JPH0588210B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0588210B2
JPH0588210B2 JP5339285A JP5339285A JPH0588210B2 JP H0588210 B2 JPH0588210 B2 JP H0588210B2 JP 5339285 A JP5339285 A JP 5339285A JP 5339285 A JP5339285 A JP 5339285A JP H0588210 B2 JPH0588210 B2 JP H0588210B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
ester
truxic
truxic acid
nitrophenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5339285A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61212532A (ja
Inventor
Tatatomi Nishikubo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan
Original Assignee
Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan filed Critical Shingijutsu Kaihatsu Jigyodan
Priority to JP5339285A priority Critical patent/JPS61212532A/ja
Publication of JPS61212532A publication Critical patent/JPS61212532A/ja
Publication of JPH0588210B2 publication Critical patent/JPH0588210B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/08Processes employing the direct application of electric or wave energy, or particle radiation; Apparatus therefor
    • B01J19/12Processes employing the direct application of electric or wave energy, or particle radiation; Apparatus therefor employing electromagnetic waves
    • B01J19/122Incoherent waves

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は特異な分子構造や光反応特性を持つこ
とから、高分子液晶、超高弾性高分子材料、可逆
性の高分子記録材料やレジスト材料、光学材料の
合成原料として有望なシクロブタン環化合物、特
にβ−トルキシン酸ジエステル及びβ−トルキシ
ン酸の合成法に関する。 従来の技術 ケイ皮酸に固相中で光を照射することにより二
量化物が生成されることは、よく知られている。
しかし一般にこの反応性は低いために非常に長い
時間、光を照射しなければ目的とする量の二量化
物は得られない。 ウケイ皮酸のα型結晶に光を照射するとα−ト
ルキシル酸(トランス、head to tail型)型が生
成し、ケイ皮酸のβ結晶に同様に光を照射する
と、β−トルキシン酸(トランス、head to
head 型)が生成する。 しかしながら、ケイ皮酸のβ型結晶は不安定で
あつて、反応中に容易にα型結晶に相転移するた
めに、生成物はα−トルキシン酸とβ−トルキシ
ン酸の混合物である場合が殆んどでβ−トルキシ
ン酸及びα−トルキシル酸をそれぞれ収率よく合
成することはできなかつた。又β−トルキシン酸
とα−トルキシル酸の混合物の分離は極めて困難
であり、その分離操作も煩雑である。 さらにケイ皮酸のα型およびβ型の固相での光
反応の速度は極めておそく、実験室的にそれらの
二量体を得ることは可能であるが、工業的な見地
から、その二量体を大規模なスケールで効果的な
状態で製造することはこれまで不可能であつた。
また一方ケイ皮酸のメチルエステルやエチルエス
テルも溶液状態での光反応で、二量化が起こり、
α−トルキシル酸、β−トルキシン酸、δ−トル
キシン酸のエステルを主成分とする多くの異性体
の混合物を生成するが、同様にこの光反応の速度
は遅く、またその分離等を考慮すると、この方法
においても工業的な規模でのα−トルキシル酸お
よびそのエステル類、またはβ−トルキシン酸お
よびそのエステル類を合成することには問題があ
つた。 本発明者は先に、p−ニトロフエニル基や4−
ニトロナフチル基のケイ皮酸エステルへの光増感
作用に着目して、種々検討を行なつた結果、p−
ニトロフエニルシンナメートを合成し、これを光
二量化させると容易にβ−トルキシン酸の(p−
ニトロフエニル)ジエステルが合成できることを
見出し、この成果は1984年4月の日本化学会で発
表した(日本化学会第49春季年会、1984年、講演
予稿集第957頁)。またこのエステルはアルカリ
で加水分解処理することによりβ−トルキシン酸
に変換することができることも既に見出してい
る。 しかしながら、前記の反応系は、これまで一般
に行なわれていた実験室的規模での反応条件をそ
のまま踏襲したものであり、特にその反応濃度
(分散量)は1.6g/400ml(4g/1)であり、工業
的規模の見地からは満足できるものではなく、そ
の上、収率の点でも充分なものではなかつた。 即ち、前記実験室的な分散量である1.6g/
400mlのスケールではシスートランス異性化反応
が生起し、目的とするβ−トルキシン酸(エステ
ル)及び/又はα−トルキシル酸(エステル)の
収率は満足できるもきではなかつたのである。 発明が解決しようとする問題点 そこでさらに本発明者は工業的な見地からのβ
−トルキシン酸の合成、製造条件の確立を目的と
して検討を行なつた結果、驚くべきことに、原料
であるケイ皮酸エステルの分散媒溶液中の分散量
を増加させると、β−トルキシン酸ジエステルが
選択的に収率よく生成することを見出し、本発明
に到達したものである。 即ち、本発明は同一分子内にシンナモイル基と
その増感基を有する下記一般式で表わされるケ
イ皮酸エステルに、分散媒の存在下、12g/l以
上、200g/l以下の分散濃度で、280nmを超える
波長の照射することを特徴とする下記一般式で
表わされるβ−トルキシン酸ジエステルの合成
法、
【化】 〔式中Phはフエニル基を、Rはp−ニトロフ
エニル、4−ニトロ−1−ナフチル−4−(p−
ニトロフエノキシ)ブチル、2−(p−ニトロフ
エノキシ)エチル又は2−(4−ニトロ−1−ナ
フトキシ)エチル基を表わす。〕及び上記のよう
にして得られるβ−トルキシン酸ジエステル
()を加水分解することからなるβ−トルキシ
ン酸()
【化】 の合成法に関するものである。 本発明の前記式で表わされる原料化合物ケイ
皮酸エステルはケイ皮酸p−ニトロフエニルエス
テル(NPC)(m.p.144〜145℃)、ケイ皮酸4−
ニトロ−1−ナフチルエステル(NNC)(m.
p.149.5〜150℃)、ケイ皮酸4−(pニトロフエノ
キシ)ブチルエステル(NPBC)(m.p.82〜83
℃)、ケイ皮酸2−(p−ニトロフエノキシ)エチ
ルエステル(NPEC)(m.p.104〜105℃)、ケイ皮
酸2−(4−ニトロ−1−ナフトキシ)エチルエ
ステル(NNEC)(m.p.112〜113℃)等が挙げら
れる。又、同アミドとしては、ケイ皮酸4−ニト
ロフエニルアミド(NPCA)(m.p.228〜229℃)、
ケイ皮酸4−ニトロ−1−ナフチルアミド
(NNCA)(m.p.204〜205℃)等を挙げることが
できる。 又、目的生成物である一般式で表わされるβ
−トルキシン酸ジエステルはβトルキシン酸ジ
(p−ニトロフエニル)エステル、β−トルキシ
ン酸ジ(4−ニトロ−1−ナフチル)エステル、
β−トルキシン酸ジ〔4−(p−ニトロフエノキ
シ)ブチル〕エステル、β−トルキシン酸ジ〔2
−(p−ニトロフエノキシ)エチル〕エステル、
β−トルキシン酸ジ〔2−(4−ニトロ−1−ナ
フトキシ)エチル〕エステル、β−トルキシン酸
ジ(4−ニトロフエニル)アミド、β−トルキシ
ン酸ジ(4−ニトロ−1−ナフチル)アミド等で
ある。 固相での光二量化反応の原料としては、他のケ
イ皮酸エステル類と比較してNPCが優れている。
またβ−トルキシン酸を経済的に合成スケール
で、さらにはプラントスケールで製造する際にお
いても、その原料の価格やプロセスの容易から考
えてNPCの使用が好ましく、前記の原料ケイ皮
酸エステル類のうち、β−トルキシン酸エステル
及びβ−トルキシン酸の合成原料として最も好ま
しいのはケイ皮酸p−ニトロフエニルエステル
(NPC)である。 原料ケイ皮酸エステルの分散量(分散濃度)が
重要である。例えば、NPCの光二量化反応で従
来報告されている前記実験室的規模での分散濃度
1.6g/400ml(4g/l)(n−ヘキサン/メタノー
ル、95/5)では対応する二量体β−トルキシン
酸ジ(p−ニトロフエニル)エステルの生産率は
約70%(67.3%)である(第1表)。それ故、こ
の濃度におけるNPCの変化率(反応率)は約85
%であるが、対応する二量体β−トルキシン酸ジ
(p−ニトロフエニル)エステルの生産率は約70
%であるから(第1図)、この変化率と生産率の
差だけの光反応の副生成物(これはシス体や他の
構造の二量体)が生成したことになり、濃度が低
い場合は、副反応の生成が多く、ケイ皮酸p−ニ
トロフエニルエステルのシーストランス異性体混
合物が生じ、又、反応率も低く、目的とするβ−
トルキシン酸エステル及び酸の収率が低下するの
である。 そして、この原料の分散濃度が高くなるにつれ
て、この副反応は低下し、前記1.6g/400mlの7
倍量以上の濃度すなわち11.2g/400ml以上では
副反応は全く起らず、目的とするβ−トルキシン
酸エステルが定量的に生成することを見出し得た
のである(第1表)。さらに工業的な見地から見
て好ましいと考えられるこの分散量が32g/
400ml程度まではケイ皮酸のp−ニトロフエニル
エステルの固相反応により、定量的に反応するβ
−トルキシン酸のエステルを合成できることが分
つたのである。そして特に好ましいものは1.6g/
400ml(4g/l)の10倍量に相当する16g/400ml
(40g/l)である(第2図)。しかしこの濃度を
さらに増加させて80g/400ml(200g/l)とする
と、副反応の進行はみとめられないものの、二量
化物の生成速度が著しく低下した(第1表及び第
2図)。以上のことから本発明におけるケイ皮酸
エステル、特にケイ皮酸p−ニトロフエニルエス
テルの二量化反応はその選択率及び反応率の点及
び工業的規模での生産性の見地からみて、原料分
散濃度は4.8g/400ml(12g/l)〜80g/400ml
(200g/l)の範囲であることが適当であり、好
ましくは11.2g/400ml(28g/l)から32g/
400ml(80g/l)の範囲である。 低濃度において、二量化物の生成率が低下する
理由は定かではないが、原料の一部が溶媒に溶解
するとシス−トランス異性化が起こり、低濃度の
場合には高濃度の場合よりその影響を強く受ける
ために、二量体の生成率が低下するものと考えら
れる。 分散媒は限定されないが、水系、n−ヘキサン
系のものが利用でき、水/メタノール、水/エタ
ノール、n−ヘキサン/メタノール、n−ヘキサ
ン/ブタノール等が挙げられる。又、界面活性剤
等の分散剤を添加して分散性をよくすることもで
きる。これらの分散剤のうち、水系は若干収率の
点でn−ヘキサン系を上まわるように思われる
が、生成物の乾燥その他を考慮すると、n−ヘキ
サン系のものが適当である。 なお、ケイ皮酸p−ニトロフエニルエステルの
光固相反応は分散媒を使用しなくても粉末状で光
を照射しても反応がよく進行することも見出され
ているので、その目的に適う反応系と反応条件
(装置)を見出せば、分散媒を使用しなくても、
同様にβ−トルキシン酸エステルう効率よく製造
することも可能であろうが、工業的規模でのその
ような条件は現在のところ見出されていない。 本発明において、反応温度は特に限定されない
が、通常は100℃以下の温度で行なわれ、−10℃〜
30、さらに好ましくは0℃〜20℃である。又、反
応時間は通常3〜10時間であり、NPC(16g/
400ml)では反応時間6時間で相応するβ−トル
キシン酸エステルが99.2%の生産率が得られ、ほ
ぼ定量的に合成することができる(第3図)。 光反応に使用される光照射装置は通常用いられ
るものはいずれでもよく、キセノンランプ、水銀
灯、メタルハライドランプ等の一般に光化学反応
に使用される光源が用いられる。 これらの光源からの光照射では280nm以上の波
長、例えば313nm、365nm等の波長の光が反応に
あづかる。 本発明の化合物はシクロブタン環のため不安定
であつて、280nm以下の単波長の光のみが照射さ
れる場合は、該シクロブタン環の開裂が生ずる
が、280nmを超える波長の光が併存する場合は、
これら長波長の光が優先的に作用し、シクロブタ
ン環の開裂を生ずることなく、正の反応が起こ
る。 得られたβ−トルキシン酸エステルは加水分解
してβ−トルキシン酸とすることができる。加水
分解は通常行なわれる方法で行なわれ、例えばア
ルカリで加水分解して酸で中和する方法が採られ
る。 添付の図面について説明すると、第1図は
NPCの従来報告されている実験室的規模の濃度
1.6g/400ml(4.0g/l)での変化率と二量体β−
トルキシン酸ジ(p−ニトロフエニル)エステル
の生産率を示すものであり、第2図はNPCの分
散濃度1.6g/400ml(4.0g/l)、6.4g/400ml
(16g/l)、16g/400ml(40g/l)、32g/400ml
(80g/l)及び80g/400ml(200g/l)における
光反応による二量体の生産率を示すものである
(但し、分散媒はヘキサン380ml/20mlメタノー
ルである)。 又、第3図はNPC16g/400ml(40g/l)の濃
度で、10℃における光反応の時間に対する二量体
の生成率を示すものである。 作 用 ケイ皮酸エステルの光反応において、原料の該
エステルの分散媒中の濃度を上げることにより、
副反応の抑制及び反応率をあげることができ、収
率の向上をはかることができる。 実施例 以下に本発明の実施例を示すが、本発明がこれ
らの実施例に限定されないものであることは言う
までもない。 参考例 ケイ皮酸エステル及びアミドの合成 (1) ケイ皮酸p−ニトロフエニルエステル
(NPC)の合成 β−トルキシン酸ジ−(p−ニトロフエニル)
エステルの合成原料であるケイ皮酸p−ニトロ
フエニルエステルは下記のような方法で合成し
た。 p−ニトロフエノール55.6g/(0.4mol)と
ピリジン32.3ml(0.4mol)をテトラヒドロフラ
ン200mlに溶かした。この溶液を5℃に保ちな
がら70mlのテトラヒドロフランに溶かしたケ
イ皮酸クロリド66.6g(0.4mol)溶液をゆつくり
と滴下した。滴下終了後2時間室温で攪拌し、
反応生成物溶液を21の水に加えて生成物を沈澱
させた。生成物は吸引ろ別し、数回水洗したの
ち乾燥させた。 粗生成物の収量102g(収率95%)。得られた
粗生成物はエタノールで再結晶し、無色針状結
晶を得た。融点145〜146℃(文献値144〜145
℃)。 (2) 他のケイ皮酸エステル及びアミドの合成 MPCの合成方法と同様にして、それぞれケ
イ皮酸クロリドと対応する化合物より合成し、
再結晶により精製して、以下の化合物を合成し
た。 ケイ皮酸4−ニトロ−1−ナフチルエステル
(NNC)(収率89.7%、mp.149.5〜150℃)、ケ
イ皮酸フエニルエステル(PC)、ケイ皮酸α−
ナフチルエステル(NC)、ケイ皮酸4−(p−
ニトロフエノキシ)ブチルエステル(NPBC)
(収率91%、mp.82〜83℃)、ケイ皮酸2−(p
−ニトロフエノキシ)エチルエステル
(NPEC)(収率70%、mp.104〜105℃)、ケイ
皮酸2−(4−ニトロ−1−ナフトキシ)エチ
ルエステル(NNEC)(収率20%、mp.112〜
113℃)、ケイ皮酸4−ニトロフエニルアミド
(NPCA)(収率97%、mp.228〜229℃)、ケイ
皮酸4−ニトロ−1−ナフトルアミド
(NNCA)(収率98%、mp.204〜205℃)。 実施例 1 反応容器(耐熱ガラス製)の中心に光照射用ラ
ンプ(ウシオ電機正UM−102,100W高圧水銀
灯)のついた400mlの光化学反応用五ツ口フラス
コにケイ皮酸p−ニトロフエニルエステル
(NPC)16g(0.059mol)を取り、n−ヘキサンと
メタノールの混合溶媒(380ml/20ml)に分散
(20g/l)させ、マグネチツクスターラーで均
一に攪拌しながら30℃で6時間光照射を行なつ
た。(313nm及び365nmの波長の光が反応にかか
わる。)反応生成物は吸引ろ別し、乾燥した。回
収率91.2%、回収物中のβ−トルキシン酸ジ(p
−ニトロフエニル)エステルの含有率99.2%
(UVスペクトルおよび液体クロマトグラフイー
より確認、またこれに含まれる不純物は未反応の
NPCであると考えられる)。 粗生成物はメチルエチルケトンで再結晶により
精製した。融点192〜193℃(回収率79%) 元素分析 C30H22N2O8として C,66.91%,H,4.12%,N,5.20% 実測値 C,66.51%,H,4.10%,N,5.10% 又、NPCの濃度を変えたものを用いて同様に
光反応を行ないβ−トルキシン酸ジ(ニトロフエ
ニル)エステルを得た結果を第1表に示す。
【表】 第1表よりわかるとおり、従来報告されている
実験室的規模の濃度1.6g/400ml(4g/l)の約
3倍量以上から著しく目的生成物の収率が向上す
る。そして、約10倍の16.0g/400ml(40g/l)
の濃度付近で最高収率が得られ、その濃度で6時
間の反応でほぼ定量的な99.2%という高収率で目
的生成物が得られる(第3図参照)。 実施例 2 参考例(2)で得られたケイ皮酸エステル及びアミ
ドについても実施例1と同様にして以下に示す対
応するβ−トルキシン酸ジエステル及びアミドを
合成し、実施例1と同様の結果が得られた。二量
化物:β−トルキシン酸ジ(4−ニトロ−1−ナ
フチル)エステル、β−トルキシン酸ジ〔4−
(p−ニトロフエノキシ)ブチル〕エステル、β
−トルキシン酸ジ〔2−(p−ニトロフエノキシ)
エチル〕エステル、β−トルキシン酸ジ〔2−
(4−ニトロ−1−ナフトキシ)エチル〕エステ
ル、β−トルキシン酸ジ(4−ニトロフエニル)
アミド、β−トルキシン酸ジ(4−ニトロ−1−
ナフチル)アミド。 実施例3 β−トルキシン酸ジエステルの加水分
解によるβ−トルキシン酸の合成 β−トルキシン酸ジ(p−ニトロフエニル)を
水酸化ナトリウムを用いて加水分解して、それぞ
れβ−トルキシン酸ナトリウムおよびナトリウム
p−ニトロフエノキシドを生成し、その後塩酸で
中和してβ−トルキシン酸およびp−ニトロフエ
ノールとした。この際、両方の化合物の溶解性の
差(β−トルキシン酸は水に難溶、p−ニトロフ
エノールは水に可溶)を利用してβ−トルキシン
酸を析出させ、吸引ろ過、水洗の後乾燥させた。
粗生成物の収率は88%、その融点は206〜207℃
(文献値209〜210℃)であつた。さらに再結晶す
ることにより純粋なβ−トルキシン酸を得た。
又、他のエステルについて同様にして、β−トル
キシン酸を得た。 発明の効果 本発明は、ケイ皮酸エステルの光反応により相
応するβ−トルキシン酸ジエステルを合成するに
あたり、前記原料ケイ皮酸エステルの分散媒中の
分散量(分散濃度)を従来行なわれている分散濃
度の3倍量以上、特に7倍量以上とすることによ
り、副反応による副生成物がなく、高収率で目的
生成物が得られるというすぐれた効果を奏し得る
ものである。又、本発明の化合物はシクロブタン
環のため不安定であつて、280nm以下の短波長の
光照射によりシクロブタン環が開裂し、又、再
度、長波長、たとえば310nm以上の光照射を行な
うと再びシクロブタン環となるという性質があ
り、これらβ−トルキシン酸エステルやβ−トル
キシン酸を新しい機能性高分子材料、例えば高分
子液晶、超高弾性高分子材料、可逆性の高分子記
録材料、レジスト材料、光学材料の原料として活
用することが期待できる。そして、特に光デバイ
ス材料や光反応を照射する波長の長さによりコン
トロールすることのできる高機能感光材料となし
得る。
【図面の簡単な説明】
第1図はNPCの固相での光反応率、第2図は
NPCの各分散濃度における二量体の生産率、及
び第3図はNPCの分散濃度16g/400mlにおける
光照射時間に対する二量体の生産率を示す図であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 同一分子内にシンナモイル基とその増感基を
    有する下記一般式で表わされるケイ皮酸エステ
    ルに、分散媒の存在下、12g/l以上、200g/l
    以下の分散濃度で、280nmを超える波長の光を照
    射することを特徴とする下記一般式で表わされ
    るβ−トルキシン酸ジエステルの合成法。 【化】 (式中Phはフエニル基を、Rはp−ニトロフ
    エニル、4−ニトロ−1−ナフチル、4−(p−
    ニトロフエノキシ)ブチル、2−(p−ニトロフ
    エノキシ)エチル又は2−(4−ニトロ−1−ナ
    フトキシ)エチル基を表わす。) 2 同一分子内にシンナモイル基とその増感基を
    有する下記一般式で表わされるケイ皮酸エステ
    ルに、分散媒の存在下、12g/l以上、200g/l
    以下の分散濃度で、280nmを超える波長の光を照
    射して、下記一般式で表わされるβ−トルキシ
    ン酸ジエステルを合成し、ついで加水分解するこ
    とを特徴とする下記式で表わされるβ−トルキ
    シン酸の合成法。 【化】 (式中Ph、Rは前記と同一)
JP5339285A 1985-03-19 1985-03-19 シクロブタン環化合物の合成法 Granted JPS61212532A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5339285A JPS61212532A (ja) 1985-03-19 1985-03-19 シクロブタン環化合物の合成法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5339285A JPS61212532A (ja) 1985-03-19 1985-03-19 シクロブタン環化合物の合成法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61212532A JPS61212532A (ja) 1986-09-20
JPH0588210B2 true JPH0588210B2 (ja) 1993-12-21

Family

ID=12941550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5339285A Granted JPS61212532A (ja) 1985-03-19 1985-03-19 シクロブタン環化合物の合成法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61212532A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001199884A (ja) * 2000-01-21 2001-07-24 Seiwa Yakuhin Kk 鎮痛作用剤
JP4074155B2 (ja) 2001-09-17 2008-04-09 富士フイルム株式会社 四員環化合物、それを用いた複屈折媒体および光学部材
CN102898322B (zh) * 2012-10-29 2014-05-07 林励 一种化合物及其制法和用途
JP6483481B2 (ja) * 2015-03-10 2019-03-13 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 トルキシン酸系ポリマーおよびその製造中間体

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61212532A (ja) 1986-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0588210B2 (ja)
KR20150084165A (ko) 나파모스탯 메실레이트의 제조방법
JP2518014B2 (ja) α−置換酢酸の精製方法
JPH04149151A (ja) 4―ブロモ―3―ヒドロキシ酪酸エステル誘導体の製造法
JPS63258442A (ja) テトラフルオロフタル酸の製造方法
JP3019528B2 (ja) β−ラクトンおよび大環状ケトンの製造法
JPS5838261A (ja) 新規な1,3−二置換イミダゾ−ル誘導体及びその製造方法
JPH04124157A (ja) 光学活性4―クロロ―3―ヒドロキシブタン酸及びそのエステルの製法
JPS6122081A (ja) ヒダントイン化合物の製造法
JP2543703B2 (ja) 有機ゲルマニウム化合物の製造方法
JPS6042351A (ja) 芳香族酢酸誘導体の製造方法
JPH0881412A (ja) フェノキシアルキルカルボン酸誘導体の製造法
JPH02145564A (ja) プロピオン酸誘導体の製造方法
JPS60169493A (ja) 5−デオキシ−l−アラビノ−スの製造法
JPH023672A (ja) 2,6‐ジエチルアニリン誘導体およびその製法
JPH02250836A (ja) ベンジル化剤ならびにチオール化合物のベンジル化方法
KR910009236B1 (ko) N-2'-카르복실페닐-4-클로로안트라닐산의 신규 제조방법
JPH01299245A (ja) スクアリン酸の製造方法
JPH06279418A (ja) ベンゼンスルホンアミド誘導体の製造方法
JPH01238548A (ja) ナフタレン―1,4,5,8―テトラカルボン酸テトラアルキルエステルの製造方法
WO1992012972A1 (fr) Procede de preparation de thiazolyl-2 oxamates d'alkyle
KR20000019428A (ko) 1,3,5-위치가 치환된 2,4,6-트리요오드벤젠 유도체의 제조방법
FR2534254A1 (fr) Nouveau derive du sulpiride, son procede d'obtention et son utilisation therapeutique
JPS61204189A (ja) 新規なペナム環を有する化合物の製造法
JPS62277360A (ja) 5−アルキルキノリン酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term