JP3072906B2 - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JP3072906B2
JP3072906B2 JP02192257A JP19225790A JP3072906B2 JP 3072906 B2 JP3072906 B2 JP 3072906B2 JP 02192257 A JP02192257 A JP 02192257A JP 19225790 A JP19225790 A JP 19225790A JP 3072906 B2 JP3072906 B2 JP 3072906B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、光ディスク、例えば光磁気記録ディスク、
相変化型の光ディスク、ピット形成型の光記録ディスク
や、再生専用の光ディスク等に関する。
<従来の技術> 光ディスクのうち、例えば光磁気記録ディスクは、基
板上に、順次、樹脂層、記録層、保護コート等が積層さ
れて構成される。
この場合、樹脂層には、通常、紫外線硬化型化合物が
用いられる。そして、いわゆる2P法を用いて、基板上
に、トラッキング用のグルーブやピット、あるいは記録
ピット等のパターンを有する樹脂層を形成する。
2P法では、まず、前記パターンの母型パターンを有す
るスタンパ表面に紫外線硬化型化合物を展着し、この紫
外線硬化型化合物上にディスク状基板を圧接する。次い
で紫外線を照射して硬化した後、スタンパと樹脂とを剥
離する。これにより母型パターンが転写された樹脂層を
基板上に形成することができる。
<発明が解決しようとする課題> しかし、従来の紫外線硬化型化合物を硬化させた樹脂
層を有するディスクの場合、スパッタリング等の気相成
膜法によって記録層を成膜する際に減圧すると、樹脂層
からガスが発生し、このガスにより記録層が腐食するこ
とがある。
また、ディスクを高温、高湿下にて使用あるいは保存
すると、樹脂層からモノマーが流出し、このモノマーに
より記録層が腐食することがある。
この結果、ディスクの記録・再生特性、特にC/Nが低
下し、しかもエラーが発生してしまう。
加えて、樹脂層からガスが発生したり、モノマーが流
出した結果、グルーブやピットが変形してしまう場合が
ある。
このため、フォーカシングやトラッキングが困難とな
り、エラーを増大することがある。
本発明の目的は、高温・高湿下や減圧下でもグルーブ
やピットの形状を良好に保持でき、記録層を腐食させな
い樹脂層を有する光ディスクを提供することにある。
<課題を解決するための手段> このような、目的は、下記(1)〜(3)の本発明に
よって達成される。
(1)基板上に、放射線を照射して硬化した樹脂層を有
し、 前記樹脂層のゲル分率が95%以上であり、 前記樹脂層の周波数10Hz、温度20〜100℃における弾
性率が200kgf/mm2であり、 前記樹脂層の周波数10Hz,温度20〜100℃における力学
的損失係数tanδが0.01〜0.2である光ディスク。
(2)前記樹脂層上に金属記録層を成膜した上記(1)
の光ディスク。
(3)前記樹脂層上に5Pa以下の気圧下にて成膜した記
録層を有する上記(1)または(2)の光ディスク。
<作用> 本発明の光ディスクは、ゲル分率が95%以上の樹脂層
を有する。
このためディスクを高温、高湿下にて使用あるいは保
存しても、樹脂層からガスが発生したり、モノマー成分
が流出することがほとんどない。
そして、特に、スパッタリング等の気相成膜法により
記録層が成膜される光記録ディスクの場合、記録層の成
膜の際、減圧しても樹脂層からガスが発生することがほ
とんどない。
このため、良好な記録層を形成することができ、しか
もディスクを高温、高湿下にて使用あるいは保存して
も、記録層が腐食しない。
加えて、樹脂層に形成されているアドレス用ないしト
ラッキング用のグルーブやピット、さらには、記録ピッ
ト等の形状の良好に保持できる。
なお、樹脂層のゲル分率は、用いる紫外線硬化型化合
物によってのみ定まるものではないため、本発明では、
紫外線硬化型化合物、光重合開始剤、あるいはこれらの
含有量や紫外線の照射条件、雰囲気等種々の条件を組み
合わせて所望のゲル分率を有する樹脂層を形成する。
<具体的構成> 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の光ディスクは、基板上に、放射線を照射して
硬化させた樹脂層を有する。
この場合、本発明は、情報を予め担持している再生専
用の光ディスクおよび情報を担持させうる記録層を有す
る光記録ディスクの双方である。
ただし、ここでは好適例として第1図に示される光磁
気記録ディスクを例に挙げて説明する。
この光磁気ディスク1は、基板2上に、樹脂層3、保
護層4、中間層5、記録層6、保護層7、保護コート
8、接着剤層9、保護基板10を順次有する片面記録タイ
プである。
本発明において、基板2は、記録光および再生光に対
して透明なものであり、その材質には、従来光ディスク
の基板材質として公知のガラスや樹脂等を用いればよ
く、用途等に応じて適宜選択される。この場合好ましく
は樹脂製あるいはガラス製とし、より好ましくはガラス
製とする。
基板2をガラスにより構成すれば、耐熱性、耐湿性が
向上し、複屈折もほとんど生じない。
ガラス製基板の場合は、強化ガラスから構成すること
が好ましい。強化ガラスを用いることにより、より高い
剛性やより優れた耐候性、耐久性が得られる。
本発明で用いる強化ガラスに特に制限はなく、通常の
強化法を用いて強化した物理強化ガラスや化学強化ガラ
スを使用すればよいが、好ましくは化学強化ガラスを使
用する。
また、樹脂製基板の場合、例えばアクリル樹脂、ポリ
カーボネート、エポキシ樹脂、ポリメチルペンテン、ポ
リオレフィン、等が好適である。
基板2の形状は、ディスク状であり、外径は、通常50
〜360mm程度、内径は、通常15〜60mm程度、厚さは、通
常0.5〜2mm程度である。
なお、基板2は、公知の方法に従い製造すればよい。
基板2上には、樹脂層3が設層れさる。
樹脂層3は、放射線硬化型化合物ないしその組成物を
紫外線、電子線等の放射線を照射して硬化させた物質か
ら構成され、その表面に、トラッキング用、アドレス用
等のために、ピットあるいはグルーブ等の所定のパター
ンを有する。
硬化後の樹脂層3のゲル分率は、95%以上、好ましく
は97%以上である。
前記範囲未満では、ディスクを高温、高湿下や減圧下
においた場合、樹脂層3からガスが発生したり、モノマ
ーが流出し、記録層6が腐食する。
そして、樹脂層3からガスが発生したり、モノマーが
流出した結果、樹脂層3のグルーブやピットが変形す
る。
樹脂層3のゲル分率は、下記のように測定すればよ
い。
まず、ディスクを製造する場合と同一条件で、基板上
に樹脂層を形成する。
次いで、樹脂層からyg(0.5〜1.0g程度)の試料片を
削り取り、例えば、アセトンに、超音波をかけて溶解さ
せる。
そして、不溶物を秤量し、これをxgとして下記式から
算出する。
式 (x/y)×100(%) なお、本発明では、後述する放射線硬化型化合物、光
重合開始剤、これらの含有量、紫外線の照射条件、雰囲
気等種々の条件を組み合わせることによって、樹脂層3
のゲル分率をほぼ100%近くにすることができる。
また、硬化後の樹脂層3の周波数10Hz、20〜100℃の
温度範囲内の各温度における弾性率は、200kgf/mm2以上
である。
弾性率が200kgf/mm2以上であると、2P法にて基板上に
樹脂層3を形成する際、スタンパからの樹脂を容易に剥
離できる。
加えて、形成されたグルーブやピットの形状をそのま
ま保持できるため、スタンパの母型パターンが正確に転
写された樹脂層を形成できる。
そして、樹脂層3の、耐熱性、耐湿性、さらには、膜
強度が向上する。
このため、ディスクが高温、高湿下におかれた場合、
例えば、記録層6をスパッタリング等の気相成膜法にて
形成する際、あるいはディスクを高温、高湿下にて保存
したり、使用する際でも樹脂層3が変形せず、ディスク
の機械的精度を高く保持できる。
ただし、樹脂層3の弾性率があまり大きすぎると樹脂
層3がもろくなりすぎ、温湿度変化によりクラックを生
ずる可能性があるため、200〜1500kgf/mm2であることが
好ましい。
そして、より好ましくは220〜1500kgf/mm2、特に250
〜1000kgf/mm2であることが好ましい。
弾性率が前記範囲の場合、耐熱性向上等の前記の効果
や本発明の効果がより一層向上する。
また、硬化後の樹脂層3の周波数10Hz、20〜1000℃の
温度範囲内の各温度における力学的損失係数tanδは0.0
1〜0.2である。
前記範囲をこえると材料の粘性が大きくなってきて、
熱によるグルーブ形状変化がおきやすくなる。
前記範囲未満では樹脂層3自体がもろくなりすぎ、温
湿度変化によりクラックが生じやすい。
また、フィルム形成能力がおちてしまう。
そして、より好ましくは0.05〜0.2、特に0.05〜0.18
であることが好ましい。
tanδが前記範囲の場合、耐熱性向上等の前記の効果
や本発明の効果がより一層向上する。
なお、樹脂層3の弾性率やtanδもゲル分率と同様、
放射線硬化型化合物、光重合開始剤、あるいはこれらの
含有量や紫外線の照射条件、雰囲気等種々の条件を組み
合わせて所望のものとすればよい。
樹脂層3の弾性率および力学的損失係数tanδは以下
のようにして測定される。
樹脂層を例えば離型紙上に厚さ100〜500μmとなるよ
うに形成する。次いで離型紙から樹脂層を剥離し、粘弾
性測定装置を用い、強制振動法により加振周波数10Hz
(正弦波)にて、0〜150℃間で測定する。
樹脂層3を構成する樹脂材質は、前記のゲル分率が得
られれば特に制限はなく、いわゆる2P法に用いられる各
種放射線硬化型化合物から、適宜選択すればよい。
使用するモノマーとしては、1官能、2官能、3官能
あるいは多官能エステルアクリレート、ウレタンアクリ
レート、エポキシアクリレート等が好適である。
この場合、モノマーは1種だけ用いてもよいが、前記
のゲル分率、さらには弾性率やtanδが得やすい点で2
種、場合によっては3種以上併用してもよい。
そして前記のモノマーのうち、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の
3官能モノマーと、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールジアククリレート、カプロラクトン変性ヒド
ロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の2官
能モノマーとの併用が最適である。
また、モノマーにかえて、あるいはモノマーに加え
て、オリゴマーを1種あるいは2種以上併用してもよ
い。
オリゴマーとしては、オリゴエステルアクリレート等
が好適である。
多官能オリゴエステルアクリレートとしては、アロニ
ックスM−8100、M−6500(東亜合成化学社製)として
市販されているものを用いることができ、これらは下記
式(A)、(B)で示されるものである。
(B)AM−NnM−A (M−6500) A:アクリル酸、X:多価アルコール、 M:2価アルコール、Y:多塩基酸、 N:2塩基酸 また、モノマーやオリゴマーに加え、通常、光重合開
始剤が添加される。
使用する光重合開始剤には特に制限がないが、例えば
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−
メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフ
ォリノ−1−プロパノン、ベンゾイン、ベンゾフェノ
ン、ベンジル等のケトン系が好適である。
光重合開始剤の含有量は、1〜10重量%、特に3〜5
%重量が好ましい。
この場合、本発明では溶剤等の添加物が含有されない
ことが好ましい。
このような樹脂層3の設層は、公知の2P法により行な
うことが好ましい。
2P法では、まず、所定のパターンを有するスタンパ表
面に放射線硬化型化合物、好ましくは放射線硬化型化合
物に光重合開始剤を添加したものを展着し、この塗膜上
に基板2を圧接する。この圧接により、スタンパ表面の
パターンを塗膜表面に転写する。
次いで、基板2を通して放射線好ましくは紫外線を照
射することにより塗膜を硬化させて、樹脂と基板2とを
接着した後、樹脂とスタンパとを剥離する。
以上の工程により、スタンパのパターンが転写された
樹脂層3を、基板2の表面に形成する。
なお、硬化後の樹脂層3の弾性率を200kgf/mm2以上に
規制する場合は、樹脂とスタンパとの剥離が容易であ
り、しかも形成されたグルーブやピットを良好な形に保
持できる。
塗膜を紫外線によって硬化させるには、公知の種々の
方法に従えばよい。
例えば、キセノン放電管、高圧水銀灯等の紫外線電球
を用いればよい。
また、場合によっては電子線等を用いることもでき
る。
塗膜の硬化条件には特に制限がなく、例えば、下記の
条件とすればよい。
放射線照射量:0.3〜2ジュール/cm2程度 なお、硬化時の雰囲気には特に制限がなく、例えば大
気中でよい。
ただし、嫌気硬化性を備えた放射線硬化型化合物を用
いる場合には、Ar等の不活性ガス雰囲気、N2ガス雰囲気
等が好適である。
このようにして形成される樹脂層3の層厚は、好まし
くは5〜100μm、より好ましくは30〜50μmである。
前記範囲未満では樹脂層3が薄すぎて硬化不足になり
易い。
前記範囲をこえると樹脂層3が厚すぎて、層の内部が
未硬化になり易く、また、シワが発生し易い。
中間層5は、C/N比を向上させるために設けられ、各
種誘電体物質から形成されることが好ましく、その層厚
は30〜150nm程度であることが好ましい。
なお、このような中間層材質を後述する記録層6の上
に保護層7として設けて、前記中間層5と併用すること
もできる。併用する場合には、中間層5と保護層7の組
成は同一であっても異なっていてもよい。
必要に応じて設けられる保護層4および保護層7は、
記録層6の耐食性向上のために設けられるものであり、
これらは少なくとも一方、好ましくは両方が設けられる
ことが好ましい。これら保護層は、各種酸化物、炭化
物、窒化物、硫化物あるいはこれらの混合物からなる無
機薄膜から構成されることが好ましい。また、前述した
ように、上記の中間層材質で形成してもよい。保護層の
層厚は30〜300nm程度であることが耐食性向上の点から
好ましい。
このような保護層4、7や中間層5は、スパッタ法等
の各種気相成膜法等によって形成されることが好まし
い。
記録層6は、変調された熱ビームスプリッタあるいは
変調された磁界により、情報が磁気的に記録されるもの
であり、記録情報は磁気−光変換して再生されるもので
ある。
記録層6は、光磁気記録が行なえるものであればその
材質に特に制限はないが、希土類金属元素を含有する合
金、特に希土類金属と遷移金属との合金を、スパッタ、
蒸着法、イオンプレーティング法等により、非晶質膜と
して形成したものであることが好ましい。
希土類金属としては、Tb、Dy、Nd、Gd、Sm、Ceのうち
の1種以上を用いることが好ましい。
遷移金属としては、FeおよびCoが好ましい。
この場合、FeとCoの総合有量は、65〜85at%であるこ
とが好ましい。
そして、残部は実質的に希土類金属である。
好適に用いられる記録層の組成としては、TbFeCo、Dy
TbFeCo、NdDyFeCo、NdGdFeCo等がある。
なお、記録層中には、10at%以下の範囲でCr、Al、T
i、Pt、Si、Mo、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au等が含有
されてもよい。
また、10at%以下の範囲で、Sc、Y、La、Ce、Pr、P
m、Sm、Eu、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等の他の希土類金属元
素を含有してもよい。
このような記録層6の層厚は、通常、10〜1000nm程度
である。
なお、記録層6の成膜方法にもよるが、例えばスパッ
タリングでは5Pa以下、特に0.5〜3Pa程度に減圧され、
この際、ディスクは、60〜100℃程度の温度下におかれ
ることがあるが、樹脂層3は、ゲル分率が95%以上であ
り、モノマー成分が少ないため、ガスの発生やモノマー
の流出がほとんどない。
このように、本発明の効果は、特に気相成膜法のよう
に減圧下、例えば5Pa程度以下、特に0.5〜3Pa程度の気
圧にて、さらには、高温下、例えば60〜100℃程度の温
度で記録層6の成膜が行なわれる場合に顕著に発現す
る。
保護コート8は、耐食性や、耐擦傷性の向上のために
設けられるものであり、種々の有機系の物質から構成さ
れることが好ましいが、特に、放射線硬化型化合物ない
しその組成物を、電子線、紫外線等の放射線により硬化
させた物質から構成されることが好ましい。
保護コート8の膜厚は、通常0.1〜100μm程度であ
る。
このような塗膜は、通常、スピンナーコート、グラビ
ア塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知
の方法を組み合わせて設層すればよい。
保護基板10は、記録層6の損傷等を有効に防止するた
めに必要に応じて設けられるものであり、通常、ガラス
製あるいは樹脂製である。
保護基板10の厚さは、剛性を確保するために、通常、
0.5〜2.06mm程度とする。
保護基板10は、例えば、図示されるように接着剤層9
により接着され、基板2と一体化される。
用いる接着剤に、特に制限はないが、ホットメルト系
接着剤が好ましい。
ホットメルト系接着剤は一般に、ベースポリマーを主
体とし、これに粘着付与剤、軟化剤、可塑剤、ワックス
等の添加剤を加えて構成される。
接着に際しては、例えばホットメルト系接着剤を用い
るときには、ロールコータ等を用いればよい。
接着剤層9の厚さは、通常、10〜100μm程度であ
る。
以上では、本発明の光ディスクを片面記録型の光磁気
記録ディスクに適用する場合を説明したが、両面記録型
の光磁気記録ディスクにも適用することができる。
両面記録型の光磁気記録ディスクは、前述した各構成
層を有する基板2を2枚用意して、記録層6が内封され
るように、例えば、接着剤層9により接着して得られ
る。
また本発明は、この他、いわゆる相変化型等の記録層
を有し、反射率変化により記録・再生を行なう光記録デ
ィスクにも適用することができる。
このような記録層としては、例えば、特公昭54−4190
2号、特許第1004835号などに記載のTe−Se系合金、特開
昭62−76035号などに記載のTe−Ge系合金、特開昭63−5
6827号などに記載のTe−In系合金、特願昭61−307298
号、特願昭61−307299号などに記載のTe−Sn系合金、特
開昭58−54338号、特許第974257号、特許第974258号、
特許第974257号などに記載のTe酸化物系、その他各種T
e、Seを主体とするカルコゲン系、 Ge−Sn、Si−Sn等の非晶質−結晶質転移を生じる合金 Ag−Zn、Ag−Al−Cu、Cu−Al等の結晶構造変化によっ
て色変化を生じる合金、In−Sb等の結晶粒径の変化を生
じる合金などがある。
また、ピット形成により反射率変化を生じるいわゆる
ピット形成型の記録層を有する光記録ディスクにも適用
することができる。
ピット形成型の記録層には、シアニン系、フタロシア
ニン系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、アゾ
系、トリフェニルメタン系、ピリリウムないしチアピリ
リウム塩系等の色素系、あるいはTeを主体とするTe系等
の材料が用いられる。
この他、本発明は、光学式ビデオディスク、光学式デ
ジタルオーディオディスク等の再生専用の光ディスクで
あってもよい。ただ、好ましくは、上記のうち気相成膜
法により減圧下で記録層が形成される金属を含有する記
録層、特に金属の記録層を有する相変化型の光記録ディ
スクと、希土類金属元素等の金属を含有する記録層、特
に金属の記録層を有する光磁気記録ディスクである。
このような金属を含有する記録層を有する光ディスク
の場合、記録層の成膜の際、ディスクが減圧下、例えば
5Pa程度以下、特に0.1〜3Pa程度の気圧下におかれ、同
時に高温下、例えば、60〜100℃程度の温度下におかれ
るため、前記の樹脂層を形成することによって、樹脂層
からのガスの発生やモノマーの流出を減少させることが
できる。
このため、良好な記録層と、良好な形状のグルーブや
ピットが形成された樹脂層とを有する光ディスクが実現
する。
<実施例> 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに
詳細に説明する。
[実施例1] ガラス製基板2に、順次樹脂層3、ガラス保護層4、
SiNx中間層5、TbFeCo記録層6、SiNx保護層7、および
保護コート8を形成し、最後に接着剤層9により樹脂製
保護基板10を接着して第1図に示される片面記録型の光
磁気記録ディスクを製造した。
ガラス製基板2は、アルミナケイ酸系の化学強化ガラ
スとし、外径200mm、厚さ1.2mmのディスク状とした。
樹脂層3は2P法により厚さ30μmに形成し、その表面
にはトラッキング用グルーブを形成した。
この場合、紫外線硬化性モノマーおよび光重合開始剤
は下記のものを用いた。
紫外線硬化性モノマーA1: トリメチロールプロパントリアクレート 紫外線硬化性モノマーA2: ヒドロキシピバリン酸ネオペンチグリコールジアクリレ
ート 光重合開始剤B1: 2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 光重合開始剤B2: 2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノ−1−プロパノン 前記のA1、A2、B1およびB2を表1に示される配合比
(重量比)にて混合した組成物を用い、樹脂層が異なる
サンプルNo.1〜No.3を製造した。
樹脂の硬化には高圧水銀灯を使用し、硬化条件は下記
のとおりとした。
紫外線照射量:1ジュール/cm2 最大放射束:0.1ワット/cm2 雰囲気:N2ガス中 保護層4、中間層5、記録層6および保護層7は、そ
れぞれ、スパッタ法にて成膜した。
また、保護コート8は、オリゴエステルアクリレート
を塗布後、紫外線照射して架橋硬化させることにより、
10μmに設層した。
接着剤層9には、ホットメルト系接着剤を用い、ロー
ルコータにより設層し、その厚さを80μmとした。
得られた各サンプルの樹脂層3のゲル分率、20℃およ
び100℃のそれぞれにおける弾性率および力学的損失係
数tanδは表1に示されるとおりである。
この場合、ゲル分率は、下記のようにして測定した。
ガラス製基板上に、ディスクを製造する場合と同一条
件で、樹脂層を形成し、この樹脂層から1gの試料片を削
り取った。
次いで、試料片を50mlのアセトン中に入れ、1時間、
超音波をかけて溶解させた。
そして、アセトン中の不溶物を秤量し、これをxgと下
記式から算出した。
式(x/1)×100(%) また、弾性率および力学的損失係数tanδの測定は下
記のようにして測定した。
樹脂層を離型紙上にロールコータを用いて厚さ100〜5
00μmとなるように塗布し、サンプルと同一条件で硬化
させた。得られた樹脂層を離型紙から剥離し、岩本製作
所製粘弾性スペクトロメータにより、加振周波数(正弦
波)10Hzにて、0〜150℃間で測定した。
得られた各サンプルに、同一の条件で、同一の光磁気
記録を行なった。
この場合、記録信号はデューティー50/50の矩形信号
とし、記録周波数は1MHzとした。
そして、OMS−1000(Nakamichi社製)を用いて、下記
条件にて、ディスクのビットエラーレートを測定した。
ディスクの線速度:4m/秒 最適記録感度PW:3.8mW 読み取りパワー:1mW 次いで各サンプルを温度80℃、湿度80%RHの雰囲気中
に入れ、500時間保存した。
そして、この後、前記と同様にしてビットエラーレー
トを測定した。
結果は表2に示されるとおりである。
また、各サンプルの機械的精度を光ディスク機械特性
測定装置ODA−II(新電子工業製)を用いて、測定し
た。
測定条件は、ディスク回転数:1800rpm、レーザーパワ
ー:1mWとし、ディスクの内周r=55mmから外周r=95mm
まで5mmおきに機械精度測定を行なった。
この結果、比較用サンプルNo.3は、トラッキングエラ
ーが多く、ディスクの偏心加速度、真円度が悪く、ディ
スクの機械的精度が低いことが確認された。
これに対し、本発明のサンプルNo.1およびNo.2は、偏
心加速度等が小さく、ディスクの機械的精度が高いこと
が確認された。
なお、本発明のサンプルNo.1およびNo.2は、樹脂層3
を形成する際、すなわち紫外線で硬化した後スタンパと
樹脂とを剥離するのが容易であった。
そして、スタンパの母型パターンを正確に転写するこ
とができ、しかも形成されたグルーブの形状を良好に保
持することができた。
加えて、経時後のC/N等の記録・再生特性も良好であ
った。
これらの結果から、本発明の効果が明らかである。
[実施例2] 実施例1において、記録層6をTe−Sn合金にかえたほ
かは同様にして、反射率変化により記録・再生を行なう
相変化型の光記録ディスクサンプルを製造した。
この場合、記録層6は、高周波マグネトロンスパッタ
にて成膜した。
そして、各サンプルに対し、実施例1と同様の評価を
行なったところ同等の結果が得られた。
以上の結果から本発明の効果が明らかである。
<発明の効果> 本発明の光ディスクは、ディスクの製造中間工程にお
いて、記録層等の各層の成膜時に減圧下や高温、高湿下
におかれても樹脂層からガスが発生したり、モノマーが
流出するとがほとんどない。
このため、良好な形状のグルーブやピットが形成され
た樹脂層を有する光ディスクが実現する。
そして、特に、光記録ディスクの場合、良好な記録層
を形成できる。
加えて、ディスクを高温、高湿下にて保存したり、使
用しても、樹脂層に形成されているグルーブやピットを
良好な形状のまま保持することができ、しかも、記録層
を良好に保持できる。
このため、従来の光ディスクに比べ経時後の記録・再
生、特にC/Nが向上し、加えて、エラーレートが減少す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の光ディスクの1例を示す断面図であ
る。 符号の説明 1……光磁気記録ディスク 2……基板 3……樹脂層 4……保護層 5……中間層 6……記録層 7……保護層 8……保護コート 9……接着剤層 10……保護基板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、放射線を照射して硬化して樹脂
    層を有し、 前記樹脂層のゲル分率が95%以上であり、 前記樹脂層の周波数10Hz、温度20〜100℃における弾性
    率が200kgf/mm2以上であり、 前記樹脂層の周波数10Hz、温度20〜100℃における力学
    的損失係数tanδが0.01〜0.2である光ディスク。
  2. 【請求項2】前記樹脂層上に金属記録層を成膜した請求
    項1の光ディスク。
  3. 【請求項3】前記樹脂層上に5Pa以下の気圧下にて成膜
    した記録層を有する請求項1または2の光ディスク。
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