JP2741533B2 - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JP2741533B2 JP1133391A JP13339189A JP2741533B2 JP 2741533 B2 JP2741533 B2 JP 2741533B2 JP 1133391 A JP1133391 A JP 1133391A JP 13339189 A JP13339189 A JP 13339189A JP 2741533 B2 JP2741533 B2 JP 2741533B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、光ディスク、特に光磁気記録ディスク、相
変化型の光記録ディスク、ピット形成型の光記録ディス
クや、再生専用の光ディスク等に関する。
〈従来の技術〉 光ディスクのうち、特に光記録ディスクは、基板上に
情報担持部としての記録層を設層して構成され、その記
録・再生に際しては、通常、基板側からレーザビーム等
を照射することによって行われる。
このため用いる基板は透明なもの、例えば、ガラスや
樹脂から構成されている。
この場合、ディスクの軽量化や、トラッキング用のグ
ルーブやピット形成の容易さの点から、従来光ディスク
の基板としては樹脂製の基板が用いられている。
また、最近、高速転送レートを得るために、記録・再
生に際して高速回転が要求されている。
しかし、樹脂製の基板では、剛性が不十分であるため
面ブレが生じ、1800rpm以上、特に3000rpm以上の高速回
転駆動時には、フォーカストラッキングエラーが増大し
てしまう。
このため、最近要求されるようになってきた高速回転
駆動、特に1800rpm以上、さらに3000rpm以上の高速回転
駆動に対応するためには、機械的強度の高いガラス製の
基板を用いることを考えなければならない。
しかし、ガラス製基板では誤って落としたりぶつけた
りした場合、破損する可能性がある。
また、特に強度の高い化学強化ガラスを用いたときに
は、ガラス小片となって破損し、この小片が飛び散ると
いう不都合もある。
一方記録層のヒッカキ等による機械的損傷を防ぐため
には、基板の記録層設層側に保護基板を設けるか、一対
の基板を記録層が内封されるように一体化する必要があ
る。
この場合、ガラス基板に、熱膨張率の違いによる剥離
を防止するため、ガラス製の保護基板等を接着すると、
ディスクの質量が限界値を超えてしまう。このため必要
な回転速度、特に安定な高回転速度を得ることが困難と
なる。
また、破損の際の問題は解消しない。
なお、熱膨張率の違いによる剥離を防止するため、樹
脂製基板に、樹脂製の基板ないし保護基板を接着して記
録層の機械的損傷を防止することも可能である。
しかし、この場合も高速回転駆動によるフォーカスト
ラッキングエラーの問題は解消しない。
このような問題、特に高速回転駆動の際の問題を解決
するには、一対の基板のうち、あるいは基板と保護基板
のうち一方をガラス製、他方を樹脂製とすればよい。
しかし、このように一対の基板のうち、あるいは基板
と保護基板のうち一方をガラス製、他方を樹脂製とする
光ディスクは従来知られていない。
これは、熱膨張率の異なるガラスと樹脂とを接着する
ことは、過酷な保存条件下に置かれうる光ディスクでは
得策でないと考えられていたからであろうと思われる。
具体的には、ガラス製基板と、樹脂製の基板ないし保
護基板とを一体化した光ディスクでは、高温あるいは低
温下、例えば−30〜60℃で温度が変化する苛酷な条件下
に保存する場合、熱膨張率の違いにより基板、保護基
板、あるいは記録層、保護コート、接着剤層等の構成層
に応力や歪が発生する。このため基板と基板、基板と保
護基板、あるいはこれらと各構成層、さらには構成層と
構成層とが剥離してしまい、信頼性の高い光ディスクを
得ることは困難である。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、高温および低温下、例えば、−30〜
60℃で温度変化する苛酷な条件下に置かれる場合でも基
板と基板、基板と保護基板、これらと保護コート等の各
構成層、さらには構成層と構成層とが剥離することがな
く、しかも面ブレや変形を生じることがなく、安定した
高速回転を行うことができ、良好な記録・再生特性を有
する光ディスクを提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的は下記の(1)〜(6)の本発明によ
って達成される。
(1)一対の基板を有し、少なくとも一方の基板に情報
担持部を形成し、この情報担持部が内封されるように、
前記一対の基板を一体化した光ディスクであって、 前記一対の基板のうち、一方がガラス製であり、他方
が樹脂製であり、前記樹脂製基板はガラス繊維を含有す
ることを特徴とする光ディスク。
(2)前記一対の基板のうち、ガラス製基板上に情報担
持部を形成し、これを樹脂製の保護基板と一体化した上
記(1)に記載の光ディスク。
(3)前記情報担持部が記録層である上記(1)または
(2)に記載の光ディスク。
(4)前記記録層が希土類金属元素を含有し、この記録
層上に樹脂製の保護コートが設層されている上記(3)
に記載の光ディスク。
(5)前記樹脂製基板の熱膨張率が、1.7×10-5〜4.5×
10-5deg-1である上記(1)ないし(4)のいずれかに
記載の光ディスク。
(6)前記樹脂製基板のガラス繊維含有量が、5〜40wt
%である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光
ディスク。
〈作用〉 本発明の光ディスクは、少なくとも一方に記録層等の
情報担持部を有するガラス製の基板と樹脂製の基板とを
一体化して構成される。そして、樹脂製基板には、ガラ
ス繊維を含有させる。
これにより、樹脂製基板の熱膨張率を減少させ、ガラ
ス製基板の熱膨張率との差を小さくすることができる。
従って、ガラス製基板と樹脂製基板間、あるいはこれ
らと保護コート等の各構成層間、さらには構成層と構成
層間に生じうる応力や歪み等を減少させることができ
る。
すなわち、高温あるいは低温下、例えば、−30〜60℃
で温度変化する苛酷な条件下に保存する場合であって
も、剥離を完全に防止することができる。
このため、一対の基板のうち一方をガラス製、他方を
樹脂製とする軽量かつ剛性の光ディスクを実現すること
ができしかも十分な信頼性を得ることができる。
そして、本発明の光ディスクによれば、1800rpm以
上、特に3000rpm以上の安定な高速回転駆動を容易に行
うことができ、その際面ブレや変形も防止することがで
きる。
また、一方の基板は樹脂製であるため、光ディスクを
落としたりしたときの破損や、破損したときのガラス飛
散も防止することができる。
特に、ガラス製の基板上に記録層等の情報担持部を形
し、これを樹脂製の保護基板と一体化した光ディスクに
よれば、記録・再生上の障害となる複屈折を防止するこ
とができる。そして記録・再生を行うガラス製基板側
は、耐熱性、耐湿性に優れるため、高温ないし低温およ
び高湿ないし低湿下での長期間の保存によっても変形や
変質等がほとんど生じない。
なお、本発明における情報担持部とは、再生専用ディ
スクにおけるように、情報を予め担持しているもの、お
よび記録・再生ディスクにおけるように情報を担持させ
うる記録層の双方を指すものである。
〈具体的構成〉 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
第1図に、本発明の光ディスクの好適実施例として、
光磁気記録ディスクの1例を示す。
第1図に示される光磁気記録ディスク1は、基板2上
に、樹脂層3、保護層4、中間層5、情報担持部として
の記録層6、保護層7、保護コート8、接着剤層9、保
護基板10を順次有する。
本発明において、基板2は、記録光および再生光に対
して透明なものであり、樹脂製あるいはガラス製とし、
好ましくはガラス製とする。
基板2をガラスにより構成すれば、耐熱性、耐湿性が
向上し、複屈折もほとんど生じない。
基板2の形状は、ディスク状である。
基板2の直径は通常50〜360mm程度であり、その厚さ
は、0.5〜2mm程度である。
基板2は、公知の方法に従い製造すればよい。例えば
樹脂製基板の場合には、射出成形等を用い、基板表面
に、トラッキング用、アドレス用等のために、ピットあ
るいはグルーブ等の所定のパターンを同時に形成すれば
よい。
なお、この場合、樹脂層3は設層されない。
基板2をガラス製とする場合は、強化ガラスから構成
することが好ましい。強化ガラスを用いることにより、
より高い剛性やより優れた耐候性、耐久性が得られる。
強化ガラスには、その強化法から物理強化ガラスと化
学強化ガラスとがあり、用途に応じて使用されている。
本発明で用いる強化ガラスに特に制限はなく、通常の
強化法を用いて強化したガラスが使用されるが、好まし
くは化学強化ガラスを使用する。
化学強化ガラスは、例えば、ガラス構成元素としての
アルカリ金属イオンの一部を外部から供給される他種ア
ルカリ金属イオンと交換することにより、特にLiとNaお
よびNaとKの交換によりガラス内に圧縮応力層を形成
し、機械的強度を高めたガラスである。
化学強化処理は、通常、硝酸塩、硫酸塩等のアルカリ
塩を加熱溶融し、溶融液中に被処理ガラスを数時間から
数十時間程度浸漬することにより行なわれる。
このような化学強化処理により作製されたガラスは、
通常、ガラス表面付近だけに圧縮応力層が形成された表
面強化ガラスとなる。この場合、圧縮応力層の厚さは10
〜200μm、特に30〜75μm程度であることが好まし
い。
用いる化学強化ガラスとしては、ソーダ・石灰・ケイ
酸ガラス等に上記の化学強化処理を施したものであって
もよいが、特に機械的強度が高いことから、アルミナケ
イ酸ガラスに化学強化処理を施したものを用いることが
好ましい。
アルミナケイ酸ガラスとしては、機械的強度が高いこ
とから、Al2O3含有量が10wt%以上であることが好まし
く、特に、15〜30wt%のAl2O3を含有するものを用いる
ことが好ましい。
本発明で好適に用いられるアルミナケイ酸ガラスの組
成範囲を、以下に示す。
SiO2 50〜60wt% Al2O3 15〜30wt% B2O3 1〜10wt% RI 2O 10〜25wt% RIIO 1〜10wt% (ただし、RIおよびRIIは、それぞれ1価および2価の
金属) TiO2 0〜5wt% そして、K+置換率は、0.01〜1mg/cm3程度であること
が好ましい。
ガラス製の基板2を用いる場合は、基板2上には、樹
脂層3が設層されることが好ましい。
樹脂層3は、その表面に、トラッキング用、アドレス
用等のために、ピットあるいはグルーブ等の所定のパタ
ーンを有する。なお樹脂層3を設けず、化学エッチング
等により所定のパターンを形成してもよい。
樹脂層3を構成する樹脂材質に特に制限はなく、いわ
ゆる2P法に用いられる公知の樹脂から、適当に選択すれ
ばよい。2P法には、通常、放射線硬化型化合物が用いら
れ、本発明では、例えば、多官能エステルアクリレー
ト、多官能ウレタンアクリレート、多官能エポキシアク
リレート等に属するモノマーを2〜3成分混合して、あ
るいはこれらモノマーにポリエステルアクリレート、オ
リゴエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、オリゴウレタンアクリレート等を混合し、光重合開
始剤Irg-907、651等を加えたもの等を好適に用いること
ができる。
このような樹脂層3の設層は、公知の2P法により行な
うことが好ましい。
2P法では、まず、所定のパターンを有するスタンパ表
面に放射線硬化型化合物を展着し、この放射線硬化型化
合物層上にガラス基板を圧接する。この圧接により、ス
タンパ表面のパターンを層表面に転写する。次いで、ガ
ラス基板を通して放射線を照射することにより硬化させ
て、樹脂とガラス基板とを接着する。この後、樹脂とス
タンパとを剥離する。
以上の工程により、スタンパのパターンが転写された
樹脂層を、ガラス基板の表面に形成する。
このようにして形成される樹脂層3の層厚は、好まし
くは5〜100μm、より好ましくは10〜30μmである。
中間層5は、C/N比を向上させるために設けられ、各
種誘電体物質から形成されることが好ましく、その層厚
は30〜150nm程度であることが好ましい。また、設層方
法は、スパッタ法等の気相成膜法を用いることが好まし
い。
なお、このような中間層材質を後述する記録層6の上
に保護層7として設けて、前記中間層5と併用すること
もできる。併用する場合には、中間層5と保護層7の組
成は同一であっても異なっていてもよい。
保護層4および保護層7は、記録層6の耐食性向上の
ために設けられるものであり、これらは少なくとも一
方、好ましくは両方が設けられることが好ましい。これ
ら保護層は、各種酸化物、炭化物、窒化物、硫化物ある
いはこれらの混合物からなる無機薄膜から構成されるこ
とが好ましい。また、前述したように、上記の中間層材
質で形成してもよい。保護層の層厚は30〜300nm程度で
あることが耐食性向上の点から好ましい。
このような保護層は、スパッタ法等の各種気相成膜法
等によって形成されることが好ましい。
記録層6は、変調された熱ビームあるいは変調された
磁界により、情報が磁気的に記録されるものであり、記
録情報は磁気−光変換して再生されるものである。
記録層6は、光磁気記録が行なえるものであればその
材質に特に制限はないが、希土類金属元素を含有する合
金、特に希土類金属と遷移金属との合金を、スパッタ、
蒸着法等により、非晶質膜として形成したものであるこ
とが好ましい。
希土類金属としては、Tb、Dy、Nd、Gd、Sm、Ceのうち
の1種以上を用いることが好ましい。
遷移金属としては、FeおよびCoが好ましい。
この場合、FeとCoの総含有量は、65〜85at%であるこ
とが好ましい。
そして、残部は実質的に希土類金属である。
好適に用いられる記録層の組成としては、TbFeCo、Dy
TbFeCo、NdDyFeCo、NdGdFeCo等がある。
なお、記録層中には、10at%以下の範囲でCr、Al、T
i、Pt、Si、Mo、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au等が含有
されてもよい。
また、10at%以下の範囲で、Sc、Y、La、Ce、Pr、P
m、Sm、Eu、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等の他の希土類金属元
素を含有してもよい。
このような記録層6の層厚は、通常、10〜1000nm程度
である。
このような記録層は、蒸着法、スパッタ法、イオンプ
レーティング法等のドライコーティング方式等を用いて
設層すればよい。そしてその設層厚さは20nm〜1μm程
度とされる。
保護コート8は耐食性や、耐擦傷性の向上のために設
けられるものであり、種々の有機系の物質から構成され
ることが好ましいが、特に、電子線、紫外線等の放射線
により硬化可能な放射線硬化型化合物を、放射線硬化さ
せた物質から構成されることが好ましい。
そしてこのような保護コート8の形成に用いる放射線
硬化型化合物には、オリゴエステルアクリレートが含ま
れることが好ましい。
オリゴエステルアクリレートは、アクリレート基また
はメタクリレート基を複数有するオリゴエステル化合物
である。そして好ましいオリゴステルアクリレートとし
ては、分子量1000〜10000、好ましくは2000〜7000であ
って、重合度2〜10、好ましくは、3〜5のものが挙げ
られる。また、これらのうちアクリレート基またはメタ
クリレート基を2〜6個、好ましくは3〜6個有する多
官能オリゴエステルアクリレートが好ましい。
多官能オリゴエステルアクリレートとしてはアロニッ
クスM-7100、M-5400、M-5500、M-5700、M-6250、M-650
0、M-8030、M-8060、M-8100等(東亜合成化学社製)と
して市販されているものを用いることができ、これらは
下記式(A)、(B)で示されるものである。
A:アクリレート基またはメタクリレート基、M:2価アル
コール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノールA
等)残基、N:2塩基酸(例えば、テレフタル酸、イソフ
タル酸、アジピン酸、コハク酸等)残基、 n:1〜10、好ましくは2〜5 これらのうちでは、(A)で示されるものが好まし
い。
このようなオリゴエステルアクリレートは単独で使用
してもよい。
また、他の放射線硬化型化合物を併用してもよい。そ
のような場合、オリゴエステルアクリレートは、放射線
硬化型化合物中20wt%以上存在することが好ましい。
上記のオリゴエステルアクリレートには、他の放射線
硬化型化合物を併用することができ、このようなものと
しては、イオン化エネルギーに感応し、ラジカル重合性
を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、メタクリル
酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル
系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系二重
結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和二重結
合等の放射線照射による架橋あるいは重合する基を分子
中に含有または導入したモノマー、オリゴマーおよびポ
リマー等を挙げることができる。これらは多官能、特に
3官能以上であることが好ましい。
放射線硬化型モノマーとしては、分子量2000未満の化
合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のもの
が用いられる。
これらはスチレン、エチルアクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメ
タクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものとし
ては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メタ
クリレート)、ペンタエリスリトールアクリレート(メ
タクリレート)、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(メタクリレート)、トリメチロールプロパンジア
クリレート(メタクリレート)、ウレタンエラストマー
(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこれら
のものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フェノール
エチレンオキシド付加物のアクリレート(メタクリレー
ト)、特願昭62-072888号に示されるペンタエリスリト
ール縮合環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カ
プロラクトン−アクリル基のついた化合物、および特願
昭62-072888号に示される特殊アクリレート類等が挙げ
られる。
また、放射線硬化型オリゴマーとしては、ウレタンエ
ラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのものに
COOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
また、上記の化合物に加えて、あるいはこれにかえて
熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによって得られ
る放射線硬化型化合物を用いてもよい。
このような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジ
カル重合性を示す不飽和二重結合を有するアクリル酸、
メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のよう
なアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなア
リル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不
飽和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合する
基を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂
である。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例とし
ては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエステル樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ
キシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができる。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂と
しては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステ
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVP
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有
効である。
このような放射線硬化型化合物の保護コート8の膜厚
は0.1〜100μm、より好ましくは5〜30μm程度とする
ことが好ましい。
この膜厚が0.1μm未満になると、一様な膜を形成で
きず、湿度が高い雰囲気中での防湿効果が十分でなく、
記録層6の耐久性が向上しない。また、100μmをこえ
ると、樹脂膜の硬化の際に伴う収縮により記録媒体の反
りや保護膜中のクラックが生じることになる。
このような塗膜は、通常、スピンナーコート、グラビ
ア塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知
の方法を組み合わせて設層すればよい。この時の塗膜の
設層条件は、塗膜組成の混合物の粘度、目的とする塗膜
厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。
本発明において塗膜に照射する放射線としては、紫外
線、電子線等が挙げられるが、紫外線が好ましい。
紫外線を用いる場合には、前述したような放射線硬化
型化合物の中には、通常、光重合増感剤を加えることが
好ましい。
本発明に用いる光重合増感剤としては、特願昭62-072
888号等に記載されている化合物が好適である。
保護基板10は、記録層6の損傷等を有効に防止するた
めに設けられるものである。
そして、ガラス製の基板2に用いる保護基板10は樹脂
製とし、樹脂製の基板2に用いる保護基板10はガラス製
とする。
この場合、保護基板10は、不透明であってもよいが、
透明な材質を用いれば、保護基板10側から記録・再生を
行うこともできる。
このように一対の基板2、10のうち一方をガラス製、
他方を樹脂製とすることにより、軽量でしかも高い剛性
を有するディスクが得られる。このため面ブレのない安
定した高速回転駆動、例えば3000rpm以上の回転駆動を
行うことができる。
さらに、一方の基板が樹脂製であるため、ディスクを
落としたりしたときの破損の防止や、割れた場合のガラ
ス飛散の防止も図ることができる。
本発明において特に好ましいものは、ガラス製の基板
2と樹脂製の保護基板10とを一体化するディスクであ
る。
つまり、このディスクによれば前述した複屈折の防止
や耐候性耐久性の向上に加え、高速回転駆動時の面ブレ
を一層低減することができる。
本発明では、ガラス製の基板2と一体化される樹脂製
の保護基板10には、材料としてガラス繊維を含有する樹
脂を用いる。
本発明に用いる樹脂に制限はないが、剛性の樹脂、例
えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリメチルペンテン、ポリオレフィン等が好適であ
る。
なお、ガラスの熱膨張率は8〜9×10-6deg-1程度で
あり、樹脂の熱膨張率は5〜6×10-6deg-1程度である
が、本発明では、樹脂にガラス繊維を混入させることに
より熱膨張率を下げるものである。
本発明に用いる樹脂製保護基板10の熱膨張率は、1.7
×10-5〜4.5×10-5deg-1、特に2.0×10-5〜4.0×10-5de
g-1であることが好ましい。
前記範囲未満では樹脂の流動性が低く、射出成形等に
よる保護基板10の形成が困難となる。
前記範囲をこえるとガラス製基板2との熱膨張率の差
が大きくなり、基板2と保護基板10間、あるいは、これ
らと保護コート8等の各構成層間、さらには構成層と構
成層間に生じる応力や歪が増大する傾向にある。
また、樹脂製保護基板10のガラス繊維含有量は、5〜
40wt%、より好ましくは7.5〜30wt%、特に15〜25wt%
であることが好ましい。
前記範囲未満では樹脂製保護基板10の熱膨張率が増大
し、基板2と保護基板10間、あるいは、これらと保護コ
ート8等の各構成層間、さらには構成層と構成層間に生
じる応力や歪が増大する傾向にある。
前記範囲をこえると樹脂の流動性が低く、射出成形等
による保護基板10の形成が困難となる。
本発明に用いるガラスには制限がなく、従来公知のガ
ラスを用いることができ、例えば、無アルカリガラス
(Eガラス、Cガラス、Aガラス)等が好適である。
この場合、SiO2含有量は、50〜75wt%、特に50〜60wt
%であることが好ましい。
また、Al2O3含有量は、1〜20wt%、特に10〜15wt%
であることが好ましい。
この他、CaO、MgO、ZnO、BaO、SrO等の2価金属酸化
物RIIO等が含有される。
なお、アルカリ金属酸化物RI 2Oは1wt%以下であるこ
とが好ましい。
なお、ガラスを用いることにより、熱膨張率を有効に
合致させることができ、しかも軽量かつ透明度の高い基
板とすることができる。
このようなガラスは繊維状である。繊維状とすること
により、熱膨張率の低下と軽量化とを同時に図ることが
できる。また、基板の屈折率等の光学特性に悪影響を及
ぼさない。
また、本発明に用いるガラスは繊維状であれば、その
形状やサイズに制限はないが、本発明の効果をより一層
すぐれたものとするためには、特に下記のサイズのもの
が好適である。
径:5〜100μm、特に10〜50μm 長さ:100〜600μm、 特に200〜400μm 長さ/径:10〜40、特に15〜30 なお、ガラス繊維は、保護基板10の形成の際に折れる
場合もあるが、その量は非常に少ないためほとんど影響
はなく、保護基板10の完成時に上記のサイズであればよ
い。
保護基板10の厚さは、剛性を確保するために、0.5〜
2.0mm程度とする。
そして、保護基板10の形状は、基板2の形状に合わせ
ればよい。
なお、ガラス繊維を含有する樹脂製保護基板10を製造
するには、射出成形等の従来公知の方法を図ればよい。
保護基板10は、基板2と一体化されるが、本発明で
は、図示のように接着剤層9により接着される。
接着剤を用いることにより、熱膨張率の違い等によっ
て、基板2、保護基板10および保護コート8等の各構成
層相互間に生じる応力や歪は、接着剤層9により吸収な
いし緩和される。
このため、一層高い各層間の剥離防止効果を得ること
ができる。
この場合、接着剤層9には従来公知の接着剤を用いれ
ばよいが、好ましくはガラス転移温度Tgが−60〜−10
℃、より好ましくは−40〜−15℃の接着が好適である。
前記範囲未満では、フローポイト(FP)が低く、高
温、例えば45〜50℃程度で接着剤が流出してしまう。
前記範囲をこえると、低温、例えば−10℃以下で接着
力が消失してしまう。
ここにフローポイント(FP)とは、接着剤が流動する
温度である。これらガラス転移温度Tgおよびフローポイ
ント(FP)の測定は、粘弾性測定装置を用い、強制振動
法により、加振周波数10Hz(正弦波)で行う。この場
合、Tgは損失弾性率E″のピークを生じる温度より求
め、FPは、Tg以上の高温側でのヤング率E′が急激に減
少する温度より求める。
このようなガラス転移温度Tgを有する接着剤のフロー
ポイント(FP)は、通常60〜70℃程度である。
また、本発明に用いる接着剤は、ヤング率が−20℃、
10Hzにて100Kgf/mm2以下、特に3〜100Kgf/mm2のものが
好ましい。
前記範囲をこえると、基板2と保護基板10間、あるい
は、これらと保護コート8等の各構成層間、さらには構
成層と構成層間に生じる応力や歪を接着剤層9により吸
収あるいは緩和することが困難である。
またヤング率があまり低いと高温側でのヤング率がさ
らに減少し、接着力が低下してしまう。
このためヤング率は、前記のとおり特に3〜100Kgf/m
m2であることが好ましい。
さらに接着剤は、力学的損失係数tanδが−20℃、10H
zにて0.1以上、特に0.2〜1.5のものが好ましい。
前記範囲未満では粘着性が低く、十分な接着強度を得
ることが困難である。
また、tanδがあまり高いと基板2の反り、あるいは
衝撃等の外部応力が働いた場合に、保護基板10のずれが
起こる可能性がある。
このためtanδは、前記のとおり特に0.2〜1.5である
ことが好ましい。
この場合、ヤング率および力学的損失係数tanδは以
下のようにして測定される。
接着剤を例えば離型紙上にロールコータ等を用い、厚
さ100〜500μmとなるように塗布する。乾燥後、離型紙
から剥離し、粘弾性測定装置を用い、強制振動法により
加振周波数10Hz(正弦波)にて、−50〜80℃間で測定す
る。
このような特性の接着剤としては、ホットメルト系接
着剤が好ましい。
ホットメルト系接着剤は一般に、ベースポリマーを主
体とし、これに粘着付与剤、軟化剤、可塑剤、ワックス
等の添加剤を加えて構成される。
本発明に用いられる接着剤の各構成成分に制限はない
が、ベースポリマーとしては、ポリオレフィン系樹脂、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン
やこれらを含む共重合体等の1種または2種以上の混合
物等、さらに、これらに他のポリオレフィン、ポリオレ
フィン系共重合体、合成ゴム等を加えたものを用いれば
よい。
これらのうち、ポリスチレン−ポリプロピレン共重合
体、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチ
レン−ポリブタジエン共重合体等、 特にポリスチレン−アタクチックポリプロピレン共重
合体、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体等が好適
である。
この場合、ベースポリマーの分子量は、10万〜30万程
度が好ましい。
本発明に用いる接着剤は、ベースポリマー100重量部
に対し、粘着付与剤を100〜600重量部程度添加したもの
が好ましい。
粘着付与剤としては、各種天然樹脂やその変成品ある
いは各種合成樹脂等が挙げられ、これらのうち、ロジ
ン、ロジン誘導体、ピネン系樹脂、石油樹脂等が好適で
ある。
用いる接着剤は、さらに、ベースポリマー100重量部
に対し、軟化剤を0〜100重量部程度添加したものが好
ましい。
軟化剤としては、公知の各種軟化剤が用いられる。
また、可塑剤、ワックスは必要に応じ添加される。
可塑剤としてはフタル酸エステル系、リン酸エステル
系、脂肪酸エステル系、アジピン酸エステル系、多価ア
ルコールエステル系、エポキシ系等が挙げられる。
ワックスとしては、パラフィンワックス、低分子量ポ
リエチレンワックス等を用いればよい。
そして、必要に応じて紫外線吸収剤、充填剤、考化防
止剤等が添加されてもよい。
接着に際しては、例えばホットメルト系接着剤を用い
るときには、ロールコータ等を用いればよい。
接着剤層9の厚さは、10〜100μm、特に50〜80μm
とすることが好ましい。
この場合、層厚が前記範囲未満であると接着力が不十
分であり、前記範囲をこえると耐久性が低下する。
本発明ではこのような特性の接着剤を用いることによ
り、熱膨張率の異なるガラスおよび樹脂により構成され
る基板2と保護基板10とのより強固な接着が可能とな
る。
このため、例えば本発明の光磁気記録ディスク1を−
30〜60℃、20℃/秒で温度変化する苛酷な条件下に置い
ても、基板2、保護基板10および各構成層相互間の剥離
を防止することができる。
また、樹脂製基板2と、ガラス製保護基板10とを一体
化した光磁気記録ディスク1の場合は、それぞれの材料
として、前述したガラス製基板2および樹脂製保護基板
10に用いるガラスとガラス繊維を含有する樹脂とを用い
る。
従って、この場合も前述したガラス製基板2と樹脂製
保護基板10とを一体化した光磁気記録ディスク1と同様
の効果を得ることができる。
以上では、本発明の光ディスクを片面記録型の光磁気
記録ディスクに適用する場合を説明したが、両面記録型
の光磁気記録ディスクにも適用することができる。
両面記録型の光磁気記録ディスクは、前述した各構成
層を有するガラス製の基板2と、樹脂製の基板2とを情
報担持部としての記録層7が内封されるように、接着剤
層9により接着して得られる。
この場合も、前述した片面記録型の光磁気記録ディス
クと同様の効果を得ることができる。
また本発明は、この他、いわゆる相変化型等の記録層
を有し、反射率変化により記録・再生を行なう光記録デ
ィスクにも適用することができる。
このような記録層としては、例えば、特公昭54-41902
号、特許第1004835号などに記載のTe、Se系合金、特開
昭58-54338号、特許第974257号、特許第974258号、特許
第974257号記載のTe酸化物系、その他各種Te、Seを主体
とするカルコゲン系、 Ge−Sn、Si−Sn等の非晶質−結晶質転移を生じる合金 Ag−Zn、Ag−Al−Cu、Cu−Al等の結晶構造変化によっ
て色変化を生じる合金、In−Sb等の結晶粒径の変化を生
じる合金などがある。
また、ピット形成により反射率変化を生じるいわゆる
ピット形成型の記録層を有する光記録ディスクにも適用
することができる。
ピット形成型の記録層には、シアニン系、フタロシア
ニン系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、アゾ
系、トリフェニルメタン系、ピリリウムないしチアピリ
リウム塩系等の色素系、あるいはTeを主体とするTe系等
の材料が用いられる。
この他、本発明は、再生専用の光ディスクであっても
よい。ただ、好ましくは、上記のうち情報担持部が記録
層である光記録ディスクであり、最も好ましいのは、希
土類金属元素等の腐食性を有する金属を含有する記録層
を有する光記録ディスクである。
このときには、保護基板10として樹脂を用いても、前
記の保護コート8を設層することにより、樹脂をとおし
ての酸素や水分の透過を阻止でき、本発明の効果に加
え、高い信頼性が得られるからである。
この場合、前記保護コート8の厚さ範囲にて、保護基
板10の厚さ0.5〜2.0mmの範囲において十分な効果を発揮
する。
加えて、保護コート8を介して樹脂製の保護基板10を
接着するときには、ガラスと樹脂という熱膨張係数の異
なる2種の材料間の熱膨張率の違いを接着剤層9に加え
て、保護コート8も吸収するので、高温および低温にお
ける保存性はきわめて高いものとなるという効果が発現
する。
本発明の光ディスクは、100rpm以上の回転速度にて駆
動されて記録および再生を行う。
この際、記録・再生は公知の方式に従えばよい。
そして、本発明では、1800rpm以上、特に3000rpm以
上、より好ましくは3000〜5000rpmの回転駆動にて十分
な特性を与えるものである。
〈実施例〉 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに
詳細に説明する。
[実施例1] ガラス製基板2に、順次樹脂層3、ガラス保護層4、
SiNxの中間層5、TbFeCo記録層6、SiNx保護層7、およ
び保護コート8を形成し、最後に接着剤層9により樹脂
製保護基板10を接着して第1図に示される片面記録型の
光磁気記録ディスクを製造した。
ガラス製基板2は、アルミナケイ酸系の化学強化ガラ
スとし、外径200mm、厚さ1.2mmのディスク状とした。な
お、ガラス製基板2の熱膨張率は、8.8×10-6deg-1であ
った。
樹脂層3は2P法で形成し、その表面にはトラッキング
用グルーブを形成した。また保護層4、中間層5、記録
層6および保護層7の形成にはスパッタ法を用いた。
また、保護コート8は、オリゴエステルアクリレート
を塗布後、紫外線照射して架橋硬化させることにより、
10μmに設層した。
接着剤層9は、ロールコータにより設層し、その厚さ
を80μmとした。
接着剤層9には、下記に示されるベースポリマーおよ
び添加剤として石油樹脂、ピネン系樹脂等を含有するホ
ットメルト系接着剤を用いた。
接着層のベースポリマー ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体(分子量12
万):15重量% ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体(分子量23
万):85重量% また、接着剤層9のガラス転移温度Tgは−40℃、フロ
ーポイント(FP)は71℃、−20℃、10Hzでのヤング率は
3.7kgf/mm2、力学的損失係数tanδは1.339であった。
なお、ガラス転移温度Tgおよびフローポイント(FP)
の測定は、岩本製作所製粘弾性スペクトロメータを用
い、強制振動法により加振周波数(正弦波)10Hzで行っ
た。
また、ヤング率および力学的損失係数tanδの測定は
以下のようにして測定した。
接着剤を離型紙上にロールコータを用いて厚さ100〜5
00μmとなるように塗布し、乾燥させた。得られた接着
剤層を離型紙から剥離し、岩本製作所製粘弾性スペクト
ロメータにより、加振周波数(正弦波)10Hzにて、−50
〜80℃間で測定した。
樹脂製保護基板10は、射出成形により製造し、基板と
同一サイズのディスク状とした。
この場合、樹脂製保護基板10には、繊維状のガラス繊
維を15wt%含有するポリカーボネートを用いた。
なお、用いたガラス繊維の組成やサイズは下記のとお
りである。
組成 SiO2 :53.5t% Al2O3:15.0wt% CaO :17.5wt% MgO : 4.5wt% RI 2O : 0.4wt% サイズ 径 :13〜15μm 長さ :300μm 長さ/径:20〜23 このようにして製造された光磁気記録ディスクをサン
プルNo.1とする。
また、樹脂製保護基板10のガラス繊維含有量を20wt%
としたサンプルNo.2やガラス繊維を全く含まない比較用
サンプルNo.3も製造した。
各サンプルに用いた樹脂製保護基板10の熱膨張率は表
1に示されるとおりである。
なお、熱膨張率は下記のようにして測定した。
装置は真空理工の熱機械試験機TM-3000-Lを用いた。
試料片に一定荷重を加え、30℃から60℃まで昇温させ
ながら試料の寸法変化を測定し、以下の式より熱膨張係
数を算出した。
l0 :元の試料の寸法 α:0.5×10-6(補正値) これらの各サンプルに対し、下記の試験を行った。
(熱衝撃試験) サンプルを−30℃の雰囲気中に入れ30分間保存し、そ
の後、サンプルを入れたまま雰囲気の温度を5秒間で60
℃に昇温する。そして、60℃の雰囲気中に30分間保存
後、5秒間で−30℃に冷却する。
以上を1サイクルとし、20サイクル行った。
(サイクル試験) サンプルを温度−30℃の雰囲気中に入れ、3時間保存
する。その後サンプルを入れたまま雰囲気の温度を速度
10℃/時間で60℃に昇温し、湿度を80%RHに保つ。そし
て、60℃、80%RHの雰囲気中に3時間保存後、速度10℃
/時間で−30℃に冷却する。
以上を1サイクルとし、14サイクル行った。
結果は表1に示されるとおりである。
表1の結果より本発明の効果が明らかである。
〈発明の効果〉 本発明の光ディスクでは、情報担持部が内封されるよ
うに一対の基板が一体化されるため、情報担持部、例え
ば記録層の損傷を十分に防止することができる。
そして、一方の基板がガラス製であり、他方の基板が
樹脂製であるため、十分高い剛性を有し、質量の軽減も
図ることができる。
このため1800rpm以上、特に3000rpm以上の安定した高
速回転駆動を容易に行うことができ、しかも面ブレや変
形も防止することができる。
従って本発明の光ディスクによれば、高速回転駆動時
においても良好な記録・再生特性が得られる。
さらに、一方の基板は樹脂製であるため、光ディスク
を落としたりしたときの破損や、破損した場合のガラス
飛散を防止することができる。
特に、ガラス製の基板上に記録層等の情報担持部を形
成し、これを樹脂製の保護基板と一体化した本発明の光
ディスクは、記録・再生を行うガラス製基板側が、耐候
性、耐久性に優れる。このため高温ないし低温および高
湿ないし低湿下で長期間保存した場合でもガラス製基板
の変形成や変質等はほとんど生じない。
そして複屈折もほとんど生じないため、この光ディス
クを用いれば、一層正確に記録・再生を行うことができ
る。
そして、本発明では樹脂製基板に、ガラス繊維を含有
する樹脂材料を用いる。
このため、ガラス製基板と樹脂製基板の熱膨張率を近
づけることができる。
従って、熱膨張率の違いにより生じるガラス製基板、
樹脂製基板および保護コート等の各構成層相互間の応力
や歪を減少させることができる。
この場合、各構成層間の応力や歪は、例えば接着剤層
や保護コート等によって吸収され、高温あるいは低温
下、例えば−30〜60℃で温度変化する苛酷な条件下に保
存する場合であってもガラス製基板と樹脂製基板、これ
らと各構成層および構成層と構成層との剥離を防止する
ことができる。このため信頼性の高い光ディスクを得る
ことができる。
また、所定範囲のガラス転移温度Tg、ヤング率あるい
は力学的損失係数tanδ等を有する接着剤を併用すれ
ば、さらに過酷な熱的条件下に保存する場合であっても
剥離を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光ディスクの1例を示す断面図であ
る。 符号の説明 1……光磁気記録ディスク 2……基板 3……樹脂層 4……保護層 5……中間層 6……記録層 7……保護層 8……保護コート 9……接着剤層 10……保護基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木内 弘 東京都中央区日本橋1丁目13地1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 石田 俊彦 東京都中央区日本橋1丁目13地1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−133232(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板を有し、少なくとも一方の基板
    に情報担持部を形成し、この情報担持部が内封されるよ
    うに、前記一対の基板を一体化した光ディスクであっ
    て、 前記一対の基板のうち、一方がガラス製であり、他方が
    樹脂製であり、前記樹脂製基板はガラス繊維を含有する
    ことを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】前記一対の基板のうち、ガラス製基板上に
    情報担持部を形成し、これを樹脂製の保護基板と一体化
    した請求項1に記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】前記情報担持部が記録層である請求項1ま
    たは2に記載の光ディスク。
  4. 【請求項4】前記記録層が希土類金属元素を含有し、こ
    の記録層上に樹脂製の保護コートが設層されている請求
    項3に記載の光ディスク。
  5. 【請求項5】前記樹脂製基板の熱膨張率が、1.7×10-5
    〜4.5×10-5deg-1である請求項1ないし4のいずれかに
    記載の光ディスク。
  6. 【請求項6】前記樹脂製基板のガラス繊維含有量が、5
    〜40wt%である請求項1ないし5のいずれかに記載の光
    ディスク。
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