JPH0588969U - 印判型謄写器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 箱体１の天板部５に握り手部７を設けると
もに、前記箱体１の下面９の表面にインキを含浸した第
１層目の吸蔵体４を設け、その下方に第２層目の極微細
不織布３を固定枠６により固定し、更に、その下方に第
３層目のステンシル７を保持枠８により着脱自在に保持
したことを特徴とする印判型謄写器である。 【効果】ステンシル４を交換後、すぐにインキ滲みだ
しが可能であり 吸蔵体２の目地がステンシル４のインキ滲みだし部を
通して被謄写物に現われることはない。 従って、すぐに連続して鮮明な印影を得ることができ
る。 インキ吸蔵体を粗・密の２層構造（吸蔵体２と極微細
不織布３）としたことで、吸蔵体内のインキの移行量が
安定しており密の極微細不織布３へのインキ供給が可能
である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、文字等の印字部を形成した謄写版原紙や打ち抜き薄板、スクリーン 印刷用網板などのステンシルを用いた印判型謄写器の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ステンシルを用いた印判型謄写器は周知のものであるが、従来この種、印判型 謄写器は、ステンシルを吸蔵体の下面に添装しただけのものを一般的とするため 、吸蔵体の気孔径、気孔率が高ければ、吸蔵体表面の目地がステンシルより現わ れ、鮮明な印影が得られないばかりか、インキの保持力も弱く吸蔵体からのイン キの移行量を適量にできないので、インキの浸出しが過剰気味になり鮮明な印影 が得られない。 また、逆に吸蔵体の気孔径、気孔率が低ければ、鮮明な印影が得られるはずで あるが吸蔵体は、多孔質の発泡体、または、フェルト等であるので多少なりとも ステンシルより目地が現われる。 更に、インキの保持力は優れているが、やはり吸蔵体内でのインキの移行量を適 量に出来ないので、インキの浸出しが不足気味になり鮮明な印影が得られない。 更にまた、吸蔵体を粗・密の２層構造とすることは知られており、インキの移 行量は適量を保つことが出来るが、ステンシルより目地が現われてしまう。 また、ステンシルは交換可能であるため、すぐに連続して鮮明な印影を得難い という欠点がある。 先願に（イ）実公昭５８−２６１３０号があるが、（イ）は吸蔵体が２層構造 でもなく印影の色むらが生じるばかりか、特に、中間層（第２層）については検 討されていない。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

従来の改良目的は、前述の通り、インキを含浸した吸蔵体を有した印判型謄写 器において、ステンシルより吸蔵体の目地がインキ透過部分（Ａ）より現われ鮮 明な印影を得難いこと、又、ステンシルを交換後、すぐに連続して鮮明な印影を 得難いという欠点がある。 よって、吸蔵体とステンシルの間に中間層（第３層）として極微細不織布を設 けたことによりステンシルより吸蔵体の目地が現われず、新たなステンシルを交 換後、すぐに連続して鮮明な印影を得る印判型謄写器を提供するものである。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】

箱体１の天板部５に握り手部７を設けるともに、前記箱体１の下面９の表面に インキを含浸した第１層目の吸蔵体４を設け、その下方に第２層目の極微細不織 布３を固定枠６により固定し、更に、その下方に第３層目のステンシル７を保持 枠８により着脱自在に保持したことを特徴とする印判型謄写器である。

【０００５】

【作用】

インキの移行は、粗のインキ吸蔵体より次の第２層目である極微細不織布３（ 中間層）に移行し、更には、ステンシルのインキ浸出可能な部分からインキが滲 み出し、鮮明な印影が得られる。

【０００６】

【実施例】

第１の実施例について、図１、図２、図３により詳細に説明する。 １は、箱体であり、内部は中空となっており、下面９の周りには固定段部１０ が設けられ、全体を蒲鉾状としている。 ここで、下面９は蒲鉾状となっているが、特に被謄写物に対して謄写しやすいよ うな形状であれば、下面９の形状は問はない。 箱体１の側面には、保持枠８が着脱自在に嵌合されるように保持溝１１が設けら れている。 ２は、吸蔵体であり、インキを内部に含浸し、箱体１の下面９の下方に当接さ れており、更に、その下方に中間層である極微細不織布３を配している。 前記吸蔵体２と吸水性の前記極微細不織布３は、固定枠６の下方内部に設けられ た固定片１５と固定段部１０により箱体１に押圧固定される。 この時、固定片１５の下端面は極微細不織布３よりは下方に位置しない。 更に、この時吸蔵体２・極微細不織布３は張設状態となる。 ４は、ステンシルであり、向い合う２辺には孔１６を数個適宜設けてなり、前 記孔１６と対応するように保持枠８の凸部１４により、着脱自在に保持されてい る。 従って、異なった新しいステンシル４を保持枠８を下方に引き抜くことにより交 換することが出来る。 新しいステンシル４を使用するときには、吸蔵体２、極微細不織布３の２層構造 なのでステンシル４からのインキの滲み出しがすぐに可能となり、被謄写物に押 捺出来る。 ５は、天板部であり、前記箱体１の開口部に嵌合固定されている。 更に、天板部５の中央に握り手部７がねじにより固定されている。

【０００７】 ８は、前述にあるように保持枠であり、向い合う２辺には、箱体１の保持溝 １１と着脱自在に嵌合固定する突起１３が設けられており、他方向い合う２辺に は、ステンシル４の穴１６と対応するように凸部１４が設けられており、ステン シル４を緊張保持し、更に、保持溝１１にも嵌合固定する。 各部品の材質について、極微細不織布３は、合成繊維（ポリプロピレン、ポリ エチレン、ナイロン、ビニロン、アクリル、塩化ビニール等）の極微細繊維を適 宜単素材または複合素材として選択使用できる。 この極微細繊維は、直径約１〜１０ミクロン程度の極微細繊維であるので、従来 の綿布、フェルト等よりも毛細管力が大きいためインキ含浸保持力が優れている 。 ステンシル４は、感熱原紙、ボールペン原紙等の材質であれば特に問はない。 吸蔵体２は、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレ等の多孔質体またはフェルト等 であり、極微細不織布３との気孔径、気孔率及び、粗密性の比較は、極微細不織 布３の方が密であり、スムズなインキの移行が可能である。 また、箱体１、天板部５、固定枠６、握り手部７、保持枠８は、熱硬化性樹脂 及び熱可塑性樹脂を適宜、自由に選択出来る。 こうした謄写器は、年賀状、ハガキ、挨拶状等の連続謄写に適している。

【０００８】

【効果】

以上の構成より、以下の効果が得られる。 ステンシル４を交換後、すぐにインキ滲みだしが可能であり 吸蔵体２の目地がステンシル４のインキ滲みだし部を通して被謄写物に現われ ることはない。 従って、すぐに連続して鮮明な印影を得ることができる。 インキ吸蔵体を粗・密の２層構造（吸蔵体２と極微細不織布３）としたことで 、吸蔵体内のインキの移行量が安定しており密の極微細不織布３へのインキ供給 が可能である。

【０００９】

【図面の簡単な説明】

【図１】全体斜視図

【図２】正面断面図

【図３】側面断面図

【符号の説明】

１ 箱体 ２ 吸蔵体 ３ 極微細不織布 ４ ステンシル ５ 天板部 ６ 固定枠 ７ 握り手部 ８ 保持枠 ９ 下面 １０ 固定段部 １１ 保持溝 １３ 突起 １４ 凸部 １５ 固定片 １６ 孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱体１の天板部５に握り手部７を設けるともに、前記箱
   体１の下面９の表面にインキを含浸した第１層目の吸蔵
   体４を設け、その下方に第２層目の極微細不織布３を固
   定枠６により固定し、更に、その下方に第３層目のステ
   ンシル７を保持枠８により着脱自在に保持したことを特
   徴とする印判型謄写器。