状ポリオレフィンを用い
る旨が提案されている。
【0004】しかし、このものは、気相成膜法による記
録層や下地層との密着性の点で未だ不十分であり、高
温、高湿下で保存すると記録層等が剥離してしまうとい
う不都合があることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、基板と記録層や下地層との密着性が高く、耐湿性が
高く、良好な記録再生特性を与える光記録媒体を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0007】(1) 樹脂製の基板上に、直接または下
地層を介して記録層を有する光記録媒体であって、前記
基板が、下記化3のくり返し構造単位を有する環状ポリ
オレフィンと、アルキルフェノール縮合物の1種以上と
を含有することを特徴とする光記録媒体。
【0008】
【化3】
【0009】(2) 前記アルキルフェノール縮合物が
下記化4の構造をもつ上記(1)に記載の光記録媒体。
【0010】
【化4】
【0011】(3) 前記アルキルフェノール縮合物の
含有量が0.3〜2wt%である上記(1)または(2)
に記載の光記録媒体。
【0012】(4) 前記記録層および/または下地層
が気相成膜法によって形成されたものである上記(1)
ないし(3)のいずれかに記載の光記録媒体。
【0013】(5) 前記基板は、記録層側表層部に、
熱軟化点140℃以下のスキン層を有する上記(1)な
いし(4)のいずれかに記載の光記録媒体。
【0014】(6) 前記基板は、射出成形によって形
成されている上記(5)に記載の光記録媒体。
【0015】(7) 前記軟化点が100〜140℃で
ある上記(5)または(6)に記載の光記録媒体。
【0016】(8) 前記基板は、前記スキン層の熱軟
化点と、この熱軟化点より10℃以上高い第2の熱軟化
点とを有する上記(5)ないし(7)のいずれかに記載
の光記録媒体。
【0017】
【作用】本発明では、上記の環状ポリオレフィンに、1
種以上のアルキルフェノール縮合物を添加した基板を用
いる。これにより、基板と記録層等の密着性が格段と向
上し、高温、高湿下で使用あるいは保存したときにも、
記録層等の剥離は生じない。
【0018】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0019】本発明の光記録媒体1の好適例が図2に示
される。この光記録媒体1は基板2上に記録層3を有す
る光磁気記録ディスクである。
【0020】基板2は、記録光および再生光(600〜
900nm程度、特に700〜800nm程度の半導体レー
ザー光、特に780nm)に対し、実質的に透明(好まし
くは透過率80%以上)な樹脂から形成される。これに
より、基板裏面側からの記録および再生が可能となる。
【0021】基板材質としては、前記化3をくり返し構
造単位とするノルボルネン系の環状ポリオレフィンを用
いる。
【0022】前記化3において、R1 およびR2 は、な
かでも炭化水素残基であることが好ましく、特に、炭素
数1〜5の非置換のアルキル基であることが好ましい。
用いる環状ポリオレフィンは、このような化3のくり返
し単位のなかの同一の単位のみからなるホモポリマーで
あることが好ましいが、R1 、R2 あるいはq の異なる
化3のくり返し単位の複数からなるコポリマーであって
もよい。また、場合によっては、これに加え他の構造単
位、例えばエチレン等を含むコポリマーであってもよ
い。そして、その数平均分子量は、5千〜10万、特に
1万〜4万であることが好ましい。なお、化3におい
て、ハロゲン原子、エステル基、ニトリル基、ピリジル
基は以下において極性基と称することもある。
【0023】このような環状ポリオレフィンは、単量体
として、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルお
よび/またはアルキリデン置換体、例えば、5−メチル
−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボル
ネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2
−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン
等:ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロ
ペンタジエン、これらのメチル、エチル、プロピル、ブ
チル等のアルキル置換体、およびハロゲン等の極性基置
換体:ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキル
および/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等
の極性基置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−
ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−
ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジ
メタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:
5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8
a−オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの
3〜4量体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3
a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ
−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9
−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9
a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H
−シクロペンタアントラセン等を使用し、公知の開環重
合方法により重合して得られる開環重合体を、通常の水
素添加方法により水素添加して製造される飽和重合体で
ある。このような環状ポリオレフィンについては、特開
平3−223341号公報、特開昭60−26024号
公報等に記載されている。この環状ポリオレフィンは、
市販品を用いてもよく、例えば日本ゼオン社製Zeonex 2
80等として市販されているものを用いることができる。
【0024】このような基板2の樹脂には、アルキルフ
ェノール縮合物の1種以上が添加される。アルキルフェ
ノール縮合物としては前記化4で示されるものが好まし
い。
【0025】上記において、R1 は、炭素数3〜30程
度の置換または非置換の直鎖あるいは分岐を有するアル
キル基、アルキルオキシ基またはアルキルカルボニル基
等、特にアルキル基が好ましく、これらが基換基を有す
る場合の置換基としてはヒドロキシ基等が好ましい。
【0026】またAは、置換または非置換のフェニレン
基、ナフチレン基やシクロヘキシレン基等が好ましく、
特に、p−フェニレン基が好ましい。ここで、Aで表わ
されるフェニレン基、ナフチレン基等には、炭素数1〜
10程度の直鎖のあるいは分岐したアルキル基等の置換
基が結合したり、後述の−O−Ln−Yがさらに結合し
たりしていてもよい。
【0027】Lは、アルキレンオキシ基−R2 O−が好
ましい。この場合、R2 は炭素数1〜5程度、好ましく
は1〜3の置換または非置換の直鎖または分岐を有する
アルキレン基であり、これらが基換基を有するときの置
換基としては、ヒドロキシ基等が好ましい。またLは、
低級アルキル基が基換していてもよいエポキシ基であっ
てもよい。アルキルオキシ基またはエポキシ基Lのくり
返し数nは、1〜30程度、特に1〜20の整数であ
る。
【0028】Yは、好ましくは水素、または置換または
非置換の炭素数1〜5程度、特に1〜3の直鎖あるいは
分岐を有するアルキル基であり、このうち、特に、水素
あるいはヒドロキシル基またはカルボキシ基またはその
塩を有するアルキル基が好ましい。また、Y中にはカル
ボニル結合やエーテル結合等が含まれていてもよい。
【0029】このようなアルキルフェノール縮合物の具
体的例を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】これらのアルキルフェノール縮合物を得る
には、通常のノニオン界面活性剤の製法に従って、プロ
ピレンあるいはブチレン等の重合物をフェノールと縮合
した後にエチレンオキサイド等と反応させればよい。こ
の際、プロピレンやブチレン等のかわりに長鎖のオレフ
ィンを用いることもできる。
【0032】本発明で用いるアルキルフェノール縮合物
の分解温度は250℃〜350℃、より好ましくは29
0℃〜340℃(DSC)が好適である。分解温度が、
この範囲未満では成形時にガスが多量に発生してしまっ
たり、基板のガラス転移点が低下してしまう。また、こ
の範囲をこえると、相溶性が悪くなる傾向にある。
【0033】本発明では、基板は、後述の条件で射出成
形されるのが好ましい。そして、アルキルフェノール縮
合物は、基板製造時に用いる射出成形機に充填する樹脂
ペレットに含有させることが好ましい。樹脂ペレットを
射出成形する際、樹脂ペレット中に含有させたアルキル
フェノール縮合物の96%〜100%が基板中に残存す
るので、基板物性の設計を精度よく行なうことができ
る。
【0034】本発明では、アルキルフェノール縮合物の
基板樹脂中の含有量は0.3〜2wt% 、より好ましく
は、0.5〜1.5wt% とするのが好適である。この範
囲未満では本発明の実効が発現せず、この範囲をこえる
と、成形時に、基板中にガスが発生し、光記録媒体の品
質が低下する。
【0035】このような環状ポリオレフィンを用いた基
板2の記録層設層側の表層部には、スキン層が存在し、
このスキン層の熱軟化点は、140℃以下、特に100
〜140℃、より好ましくは100〜135℃、さらに
好ましくは110〜135℃であることが好ましい。熱
軟化点が140℃を越えると密着性が低下してくる。ま
た100℃未満となると、例えば記録層積層時の耐熱性
に問題が生じたり、寸法精度が低下してきたりする。
【0036】この場合、表層部のスキン層の熱軟化点と
は、下記のように測定された温度である。まず、被検基
板の上に針を置いて、5g 程度の荷重を加え、昇温速度
2℃/min 程度で、30℃程度から昇温していって、針
の進入量を測定する。針の断面は直径1mm程度の円柱形
とする。
【0037】このように測定される温度と針進入量との
関係が図1に示される。図1に示されるように、本発明
の基板では、針進入量の温度特性プロファイルにおい
て、第1の屈曲点と第2の屈曲点とが生じる。
【0038】例えば、注型基板や、ある種の射出成形基
板では、針進入量の温度特性には1つの屈曲点しか現わ
れないか、あるいは第1の屈曲点はわずかにしか現われ
ない。また、第1の屈曲点によって生じる1段目の針進
入量は、概ね200μm程度以下である。従って、これ
らから第1の屈曲点は、基板表層のスキン層の軟化点に
由来するものと考えられる。
【0039】そこで、温度特性プロファイルの第1の屈
曲点近傍にて、針進入前の直線部と、1段目の進入時の
直線部との交点をT1 とし、これをスキン層の熱軟化点
1と定義する。そして、本発明では、このT1 を前記
のとおり規制するものである。
【0040】一方、第2の屈曲点近傍においても、1段
目の進入時と2段目の進入時との直線部の交点をT2
し、これを第2の熱軟化点T2と定義する。この第2の
熱軟化点T2 は、基板中心部での熱軟化点であると考え
られる。
【0041】そして、この第2の熱軟化点T2 は、第1
の熱軟化点T1 より10℃以上、より好ましくは10〜
50℃高い温度であり、140℃以上、特に145〜1
80℃の温度であると好ましい。これにより、寸法精度
や機械的特性や耐熱性等がすぐれたものとなる。
【0042】なお、スキン層は、基板表層部断面のSE
M像からも、周囲と色の異なる層として確認でき、その
厚さは、一般に1〜200μm、特に10〜100μm
程度であると考えられる。また、前記の針進入量の温度
特性プロファイルは、TMA(熱機械分析装置、サーモ
メカニカルアナライザー)として市販されている各種装
置、例えばデュポン社製943熱機械分析装置等によっ
て測定すればよい。
【0043】このようなスキン層を形成するには、特に
環状ポリオレフィンを用いて射出成形によって基板を形
成することが好ましい。
【0044】そして、これらは、例えば注型したとき、
前記の第2の熱軟化点T2 をもつものとする。
【0045】射出成形時にスキン層を形成するには、射
出圧を250〜400kg/cm2程度に設定することが好ま
しい。そして、溶融温度は300〜400℃程度、金型
温度は90〜120℃程度とし、その他、保圧や型締力
等は通常の条件とすればよい。
【0046】なお、必要に応じ、基板2の外表面や、外
周面等に酸素遮断性の被膜を形成してもよい。また、基
板2の記録層3形成面には、トラッキング用のグルーブ
が形成されていてもよい。
【0047】図2に示される光磁気記録ディスクにおい
て、基板2上には、下地層としての保護層4、中間層5
を介して記録層3が形成されている。
【0048】中間層5は、C/N比を向上させるために
設けられ、各種誘電体物質から形成されることが好まし
く、その層厚は30〜150nm程度であることが好まし
い。
【0049】また保護層4とともに記録層3の上にも保
護層6を設けることもできる。併用する場合には、保護
層4と保護層6の組成は同一であっても異っていてもよ
い。
【0050】必要に応じて設けられる保護層4および保
護層6は、記録層3の耐食性向上のために設けられるも
のであり、これらは少なくとも一方、好ましくは両方が
設けられることが好ましい。
【0051】これら保護層は、各種酸化物、炭化物、窒
化物、硫化物あるいはこれらの混合物からなる無機薄膜
から構成されることが好ましい。また、保護層4、6
は、上記の中間層材質で形成してもよい。保護層の層厚
は30〜300nm程度であることが耐食性向上の点から
好ましい。
【0052】このような保護層4、6や中間層5は、ス
パッタ、蒸着、イオンプレーティング等の各種気相成膜
法、特にスパッタによって形成されることが好ましい。
【0053】記録層3は、変調された熱ビームあるいは
変調された磁界により、情報が磁気的に記録されるもの
であり、記録情報は磁気−光変換して再生されるもので
ある。
【0054】記録層3は、光磁気記録が行なえるもので
あればその材質に特に制限はないが、希土類金属元素を
含有する合金、特に希土類金属と遷移金属との合金を、
スパッタ、蒸着、イオンプレーティング等、特にスパッ
タにより、非晶質膜として形成したものであることが好
ましい。
【0055】希土類金属としては、Tb、Dy、Nd、
Gd、Sm、Ceのうちの1種以上を用いることが好ま
しい。遷移金属としては、FeおよびCoが好ましい。
【0056】この場合、FeとCoの総含有量は、65
〜85at%であることが好ましい。して、残部は実質的
に希土類金属である。
【0057】好適に用いられる記録層の組成としては、
TbFeCo、DyTbFeCo、NdDyFeCo、
NdGdFeCo等がある。なお、記録層中には、10
at%以下の範囲でCr、Al、Ti、Pt、Si、M
o、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au等が含有
されてもよい。また、10at%以下の範囲で、Sc、
Y、La、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu等の他の希土類金属元素を含有し
てもよい。
【0058】このような記録層3の層厚は、通常、10
〜1000nm程度である。
【0059】このような記録層3や、下地層としての中
間層5をスパッタ等の気相成膜法で設層しても、記録層
3や中間層5の基板2からの膜はがれを効果的に防止す
ることができる。
【0060】保護層6上には、保護コート7が設層され
ることが好ましい。保護コート7は、例えば紫外線硬化
樹脂等の各種樹脂材質から、通常は、0.1〜100μ
m程度の厚さに設層すればよい。保護コート7は、層状
であってもシート状であってもよい。保護コート7は、
特に放射線硬化型化合物および光重合増感剤を含有する
塗膜を放射線硬化したものであることが好ましい。
【0061】また本発明は、この他、いわゆる相変化型
等の記録層を有し、反射率変化により記録・再生を行な
う光記録ディスクにも適用することができる。
【0062】このような記録層としては、例えば、特公
昭54−41902号、特許第1004835号などに
記載のTe−Se系合金、特開昭62−76035号な
どに記載のTe−Ge系合金、特開昭63−56827
号などに記載のTe−In系合金、特願昭61−307
298号、特願昭61−307299号などに記載のT
e−Sn系合金、特開昭58−54338号、特許第9
74257号、特許第974258号、特許第9742
57号などに記載のTe酸化物系、その他各種Te、S
eを主体とするカルコゲン系、Ge−Sn、Si−Sn
等の非晶質−結晶質転移を生じる合金Ag−Zn、Ag
−Al−Cu、Cu−Al等の結晶構造変化によって色
変化を生じる合金、In−Sb等の結晶粒径の変化を生
じる合金などがある。
【0063】これらのいずれの場合も、気相成膜法によ
る下地層や保護層を有していてもよい。
【0064】このように、本発明は気相成膜法、特にス
パッタリングにより、記録層や下地層が設けられてお
り、特に金属の記録層を有する相変化型の光記録ディス
クと、希土類金属元素等の金属を含有する記録層を有す
る光磁気記録に好適である。
【0065】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0066】実施例1 前記化3のくり返し単位を有する環状ポリオレフィンと
して、市販品である日本ゼオン社製Zeonex280 の分子量
29,000の環状ポリオレフィンのペレットを得た。
この環状ポリオレフィンのペレットには下記化5、化6
で表される2種以上のアルキルフェノール縮合物を、化
5:化6の重量比3.2:1でその総含有量を表2のよ
うにかえてサンプルNo. 1〜サンプルNo. 4とした。
【0067】
【化5】
【0068】
【化6】
【0069】これを350℃にて溶融し、金型温度10
0℃、射出圧350kg/cm2で射出成形し、120mm径、
厚さ1.2mmの基板サンプルNo. 1〜サンプルNo. 4を
得た。なおアルキルフェノールの含有量が2.3wt% で
あるサンプルNo. 4は基板内に、ガスムラあとが認めら
れた。
【0070】基板の熱軟化点を、TMAにて下記のよう
に測定した。 針断面:1mm径円柱 荷重:5g 昇温速度:2℃/min
【0071】上記条件にて、針進入量の温度プロファイ
ルを測定し、第1および第2の熱軟化点T1 、T2 を算
出した。表2に使用基板のT1 、T2 を示す。また、こ
の基板のSEM像から、スキン層の厚さは100μm程
度以下であると考えられた。
【0072】この基板上に、ガラス製の保護層を高周波
マグネトロンスパッタにより40nmの層厚に設層した。
この保護層上に、SiNx からなる中間層を高周波マグ
ネトロンスパッタにより層厚80nmに設層した。次に、
この中間層上に、Tb23Fe72Co5 の組成を有する記
録層を、スパッタにより層厚80nmに設層した。
【0073】さらに、この記録層上に、前記保護層と同
組成の保護層を高周波マグネトロンスパッタにより層厚
100nmに設層し、この保護層上に、保護コートを設層
した。なお、保護コートは、オリゴエステルアクリレー
トを含有する紫外線硬化型樹脂を塗布した後、紫外線硬
化して5μm厚の保護膜とし、光記録ディスクサンプル
No. 1〜サンプルNo. 4を得た。
【0074】こうして作製したサンプルNo. 1〜サンプ
ルNo. 4について耐食性試験を行った。すなわち、サン
プルNo. 1〜サンプルNo. 4を温度80℃、湿度85%
RHの条件下で2500時間放置し、基板、積層体間の
状態を目視および光学顕微鏡により観察した。
【0075】これらの状態のうち、全く異常のない場合
を◎、10μm 〜100μm 程度の微小なフクレがごく
わずかに発生した場合を○、またこのフクレが一部にで
はあるが明瞭に発生した場合を△、そして、全面に発生
し、かつハガレも発生した場合を×として評価した。結
果を表2に示す。
【0076】実施例2 実施例1において、アルキルフェノール縮合物の含有量
が、0wt% および1.2wt% であるサンプルNo. 1とサ
ンプルNo. 3のペレットを用い、射出圧を370kg/c
m2、溶融温度を330℃、金型温度を80℃とした他
は、同様に射出成形を行い、スキン層熱軟化点が140
℃を超えるサンプルNo. 5およびサンプルNo. 6を作製
した。結果を表2に併記する。表2に示される結果から
本発明の効果が明らかである。
【0077】
【発明の効果】本発明の光記録媒体によれば、高温高湿
下で保存したような場合でも記録層の基板との密着性に
不都合はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の熱軟化点を説明するため
のグラフである。
【図2】本発明の光記録媒体の1例を示す部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 光記録媒体 2 基板 3 記録層 4 保護層 5 中間層 6 保護膜 7 保護コート T1 第1の軟化点 T2 第2の軟化点
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甕 敦子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テイ ーデイーケイ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製の基板上に、直接または下地層を
    介して記録層を有する光記録媒体であって、前記基板
    が、下記化1のくり返し構造単位を有する環状ポリオレ
    フィンと、アルキルフェノール縮合物の1種以上とを含
    有することを特徴とする光記録媒体。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記アルキルフェノール縮合物が下記化
    2の構造をもつ請求項1に記載の光記録媒体。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記アルキルフェノール縮合物の含有量
    が0.3〜2wt%である請求項1または2に記載の光記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 前記記録層および/または下地層が気相
    成膜法によって形成されたものである請求項1ないし3
    のいずれかに記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記基板は、記録層側表層部に、熱軟化
    点140℃以下のスキン層を有する請求項1ないし4の
    いずれかに記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記基板は、射出成形によって形成され
    ている請求項5に記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記軟化点が100〜140℃である請
    求項5または6に記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記基板は、前記スキン層の熱軟化点
    と、この熱軟化点より10℃以上高い第2の熱軟化点と
    を有する請求項5ないし7のいずれかに記載の光記録媒
    体。
JP07036592A 1991-02-20 1992-02-20 光記録媒体 Expired - Fee Related JP3516022B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07036592A JP3516022B2 (ja) 1991-02-20 1992-02-20 光記録媒体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4781791 1991-02-20
JP3-47817 1991-02-20
JP07036592A JP3516022B2 (ja) 1991-02-20 1992-02-20 光記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0589514A true JPH0589514A (ja) 1993-04-09
JP3516022B2 JP3516022B2 (ja) 2004-04-05

Family

ID=26388006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07036592A Expired - Fee Related JP3516022B2 (ja) 1991-02-20 1992-02-20 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3516022B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002021517A1 (fr) * 2000-09-04 2002-03-14 Zeon Corporation Substrat de disque magnetique et disque magnetique

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002021517A1 (fr) * 2000-09-04 2002-03-14 Zeon Corporation Substrat de disque magnetique et disque magnetique
US6991863B2 (en) 2000-09-04 2006-01-31 Zeon Corporation Magnetic disk substrate and magnetic disk

Also Published As

Publication number Publication date
JP3516022B2 (ja) 2004-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1528119B1 (en) Aluminum-alloy sputtering target and reflective film
EP1746590A2 (en) Silver alloy reflective films for optical information recording media, silver alloy sputtering targets therefor, and optical
EP0764324A1 (en) Optical recording medium exhibiting eutectic phase equilibria
US5244706A (en) Optical recording disk
US5340698A (en) Optical disk
WO2004032131A1 (ja) 光記録媒体
US5219708A (en) Optical disk
JP3516022B2 (ja) 光記録媒体
JP2670846B2 (ja) 光記録媒体
JP3272737B2 (ja) 光記録媒体
US5242729A (en) Optical recording medium
CA1324213C (en) Magnetooptical recording media
JPH05274726A (ja) 光磁気記録媒体およびその製造方法
JP3525347B2 (ja) 光記録ディスク
JP2915964B2 (ja) 情報記録媒体
JP2741533B2 (ja) 光ディスク
JP2967949B2 (ja) 光学的情報記録用媒体
JPH05242539A (ja) 光磁気記録媒体およびその製造方法
US5114828A (en) Optical information recording medium containing linear acrylic resin
JPH05238148A (ja) 光磁気記録媒体およびその製造方法
JP2711532B2 (ja) 光記録媒体
EP0406823B1 (en) Magnetooptical recording media
JPH05101463A (ja) 光磁気記録媒体
JPH05101462A (ja) 光磁気記録媒体
JPH05101460A (ja) 光磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031217

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees