JPH0587240B2 - - Google Patents

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JPH0587240B2
JPH0587240B2 JP18750983A JP18750983A JPH0587240B2 JP H0587240 B2 JPH0587240 B2 JP H0587240B2 JP 18750983 A JP18750983 A JP 18750983A JP 18750983 A JP18750983 A JP 18750983A JP H0587240 B2 JPH0587240 B2 JP H0587240B2
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Japan
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hydrophobic
enzyme
alkyl
immobilized
compound
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JP18750983A
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Masanori Asada
Shigeki Hamaguchi
Junzo Hasegawa
Kyoshi Watanabe
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、固定化酵素充填カラムにより生化学
的光学分割と光学活性体の分取を同時に行う光学
活性なオキサゾリジノン誘導体の製造方法に関す
る。更に詳しくは、一般式
【化】 (式中、R1は炭素原子数1〜4個の低級アル
キル基、R2はアルキル基)で表わされる3−ア
ルキル置換−5−アシロキシメチルオキサゾリジ
ン−2−オン ラセミ体を不斉的に加水分解する
能力を有する微生物由来もしくは哺乳動物の臓器
由来のエステラーゼを疎水性をもつ担体に固定化
した固定化酵素を充填したカラムに〔(R,S)−
I〕を負荷し、水又は緩衝液を流すことによつて
不斉水解反応を行うと同時に生成する親水性の一
般式
【化】 (式中、R1は前記と同じ)又は未反応の疎水
性の一般式
【化】 (式中、R1,R2は前記と同じ)で表わされる
光学活性オキサゾリジノン誘導体とを上記固定化
酵素の担体との親和性の差を利用し、水又は緩衝
液によつて〔(R)−〕を溶出,採取し、次いで
カラム内の固定化酵素に疎水的相互作用によつて
吸着、保持されている〔(S)−I〕を低極性有機
溶媒を流すことによつて溶出、採取することを特
徴とするオキサゾリジノン誘導体〔(R,S)−
I〕の生化学的光学分割と光学活性体〔(R)−
〕又は〔(S)−〕の分別、採取を同時に行う
光学活性なオキサゾリジノン誘導体の固定化酵素
による製造方法に関するものである。 化合物〔(S)−I〕をアルカリ加水分解する
か、もしくは化合物〔(R)−〕を反転すること
によつて得られる一般式
【化】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる光学
活性〔S〕−(+)−3−アルキル置換−5−ヒド
ロキシメチルオキサゾリジン−2−オンは光学活
性なβ−受容体遮断薬の重要な合成中間体であ
り、下記の経路で容易に合成できることが知られ
ている。
【化】
【化】 従来酵素反応は遊離の酵素を反応器に加え、回
分法で反応が行われ、反応終了後、酵素は使いす
てにされていたが、酵素は一般的に高価であるた
めコスト的に不利となり、また不安定でもあるた
め工業的利用は限られていた。さらに回分法では
酵素反応終了後、反応生成物を反応液から分離す
る方法として 1 有機溶媒を抽出分離する方法。 2 反応液を一旦有機溶媒で転溶するか、又はそ
のまま反応液をカラムクロマトグラフイー処理
で分離する方法。 3 反応液を一旦有機溶媒で転溶するか、又はそ
のまま反応液を分留操作により分離する方法。 などが行われてきたが、操作が繁雑で収率が悪か
つたり、時間がかかつたり、特別の装置が必要で
あつたりしてコストが高くなるという欠点があつ
た。このため近年酵素の固定化が研究され、酵素
の安定性の向上や繰り返し使用、さらにはカラム
に充填して反応を行うことも可能となつてきた。
しかし、固定化酵素を用いてラセミ体を原料とし
て不斉水解と同時に反応生成物を分離し、更に連
続的に反応を行つて成功した例はこれまで報告さ
れていない。 本発明者らは先に化合物〔(R,S)−I〕を不
斉水解する活性を有する微生物もしくは該微生物
より得られる酵素又は動物臓器より得られる酵素
を化合物〔(R,S)−I〕に作用させて不斉的に
加水分解して光学活性な化合物〔(S)−I〕又は
〔(S)−〕を製造する方法を既に見い出してい
る(特願昭57−141575、特願昭57−190584)。本
発明者らは、さらに酵素による不斉水解反応と同
時に反応生成物のより簡便な分離技術を確立すべ
く鋭意研究した結果、酵素を疎水性担体に固定化
することによつて安定化し、且つ繰り返し使用で
きることを見い出し、工業的に有用なカラム法に
よる不斉水解反応の連続化を可能ならしめ、同時
に基質と生成物の性質の差を利用して固定化酵素
に反応生成物の分離機能を持たせることによつて
本発明を完成させるに至つたものである。 即ち本発明により、従来の遊離の酵素による反
応に比べて酵素が安定化され、繰り返し連続して
有効に使用できるためコストの低減が可能とな
り、更に使用した酵素等の不純物の混入もなくな
つた。更に、一般の固定化酵素と比べても酵素反
応だけでなく、固定化酵素に反応生成物の分離機
能を持たせることによつて不斉水解後の抽出分離
操作が不用で簡便になり、収率が向上し高品質の
光学活性化合物〔(S)−I〕又は〔(R)−〕が
安定して得られるようになつた。従つて本発明に
より、光学活性β−受容体遮断薬も高純度で安価
に合成することが可能となつた。 本発明において原料基質として使用されるラセ
ミ体化合物〔(R,S)−I〕の式中の3位のR1
は炭素原子数1〜4個の低級アルキル基であり、
更に好ましくはt−ブチル基又はイソプロピル基
である。一方、5位のエステル部分のR2は炭素
原子数2〜17個のアルキル基であり、例えばプロ
ピオン酸、酪酸、イソ酪酸、桔草酸、カプロン
酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、リレール酸等が挙げられ、更には取り扱い
の容易さ、反応生成物の分離、溶出の容易さの観
点から炭素数4〜8個の有機カルボン酸のエステ
ルがより望ましい。これらのエステルの製造は、
既に本発明者らが提案している方法(特願昭58−
58316)によつて容易に合成することができる。 本発明で用いる固定化酵素に供される酵素はラ
セミ体化合物〔(R,S)−I〕に対し不斉水解能
を持つ微生物起源のエステラーゼおよび動物の臓
器起源のエステラーゼであり、リパーゼを含む広
義のエステラーゼである。具体的には特願昭57−
141575及び特願昭57−190584に記載されている酵
素、例えばシユードモナス属、エンテロバクター
属、クレブシエラ属、ミクロコツカス属、ハンゼ
ヌラ属等の微生物又は牛、馬、豚等の肝臓もしく
は膵臓から得られるエステラーゼが挙げられる。 本発明における酵素固定化用担体としては、疎
水性をもつ種々の担体が用いられる。本発明で用
いられる疎水性をもつ担体とは、水もしくは緩衝
液中では不斉水解反応によつて生成した親水性化
合物〔(R)−〕を吸着せず、未反応のエステル
化合物〔(S)−I〕は疎水的相互作用によつて吸
着し、更にこの吸着しているエステル化合物
〔(S)−I〕は低極性溶媒中では速かに脱着する
ような性質をもつ担体であることが望ましい。更
に具体的な担体としては、例えば疎水性をもつ合
成吸着剤、疎水クロマトグラフイー用樹脂、疎水
性をもつ光架橋性樹脂、疎水基を化学結合させて
導入した高分子物質等が挙げられる。 かかる担体への酵素の固定化は、公知の種々の
方法によつて行うことができる。例えば物理的吸
着法、共有結合法、イオン結合法、包括法等が挙
げられる〔福井・千畑・鈴木編,酵素工学,157
−243頁、講談社(1981);千畑一郎編、固定化酵
素、講談社(1975)〕。 このような固定化酵素の調製法のうち、方法の
簡便さ、担体の物理的強度及び安価さなどにより
疎水性をもつ合成吸着剤に酵素を物理的に吸着さ
せる方法が工業的に望ましい。酵素の担体への担
持量は、担体の酵素担持能によつて左右されるの
で必ずしも一義的ではないが、担体の湿重量1g
当り約0.1mgないし約100mg、通常約1mgない
し約10mg程度であればよい。 本固定化酵素を用いて回分法でラセミ体化合物
〔(R,S)−I〕の不斉水解を行い、親水性化合
物〔(R)−〕を含む水層と未反応の疎水性化合
物〔(S)−I〕を吸着している固定化酵素とを
過もしくはゆるやかに遠心することによつて分離
し、さらに低極性溶媒で固定化酵素を洗浄するこ
とによつて化合物〔(S)−I〕を得ることがで
き、固定化酵素は再び反応に用いることができ
る。かかる方法によつても従来の遊離酵素を用い
る回分法に比べて利点はあるが、本発明は、それ
を更に進めて、固定化酵素をカラムに充填し酵素
反応と同時に反応生成物の分離を行い、反応を連
続化することによつて工業上さらに有用としたも
のである。 本発明における不斉水解反応は通常10〜60℃の
範囲で可能であるが、20〜40℃で行うことが好ま
しい。この不斉水解反応はPH4.5〜10の範囲で可
能であるが、反応速度で大であるPH6〜8.5の範
囲で行うことが望ましい。また本反応では不斉水
解の進行に伴い有機酸を生じPHが低下する。その
ため基質化合物の負荷量が多いときには、緩衝液
を使用するなどしてPHを一定の範囲内に制御する
ことが望ましい。この目的に適する緩衝液として
は無機酸塩、有機酸塩いずれの緩衝液も使用する
ことができる。 本発明では該固定化エステラーゼをカラムに充
填し、まず緩衝液を流し、次に基質のエステル化
合物〔(R,S)−I〕を負荷し、負荷し終わつた
ら再び緩衝液を流すことによつてカラム内で不斉
水解反応を行わせしめ、かつ生成する親水的な化
合物〔(R)−〕は緩衝液に溶かし、カラムから
排出させる。この緩衝液画分をガスクロマトグラ
フイー(充填剤、シリコンOV−17、3mmφ×1m
カラム、カラム温度220℃)により分析し、画分
中に化合物〔(R)−〕がほとんど認められなく
なつた時点で緩衝液にかえて低極性溶媒を流し、
カラム内の固定化酵素に吸着している未反応の化
合物〔(S)−I〕を溶出する。この溶媒画分もガ
スクロマトグラフイーで分析し、画分中に化合物
〔(S)−I〕がほとんど認められなくなれば、低
極性溶媒にかえて再び緩衝液を流すことによつて
カラム内を緩衝液で置換し、基質のエステル化合
物〔(R,S)−I〕を負荷する。これらの一連の
操作を繰り返すことによつて化合物〔(R,S)−
I〕の不斉水解と反応生成物の分取をパルス的に
連続して行うことが可能である。 本固定化エステラーゼを充填したカラムに負荷
できる基質の量としては、固定化した担体によつ
て変わるが、基質を負荷している途中もしくは緩
衝液を流し始めたときに未反応の基質がカラムか
ら排出されなければ排出される限界量まで可能で
ある。例えば合成吸着剤アンバーライトXAD−
7を担体とした固定化エステラーゼを充填した場
合、そのカラム容積の1/3量までの基質を負荷す
ることが可能である。 本発明において疎水性の未反応の化合物〔(S)
−I〕を溶出するのに用いる低極性溶媒は、担体
に吸着している酵素を脱着しない溶媒であつて、
かつ親水性化合物〔(R)−〕は殆んど溶解せ
ず、一方、疎水性の化合物〔(S)−I〕はよく溶
解する溶媒が望ましい。そのような溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレンのよう
な芳香族炭化水素溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプ
タン、n−オクタンのような脂肪族炭化水素溶
媒;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘ
プタンのような脂環式炭化水素溶媒又はこれらの
混合溶媒が好適な溶媒として挙げられる。 本発明における遊離及び固定化酵素の加水分解
活性は回分法によつて次のようにして反応初期の
速度から求めた。 基質:〔(R,S)−(±)3−t−ブチル−5−
カプロイロキシメチルオキサゾリジン−2−オン測定法及び活性単位の算出 基質5gを蒸留水45mlに加え懸濁し、恒温水槽
を用いて33℃に保つ。PHスタツトを接続し、PHを
7.0に調整してから遊離の酵素5〜50mg、又は
湿潤固定化酵素(吸引過したもの)0.5〜1.0g
を加えて撹拌下に反応を開始する。酵素による基
質エステルの加水分解によつてカプロン酸が生成
するが、PHスタツトを用いて5N水酸化ナトリウ
ム溶液を加えることによつて反応液のPHを7.0に
維持した。反応開始後1分から6分までの5分間
にPHを7.0に維持するために消費した水酸化ナト
リウム溶液の量から1分間当りの平均消費量を求
め、遊離の酵素1g当りもしくは固定化酵素1g
当りの消費量に換算する。1分間に1マイクロモ
ルの水酸化ナトリウムを消費する(即ちカプロン
酸を生成する)酵素活性の強さを1単位(u)と
して各酵素標品1g当りの比活性を算出した。 以下実施例により本発明をさらに詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。 実施例 1 リポプロテインリパーゼ(起源:シユードモナ
ス属、力価45,000u/g、天野製薬株式会社製)
6.0gをPH7.0の0.1Mリン酸緩衝液100mlに加えて
混和し、過によつて不溶物を除いた。液にロ
ーム・アンド・ハース社製メタクリレート系多孔
質吸着剤アンバーライトXAD−7をメタノール
と水で洗浄後、湿重量60g(含水率71%)加え、
室温で一夜振盪撹拌し、酵素を吸着固定化した。
固定化酵素懸濁液をグラスフイルターを用いて吸
引過し、さらにPH7.0の0.1Mリン酸緩衝液100
mlで3回洗浄後、吸引過して湿潤固定化酵素を
得た。水分含量は固定化前の樹脂の水分含量とほ
とんど同じであり、本固定化酵素の活性は1g当
り590uであつた。こうして得た固定化酵素を内
径2.2cmのカラムに高さ15cmに充填し、33℃に保
温してラセミ体の3−t−ブチル−5−カプロイ
ロキシメチルオキサゾリジン−2−オン 10gを
負荷し、PH7.0の0.1Mリン酸緩衝液を毎分1.0mlの
流速で流して反応させた。カラムからの排出液を
10mlずつフラクシヨンコレクターで分取し、ガス
クロマトグラフイー(充填剤,シリコンOV−
17,3mmφ×1mカラム,カラム温度220℃)によ
り分析した。このリン酸緩衝液画分には、不斉水
解され生成した親水的な3−t−ブチル−5−ヒ
ドロキシメチルオキサゾリジン−2−オンのみが
含まれていた。該リン酸緩衝液の画分100mlに等
量の塩化メチレンを加え、2回該ヒドロキシメチ
ル体を抽出し、脱水後、濃縮した。この濃縮液に
ヘキサンを徐々に加えて無色の結晶を析出させ、
これを集めて真空乾燥したところ、比旋光度
〔α〕D 20−44.7°(C=1.0,クロロホルム)を有する
〔R〕−(−)−3−t−ブチル−5−ヒドロキシメ
チルオキサゾリジン−2−オン 2.6g(収率
81.5%)を得た。リン酸緩衝液を120ml流した時
点で、リン酸緩衝液にかえてヘキサンを毎分1.0
mlの流速で流し、カラム内の固定化酵素の担体に
吸着されていた未反応の疎水的な3−t−ブチル
−5−カプロイロキシメチルオキサゾリジン−2
−オンを溶出した。溶出ヘキサン溶液を10mlずつ
フラクシヨンコレクターで分取し、3−t−ブチ
ル−5−カプロイロキシメチルオキサゾリジン−
2−オンを含む画分100mlを濃縮し、比旋光度
〔α〕D 20+27.9°(C=1.0,クロロホルム)を有する
油状物4.4gを得た。 更にこの油状物に水50mlと水酸化ナトリウム溶
液を加え、PH12〜13に保ち室温で3時間エステル
の加水分解を行つた。加水分解液中のヒドロキシ
メチル体を塩化メチレン60mlで2回抽出し、脱水
処理後、濃縮した。この濃縮液にヘキサンを徐々
に加えて無色の結晶を析出させ、これを集めて真
空乾燥したところ比旋光度〔α〕D 20+44.2°(C=
1.0,クロロホルム)を有する〔S〕−(+)−3−
t−ブチル−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジ
ン−2−オン 2.1g(収率65.8%)を得た。 上記リン酸緩衝液およびヘキサンによる溶出に
おいて酵素の脱着は認められなかつた。 実施例 2 実施例1において使用した固定化リポプロテイ
ンリパーゼ充填カラムにPH7.0の0.1Mリン酸緩衝
液50mlを流してから実施例1と同様にしてラセミ
体の3−t−ブチル−5−カプロイロキシメチル
オキサゾリジン−2−オン10gを負荷し、リン酸
緩衝液による反応およびヒドロキシメチル体の溶
出ならびにヘキサンによる未反応のエステル体の
溶出を行つた。更にこの一連の反応、溶出操作を
20回繰り返し連続して行い、毎回リン酸緩衝液画
分とヘキサン溶出画分とを実施例1と同様の操作
で処理した。その結果、各リン酸緩衝液画分から
比旋光度〔α〕D 20−44.1°(C=1.0,クロロホルム)
から〔α〕D 20−44.9°(C=1.0,クロロホルム)を
有する〔R〕−(−)−3−t−ブチル−5−ヒド
ロキシメチルオキサゾリジン−2−オンを2.4g
〜2.8g(収率75.2〜87.8%)の範囲で得た。また
各ヘキサン溶出画分から比旋光度〔α〕D 20+43.7°
〜+44.8°(C=1,クロロホルム)を有する
〔S〕−(+)−3−t−ブチル−5−ヒドロキシメ
チルオキサゾリジン−2−オンを2.0〜2.4g(収
率62.7〜75.2%)の範囲で得た。 実施例 3〜8 実施例1と同様にしてアンバーライトXAD−
7に固定化したリポプロテインリパーゼを内径
2.2cm、長さ15cmのカラムに充填し、基質のエス
テル体と未反応のエステル体の溶出液をかえて実
施例1と同様の操作を行い、表1の結果を得た。
【表】
【化】
【式】 実施例 9 実施例1において、メタクリレート系吸着剤ア
ンバーライトXAD−7のかわりに三菱化成工業
株式会社製の同系の多孔質吸着剤ダイヤイオン
HP2MGをメタノールと蒸留水で洗浄後、湿重量
60g(含水率61%)用い、以下の操作は実施例1
に準じて固定化リポプロテインリパーゼを調製し
た。この湿潤固定化酵素の活性は1g当り500u
であつた。該固定化酵素を内系2.2cm、長さ15cm
のカラムに充填し、不斉水解の基質をラセミ体の
3−イソプロピル−5−カプリリロキシメチルオ
キサゾリジン−2−オン 10gとして実施例1と
同様の操作で不斉水解と生成物の分離を行つた。
リン酸緩衝液画分を実施例1と同様に処理するこ
とによつて比旋光度〔α〕D 20−48.5°(C=1.0,ク
ロロホルム)を有する〔R〕−(−)−3−イソプ
ロピル−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−
2−オン 2.1g(収率75.3%)を得た。ヘキサ
ン溶出画分も実施例1と同様に処理することによ
つて比旋光度〔α〕D 20+48.1°(C=1.0,クロロホ
ルム)を有する〔S〕−(+)−3−イソプロピル
−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オ
ン 1.8g(収率64.6%)を得た。 実施例 10 実施例9において使用した固定化リポプロテイ
ンリパーゼ充填カラムにPH7.0のリン酸緩衝液50
mlを流してから実施例9と同様にしてラセミ体の
3−イソプロピル−5−カプリリロキシメチルオ
キサゾリジン−2−オン 10gを負荷し、リン酸
緩衝液による反応およびヒドロキシメチル体の溶
出ならびにヘキサンによる未反応のエステル体の
溶出を行つた。さらにこの一連の反応、溶出操作
を20回くり返し連続して行い、各回のリン酸緩衝
液画分を一まとめにし、実施例1と同様に処理す
ることによつて比旋光度〔α〕D 20−48.3°(C=1.0,
クロロホルム)を有する〔R〕−(−)−3−イソ
プロピル−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン
−2−オン 42.8g(収率76.8%)を得た。ヘキ
サン溶出画分も一まとめにし、実施例1と同様に
処理することによつて比旋光度〔α〕D 20+48.0°
(C=1.0,クロロホルム)を有する〔S〕−(+)
−3−イソプロピル−5−ヒドロキシメチルオキ
サゾリジン−2−オン 40.1g(収率71.9%)を
得た。 実施例 11 リパーゼPL266(起源:アルカリゲネス属、力
価6,400u/g、名糖産業(株)製品)10gをPH7.0
の0.1Mリン酸緩衝液100mlに加えて混和し、過
によつて不溶物を除いた。液にフアルマシア社
製オクチルセフアロースCL−4Bを水と緩衝液で
洗浄、過後、湿重量60g(含水率94%)加え、
室温で一夜振盪撹拌し、酵素を吸着固定化させ
た。固定化酵素懸濁液をグラスフイルターを用い
て吸引過し、さらに緩衝液100mlで3回洗浄後、
吸引過して湿潤固定化酵素を得た。この湿潤固
定化酵素の活性は1g当り350uであつた。この
固定化酵素を内径2.2cmのカラムに高さ15cmに充
填し、33℃に保温してラセミ体の3−t−ブチル
−5−カプロイロキシメチルオキサゾリジン−2
−オン 5gを負荷し、PH7.0の0.1Mリン酸緩衝
液を毎分1.0mlの流速で流して反応させた。カラ
ムからの溶出液を10mlずつフラクシヨンコレクタ
ーで分取し、リン酸緩衝液画分80mlに等量の塩化
メチレンを加え2回抽出を行つた。 以下実施例1と同様の操作を行い、リン酸緩衝
液画分から比旋光度〔α〕D 20−44.3°(C=1.0,ク
ロロホルム)を有する〔R〕−(−)−3−t−ブ
チル−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2
−オン 1.2g(収率75.2%)を得た。またヘキ
サン画分から、比旋光度〔α〕D 20+43.8°(C=1.0,
クロロホルム)を有する〔S〕−(+)−3−t−
ブチル−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−
2−オン 1.1g(収率69.0%)を得た。 実施例 12 実施例1において、メタクリレート系吸着剤ア
ンバーライトXAD−7のかわりにスチレン・ジ
ビニルベンゼン系の吸着剤アンバーライトXAD
−2をメタノールと蒸留水で洗浄後、湿重量60g
(含水量43%)用い、リポプロテインリパーゼに
かえてリパーゼAL(起源:アクロモバクター属,
力価8,500u/g、名糖産業(株)製品)を10g用
いた他は実施例1と同様の操作によつて固定化リ
パーゼALを調製した。この湿潤固定化酵素の活
性は1g当り65uであつた。この固定化酵素を内
径2.2cmのカラムに高さ15cmに充填し、33℃に保
温してラセミ体の3−t−ブチル−5−ブチリロ
キシメチルオキサゾリジン−2−オン 10gを負
荷し、PH7.0の0.1Mリン酸緩衝液を毎分0.3mlの流
速で流して反応させた。カラムからの溶出液を10
mlずつフラクシヨンコレクターで分取し、リン酸
緩衝液画分100mlに当量の塩化メチレンを加え2
回抽出し、脱水後、濃縮した。この濃縮後にヘキ
サンを徐々に加えて無色の結晶を析出させ、これ
を集めて真空乾燥したところ比旋光度〔α〕D 20
34.7°(C=1.0,クロロホルム)を有する〔R〕−
(−)−3−t−ブチル−5−ヒドロキシメチルオ
キサゾリジン−2−オン 2.8g(収率78.7%)
を得た。リン酸緩衝液を120ml流した時点で、リ
ン酸緩衝液にかえてトルエンを毎分1.0mlの流速
で流し、カラム内の固定化酵素に吸着されていた
未反応の3−t−ブチル−5−ブチリルオキシメ
チルオキサゾリジン−2−オンを溶出した。溶出
トルエン溶液80mlを減圧濃縮し、油状物を得た。
以後、実施例1と同様の処理を行い、比旋光度
〔α〕D 20+35.2°(C=1.0,クロロホルム)を有する
〔S〕−(+)−3−t−ブチル−5−ヒドロキシメ
チルオキサゾリジン−2−オン 2.1g(収率
59.0%)を得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 【化】 (式中、R1は炭素原子数1〜4個の低級アル
    キル基、R2はアルキル基)で表わされる3−ア
    ルキル置換−5−アシロキシメチルオキサゾリジ
    ン−2−オン ラセミ体を不斉的に加水分解する
    能力を有するエステラーゼを疎水性をもつ担体に
    固定化した固定化酵素を充填したカラムに〔(R,
    S)−I〕を負荷し、水又は緩衝液を流すことに
    よつて不斉水解反応を行い、それと同時に生成す
    る親水性の一般式 【化】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる〔R〕
    −(−)−3アルキル置換−5−ヒドロキシメチル
    オキサゾリジン−2−オンを上記水又は緩衝液に
    よつて溶出、採取し、次いでカラム内の固定化酵
    素の担体に吸着、保持されている未反応の疎水性
    の一般式 【化】 (式中、R1,R2は前記と同じ)で表わされる
    〔S〕−(+)−3−アルキル置換−5−アシロキシ
    メチルオキサゾリジン−2−オンを有機溶媒を流
    すことによつて溶出、採取することを特徴とす
    る、一般式 【化】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされる光学
    活性〔R〕−(−)−3−アルキル置換−5−ヒド
    ロキシメチルオキサゾリジン−2−オン又は一般
    式 【化】 (式中、R1,R2は前記と同じ)で表わされる
    光学活性〔S〕−(+)−3−アルキル置換−5−
    アシロキシメチルオキサゾリジン−2−オンの固
    定化酵素による製造方法。 2 化合物〔(R,S)−I〕の式中、R1がt−
    ブチル基又はイソプロピル基である特許請求の範
    囲第1項記載の製造方法。 3 化合物〔(R,S)−I〕の式中、R2のアル
    キル基が炭素原子数2〜17個である特許請求の範
    囲第1項記載の製造方法。 4 エステラーゼの起源が微生物又は哺乳動物の
    臓器である特許請求の範囲第1項記載の製造方
    法。 5 疎水性を持つ酵素固定化用担体が合成吸着
    剤、疎水クロマトグラフイー用樹脂、疎水性光架
    橋性樹脂又は疎水基を化学結合させて導入した高
    分子物質である特許請求の範囲第1項記載の製造
    方法。 6 化合物〔(S)−I)の溶出を行う有機溶媒が
    低極性有機溶媒である特許請求の範囲第1項記載
    の製造方法。
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