JPH0586317A - 印刷インキ用バインダー - Google Patents

印刷インキ用バインダー

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JPH0586317A
JPH0586317A JP5712892A JP5712892A JPH0586317A JP H0586317 A JPH0586317 A JP H0586317A JP 5712892 A JP5712892 A JP 5712892A JP 5712892 A JP5712892 A JP 5712892A JP H0586317 A JPH0586317 A JP H0586317A
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JP
Japan
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binder
diol
printing ink
glycol
active hydrogen
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Pending
Application number
JP5712892A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Morino
哲夫 森野
Hiroshi Nishimoto
博 西本
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication of JPH0586317A publication Critical patent/JPH0586317A/ja
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 高分子ジオール類を必須成分とするポリオー
ルおよび必要により他の活性水素含有化合物成分とポリ
イソシアネート成分とからのウレタン樹脂(a)および
塩素化炭化水素系樹脂(b)からなる印刷インキ用バイ
ンダー。 【効果】 本発明のバインダーを用いた印刷インキはポ
リオレフィンフイルム、ポリエステルフイルム、ナイロ
ンフイルム等広範なプラスチックフイルムなどに対する
良好な接着性、ダイレクト方式も含めたラミネート加工
適性などに優れた特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷インキ用バインダー
に関するものである。さらに詳しくは各種プラスチック
フイルムの印刷に適した印刷インキ用バインダーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックフィルムの印刷を行
う場合、ウレタン樹脂をバインダーとして使用したイン
キで印刷をほどこす技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術で
は、ポリエステルやナイロンなどのフイルムへのインキ
の接着性は良好であるものの、ポリプロピレンなどのポ
リオレフィンフイルムへの接着性では満足できるものが
なかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエス
テルやナイロンなどのフイルムに対してだけではなく、
ポリプロピレンなどのポリオレフィンフイルムにも良好
な接着性を示す印刷インキ用バインダーを見い出すべ
く、鋭意検討の結果、本発明に至った。すなわち、本発
明は、ウレタン樹脂(a)および塩素化炭化水素系樹脂
(b)からなる印刷インキ用バインダーである。
【0005】本発明において、ウレタン樹脂(a)とし
ては、ポリエーテルジオ−ル、ポリエステルジオ−ル、
ポリエ−テルエステルジオ−ル、およびこれらのジオ−
ル中でビニル系モノマ−を重合させて得た重合体ジオ−
ルからなる群より選ばれる高分子ジオ−ル類を必須成分
とするポリオ−ルおよび必要により他の活性水素含有化
合物からなる活性水素含有化合物とポリイソシアネ−ト
成分とからの樹脂が挙げられる。
【0006】ポリエ−テルジオ−ルとしては低分子グリ
コ−ル(エチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−
ル、1,4-ブタンジオ−ルなど)のアルキレンオキシド
(炭素数2〜4のアルキレンオキシドたとえばエチレン
オキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド)付
加物、およびアルキレンオキシド、環状エ−テル(テト
ラヒドロフランなど)を開環重合または開環共重合(ブ
ロックまたはランダム)させて得られるもの、たとえば
ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、
ポリエチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)
グリコ−ル、ポリオキシテトラメチレングリコ−ル、ポ
リオキシヘキサメチレングリコ−ル、ポリオキシオクタ
メチレングリコ−ルおよびそれらの2種以上の混合物が
挙げられる。
【0007】ポリエステルジオ−ルとしてはジカルボン
酸(アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、
マレイン酸、フマル酸、フタル酸など)とグリコ−ル
[エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,4-ブ
タンジオ−ル、1,6-ヘキサンジオ−ル、1,8-オクタメチ
レンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ビスヒドロキ
シメチルシクロヘキサン、ビスヒドロキシエチルベンゼ
ン、アルキルジアルカノ−ルアミン、キシリレングリコ
−ル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,
4'- ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ジフェニルプロパン
など]とを縮重合させて得られたもの、たとえばポリエ
チレンアジペ−ト、ポリブチレンアジペ−ト、ポリヘキ
サメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジ
ペ−ト;ポリラクトンジオ−ルたとえばポリカプロラク
トンジオ−ル:およびこれら2種以上の混合物が挙げら
れる。ポリエ−テルエステルジオ−ルとしてはエ−テル
基含有ジオ−ル(前記ポリエ−テルジオ−ル、ジエチレ
ングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ジプロピレン
グリコ−ルなど)もしくはこれらと他のグリコ−ルとの
混合物を前記ジカルボン酸とまたはジカルボン酸無水物
(無水フタル酸、無水マレイン酸など)およびアルキレ
ンオキシドと反応させることによって得られるもの、た
とえばポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペ−トが
挙げられる。
【0008】ジオ−ル中でビニル系モノマ−を重合させ
て得た重合体ジオ−ルとしては前記ジオ−ル(ポリエ−
テルジオ−ル、ポリエステルジオ−ル、ポリエ−テルエ
ステルジオ−ル)中でアクリロニトリル、スチレン、塩
化ビニルなどのビニル系モノマ−を重合させて得た重合
体ジオ−ルが挙げられる。これら高分子ジオ−ルの平均
分子量(水酸基価測定による)は通常 500〜5000、好ま
しくは 700〜4000、とくに好ましくは1000〜3500であ
る。平均分子量が 500未満の場合、本発明のバインダ−
は硬くなり、ポリオレフィンフィルムに対する密着性も
低下する。平均分子量が5000を越えると、印刷物に粘着
性が出てくる。
【0009】本発明においては、上記高分子ジオ−ルの
他に他のポリオ−ルたとえば他の高分子ジオ−ルおよび
低分子ジオ−ルを使用することが出来る。
【0010】他の高分子ジオ−ルとしては分子量 500〜
10000 のポリブタジエングリコ−ルが挙げられる。ポリ
ブタジエングリコ−ルとしては1,2-ビニル構造を有する
もの、1,2-ビニル構造と1,4-トランス構造を有するも
の、および1,4-トランス構造を有するものが挙げられ
る。1,2-ビニル構造と1,4-トランス構造の割合は種々に
変えることができ、たとえばモル比で100:0〜0:100で
ある。またポリブタジエングリコ−ルにはホモポリマ−
およびコポリマ−(スチレンブタジエンコポリマ−、ア
クリロニトリルブタジエンコポリマ−など)が含まれ
る。ポリブタジエングリコ−ルは具体的には下記の通り
である。
【0011】
【化1】 nは15〜80である。
【0012】
【化2】 aは0.2 、bは0.6 、cは0.2 、nは50〜55である。
【0013】
【化3】 XはC6 5 またはCN、aは0.75、bは0.25、nは78
〜87である。
【0014】化1で示される商品としては NISSO-PB G
シリ−ズ(日本曹達製品)、具体的にはG-1000、G-200
0、G-3000が挙げられる。化2および化3で示される商
品としては Poly Bd(米国ARCD社製品)、具体的には P
oly Bd 、R-45H、 R-45HT、 CS-15 、 CN-15 などが挙げら
れる。ポリブタジエングリコ−ルはまた水素添加物であ
ってもよい(本発明におけるポリブタジエングリコ−ル
には水素添加物も含む)。水素添加率はたとえば20〜10
0 %である。
【0015】高分子ジオ−ルに加えて必要により低分子
ジオ−ルを併用することもできる。低分子ジオ−ルとし
ては上記ポリエステルジオ−ルの原料として挙げたグリ
コ−ルおよびそのアルキレンオキシド低モル付加物(分
子量 500未満)が挙げられる。
【0016】また、3官能以上の低分子ポリオ−ルを物
性の向上などの目的で併用することもできる。この低分
子ポリオ−ルとしてはグリセリン、トリメチロ−ルプロ
パン、ペンタエリスリト−ルなどが挙げられる。
【0017】他のポリオ−ルのうちで好ましいものはポ
リプタジエングリコ−ル、低分子ジオ−ル[とくにエチ
レングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,4-ブタンジ
オ−ル、1,4-ビス(2-ヒドロキシエトキン)ベンゼン、
4,4'- ビス(2-ヒドロキシエトキン)−ジフェニルプロ
パン]および3官能以上の低分子ポリオ−ル(とくにト
リメチロ−ルプロパン)である。
【0018】必要により用いられる他の活性水素含有化
合物としては低分子ジアミンたとえば脂肪族ジアミン
(エチレンジアミン、1,2-プロピレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジ
アミンなど)、脂環式ジアミン(1-アミノ-3- アミノメ
チル-3,5,5- トリメチルシクロヘキサン、4,4'- ジアミ
ノジシクロヘキシルメタン、イソプロピリデンシクロヘ
キシル-4,4'-ジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサンな
ど)、芳香族ジアミン(キシリレンジアミン、4,4'- ジ
アミノジフェニルメタンなど)、複素環式アミン(ピペ
ラジンなど)およびこれらの2種以上の混合物を使用す
ることもできる。これらのうちで好ましいのは 4,4'-ジ
アミノジシクロヘキシルメタンおよび1-アミノ- 3-アミ
ノメチル-3,5,5- トリメチルシクロヘキサンである。
【0019】本発明においてポリオ−ル成分中のポリエ
−テルジオ−ル、ポリエステルジオ−ル、ポリエ−テル
エステルジオ−ルおよび重合体ジオ−ルからなる群より
選ばれる高分子ジオ−ル類の含有量は、50重量%以上、
好ましくは65重量%以上である。高分子ジオ−ルが50重
量%未満の場合は本発明のバインダ−を有機溶剤に溶解
した液の均一性が低下する。
【0020】ポリブタジエングリコ−ルの含有量は、ポ
リオ−ル成分中50重量%未満である。
【0021】低分子ジオ−ルの量は、ポリオ−ル成分中
通常50重量%以下、好ましくは5〜30重量%である。
【0022】3官能以上の低分子ポリオ−ルの量は、ポ
リオ−ル成分中、通常3重量%以下、好ましくは 0.2〜
1%である。
【0023】低分子ジアミンの量は、全活性水素含有化
合物に対して通常20重量%以下、好ましくは 0.3〜10重
量%である。
【0024】ポリイソシアネ−ト成分において、ポリイ
ソシアネ−トとしては炭素数(NCO基中の炭素を除
く)2〜12の脂肪族ジイソシアネ−ト、炭素数4〜18の
脂環式ジイソシアネ−ト、炭素数8〜20の芳香脂肪族ジ
イソシアネ−ト、炭素数6〜12の芳香族ジイソシアネー
ト、これらのジイソシアネ−トの変性物(カ−ボジイミ
ド、ウレトジオン、ウレトイミン基含有変性物など):
およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0025】炭素数 2〜12の脂肪族ジイソシアネ−トと
してはエチレンジイソシアネ−ト、テトラメチレンジイ
ソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ドデ
カメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4-トリメチルヘキサ
メチレンジソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−トな
ど;炭素数 4〜18の脂環式ジイソシアネ−トとしては1,
4-シクロヘキサンジイソシアネ−ト、1-イソシアネ−ト
-3- イソシアネ−トメチル-3,3,5- トリメチルシクロヘ
キサン(IPDI)、4,4'- ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネ−ト(水添MDI)、メチルシクロヘキシレ
ンジイソシアネ−ト(水添TDI)、イソプロピリデン
ジシクロヘキシル-4,4'-ジイアオシアネ−トなど;炭素
数8〜20の芳香脂肪族ジイソシアネ−トとしてはキシリ
レンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネ
−ト、トリレンジイソシアネ−ト(TDI)、ジフェニ
ルメタンジイソシアネ−ト(MDI)など;炭素数6〜
12の芳香族ジイソシアネートとしてはナフチレンジイソ
シアネ−トなどのほか、変性MDI(カ−ボジイミド変
性など)が挙げられる。これらの内で好ましいものは脂
肪族ジイソシアネ−トおよび脂環式ジイソシアネ−トで
あり、とくに好ましいものはヘキサメチレンジイソシア
ネ−ト、IPDIおよび水添MDIである。
【0026】ウレタン樹脂(a)の製造法としては全反
応成分を一挙に重合させる方法(ワンショット法)とプ
レポリマ−法が挙げられるが、プレポリマ−法が好まし
い。プレポリマ−法として例えば、(1)ポリイソシア
ネ−ト化合物と活性水素含有化合物をNCO過剰になる
ように反応させNCO末端のプレポリマ−とし、次いで
さらにNCOが過剰になるように低分子グリコ−ルまた
は低分子ジアミンを反応させ、NCO末端ポリマ−にし
たあと、残存するNCO基を反応停止剤で停止する方
法、および(2)ポリイソシアネ−ト化合物と活性水素
含有化合物をNCO過剰になるように反応させNCO末
端のプレポリマ−とし、次いで残存NCOより過剰にな
るように低分子グリコ−ルまたは低分子ジアミンを反応
させ、OH,NH2 またはNH末端ポリマ−にする方法
が挙げられる。
【0027】上記反応停止剤としてはモノアミン(ジア
ルキルアミンたとえばジ−n- ブチルアミン)およびモ
ノアルコ−ル、t- ブチルアルコ−ルなどが挙げられ
る。モノアミンはポリイソシアネ−ト成分として脂肪族
または脂環式ジイソシアネ−トを使用する場合に好まし
く、モノアルコ−ルは芳香族ジイソシアネ−トを使用す
る場合に好ましい。
【0028】反応に際し、ポリイソシアネ−ト成分と活
性水素含有化合物のNCO/活性水素含有基(OH、N
2 、NH)比は、 0.9〜1.1 、好ましくは実質的に1
である。NCO/活性水素含有基比が0.9未満または 1.
1を越えると本発明のバインダ−は硬くなる。
【0029】反応温度は通常20〜150 ℃である。反応は
常圧下で行われる。反応に際し、反応系の粘度を調整す
る目的で溶剤を用いてもよい。この溶剤としては芳香族
炭化水素系溶剤(トルエン、キシレンなど)、ケトン系
溶剤(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
ど)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸n-ブチルな
ど)、環状エ−テル系溶剤(1,4-ジオキサン、テトラヒ
ドロフランなど)、アルコ−ル系溶剤(メチルアルコ−
ル、エチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ルな
ど)、多価アルコ−ル誘導体(エチレングリコ−ルモノ
メチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノエチルエ−テ
ルなど)およびこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられ
る。
【0030】反応を促進する目的で触媒を用いてもよ
い。触媒としては3級アミン類[トリエチルアミン、エ
チルモルホリン、テトラメチルグアニジン、1-(2-ヒド
ロキシプロピル)イミダゾ−ル、N-メチル-N'-ヒドロキ
シエチルピペラジン]、金属塩(鉛、鉄、クロム、ニッ
ケル、亜鉛などのオクチル酸塩またはナフテン酸塩な
ど) 、有機スズ化合物(ジブチルチンジアセテ−ト、ジ
ブチルチンジラウレ−ト、ジブチルチンメルカプタイ
ド、ジオクチルチンジラウレ−ト、ジブチルチンジマレ
−トなど)が挙げられる。触媒の使用量は、活性水素含
有成分とポリイソシアネ−ト成分の合計重量に対して通
常0.0005〜3%、好ましくは0.001 〜1%である。
【0031】得られるウレタン樹脂(a)の分子量は、
通常5000〜1000000 である。
【0032】粘度は通常 100〜100000cps/20℃(30%溶
液)である。ウレタン樹脂中の高分子ジオ−ル(ただ
し、ポリブタジエングリコ−ルを除く)の含有量は通常
30〜85%である。ウレタン樹脂中のウレタン結合の含有
量は通常5〜20%である。ウレタン樹脂の末端はOH基
であっても反応停止剤で封鎖されていても、またNCO
基であってもよい。
【0033】本発明における塩素化炭化水素系樹脂
(b)としては、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロ
ピレン、塩化ゴム、これらの変性物およびこれらの2種
以上の混合物が挙げられる。変性物としては、たとえ
ば、これら塩素化炭下水素系樹脂に重合性アクリル化合
物(アクリル酸、メタククリル酸またはこれらのアルキ
ルエステルなど)、または不飽和ポリカルボン酸(無水
物)(マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水
イタコン酸など)をグラフト重合したもの、たとえば特
開昭57-28123号公報に記載したもの、または上記不飽和
ポリカルボン酸(無水物)をグラフト重合させたポリオ
レフィンを塩素化したもの、たとえば特開昭50-10916号
公報および特開昭57-36128号公報に記載のものなどが挙
げられる。
【0034】これら塩素化炭化水素樹脂の結合塩素含有
量は通常10〜70重量%、好ましくは15〜45重量%であ
る。結合塩素量が10重量%未満では本発明のバインダ−
において均一性が不十分であり、70重量%を越すとポリ
オレフィンフィルムとの密着性が低下する。
【0035】本発明のバインダ−において塩素化炭化水
素系樹脂(b)の含有量は(a)および(b)の合計重
量に基づいて通常 3〜70%、好ましくは5〜50%であ
る。(b)の含量が3%未満ではポリオレフィンフィル
ムとの密着性が十分でなく、70%を越えると印刷物の耐
油性が低下する。
【0036】本発明の樹脂組成物をインキ用バインダー
として用いる場合は、従来のインキ用バインダー(例え
ばポリウレタン樹脂)と同様の方法で使用できる。すな
わち本発明の樹脂組成物に顔料や必要により他のバイン
ダー用樹脂類、溶剤および顔料分散剤等の添加剤を配合
し、ボールミルなどの通常のインキ製造装置を用いて混
練することによって印刷インキを製造し使用する。前記
の他の樹脂類としてはポリアミド、ニトロセルローズ、
ポリアクリレート類、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢
酸ビニルのコポリマー、ポリスチレン、ブタジエンゴ
ム、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0037】本発明の樹脂組成物を使用した印刷インキ
の配合処方例は下記の通りである(%は重量%を示
す)。 本発明の樹脂組成物(固形分当り) 10〜20% 顔 料 5〜40% 他の樹脂類 0〜10% 溶剤(樹脂組成物中の溶剤も含む) 40〜75% 添加剤 適 量
【0038】また、本発明の樹脂組成物は、いわゆる一
液型印刷インキ用として使用してもよいが、ポリイソシ
アネート系硬化剤と併用して二液型印刷インキ用として
使用することもできる。この場合、ポリイソシアネート
系硬化剤としては、例えばトリメチロールプロパン1モ
ルと1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネートまたはイソホロンジイソシアネート3モ
ルから合成されるアダクト体;1,6-ヘキサメチレンジイ
ソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートのイソ
シアネート基の環状三量化によって合成されるイソシア
ヌレート基含有の三量体;水1モルと1,6-ヘキサメチレ
ンジイソシアネート3モルから合成される部分ビュレッ
ト反応物およびこれらの二種以上の混合物が好適であ
る。添加量はインキに対して、通常 0.5〜10重量%であ
る。
【0039】本発明の樹脂組成物をバインダーに用いた
印刷インキによる印刷方法は従来の特殊グラビアインキ
の場合と同様でよい。
【0040】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例及
び比較例中、「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0041】実施例1 平均分子量 935のポリプロピレングリコール (水酸基価
120) 100 部、IPDI 78.8 部、トルエン 297部およ
びメチルエチルケトン74部を還流冷却器を付けた1リッ
トルの四ツ口コルベンに仕込み、系を密閉したあと、 1
00〜105 ℃に昇温した。この温度で4時間反応を行い、
NCO末端のプレポリマーにした後、いったん80℃まで
冷却し、これに1,4-ブタンジオール 19.5 部およびジオ
クチルチンジラウレート 0.01 部を加え、90〜95℃に昇
温した。この温度で10時間反応を続けた後、50℃以下に
冷却し、ジ-n- ブチルアミン 2.4部を添加し、ウレタン
樹脂溶液を得た。この樹脂溶液 100部に塩素化ポリプロ
ピレンの60%トルエン溶液(スーパークロン814H、山陽
国策パルプ製) 5.8部を混合し、樹脂溶液 (I) を得
た。
【0042】実施例2 平均分子量1243のポリカプロラクトンジオール (水酸基
価90.3) 100 部、1PD1 59.3 部、トルエン 260部お
よびメチルエチルケトン65部を還流冷却器付きの1リッ
トル四ツ口コルベンに仕込み、系を密閉した後、 100〜
105 ℃に昇温した。この温度で3.5 時間反応を行い、N
CO末端のプレポリマーにした後、いったん80℃まで冷
却し、これに1,4-ブタンジオール 15.4部およびジオク
チルチンジラウレート 0.009部を加え、90〜95℃に昇温
した。この温度で8時間反応を続けた後、50℃以下に冷
却し、ジ-n- ブチルアミン 1.8部を添加し、ウレタン樹
脂溶液を得た。この樹脂溶液 100部に4重量%の無水マ
レイン酸を付加したポリプロピレンの塩素化物 (結合塩
素含有量20重量%) の20%トルエン溶液35部を混合し、
樹脂溶液 (II) を得た。
【0043】実施例3 実施例2で用いたポリカプロラクトンジオール75部、1,
2-ビニル構造が92.4%、1,4-トランス構造が 7.6%含ま
れた平均分子量1400のポリブタジエングリコール (NISS
O PB G-1000 、水酸基価72.7) 25部、トリメチロールプ
ロパン0.34 部、1PD1 56.5 部、トルエン 255部お
よびメチルエチルケトン64部を還流冷却器付きの1リッ
トル四ツ口コルベンに仕込み、系を密閉した後、 100〜
105 ℃に昇温した。この温度で4時間反応を行い、NC
O末端のプレポリマーにした後、いったん80℃以下に冷
却し、これに1,6-ヘキサンジオール19部およびジオクチ
ルチンジラウレート 0.009部を加え、95〜100 ℃に昇温
した。この温度で11時間反応を続けた後、50℃以下に冷
却し、ジ-n- ブチルアミン 1.7部を添加し、ウレタン樹
脂溶液を得た。この樹脂溶液 100部に塩素化ポリプロピ
レンの60%トルエン溶液 (スーパークロン814H、山陽国
策パルプ製) 11.7部を混合し、樹脂溶液(III) を得た。
【0044】実施例4 実施例1で得たウレタン樹脂溶液 100部に実施例2で用
いた無水マレイン酸付加ポリプロピレン塩素化物の20%
トルエン溶液87.5部を混合し、樹脂溶液(IV)を得た。
【0045】比較例1 実施例2で得たウレタン樹脂溶液 100部にメチルエチル
ケトン17部を混合した。
【0046】試験例1〜4 前記実施例1〜4で得た樹脂溶液 (I) 〜 (IV) 及び
比較例1の樹脂溶液をバインダー溶液として下記の配合
にて印刷インキを調製した。
【0047】上記の材料を内容積 500mlのスチール缶に
入れ、ペイントコンディショナー (レッドデビル社製)
にて1時間混練してインキを作製した。得られた印刷イ
ンキを使用してグラビア校正機にてポリエステルフィル
ム (PET)、ナイロンフィルム(NY) および延伸ポリプロ
ピレンフィルム(OPP) に印刷した。得られた印刷物につ
いて下記の性能試験を行った。
【0048】(性能試験項目と試験方法) (1) 接着性 印刷面にニチバンセロテープ (12mm巾) を貼り、このニ
チバンセロテープの一端を印刷面に対して直角方向に急
速に引き剥がした時の印刷面の状態を観察した。
【0049】(2) 耐ブロッキング性 印刷面と非印刷面を重ね合わせ、温度40℃、湿度60%RH
の中で、 1.0kg/cm2 の荷重をかけ、24時間後にそれを
剥がして表面の状態を観察した。
【0050】(3) 耐油性 25℃の菜種油に印刷物を24時間浸漬した後の表面状態を
観察した。
【0051】(4) ラミネート適性 OPPの印刷物に未処理の低密度ポリエチレンフィルム
を貼り合わせ、ヒートシーラー (東洋精機社製) で 200
℃×1kg/cm2 にて熱溶融圧着し、1日後にT剥離強度
を測定した。
【0052】各試験の結果の判定基準は、以下の通りで
ある。 ◎極めて良好 ○良好 △やや不良 ×不良 上記試験の結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、印刷インキ用の
バインダーとして有用なものであり、とくに本発明のバ
インダーを用いた印刷インキはポリオレフィンフイル
ム、ポリエステルフイルム、ナイロンフイルム等広範な
プラスチックフイルムなどに対する良好な接着性、ダイ
レクト方式も含めたラミネート加工適性などに優れた特
性を有するので、従来のバインダー樹脂に比べ、広範な
使用目的に応じたインキの設計が可能である。また、本
発明のバインダーは各種プラスチックに対して優れた接
着性を有するので、種々のプラスチック成形品たとえば
自動車内外装部品などの塗装プライマーまたは塗料とし
ても適用できるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン樹脂(a)および塩素化炭化水
    素系樹脂(b)からなる印刷インキ用バインダー。
  2. 【請求項2】 (a)がポリエーテルジオール、ポリエ
    ステルジオール、ポリエーテルエステルジオール、およ
    びこれらのジオール中でビニル系モノマーを重合させて
    得た重合体ジオールからなる群より選ばれる高分子ジオ
    ール類を必須成分とするポリオールおよび必要により他
    の活性水素含有化合物からなる活性水素含有化合物成分
    とポリイソシアネート成分とからの樹脂である請求項1
    記載の印刷インキ用バインダー。
  3. 【請求項3】 ポリオール成分中ポリブタジエングリコ
    ールの含有量が50重量%未満である請求項2記載の印刷
    インキ用バインダー。
  4. 【請求項4】 ポリイソシアネート成分と活性水素含有
    化合物成分のNCO/活性水素含有基比が 0.9〜1.1 で
    ある請求項2または3記載の印刷インキ用バインダー。
  5. 【請求項5】 (b)の含量が(a)および(b)の合
    計重量に基づいて3〜70%である請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の印刷インキ用バインダー。
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