JPH0586433U - 組立ラインの同期搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吊下げ式搬送装置と台車式搬送装置とを機械
的に連動させて同期搬送する同期搬送装置において、台
車式搬送装置が何等かの原因で停止すると、両者の縁を
切って、吊下げ式搬送装置の損傷を防止する。 【構成】 台車上に同期棒を昇降自在に設け、同期棒上
にエアーシリンダを取付け、エアーシリンダのピストン
ロッドを後方に向けて突出させ、同期棒の上昇時に前記
ピストンロッドに取付けたストッパをハンガーに係合さ
せ、エアーシリンダのピストン背室側のエアー圧が予め
設定された圧力まで上昇すると、これを検知機構にて検
知して同期棒を下降させ、ストッパをハンガーから逃が
すようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、吊下げ式搬送装置に機械的に連動させて台車式搬送装置を同期移 動させ、両搬送装置にて搬送している部品を組みつける組立ラインにおいて、誤 動作を防止した同期搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

流れ作業を行う組立ラインでは、被組付け部品を一つの搬送装置で搬送し、組 み付け部品を別の搬送装置にて搬送し、双方の搬送装置を同期させて移動させな がら組立を行っている。

【０００３】 例えば、自動車の組立において車体ボデーに下回り部品を組み付ける場合、図 ３に示す様に、被組み付け部品である車体ボデー（１）を吊下げ式搬送装置（２ ）のハンガー（４）にて吊下げ搬送し、下回り部品を台車式搬送装置（３）の台 車（５）にて搬送し、ハンガー（４）と台車（５）とを同期させて移動させなが ら組立を行っている。

【０００４】 ハンガー（４）と台車（５）との同期は機械的に連動させて行っており、例え ば、台車（５）から同期棒（６）を突出させ、同期棒（６）をハンガー（４）の 一部に当て、この状態で台車（５）を走行させるようにしている。上記台車（５ ）には、それ自身が駆動機器を備えた自走式台車と駆動機器を持たない他走式台 車とがある。自走式台車の場合には、同期棒（６）がハンガー（４）に当ったこ とを適宜の手段で検知し、検知と同時に台車（５）をハンガー（４）と等速でレ ール（７）上を走行させている。また他走式台車の場合には、ハンガー（４）に て同期棒（６）を介して台車（５）を押しながら走行させている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記搬送装置では、台車（５）の走行軌跡上に障害物があったり、走行車輪が 止ったりして、台車（５）が何等かの原因で移動しなくなると、台車（５）に設 けた同期棒（６）を介してハンガー（４）が強制的に停止させられるため、ハン ガー（４）が損傷したり、吊下げ式搬送装置（２）が損傷するといった問題があ った。

【０００６】 この考案は、台車式搬送装置の台車が停止した時に、吊下げ式搬送装置と台車 式搬送装置との縁を切って、吊下げ式搬送装置の損傷を防止する同期搬送装置を 提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案は、部品を保持するハンガーを吊下げて走行させる吊下げ式搬送装置 と、前記ハンガーの走行軌跡の下方に台車を走行させる台車式搬送装置と、前記 台車上に昇降自在に設け、上昇時に前記ハンガーに係合する同期棒と、前記同期 棒に設置し、前記同期棒とハンガーとの係合時の荷重を検出する荷重検出手段と 、前記荷重検出手段が荷重を検知することにより前記ハンガーと前記台車との同 期を取り、前記荷重検出手段が設定圧以上の荷重をを検知することにより前記同 期棒を下降させて、前記同期棒を前記ハンガーから解放させるようにしたもので ある。

【０００８】

【作用】

上記構成の同期搬送装置は、同期棒を上昇させて荷重検出手段をハンガーの走 行軌跡上に突出させる。ハンガーが荷重検出手段に当り、荷重検出手段が荷重を 検出すると、ハンガーと台車とを同期させて走行させる。

【０００９】 何等かの原因で台車が停止すると、ハンガーにて荷重検出手段が押されて荷重 が異常に上昇する。そして荷重検出手段が予め設定された荷重以上の荷重を検知 すると、同期棒を下降させ、同期棒をハンガーの走行軌跡から逃がしてハンガー と台車とを切離し、ハンガーをそのまま走行させて損傷を防止する。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図１及び図２を参照して説明する。但し、従来技術 と同一構成部材には同一符号を付して、説明は省略する。

【００１１】 図１に示す様に、台車（５）上に同期棒（６）を昇降自在に設け、同期棒（６ ）の上端のフランジ（９）の上面に荷重検出手段（１０）を設けてある。荷重検 出手段（１０）は、例えば、荷重を受けるエアーシリンダ（１１）と、エアーシ リンダ（１１）の荷重を検出する検知機構（１６）とからなっている。

【００１２】 エアーシリンダ（１１）は、突出したピストンロッド（１２）を後方に向けて 同期棒（６）の上面に取付けてあり、端部にストッパ（１３）を取付けてある。 そして、エアーシリンダ（１１）のピストン背室（１５）へエアーを供給するエ アー供給経路（１４）にエアーの圧力を検知する検知機構（１６）を設けてある 。

【００１３】 検知機構（１６）は、例えばレギュレータ（２０）とオートスイッチ（２１） を設け、レギュレータ（２０）の設定圧を調整することにより検知させている。 そしてレギュレータ（２０）が所定の圧力を検知すると、オートスイッチ（２１ ）をオンして台車（５）を走行させ、予め高い値に設定された圧力を検知すると 、オートスイッチ（２１）がオフして台車（５）に内蔵された適宜の昇降装置（ 図示せず）にて同期棒（６）を下降させるようになっている。

【００１４】 上記同期棒（６）は上昇時には、エアーシリンダ（１１）のピストンロッド（ １２）に取付けたストッパ（１３）がハンガー（４）の走行軌跡上に突出する位 置まで上昇し、下降時には、ストッパ（１３）及びエアーシリンダ（１１）がハ ンガー（４）の走行軌跡から外れる位置まで下降するようにストロークを設定し てある。

【００１５】 上記同期搬送装置は、同期棒（６）を上昇させ、かつエアーシリンダ（１１） のピストンロッド（１２）を後方へ突出させて、ストッパ（１３）をハンガー（ ４）の走行軌跡上に突出させておく。そして、車体ボデーを吊下げて走行してき たハンガー（４）がストッパ（１３）に当ると、ストッパ（１３）を介してピス トンロッド（１２）を押しつけるため、エアーシリンダ（１１）のピストン背室 （１５）にかかるエアーの圧力が高くなり、これをレギュレータ（２０）が検知 してオートスイッチ（２１）をオンし、台車（５）を走行させ、ハンガー（４） と台車（５）とを機械的に連動させて走行させ、走行中に組付けを行う。

【００１６】 また、上記作業中に何等かの原因で台車（５）が停止すると、ハンガー（４） によるエアーシリンダ（１１）のピストンロッド（１２）への押しつけ力が強く なり、ピストン背室（１５）側の圧力が更に上昇し、レギュレータ（２０）に予 め設定された圧力に達するとオートスイッチ（２１）をオフして、図２に示す様 に、同期棒（６）を下降させて、ストッパ（１３）及びエアーシリンダ（１１） をハンガー（４）から逃がしてハンガー（４）を解放する。従って、ハンガー（ ４）はそのまま走行し、損傷することがない。

【００１７】 また、ハンガー（４）がストッパ（１３）に当った時に非常に強い衝撃が作用 した場合にも、レギュレータ（２０）が高い圧力を検知して、同期棒（６）を下 降させるので、ハンガー（４）が損傷することはない。

【００１８】

【考案の効果】

この考案によれば、この考案によれば、吊下げ式搬送装置のハンガーと台車式 搬送装置の台車とを機械的に連動させて同期搬送させる場合に、何等かの原因で 台車が停止しても、台車とハンガーとを切離して、ハンガーを解放するので、ハ ンガー並びに吊下げ式搬送装置の損傷が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る同期搬送装置の主要部を示す側面
図

【図２】本考案に係る同期搬送装置の一動作を示す側面
図

【図３】同期搬送装置の一例を示す側面図

【符号の説明】

２ 吊下げ式搬送装置 ３ 台車式搬送装置 ４ ハンガー ５ 台車 ６ 同期棒 １０ 荷重検出手段 １１ エアーシリンダ １６ 検知機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】部品を保持するハンガーを吊下げて走行さ
   せる吊下げ式搬送装置と、前記ハンガーの走行軌跡の下
   方に台車を走行させる台車式搬送装置と、前記台車上に
   昇降自在に設け、上昇時に前記ハンガーに係合する同期
   棒と、前記同期棒に設置し、前記同期棒とハンガーとの
   係合時の荷重を検出する荷重検出手段と、前記荷重検出
   手段が荷重を検知することにより前記ハンガーと前記台
   車との同期を取り、前記荷重検出手段が設定圧以上の荷
   重をを検知することにより前記同期棒を下降させて、前
   記同期棒を前記ハンガーから解放させるようにしたこと
   を特徴とする組立ラインの同期搬送装置。