JP3272737B2 - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
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- JP3272737B2 JP3272737B2 JP01850591A JP1850591A JP3272737B2 JP 3272737 B2 JP3272737 B2 JP 3272737B2 JP 01850591 A JP01850591 A JP 01850591A JP 1850591 A JP1850591 A JP 1850591A JP 3272737 B2 JP3272737 B2 JP 3272737B2
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- JP
- Japan
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- layer
- substrate
- optical recording
- softening point
- recording layer
- Prior art date
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- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体のうち、例えば光磁気記録デ
ィスクや相変化型の光記録ディスクでは、基板上に、直
接または下地層を介し、各種記録層構成材料をスッパタ
リングや蒸着によって成膜している。
ィスクや相変化型の光記録ディスクでは、基板上に、直
接または下地層を介し、各種記録層構成材料をスッパタ
リングや蒸着によって成膜している。
【0003】この際、基板としては、ポリカーボネート
やポリメチルメタクリレート等の樹脂が用いられてい
る。
やポリメチルメタクリレート等の樹脂が用いられてい
る。
【0004】しかし、気相成膜法による記録層や下地層
は、これら樹脂基板に対して密着性が悪く、高温、高湿
下で保存したりすると、記録層が剥離してしまうという
不都合がある。
は、これら樹脂基板に対して密着性が悪く、高温、高湿
下で保存したりすると、記録層が剥離してしまうという
不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、基板と、気相成膜法によって形成された記録層や下
地層との密着性を向上させることにある。
は、基板と、気相成膜法によって形成された記録層や下
地層との密着性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)、(2)の本発明によって達成される。 (1)樹脂製の基板上に、直接または下地層を介して記
録層を有し、この記録層または下地層が気相成膜法によ
り形成されており、前記基板は、記録層側表層部に、1
00〜140℃である第1の熱軟化点をもつスキン層
と、この第1の熱軟化点より10〜50℃高い第2の熱
軟化点をもつ中心部とを有することを特徴とする光記録
媒体。 (2)前記スキン層と前記中心部とが、射出成形によっ
て一体的に形成されているディスク状基板である上記
(1)に記載の光記録媒体。
(1)、(2)の本発明によって達成される。 (1)樹脂製の基板上に、直接または下地層を介して記
録層を有し、この記録層または下地層が気相成膜法によ
り形成されており、前記基板は、記録層側表層部に、1
00〜140℃である第1の熱軟化点をもつスキン層
と、この第1の熱軟化点より10〜50℃高い第2の熱
軟化点をもつ中心部とを有することを特徴とする光記録
媒体。 (2)前記スキン層と前記中心部とが、射出成形によっ
て一体的に形成されているディスク状基板である上記
(1)に記載の光記録媒体。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【作用】本発明では、基板の記録層側表層に、熱軟化点
100〜140℃のスキン層を形成する。そして、この
スキン層上に、スパッタリングや蒸着法等の気相成膜法
により記録層を形成する。
100〜140℃のスキン層を形成する。そして、この
スキン層上に、スパッタリングや蒸着法等の気相成膜法
により記録層を形成する。
【0013】このスキン層の存在により基板と記録層と
の密着性が高まり、高温、高湿下で使用あるいは保存し
たときの光記録媒体の耐久性が格段と向上する。
の密着性が高まり、高温、高湿下で使用あるいは保存し
たときの光記録媒体の耐久性が格段と向上する。
【0014】これは記録層を気相成膜法により設層する
とき、成膜成分が、軟かいスキン層内部まで浸入するた
めであると思われる。
とき、成膜成分が、軟かいスキン層内部まで浸入するた
めであると思われる。
【0015】そして、このような効果は、基板表層のス
キン層軟化点を140℃以下に規制することで臨界的に
向上する。
キン層軟化点を140℃以下に規制することで臨界的に
向上する。
【0016】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
に説明する。
【0017】本発明の光記録媒体1の好適例が図2に示
される。この光記録媒体1は基板2上に記録層3を有す
る光磁気記録ディスクである。
される。この光記録媒体1は基板2上に記録層3を有す
る光磁気記録ディスクである。
【0018】基板2は、記録光および再生光(600〜
900nm程度、特に700〜800nm程度の半導体レー
ザー光、特に780nm)に対し、実質的に透明(好まし
くは透過率80%以上)な樹脂から形成される。これに
より、基板裏面側からの記録および再生が可能となる。
900nm程度、特に700〜800nm程度の半導体レー
ザー光、特に780nm)に対し、実質的に透明(好まし
くは透過率80%以上)な樹脂から形成される。これに
より、基板裏面側からの記録および再生が可能となる。
【0019】基板材質としては樹脂を用いる。樹脂とし
ては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリオレ
フィン等の各種熱可塑性樹脂が好適である。
ては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリオレ
フィン等の各種熱可塑性樹脂が好適である。
【0020】このような基板2の記録層設層側の表層部
にはスキン層が存在し、このスキン層の熱軟化点は、1
00〜140℃、より好ましくは100〜135℃、さ
らに好ましくは110〜135℃である。熱軟化点が1
40℃を越えると密着性が低下してくる。
にはスキン層が存在し、このスキン層の熱軟化点は、1
00〜140℃、より好ましくは100〜135℃、さ
らに好ましくは110〜135℃である。熱軟化点が1
40℃を越えると密着性が低下してくる。
【0021】また100℃未満となると、例えば記録層
積層時の耐熱性に問題が生じたり、寸法精度が低下して
きたりする。
積層時の耐熱性に問題が生じたり、寸法精度が低下して
きたりする。
【0022】この場合、表層部のスキン層の熱軟化点と
は、下記のように測定された温度である。まず、被検基
板の上に針を置いて、5g 程度の荷重を加え、昇温速度
2℃/min 程度で、30℃程度から昇温していって、針
の進入量を測定する。針の断面は直径1mm程度の円柱形
とする。
は、下記のように測定された温度である。まず、被検基
板の上に針を置いて、5g 程度の荷重を加え、昇温速度
2℃/min 程度で、30℃程度から昇温していって、針
の進入量を測定する。針の断面は直径1mm程度の円柱形
とする。
【0023】このように測定される温度と針進入量との
関係が図1に示される。図1に示されるように、本発明
の基板では、針進入量の温度特性プロファイルにおい
て、第1の屈曲点と第2の屈曲点とが生じる。
関係が図1に示される。図1に示されるように、本発明
の基板では、針進入量の温度特性プロファイルにおい
て、第1の屈曲点と第2の屈曲点とが生じる。
【0024】例えば、注型基板や、ある種の射出成形基
板では、針進入量の温度特性には1つの屈曲点しか現わ
れないか、あるいは第1の屈曲点はわずかにしか現われ
ない。また、第1の屈曲点によって生じる1段目の針進
入量は、概ね200μm程度以下である。従って、これ
らから第1の屈曲点は、基板表層のスキン層の軟化点に
由来するものと考えられる。
板では、針進入量の温度特性には1つの屈曲点しか現わ
れないか、あるいは第1の屈曲点はわずかにしか現われ
ない。また、第1の屈曲点によって生じる1段目の針進
入量は、概ね200μm程度以下である。従って、これ
らから第1の屈曲点は、基板表層のスキン層の軟化点に
由来するものと考えられる。
【0025】そこで、温度特性プロファイルの第1の屈
曲点近傍にて、針進入前の直線部と、1段目の進入時の
直線部との交点をT1 とし、これをスキン層の熱軟化点
T1 と定義する。そして、本発明では、このT1 を前記
のとおり規制するものである。
曲点近傍にて、針進入前の直線部と、1段目の進入時の
直線部との交点をT1 とし、これをスキン層の熱軟化点
T1 と定義する。そして、本発明では、このT1 を前記
のとおり規制するものである。
【0026】一方、第2の屈曲点近傍においても、1段
目の進入時と2段目の進入時との直線部の交点をT2 と
し、これを第2の熱軟化点T2と定義する。この第2の
熱軟化点T2 は、基板中心部での熱軟化点であると考え
られる。
目の進入時と2段目の進入時との直線部の交点をT2 と
し、これを第2の熱軟化点T2と定義する。この第2の
熱軟化点T2 は、基板中心部での熱軟化点であると考え
られる。
【0027】そして、この第2の熱軟化点T2 は、第1
の熱軟化点T1 より10〜50℃高い温度であり、14
0℃以上、特に145〜180℃の温度であると好まし
い。これにより、寸法精度や機械的特性や耐熱性等がす
ぐれたものとなる。
の熱軟化点T1 より10〜50℃高い温度であり、14
0℃以上、特に145〜180℃の温度であると好まし
い。これにより、寸法精度や機械的特性や耐熱性等がす
ぐれたものとなる。
【0028】なお、スキン層は、基板表層部断面のSE
M像からも、周囲と色の異なる層として確認でき、その
厚さは、一般に1〜200μm、特に10〜100μm
程度であると考えられる。また、前記の針進入量の温度
特性プロファイルは、TMA(熱機械分析装置、サーモ
メカニカルアナライザー)として市販されている各種装
置、例えばデュポン社製943熱機械分析装置等によっ
て測定すればよい。
M像からも、周囲と色の異なる層として確認でき、その
厚さは、一般に1〜200μm、特に10〜100μm
程度であると考えられる。また、前記の針進入量の温度
特性プロファイルは、TMA(熱機械分析装置、サーモ
メカニカルアナライザー)として市販されている各種装
置、例えばデュポン社製943熱機械分析装置等によっ
て測定すればよい。
【0029】このようなスキン層を形成するには、特に
環状ポリオレフィンや、ポリカーボネートを用いて射出
成形によって基板を形成することが好ましい。
環状ポリオレフィンや、ポリカーボネートを用いて射出
成形によって基板を形成することが好ましい。
【0030】環状ポリオレフィンとしては、下記化1を
くり返し構造単位とする環状ポリオレフィンである。
くり返し構造単位とする環状ポリオレフィンである。
【0031】
【化1】
【0032】化1において、R1 およびR2 は、炭化水
素残基であるが、特に、炭素数1〜5の非置換のアルキ
ル基であることが好ましい。
素残基であるが、特に、炭素数1〜5の非置換のアルキ
ル基であることが好ましい。
【0033】用いる環状ポリオレフィンは、このような
化1のくり返し単位のみからなるホモポリマーであるこ
とが好ましいが、R1 、R2 の異なる化1のくり返し単
位の複数からなるコポリマーであってもよい。そして、
その数平均分子量は、1万〜10万、特に2万〜5万で
あることが好ましい。
化1のくり返し単位のみからなるホモポリマーであるこ
とが好ましいが、R1 、R2 の異なる化1のくり返し単
位の複数からなるコポリマーであってもよい。そして、
その数平均分子量は、1万〜10万、特に2万〜5万で
あることが好ましい。
【0034】このような環状ポリオレフィンは、別途常
法に従い重合を行なって用いてもよく、また、例えば日
本ゼオン社製Zeonex280等として市販されているもの
を用いてもよい。
法に従い重合を行なって用いてもよく、また、例えば日
本ゼオン社製Zeonex280等として市販されているもの
を用いてもよい。
【0035】また、環状ポリオレフィンとしては、特開
平2−257446号等に記載された下記化2の環状オ
レフィンとエチレンとの共重合体の好ましくはブレンド
体も好適である。
平2−257446号等に記載された下記化2の環状オ
レフィンとエチレンとの共重合体の好ましくはブレンド
体も好適である。
【0036】
【化2】 (nは、0または正の整数であり、R1 ないしR12は、
それぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素残基
を示し、R9 〜R12は、互いに結合して単環または多環
の基を形成していてもよく、かつこの単環または多環の
基が二重結合を有していてもよく、またR9 とR10と
で、またはR11とR12とで、アルキリデン基を形成して
いてもよい。)
それぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素残基
を示し、R9 〜R12は、互いに結合して単環または多環
の基を形成していてもよく、かつこの単環または多環の
基が二重結合を有していてもよく、またR9 とR10と
で、またはR11とR12とで、アルキリデン基を形成して
いてもよい。)
【0037】さらに、ポリカーボネートとしては、数平
均分子量8000〜13000程度のものや、末端にエ
ステル結合をもつもの、例えば三菱ガス化学社製H−4
500等が好ましい。
均分子量8000〜13000程度のものや、末端にエ
ステル結合をもつもの、例えば三菱ガス化学社製H−4
500等が好ましい。
【0038】そして、これらは、例えば注型したとき、
前記の第2の熱軟化点T2 をもつものとする。
前記の第2の熱軟化点T2 をもつものとする。
【0039】このような樹脂を用いて、射出成形時にス
キン層を形成するには、射出圧を250〜400kg/cm2
程度に設定することが好ましい。そして、溶融温度は3
00〜400℃程度、金型温度は80〜120℃程度と
し、その他、保圧や型締力等は通常の条件とすればよ
い。
キン層を形成するには、射出圧を250〜400kg/cm2
程度に設定することが好ましい。そして、溶融温度は3
00〜400℃程度、金型温度は80〜120℃程度と
し、その他、保圧や型締力等は通常の条件とすればよ
い。
【0040】なお、必要に応じ、基板2の外表面や、外
周面等に酸素遮断性の被膜を形成してもよい。また、基
板2の記録層3形成面には、トラッキング用のグルーブ
が形成されていてもよい。
周面等に酸素遮断性の被膜を形成してもよい。また、基
板2の記録層3形成面には、トラッキング用のグルーブ
が形成されていてもよい。
【0041】図2に示される光磁気記録ディスクにおい
て、基板2上には、下地層としての保護層4、中間層5
を介して記録層3が形成されている。
て、基板2上には、下地層としての保護層4、中間層5
を介して記録層3が形成されている。
【0042】中間層5は、C/N比を向上させるために
設けられ、各種誘電体物質から形成されることが好まし
く、その層厚は30〜150nm程度であることが好まし
い。
設けられ、各種誘電体物質から形成されることが好まし
く、その層厚は30〜150nm程度であることが好まし
い。
【0043】また保護層4とともに記録層3の上にも保
護層6を設けることもできる。併用する場合には、保護
層4と保護層6の組成は同一であっても異っていてもよ
い。
護層6を設けることもできる。併用する場合には、保護
層4と保護層6の組成は同一であっても異っていてもよ
い。
【0044】必要に応じて設けられる保護層4および保
護層6は、記録層3の耐食性向上のために設けられるも
のであり、これらは少なくとも一方、好ましくは両方が
設けられることが好ましい。これら保護層は、各種酸化
物、炭化物、窒化物、硫化物あるいはこれらの混合物か
らなる無機薄膜から構成されることが好ましい。また、
保護層4、6は、上記の中間層材質で形成してもよい。
保護層の層厚は30〜300nm程度であることが耐食性
向上の点から好ましい。
護層6は、記録層3の耐食性向上のために設けられるも
のであり、これらは少なくとも一方、好ましくは両方が
設けられることが好ましい。これら保護層は、各種酸化
物、炭化物、窒化物、硫化物あるいはこれらの混合物か
らなる無機薄膜から構成されることが好ましい。また、
保護層4、6は、上記の中間層材質で形成してもよい。
保護層の層厚は30〜300nm程度であることが耐食性
向上の点から好ましい。
【0045】このような保護層4、6や中間層5は、ス
パッタ、蒸着、イオンプレーティング等の各種気相成膜
法、特にスパッタによって形成されることが好ましい。
パッタ、蒸着、イオンプレーティング等の各種気相成膜
法、特にスパッタによって形成されることが好ましい。
【0046】記録層3は、変調された熱ビームあるいは
変調された磁界により、情報が磁気的に記録されるもの
であり、記録情報は磁気−光変換して再生されるもので
ある。
変調された磁界により、情報が磁気的に記録されるもの
であり、記録情報は磁気−光変換して再生されるもので
ある。
【0047】記録層3は、光磁気記録が行なえるもので
あればその材質に特に制限はないが、希土類金属元素を
含有する合金、特に希土類金属と遷移金属との合金を、
スパッタ、蒸着、イオンプレーティング等、特にスパッ
タにより、非晶質膜として形成したものであることが好
ましい。
あればその材質に特に制限はないが、希土類金属元素を
含有する合金、特に希土類金属と遷移金属との合金を、
スパッタ、蒸着、イオンプレーティング等、特にスパッ
タにより、非晶質膜として形成したものであることが好
ましい。
【0048】希土類金属としては、Tb、Dy、Nd、
Gd、Sm、Ceのうちの1種以上を用いることが好ま
しい。遷移金属としては、FeおよびCoが好ましい。
Gd、Sm、Ceのうちの1種以上を用いることが好ま
しい。遷移金属としては、FeおよびCoが好ましい。
【0049】この場合、FeとCoの総含有量は、65
〜85at%であることが好ましい。そして、残部は実質
的に希土類金属である。
〜85at%であることが好ましい。そして、残部は実質
的に希土類金属である。
【0050】好適に用いられる記録層の組成としては、
TbFeCo、DyTbFeCo、NdDyFeCo、
NdGdFeCo等がある。なお、記録層中には、10
at%以下の範囲でCr、Al、Ti、Pt、Si、M
o、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au等が含有
されてもよい。
TbFeCo、DyTbFeCo、NdDyFeCo、
NdGdFeCo等がある。なお、記録層中には、10
at%以下の範囲でCr、Al、Ti、Pt、Si、M
o、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au等が含有
されてもよい。
【0051】また、10at%以下の範囲で、Sc、Y、
La、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Ho、Er、T
m、Yb、Lu等の他の希土類金属元素を含有してもよ
い。
La、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Ho、Er、T
m、Yb、Lu等の他の希土類金属元素を含有してもよ
い。
【0052】このような記録層3の層厚は、通常、10
〜1000nm程度である。
〜1000nm程度である。
【0053】このような記録層3や、下地層としての中
間層5をスパッタ等の気相成膜法で設層しても、記録層
3や中間層5の基板2からの膜はがれを効果的に防止す
ることができる。
間層5をスパッタ等の気相成膜法で設層しても、記録層
3や中間層5の基板2からの膜はがれを効果的に防止す
ることができる。
【0054】保護層6上には、保護コート7が設層され
ることが好ましい。保護コート7は、例えば紫外線硬化
樹脂等の各種樹脂材質から、通常は、0.1〜100μ
m程度の厚さに設層すればよい。保護コート7は、層状
であってもシート状であってもよい。保護コート7は、
特に放射線硬化型化合物および光重合増感剤を含有する
塗膜を放射線硬化したものであることが好ましい。
ることが好ましい。保護コート7は、例えば紫外線硬化
樹脂等の各種樹脂材質から、通常は、0.1〜100μ
m程度の厚さに設層すればよい。保護コート7は、層状
であってもシート状であってもよい。保護コート7は、
特に放射線硬化型化合物および光重合増感剤を含有する
塗膜を放射線硬化したものであることが好ましい。
【0055】また本発明は、この他、いわゆる相変化型
等の記録層を有し、反射率変化により記録・再生を行な
う光記録ディスクにも適用することができる。
等の記録層を有し、反射率変化により記録・再生を行な
う光記録ディスクにも適用することができる。
【0056】このような記録層としては、例えば、特公
昭54−41902号、特許第1004835号などに
記載のTe−Se系合金、特開昭62−76035号な
どに記載のTe−Ge系合金、特開昭63−56827
号などに記載のTe−In系合金、特願昭61−307
298号、特願昭61−307299号などに記載のT
e−Sn系合金、特開昭58−54338号、特許第9
74257号、特許第974258号、特許第9742
57号などに記載のTe酸化物系、その他各種Te、S
eを主体とするカルコゲン系、Ge−Sn、Si−Sn
等の非晶質−結晶質転移を生じる合金 Ag−Zn、Ag−Al−Cu、Cu−Al等の結晶構
造変化によって色変化を生じる合金、In−Sb等の結
晶粒径の変化を生じる合金などがある。
昭54−41902号、特許第1004835号などに
記載のTe−Se系合金、特開昭62−76035号な
どに記載のTe−Ge系合金、特開昭63−56827
号などに記載のTe−In系合金、特願昭61−307
298号、特願昭61−307299号などに記載のT
e−Sn系合金、特開昭58−54338号、特許第9
74257号、特許第974258号、特許第9742
57号などに記載のTe酸化物系、その他各種Te、S
eを主体とするカルコゲン系、Ge−Sn、Si−Sn
等の非晶質−結晶質転移を生じる合金 Ag−Zn、Ag−Al−Cu、Cu−Al等の結晶構
造変化によって色変化を生じる合金、In−Sb等の結
晶粒径の変化を生じる合金などがある。
【0057】これらのいずれの場合も、気相成膜法によ
る下地層や保護層を有していてもよい。
る下地層や保護層を有していてもよい。
【0058】このように、本発明は気相成膜法、特にス
パッタリングにより、記録層や下地層が設けられてお
り、特に金属の記録層を有する相変化型の光記録ディス
クと、希土類金属元素等の金属を含有する記録層を有す
る光磁気記録に好適である。
パッタリングにより、記録層や下地層が設けられてお
り、特に金属の記録層を有する相変化型の光記録ディス
クと、希土類金属元素等の金属を含有する記録層を有す
る光磁気記録に好適である。
【0059】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をさらに詳細に説明する。
をさらに詳細に説明する。
【0060】実施例1 前記化1において、R1 =R2 =エチルの1,4−ジメ
チレン−2,3−ジエチルシクロペンタンをくり返し単
位とし、分子量29,000の環状ポリオレフィンのペ
レットを得た。これを350℃にて溶融し、金型温度1
00℃、射出圧350kg/cm2で射出成形し、120mm
径、厚さ1.2mmの基板サンプルNo. 1を得た。
チレン−2,3−ジエチルシクロペンタンをくり返し単
位とし、分子量29,000の環状ポリオレフィンのペ
レットを得た。これを350℃にて溶融し、金型温度1
00℃、射出圧350kg/cm2で射出成形し、120mm
径、厚さ1.2mmの基板サンプルNo. 1を得た。
【0061】基板の熱軟化点を、TMAにて下記のよう
に測定した。 針断面:1mm径円柱 荷重:5g 昇温速度:2℃/min
に測定した。 針断面:1mm径円柱 荷重:5g 昇温速度:2℃/min
【0062】上記条件にて、針進入量の温度プロファイ
ルを測定し、第1および第2の熱軟化点T1 、T2 を算
出した。表1に使用基板のT1 、T2 を示す。また、こ
の基板のSEM像から、スキン層の厚さは100μm程
度以下であると考えられた。
ルを測定し、第1および第2の熱軟化点T1 、T2 を算
出した。表1に使用基板のT1 、T2 を示す。また、こ
の基板のSEM像から、スキン層の厚さは100μm程
度以下であると考えられた。
【0063】この基板上に、コーニング社製7059ガ
ラス(SiO2−BaO−B2O3−Al2O3−CaO)
からなるガラス製の保護層を高周波マグネトロンスパッ
タにより40nmの層厚に設層した。この保護層上に、S
iNx (x=1.3)からなる中間層を高周波マグネト
ロンスパッタにより層厚80nmに設層した。次に、この
中間層上に、Tb23Fe72Co5 の組成を有する記録層
を、スパッタにより層厚80nmに設層した。
ラス(SiO2−BaO−B2O3−Al2O3−CaO)
からなるガラス製の保護層を高周波マグネトロンスパッ
タにより40nmの層厚に設層した。この保護層上に、S
iNx (x=1.3)からなる中間層を高周波マグネト
ロンスパッタにより層厚80nmに設層した。次に、この
中間層上に、Tb23Fe72Co5 の組成を有する記録層
を、スパッタにより層厚80nmに設層した。
【0064】さらに、この記録層上に、前記保護層と同
組成の保護層を高周波マグネトロンスパッタにより層厚
100nmに設層し、この保護層上に、保護コートを設層
した。なお、保護コートは、オリゴエステルアクリレー
トを含有する紫外線硬化型樹脂(下記塗布組成物)を塗
布した後、紫外線硬化して5μm厚の保護膜とし、光記
録ディスクサンプルNo. 1を得た。 (塗布組成物) 多官能オリゴエステルアクリレート[オリゴエステルア
クリレート(3官能以上)30重量%、トリメチルプロ
パンアクリレート70重量%、商品名アロニックスM−
8030;東亜合成社製] 100重量部 光重合増感剤(前記化合物A:商品名IRGACURE
907;日本チバガイギー社製) 5重量部
組成の保護層を高周波マグネトロンスパッタにより層厚
100nmに設層し、この保護層上に、保護コートを設層
した。なお、保護コートは、オリゴエステルアクリレー
トを含有する紫外線硬化型樹脂(下記塗布組成物)を塗
布した後、紫外線硬化して5μm厚の保護膜とし、光記
録ディスクサンプルNo. 1を得た。 (塗布組成物) 多官能オリゴエステルアクリレート[オリゴエステルア
クリレート(3官能以上)30重量%、トリメチルプロ
パンアクリレート70重量%、商品名アロニックスM−
8030;東亜合成社製] 100重量部 光重合増感剤(前記化合物A:商品名IRGACURE
907;日本チバガイギー社製) 5重量部
【0065】こうして作製したサンプルNo. 1について
密着性試験を行った。密着性試験はJIS K5400
の碁盤目試験にて行った。すなわち、サンプルの記録層
上に、直交する縦横11本ずつの平行線をカッターナイ
フを用いて1mmの間隔でひき、1cm2 の中に100個の
升目ができるように碁盤目状の切傷をつける。この上に
セロハンテープ(ニチバン製)を貼りつけ剥離評価を行
った。
密着性試験を行った。密着性試験はJIS K5400
の碁盤目試験にて行った。すなわち、サンプルの記録層
上に、直交する縦横11本ずつの平行線をカッターナイ
フを用いて1mmの間隔でひき、1cm2 の中に100個の
升目ができるように碁盤目状の切傷をつける。この上に
セロハンテープ(ニチバン製)を貼りつけ剥離評価を行
った。
【0066】サンプルNo. 1を温度80℃、湿度80%
RHの条件下で1000時間放置し、成膜直後のサンプ
ルと比較した。結果を表1に示す。なお、表中の100
/100は100個の升目のうち剥離しなかった升目が
100個あることを示す。
RHの条件下で1000時間放置し、成膜直後のサンプ
ルと比較した。結果を表1に示す。なお、表中の100
/100は100個の升目のうち剥離しなかった升目が
100個あることを示す。
【0067】
【表1】
【0068】実施例2 実施例1における環状ポリオレフィン基板の代わりに、
数平均分子量11,000のビスフェノール系ポリカー
ボネートを用い、これを射出圧300kg/cm2、溶融温度
330℃、金型温度95℃にて射出成形を行なった基板
サンプルNo. 2を作製し、実施例1と同様にサンプルN
o. 2を得た。結果を表1に併記する。
数平均分子量11,000のビスフェノール系ポリカー
ボネートを用い、これを射出圧300kg/cm2、溶融温度
330℃、金型温度95℃にて射出成形を行なった基板
サンプルNo. 2を作製し、実施例1と同様にサンプルN
o. 2を得た。結果を表1に併記する。
【0069】比較例1 実施例2のポリカーボネートの数平均分子量を15,0
00、射出圧を300kg/cm2、溶融温度を340℃、金
型温度を100℃とした他は、同様にサンプルNo. 3を
作製した。結果を表1に併記する。
00、射出圧を300kg/cm2、溶融温度を340℃、金
型温度を100℃とした他は、同様にサンプルNo. 3を
作製した。結果を表1に併記する。
【0070】比較例2 実施例2のポリカーボネートの数平均分子量を17,0
00、射出圧を300kg/cm2、溶融温度を350℃、金
型温度を105℃とした他は同様にサンプルNo. 4を作
製した。結果を表1に併記する。
00、射出圧を300kg/cm2、溶融温度を350℃、金
型温度を105℃とした他は同様にサンプルNo. 4を作
製した。結果を表1に併記する。
【0071】表1に示される結果から、本発明の効果が
明らかである。なお、前記化2の環状ポリオレフィンの
ブレンド体を用いて、実施例1と同様の射出成形を行な
い、スキン層を形成したところ、ほぼ同等の結果が得ら
れた。
明らかである。なお、前記化2の環状ポリオレフィンの
ブレンド体を用いて、実施例1と同様の射出成形を行な
い、スキン層を形成したところ、ほぼ同等の結果が得ら
れた。
【0072】
【発明の効果】本発明の光記録媒体によれば、記録層の
基板との密着性が向上し、耐久性が向上する。
基板との密着性が向上し、耐久性が向上する。
【図1】本発明の光記録媒体の熱軟化点を説明するため
のグラフである。
のグラフである。
【図2】本発明の光記録媒体の1例を示す部分断面図で
ある。
ある。
1 光記録媒体 2 基板 3 記録層 4 保護層 5 中間層 6 保護膜 7 保護コート T1 第1の軟化点 T2 第2の軟化点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 甕 敦子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社 (56)参考文献 特開 昭63−244343(JP,A) 特開 平1−113938(JP,A) 特開 平1−223644(JP,A) 特開 平1−262191(JP,A) 特開 平1−169749(JP,A) 特開 平2−252120(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】 樹脂製の基板上に、直接または下地層を
介して記録層を有し、この記録層または下地層が気相成
膜法により形成されており、 前記基板は、記録層側表層部に、100〜140℃であ
る第1の熱軟化点をもつスキン層と、この第1の熱軟化
点より10〜50℃高い第2の熱軟化点をもつ中心部と
を有することを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】 前記スキン層と前記中心部とが、射出成
形によって一体的に形成されているディスク状基板であ
る請求項1に記載の光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01850591A JP3272737B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01850591A JP3272737B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04243034A JPH04243034A (ja) | 1992-08-31 |
JP3272737B2 true JP3272737B2 (ja) | 2002-04-08 |
Family
ID=11973483
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01850591A Expired - Lifetime JP3272737B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3272737B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4026234B2 (ja) | 1998-06-19 | 2007-12-26 | ソニー株式会社 | 情報記録媒体 |
-
1991
- 1991-01-18 JP JP01850591A patent/JP3272737B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04243034A (ja) | 1992-08-31 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20000718 |
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