JPH0588123B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、湯の注出を遠心ポンプを用いて行な
う給湯装置に関するものである。

従来の技術 従来、この種の電動式の給湯装置は、モータ等
で駆動するベローズポンプによつて、空気を容器
内に圧送して容器内の湯を注出するようにしたも
のが、一般的であつた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来の上記した電動式の給湯装
置は、空気を容器内に圧送し、容器内の空気を加
圧することによつて湯を吐出させるため、特に湯
が沸騰直後の場合には、湯の蒸気圧によつて容器
内の圧力が異常に高くなり、少量の空気を圧送し
ても予想以上の多量の湯が吐出することがあり、
また容器内の残り湯が少なくなると、今度は空気
と熱湯とが混じつた状態で吐出口より出てくるた
め、湯が飛散して火傷をすることが生じるという
問題がある。

本発明はこのような問題を解決するもので、湯
を直接遠心ポンプで吐出させる給湯装置を提供す
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明は、遠心ポ
ンプを貯湯用の容器の内底面に接続し、その吸込
口に通水性の閉鎖部材を設けたものである。

作 用 上記構成によれば、湯を直接遠心ポンプにより
吐出させるため、吐出量が安定するものである。
特に沸騰時に発生する水中に溶けていた気泡は、
遠心ポンプの吸込口に設けた通水性の閉鎖部材で
消滅させることがでるきため、遠心ポンプに入り
込むことがない。したがつて、湯の吐出量が安定
するとともに、湯の飛散がなく、火傷なども生じ
ない。

実施例 以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづい
て説明する。第１図において、１は給湯装置の外
装本体で、その中には貯湯用の容器２を設けてい
る。３は容器２の口部を封じるように装着した中
栓である。４は外装本体１の上部を開閉できるよ
うに装着された上蓋である。５は逆止弁で、この
逆止弁５は中栓３を貫通して容器２内と連通して
おり、また沸騰検知部６を通つて大気とも連通し
ている。７は外装本体１と容器２との間の底部に
設けたモータである。８はモータ７により駆動さ
れる遠心ポンプで、その吸込口９は容器２のほぼ
中央の内底面に接続している。１０は目の細かい
金網、複数層からなるフイルタ、あるいは磁器等
からなる閉鎖部材で、吸込口９をおおつている。
１１は遠心ポンプ８の吐出口で、吐出パイプ１２
を通つて湯は上方に揚水され、外装本体１の注出
口１３からコツプ等に注がれるようになつてい
る。１４は加熱用ヒータであり容器２の下部側面
に装着されている。

１５はモータ７を起動させる起動スイツチであ
り、押し釦１６の押し動作によりロツド１７を介
して動作する。１８は圧縮形のスプリングで、こ
のスプリング１８は常時ロツド１７を上方に押し
上げるように付勢している。

次に第２図、第３図により遠心ポンプ８の構造
について説明する。１９は放射状の羽根２０と磁
石２１とから構成されたインペラで、このインペ
ラ１９の外周には、インペラ１９と一定の間隙ｔ
をおいて同心的にポンプ室２２を形成している。
そして磁石２１はポンプ室２２の壁２３を介して
駆動側の磁石２４に対向させている。駆動側の磁
石２４はモータ７の軸に固着されており、磁石２
１と２４とにより磁気結合され、モータ７の動力
がインペラ１９に伝達される。

上記構成において、次にその動作を説明する。
容器２内に湯が貯留された状態において、注湯す
る場合には、押し釦１６を押し下げることによ
り、起動スイツチ１５がONされ、モータ７に通
電される。そしてこのモータ７が回転することに
よつて、磁石２１，２４が電磁結合されているた
め、インペラ１９が回転し、容器２内の湯は閉鎖
部材１０を通つて遠心ポンプ８の吸込口９よりポ
ンプ室２２に入る。前記インペラ１９の回転によ
り湯は外側に押し出されながら旋回が与えられ、
かつ遠心力によつて吐出口１１から吐出パイプ１
２を通つて注水口１３から外部に出される。

ところで、給湯装置では、加熱用ヒータ１４に
よつて加熱されて水の温度が上がり、沸騰しはじ
めると、加熱ヒータ１４の湯と接する面で、水の
中に溶けていた空気が活発に気化される。そして
発生した気泡を遠心ポンプ８が吸い込むと揚水す
ることができないが、上記実施例においては、遠
心ポンプ８の吸込口９に閉鎖部材１０を設けてい
るため、この部材１０を通過する際に気泡を消減
させることができる。したがつて空気を吸い込む
ことは無く、遠心ポンプ８によつて湯を吐出させ
ることができる。また、吸込口９は気泡発生部
（加熱ヒータ側）から離れた容器のほぼ中央の内
底面に接続することにより、気泡が容易に吸込口
９から吸込まれることがないように配慮してい
る。なお、閉鎖部材１０は容器２内に入つたお茶
の葉等が遠心ポンプ８へ入り込むことを防ぐフイ
ルターの役目もしていることはあきらかである。

発明の効果 以上のように本発明によれば、閉鎖部材を付加
することにより、遠心ポンプで沸騰した湯を直接
吐出させることができ、その結果、従来の容器内
に空気を送り込む間接的な吐出方法と異なり、吐
出量が安定するとともに、湯の飛散も無く、した
がつて火傷なども生じない給湯が行なえるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す給湯装置の断
面図、第２図は同装置に組み込んだ遠心ポンプの
一部を断面にして示した正面図、第３図は同遠心
ポンプの一部を断面にして示した側面図である。 １……外装本体、２……容器、８……遠心ポン
プ、９……吸込口、１０……閉鎖部材、１３……
注入口、１４……加熱用ヒータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外装本体と、この外装本体の中に設けた貯湯
   用の容器と、この容器内の水を加熱する加熱用ヒ
   ータと、前記容器内の湯を揚水して注水口から注
   ぐ遠心ポンプとを備えるとともに、前記遠心ポン
   プの吸込口は容器の内底面に接続し、その吸込口
   に通水性の閉鎖部材を設けてなる給湯装置。