JPH0587266U - 電磁式燃料噴射弁 - Google Patents

電磁式燃料噴射弁

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JPH0587266U
JPH0587266U JP3390692U JP3390692U JPH0587266U JP H0587266 U JPH0587266 U JP H0587266U JP 3390692 U JP3390692 U JP 3390692U JP 3390692 U JP3390692 U JP 3390692U JP H0587266 U JPH0587266 U JP H0587266U
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研二 広瀬
俊哉 鹿野
友好 青木
裕 栗林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニードルバルブを駆動するソレノイドコイル
に流す電流をオフにした時に発生する渦電流による磁束
を少なくして、電磁式燃料噴射弁の応答性を改善する。 【構成】 図は電磁式燃料噴射弁の一断面図であり、1
はケーシング、2aは内側鉄心、2bは外側鉄心、22
は前記内側鉄心2aをボビン21を介して巻回するソレ
ノイドコイルである。本考案では、前記内側鉄心2a、
外側鉄心2bの内表面および外表面に、その中心軸方向
に溝12を形成している。この結果、ソレノイドコイル
22に流す電流を遮断した時に、内側および外側鉄心2
a、2bに生成される渦電流を低減することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、内燃機関に用いられる電磁式燃料噴射弁に係り、特に、ニードルバ ルブを駆動するソレノイドコイルへの給電を遮断した際に磁気回路に発生する渦 電流を低減し、応答性を改善した電磁式燃料噴射弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は従来の電磁式燃料噴射弁の一例を示した縦断面図であり、当該電磁式燃 料噴射弁には、中心軸と平行な矢印Z方向から燃料が流入する。
【0003】 同図において、燃料流入口には濾過網18を有する異物除去用ストレーナ31 が装着されている。磁性材料によって筒状に形成されたケーシング23は、その 中心部に同じく磁性材料によって形成された燃料案内用の中空パイプ(以下、単 にパイプと略する)23c、およびこれらと一体に成型された固定鉄心23(外 側鉄心23a、内側鉄心23b)を具備している。
【0004】 内側鉄心23b周囲の空間には、ボビン21に巻回されたソレノイドコイル2 2が、内側鉄心23bを包囲するように収納されている。前記内側鉄心23bお よびパイプ23c内には、コイルスプリング26とパイプ状スプリングストッパ 27が挿入され、該スプリングストッパ27は、可動鉄心24を押圧するコイル スプリング26の力が適正となるような位置で、ケーシング23に対して固定さ れている。
【0005】 ケーシング23の先端部では、ニードルバルブ(以下、単にバルブと略する) 25を摺動自在な状態で支持するバルブシート28が配設され、当該バルブシー ト28はケーシング23の開口端部においてかしめられている。
【0006】 バルブ25はスプリングストッパ27によってバルブ開度に対応した一定往復 動をするように規定されている。バルブ25は、バルブシート28内において往 復動と垂直な方向の位置を規定するためにバルブシート28の内壁と摺動するガ イド部25a、25bを有している。各ガイド部25a、25bには軸方向に沿 って溝25sが形成されており、当該溝25sとバルブシート28との間が燃料 通路となる。
【0007】 このような構成の電磁式燃料噴射弁において、ストレーナ31で濾過された燃 料は、スプリングストッパ27の中心部29を通過してバルブシート28内に供 給される。ソレノイドコイル22が付勢(励磁)されると、可動鉄心24がスプ リング26の反発力に抗して内側鉄心23bの下端に吸引されるので、バルブ2 5の先端部がバルブシート28から離れ、バルブシート28内に供給された燃料 が噴射口30から噴射される。なお、図2はソレノイドコイル22が付勢されて いない状態を示しいている。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記した構造の電磁式燃料噴射弁では、ソレノイドコイル22を付 勢するために供給されていた励磁電流が遮断されると、図4に示されているよう に、磁気回路を構成する内側鉄心23bおよび外側鉄心23aでは、ソレノイド コイル22による磁束と垂直な平面内に渦電流32、33が発生する。なお、図 4は図2のC−C断面図である。
【0009】 この渦電流32、33は、ソレノイドコイル22が付勢されているときと同様 の磁束を生じさせるので、可動鉄心24には電流遮断後も吸引力が作用し、コイ ルスプリング26によるバルブ25の戻りが妨げられて応答性が損なわれてしま う。このような現象は、特に、高出力の要求される場合のように、ホールド電流 の高い燃料噴射弁で顕著である。
【0010】 なお、このような渦電流による応答性の鈍化を解消するために、ケーシング2 3を電気抵抗率の高い磁性材で構成する試みもなされているが、渦電流を十分に 低減して応答性を改善するまでには至っていない。
【0011】 本考案の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、ソレノイドコイルへの 給電が遮断された時に固定鉄心や外側鉄心に発生する渦電流を十分に低減し、バ ルブ25の応答性を改善することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本考案では、ソレノイドコイルが挿貫された 固定鉄心の外表面および内表面の少なくとも一方に、その中心軸方向に沿って溝 を形成した点に特徴がある。
【0013】
【作用】
上記した構成によれば、固定鉄心の表面を流れる渦電流の経路が長くなるので 電気抵抗が増加して渦電流が流れ難くなる。したがって、ソレノイドコイルへの 電流遮断時に発生する渦電流を低減することができ、電流遮断時における磁束の 立下がりが早くなるので、電磁式燃料噴射弁の応答性が向上する。
【0014】
【実施例】
以下に、図面を参照して、本考案を詳細に説明する。
【0015】 図1は、本考案の一実施例である電磁式燃料噴射弁の主要部分の縦断面図、図 3は図1のA−A断面図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表し ている。
【0016】 図1において、ケーシング1内には、スリーブ2cと一体成型された固定鉄心 2が収容されている。固定鉄心2は内側鉄心2a、外側鉄心2bを具備し、内側 鉄心2aと外側鉄心2bとの間に形成された空間には、ボビン21に巻回された ソレノイドコイル22が挿貫されている。
【0017】 固定鉄心2の先端部では、バルブシート11が袋ナット15を固定鉄心2の先 端部に螺合することによって固定されている。本実施例では、ニードルバルブ1 0およびバルブシート11は、図示されていないシリンダーの燃焼室に直接燃料 を噴射できるように、長細い形状に構成されている。
【0018】 また、図3に示したように、内側鉄心2a、外側鉄心2bの内表面および外表 面には、その中心軸方向に沿ってそれぞれ8本(合計32本)の溝12が幅B( 図1参照)に渡って等間隔に形成されている。このような構造の固定鉄心2は、 鍜造加工による溝加工で容易に製造することができる。
【0019】 さて、図1のソレノイドコイル22に励磁電流が供給され、可動鉄心8がスプ リング26の反発力に抗して固定鉄心2の下端に吸引されると、バルブ10がバ ルブシート11から離れ、バルブシート28内に供給された燃料が噴射口30か ら噴射される。その後、ソレノイドコイル22への励磁電流が遮断されると、前 記内側および外側鉄心2a、2bの内部に渦電流が発生する。
【0020】 ところが、本実施例では内側および外側鉄心2a、2bに溝12が形成されて いるので、渦電流の経路となる内側および外側鉄心2a、2b鉄心の周長が長く なる。したがって、前記渦電流に対する電気抵抗が増加し、渦電流を小さくする ことが可能になる。この結果、渦電流によって発生する磁束が低減し、バルブ1 0の応答性が向上する。
【0021】 なお、上記した実施例では、溝12を内側および外側鉄心2a、2bの外表面 および内表面のいずれにも設けるものとして説明したが、本考案はこれのみに限 定されるものではなく、外表面および内表面の少なくとも一方に設けるようにし ても良い。
【0022】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案によれば、従来の構成に簡単な改良を 加えるだけで渦電流を低減することができるようになり、電流遮断時における磁 束の速やかな減少が可能になるので、電磁式燃料噴射弁の応答性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例である電磁式燃料噴射弁の
縦断面図である。
【図2】 従来の電磁式燃料噴射弁の一例の縦断面図で
ある。
【図3】 図1のA−A断面図である。
【図4】 図2のC−C断面図である。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…固定鉄心、2a…内側鉄心、2b
…外側鉄心、8、24…可動鉄心、10…ニードルバル
ブ、11…バルブシート、12…溝、15…袋ナット、
18…濾過網、21…ボビン、22…ソレノイドコイ
ル、23a…外側鉄心、23b…内側鉄心、27…スプ
リングストッパ、31…異物除去用ストレーナ、32、
33…渦電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 栗林 裕 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定鉄心に挿貫されたソレノイドコイル
    と、 ソレノイドコイルと中心軸を略同一とする中央孔内に挿
    通され、一端が燃料噴射口と対向し、他端が可動鉄心と
    一体化されたニードルバルブとを具備し、 ソレノイドコイルを付勢して得られる電磁力で前記可動
    鉄心を変位させ、燃料噴射口をニードルバルブで開閉す
    る電磁式燃料噴射弁において、 前記固定鉄心の外表面および内表面の少なくとも一方に
    は、その中心軸方向に沿って溝が形成されたことを特徴
    とする電磁式燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 前記固定鉄心は、ソレノイドコイルと中
    心軸が略同一であってソレノイドコイルの外側に配置さ
    れた第1円筒部およびソレノイドコイルの内側に配置さ
    れた第2円筒部を具備し、第1および第2円筒部の少な
    くとも一方の、外表面および内表面の少なくとも一方に
    は、その中心軸方向に沿って溝が形成されたことを特徴
    とする請求項1記載の電磁式燃料噴射弁。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5439907A (en) * 1977-09-06 1979-03-28 Asahi Chemical Ind Method of construction of fixing root of pile
JPS59221456A (ja) * 1983-05-27 1984-12-13 Nippon Denso Co Ltd 電磁式燃料噴射弁
JPS60108559A (ja) * 1983-11-16 1985-06-14 Nippon Carbureter Co Ltd 電磁燃料噴射弁
JPH04132872A (ja) * 1990-09-21 1992-05-07 Nippondenso Co Ltd 電磁式燃料噴射弁

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