JPH0586797U - スラスター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 船体１の開口部２の下部を閉鎖し、推進抵
抗を低下させたスラスター装置を提供する。 【構 成】 船体11の開口部12内に配置され、かつ内部
に駆動装置16を有するコンテナ13と、前記開口部12に沿
って上下動しかつ水平方向に貫通する貫通孔18を有する
とともに、底板が前記開口部12を閉鎖可能な如く形成さ
れた構造体15と、前記貫通孔18内に配置されたスラスタ
ー14とよりなり、該スラスター14を前記駆動装置16によ
り駆動するよう構成するとともに、前記構造体15を船体
11下部に出没可能な如く構成したスラスター装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はコンテナ型リトラクタブル式スラスターの構造、より詳しくは、船舶 の位置制御のために使用されるコンテナ型リトラクタブル式スラスターの構造に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に自航船や特殊作業船等において、船体の位置を洋上の一点に保持し、或 いは低速で船の位置を制御するためにスラスターが用いられる。 このスラスターには種々の形状が知られているが、その一つにコンテナ型リト ラクタブル式スラスターがある。そして、このコンテナ型リトラクタブル式スラ スターにはコンテナ上下式とスラスターユニット上下式とがある。

【０００３】 即ち、図６及び図７に示すものはコンテナ上下式であって、船体１の開口部２ 内には、内部に駆動装置３を有するコンテナ４が配置され、このコンテナ４の下 部にはノズル５を有するスラスター６が配置されていて、このスラスター６は駆 動装置３により駆動されるとともに、コンテナ４は上下装置７により、開口部２ に沿って上下動するようになっている。

【０００４】 一方、スラスターユニット上下式は図８及び図９に示されるように、船体１の 開口部２内に図示しない駆動装置を有するコンテナ４が配置されるとともに、ス ラスター６、ガイド板８及び動力伝達軸を内装する連結体９とよりなるスラスタ ーユニット10が、コンテナ４内に設けられた上下装置 (図示せず) により上下動 するように構成されたものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで前記したようなコンテナ型リトラクタブル式スラスターにおいては問 題がある。即ち、かかるコンテナ型リトラクタブル式スラスターを有する船舶に おいては、通常、航行時スラスターを船体内に引込む必要があるが、この場合、 船体１の開口部２の下部が閉鎖されないため、推進抵抗が増大することとなる。 かかる問題を解決するため開口部２の閉鎖装置を別途設けることも考えられるが 、この場合、狭い場所に取付ける必要があり、機構的に複雑かつ高価なものとな り信頼性にも欠けることとなる。 一方、スラスター６はＬ字形をした、いわゆる片持式となっているため、強度 的にも問題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記したような従来の問題点を解決するためになされたものであって 、船体の開口部内に配置され、かつ内部に駆動装置を有するコンテナと、前記開 口部に沿って上下動しかつ水平方向に貫通する貫通孔を有するとともに、底板が 前記開口部を閉鎖可能な如く形成された構造体と、前記貫通孔内に配置されたス ラスターとよりなり、該スラスターを前記駆動装置により駆動するよう構成する とともに、前記構造体を船体下部に出没可能な如く構成したコンテナ型リトラク タブル式のスラスター装置を提供せんとするものである。

【０００７】

【作 用】

かかる構造のコンテナ型リクラクタブル式のスラスター装置において、船舶の 位置制御を行なうときは、構造体を船体下部に突出させてスラスターを作用させ る。そして、通常航行時には構造体を開口部内に引込むことによって、構造体の 底板が開口部を閉鎖することになる。

【０００８】

【実施例】

以下図１乃至図５に基づき本考案によるコンテナ型リトラクタブル式のスラス ター装置の実施例を説明する。 図１は船舶の側面図であって、船体11には開口部12が設けられ、この開口部12 内にはコンテナ13及びスラスター14を有する構造体15が設けられている。詳述す れば、図２及び図３に示されるように、船体11の開口部12内には、内部にモータ ーの如き駆動装置16を有するコンテナ13が配置され、このコンテナ13は上下装置 17により開口部12に沿って上下動するようになっている。このコンテナ13の下部 には構造体15が取付けられている。この構造体15は少なくともその底板15ａが開 口部12の下部を閉鎖可能な如き形状を有する箱体として形成され、水平方向に貫 通する貫通孔18が設けられる。そして、この貫通孔18内にはスラスター14が支持 材19で取付けられるとともに、好ましくは、この貫通孔18の壁面には吸音材20が 張設される。そしてこのスラスター14は駆動装置16により駆動されるようになっ ている。

【０００９】 かかる構成のコンテナ型リトラクタブル式スラスターにおいて、今船体11の位 置制御を行なう場合、上下装置17を作動させてコンテナ13及び構造体15を下降さ せる。即ち、図示する如く構造体15が船体11の下部に突出する位置まで下降させ 、然る後、駆動装置16によりスラスター14を作動させるのである。一方、通常航 行時においては、上下装置17によりコンテナ13及び構造体15を上昇させると構造 体15の底板15ａが開口部12の下部を閉鎖するのである。

【００１０】 図４及び図５は他の実施例であって、コンテナ13と構造体15とを分割したもの であって、この場合、コンテナ13は開口部12内に配置され、構造体15が開口部12 内を上下して船体11の下部へ出没するものである。 なお前記実施例において、船体11の開口部12は平面において矩形又は円として 形成される。この場合、コンテナ13及び構造体15は夫々この開口部12の形状に合 せて構成されることは言うまでもない。

【００１１】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によるコンテナ型リトラクタブル式ス ラスターの構造によれば、構造体の底板により開口部の下部を閉鎖するため、船 舶航行時の推進抵抗が増大することもなく、かつスラスターは構造体に設けられ た貫通孔内に、その周方向から支持されているため剛構造とすることができる。 また、スラスターのプロペラから発生する水中騒音を貫通孔の壁面に張設される 吸音材および周囲の構造体により低減することができるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例のスラスター装置を設けた船舶
の側面図である。

【図２】図１のＡ部の拡大図である。

【図３】図２のＢ−Ｂ矢視図である。

【図４】他の実施例における図１のＡ部拡大図である。

【図５】図４のＣ−Ｃ矢視図である。

【図６】従来のスラスター装置の側面図である。

【図７】図６のＤ−Ｄ矢視図である。

【図８】従来のスラスター装置の側面図である。

【図９】図８のＥ−Ｅ矢視図である。

【符号の説明】

１, 11 船体 ２, 12 開口部 ３, 16 駆動装置 ４, 13 コンテナ ５ ノズル ６, 14 スラスター ７, 17 上下装置 ８ ガイド板 ９ 連結体 10 スラスターユニ
ット 15 構造体 18 貫通孔 19 支持材 20 吸音材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 船体の開口部内に配置され、かつ内部に
   駆動装置を有するコンテナと、前記開口部に沿って上下
   動しかつ水平方向に貫通する貫通孔を有するとともに、
   底板が前記開口部を閉鎖可能な如く形成された構造体
   と、前記貫通孔内に配置されたスラスターとよりなり、
   該スラスターを前記駆動装置により駆動するよう構成す
   るとともに、前記構造体を船体下部に出没可能な如く構
   成したことを特徴とするスラスター装置。