JP2016065129A - 印刷インキ用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】インキの経時安定性に優れ、各種プラスチックフィルムに対しても優れた接着性、ラミネート加工適正、ボイル加工適正、レトルト加工適正を有し、ロングランでの印刷適正に優れた印刷インキ用樹脂組成物とそれを用いた印刷インキ、印刷物、積層体および包装材ならびにそれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】
ポリウレタン系樹脂(X)とバインダー樹脂(Y)とを含有し、(X)の含有量が1〜50質量%であり、(X)が、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応後、1級及び/又は2級アミン成分(C)とを反応させて得られ、アミノ基含有量が0.16〜1.8mmol/gであり、(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位を10〜80質量%含む印刷インキ用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷インキ用樹脂組成物に関する。また、該印刷インキ用樹脂組成物を用いた印刷インキ、印刷物、積層体および包装材ならびにそれらの製造方法に関する。
近年、被包装物の多様化、包装技術の高度化に伴い、包装材料としてプラスチックフィルムが一般的に用いられるようになっている。それに伴い、こうしたプラスチックフィルム用の印刷インキが各種開発されてきた。近年は、とりわけ包装材料に高い機能(防湿性、酸素遮断性、耐熱性、耐レトルト性などが求められるようになり、そのような機能を有する包装材料として、各種プラスチックフィルムがラミネート加工された積層体が用いられるようになってきた。そのような積層体には、基材となるプラスチックフィルムに対して、優れた印刷性、接着性、ラミネート加工適正等が求められ、中でもアルミニウム層を有する積層体の場合、上記加工適正に加えて、ボイル適正、レトルト適正等も必要とされる。
従来、ナイロン、ポリエステル、その他の基材フィルムに対する印刷インキとして、ポリウレタン樹脂をバインダーとした印刷インキが広く用いられてきた。しかし、市場に流通している一般的なポリウレタン樹脂は、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムに対する接着性やラミネート加工適正が不十分であった。これを改善するために、低塩素化ポリオレフィンをバインダーとして用いるインキが提案されている(特許文献1)。しかし、この場合、ポリオレフィンフィルムへの接着性は改善されるものの、ナイロンやポリエステルといったフィルムに対する接着性が十分ではなく、ボイル適正やレトルト適正も不十分であった。
また、印刷インキ用バインター骨格に、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール及びそれらの水素化物に代表されるポリオレフィンポリオールを導入したインキが提案されている(特許文献2〜5)。しかし、これらも特許文献1と同様、ポリオレフィンフィルムに対する接着性と、ナイロンフィルムやポリエステルフィルムに対する接着性を両立することが困難であった。また、インキの経時安定性が悪化したり、長時間(ロングラン)印刷時に、ドクター筋、版詰まり、版かぶり、圧胴汚れ、トラッピング不良等に起因した印刷物の不良が起こりやすく、ロングラン適正が得られないという問題があった。そのため、各種基材フィルムや各種加工適正に使用できる印刷インキが求められていた。
特開平10−251594号公報 特開平5−209146号公報 特開平5−86317号公報 特開平7−126564号公報 特開2013−151653号公報
本発明が解決しようとする課題は、インキの経時安定性に優れ、被印刷物(基材)としてポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム等の各種プラスチックフィルムのいずれに対しても優れた接着性、ラミネート加工適正、ボイル加工適正、レトルト加工適正を有し、ロングランでの印刷適正に優れた印刷インキ用樹脂組成物とそれを用いた印刷インキ、印刷物、積層体および包装材ならびにそれらの製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、かかる課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の実施態様は、少なくともポリウレタン系樹脂(X)とバインダー樹脂(Y)とを含有してなる印刷インキ用樹脂組成物であって、
ポリウレタン系樹脂(X)とバインダー樹脂(Y)との合計100質量%中、ポリウレタン系樹脂(X)の含有量が1〜50質量%であり、
ポリウレタン系樹脂(X)が、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させた後、1級及び/又は2級アミン成分(C)とを反応させて得られるポリウレタン系樹脂(X)であり、
ポリウレタン系樹脂(X)中のアミノ基含有量が、0.16〜1.8mmol/gであり、
ポリオール成分(A)は、少なくともポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールを含有し、
ポリウレタン系樹脂(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位を10〜80質量%含む
ことを特徴とする印刷インキ用樹脂組成物である。
(ただし、バインダー樹脂(Y)は、ポリウレタン系樹脂(X)を除く。)
また、本発明の実施態様は、ポリウレタン系樹脂(X)の、ウレタン(―NHCOO―)基含有量が0.6〜1.9mmol/gであり、ウレア(―NHCONH―)基含有量が0.6〜1.9mmol/gである前記印刷インキ用樹脂組成物である。
また、本発明の実施態様は、前記印刷インキ用樹脂組成物と、顔料とを含有してなる印刷インキである。
また、本発明の実施態様は、バインダー樹脂(Y)の存在下で顔料を分散した後、ポリウレタン系樹脂(X)を配合する前記印刷インキの製造方法である。
また、本発明の実施態様は、前記印刷インキにより印刷された印刷物である。
また、本発明の実施態様は、前記印刷物の一方の面側に熱可塑性樹脂層が配置されてなる積層体である。
また、本発明の実施態様は、前記印刷物の一方の面側に、押出しラミネート法によって熱可塑性樹脂層を積層する前記積層体の製造方法である。
また、本発明の実施態様は、前記印刷物の一方の面側に、接着剤層を形成した後、ドライラミネート法によって熱可塑性樹脂層を積層する前記積層体の製造方法である。
また、本発明の実施態様は、前記積層体をヒートシールして得られた包装材である。
本発明の印刷インキ用樹脂組成物によって、インキの経時安定性に優れ、被印刷物(基材)としてポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム等の各種プラスチックフィルムのいずれに対しても優れた接着性、ラミネート加工適正、ボイル加工適正、レトルト加工適正を示し、ロングランでの印刷適正に優れた印刷インキを提供できるようになった。これにより、上記適正を満たす印刷物、積層体および包装材を提供できるようになった。
<印刷インキ用樹脂組成物>
本発明で使用される印刷インキ用樹脂組成物は、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させた後、1級及び/又は2級アミン成分(C)とを反応させて得られるポリウレタン系樹脂(X)と、バインダー樹脂(Y)(ただし、バインダー樹脂(Y)は、ポリウレタン系樹脂(X)を除く)とを含有してなる印刷インキ用樹脂組成物であって、ポリウレタン系樹脂(X)中のアミノ基含有量が、0.16〜1.8mmol/gであり、ポリオール成分(A)は、少なくともポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールを含有し、ポリウレタン系樹脂(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位を10〜80質量%含むことを特徴とする。
<ポリウレタン系樹脂(X)>
本発明で使用されるポリウレタン系樹脂(X)は、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させてウレタンプレポリマーを合成した後、該ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基と、1級アミン成分中の1級アミノ基及び/又は2級アミン成分中の2級アミノ基とを反応させることにより得ることが出来る。
ウレタンプレポリマーを合成する際、ポリオール成分(A)中の水酸基当量に対してポリイソシアネート成分(B)中のイソシアネート(NCO)基当量を過剰量で反応させるのが好ましい。この場合、イソシアネート基をポリマー鎖末端に有するウレタンプレポリマーが得られる。ポリオール成分(A)中の水酸基当量に対するポリシソアネート成分(B)中のイソシアネート基当量の当量比(以下、「NCO/OH比」とする)は、好ましくは1.01〜3.00、より好ましくは1.30〜2.50の範囲である。
ウレタンプレポリマーと1級及び/又は2級アミン成分(C)とを反応させる際、ウレタンプレポリマーが、イソシアネート基をポリマー鎖末端に有するウレタンプレポリマーである場合には、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート(NCO)基当量に対して、1級アミン成分中の1級アミノ基当量及び/又は2級アミン成分中の2級アミノ基当量の総和を過剰量で反応させるのが好ましい。この場合、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基とアミン成分中のアミノ基とが反応して生成されるウレア(―NHCONH―)基をポリマー鎖末端に有するポリウレタン系樹脂(X)が得られることになる。
また、ポリオール成分(A)中の水酸基当量と、1級アミン成分中の1級アミノ基当量及び/又は2級アミン成分中の2級アミノ基当量との総和に対する、ポリシソアネート成分(B)中のイソシアネート基当量の当量比(以下、「NCO/(OH+N)比」とする)は、好ましくは0.60〜0.99、より好ましくは0.65〜0.90の範囲である。
本発明で使用されるポリウレタン系樹脂(X)の合成反応は、有機溶剤中で行うのが好ましい。有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。ポリウレタン系樹脂(X)の溶解性の観点から、アルコール系溶剤又はエーテル系溶剤を含むことが好ましい。
合成反応時の反応温度は、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させる際は20〜180℃、好ましくは40〜120℃の範囲である。また、更に1級及び/又は2級アミン成分(C)と反応させる際は100℃以下、好ましくは0〜80℃の範囲である。
合成反応の際に、公知の反応触媒を使用しても良い。公知の反応触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−エチルモルホリン等の3級アミン系触媒、ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート等の錫系触媒、テトラブチルチタネート等のチタン系触媒等が挙げられる。反応触媒の使用量としては、ポリウレタン系樹脂(X)に対して通常0.1質量%以下である。
ポリオレフィンフィルムに対する接着性を向上させるため、ポリオール成分(A)は、少なくともポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールを含有し、ポリウレタン系樹脂(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位を10〜80質量%含み、より好ましくは20〜60重量%含む。
本発明で使用されるポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールの数平均分子量は、接着性の観点から、好ましくは500〜5,000、より好ましくは500〜3,000、更に好ましくは500〜2,000の範囲である。ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールの数平均分子量が500よりも低い場合、ポリオレフィンフィルムへの接着性が十分でない恐れがあり、5,000よりも大きい場合、インキとの相溶性が悪化してしまう恐れがある。なお、本発明における数平均分子量は、ポリエチレングリコールを分子量標準としてジメチルホルムアミドを溶媒に用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値を意味する。市販品としては、日本曹達社製のNISSO PB G−1000、G−2000、G−3000、出光興産社製のPoly bd R−15HT,R−45HT、クレイバレー社製のKrasol LBH2000、LBH−P2000、LBH3000、LBH−P3000(以上ポリブタジエンポリオール)、日本曹達社製のNISSO PB GI−1000、GI−2000、GI−3000、三菱化学社製のポリテールH、クレイバレー社製のKrasol HLBH−P2000、HLBH−P3000(以上水素化ポリブタジエンポリオール)、出光興産社製のPoly ip(ポリイソプレンポリオール)、出光興産社製のエポール(水素化ポリイソプレンポリオール)等が挙げられる。
本発明で使用されるポリオール成分(A)として、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールの他に、例えば、脂肪族多価アルコール、脂環族多価アルコール、芳香族多価アルコール等に代表される多価アルコール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリラクトンポリオール等が挙げられる。溶剤溶解性に優れるという観点から、ポリオール成分(A)としてポリエーテルポリオールを含有していることが好ましい。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖アルキル含有ジオール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチレングリコール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチルー1,3−プロパンジオール等の分岐アルキル含有ジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等の脂環含有ジオール、キシリレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香環含有ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリアルカノールアミン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ソルバイド等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、多塩基酸又はそのエステル形成性誘導体と多価アルコールとのエステル化反応により合成することができる。多塩基酸又はそのエステル形成性誘導体としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシルジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル、酸ハライド等のエステル形成性誘導体が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。また、多価アルコールとしては前述のものが挙げられる。
ポリエステルポリオールの具体例としては、例えば、ポリエチレンアジペートポリオール、ポリブチレンアジペートポリオール、ポリヘキサメチレンアジペートポリオール、ポヘキサメチレンイソフタレートポリオール、ポリネオペンチレンアジペートポリオール、ポリエチレンプロピレンアジペートポリオール、ポリエチレンブチレンアジペートポリオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートポリオール、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペートポリオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ポリオール、ポリエチレンアゼレートポリオール、ポリエチレンセバケートポリオール、ポリブチレンアゼレートポリオール、ポリブチレンセバケートポリオール、ポリネオペンチレンテレフタレートポリオール等が挙げられる。市販品としては、クラレ社製のクラレポリオールPシリーズ、Nシリーズ、三洋化成工業社製のサンエスターシリーズ、日立化成社製のテスラックシリーズ等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、前述の多価アルコールやビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF)、ジヒドロキシナフタレン等のアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール等のアルキレンオキシドを開環重合または開環共重合させて得られる重合物等が挙げられる。市販品としては、例えば、三洋化成工業社製のサンニックスPPシリーズ、GPシリーズ、ニューポールBPEシリーズ、ADEKA社製のアデカポリエーテル Pシリーズ、BPXシリーズ、日本乳化剤社製のBAシリーズ、BA−Pシリーズ等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、前述の多価アルコールと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等の炭酸ジエステルとの反応により得られる。本発明で使用されるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリペンタメチレンカーボネートポリオール、ポリテトラメチレンカーボネートポリオール、ポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートポリオール等が挙げられる。市販品としては、クラレ社製のクラレポリオールCシリーズ、旭化成ケミカルズ社製のデュラノール Tシリーズ、Gシリーズ、ダイセル社製のプラクセル CDシリーズ等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールは、前述の多価アルコールを開始剤として、γーブチロラクトン、γーバレロラクトン、εーカプロラクトン等のラクトンモノマーを開環重合したものが挙げられる。本発明で使用されるポリラクトンポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール等が挙げられる。市販品としては、ダイセル社製のプラクセル Hシリーズ、DIC社製のポリライト ODシリーズ等が挙げられる。
ポリイソシアネート成分(B)としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、若しくは水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネートおよびこれらから誘導された化合物、即ち、前記ジイソシアネートのイソシアヌレート体、アダクト体、ビウレット型、ウレトジオン体、アロファネート体、イソシアネート残基を有するプレポリマー(ジイソシアネートとポリオールから得られる低重合体)、若しくはこれらの複合体等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
1級及び/又は2級アミン成分(C)としては、例えば、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジーn−プロピルアミン、ジーn−ブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、N―メチルシクロヘキシルアミン等の脂環族モノアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン等の芳香族モノアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のような水酸基含有脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタンー4,4'−ジアミン、イソプロピリデンジシクロヘキシルー4,4'−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の脂肪族ポリアミン等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明で使用されるポリウレタン系樹脂(X)は、ウレタン結合(―NHCOO―)及びウレア結合(―NHCONH―)を有する。本発明で使用されるポリウレタン系樹脂(X)は、高い基材接着性が得られるという観点から、ウレタン(―NHCOO―)基含有量が0.6〜1.9mmol/gの範囲であり、ウレア(―NHCONH―)基含有量が0.6〜1.9mmol/gの範囲であることが好ましい。より好ましい範囲としては、ウレタン基含有量が0.8〜1.7mmol/g、ウレア基含有量が0.8〜1.7mmol/gである。
なお、ウレタン(―NHCOO―)基含有量及びウレア(―NHCONH―)基含有量は、それぞれ下記計算式により求められる。
ウレタン(―NHCOO―)基含有量=ポリオール成分(A)中の水酸基のモル数の総和×1,000/(ポリオール成分(A)の配合量+ポリイソシアネート成分(B)の配合量+1級及び/又は2級アミン成分(C)の配合量)
(但し、NCO/OH比>1)
ウレア(―NHCONH―)基含有量=(ポリイソシアネート成分(B)中のイソシアネート基のモル数の総和−ポリオール(A)中の水酸基のモル数の総和)×1,000/(ポリオール成分(A)の配合量+ポリイソシアネート成分(B)の配合量+1級及び/又は2級アミン成分(C)の配合量)
(但し、NCO/(OH+N)<1)
本発明で使用されるポリウレタン系樹脂(X)は、ポリウレタン系樹脂(X)中にアミノ基を導入することにより、更に優れた基材接着性を得ることができる。アミノ基含有量は、0.16〜1.8mmol/gの範囲であり、更に好ましくは0.5〜1.6mmol/gの範囲である。ポリウレタン系樹脂(X)へのアミノ基の導入方法としては、1級及び/又は2級アミン成分(C)としてポリアミンを使用し、NCO/OH<1となるようにウレタンプレポリマーを合成した後に、NCO/OH+N>1となるように1級及び/又は2級アミン成分(C)とウレタンプレポリマーを反応させる方法が挙げられる。なお、本発明におけるアミノ基含有量はアミン価滴定から求められる。
本発明ではポリオレフィンフィルムへの接着性に優れるポリウレタン系樹脂(X)とバインダー樹脂(Y)を併用することにより、優れたインキの経時安定性、ロングラン適正、ポリオレフィン基材への高い接着性をあわせ持つことができる。本発明で使用されるポリウレタン系樹脂(X)の含有量は、ポリウレタン系樹脂(X)とバインダー樹脂(Y)との合計100質量%中、1〜50質量%であり、より好ましくは2〜30質量%、さらに好ましくは5〜25質量%である。
本発明で使用されるポリウレタン系樹脂(X)の重量平均分子量は、接着性が優れるという観点から、4,000〜25,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは4,000〜19,000の範囲、更に好ましくは4,000〜15,000の範囲、特に好ましくは4,000〜14,000の範囲である。なお、本発明における重量平均分子量は、ポリスチレンを分子量標準として、ジメチルホルムアミドを展開溶媒に用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された値である。測定の際に樹脂のイオン反発や会合を防ぐ添加剤として臭化リチウム等のハロゲン化リチウム塩が、樹脂のカラムへの吸着を抑制するためにトリエチルアミン等の3級アミンが好適に用いられる。
<バインダー樹脂(Y)>
本発明で使用されるバインダー樹脂(Y)は、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース等の樹脂が好適に使用され、ポリジエン及び/又は水素化ポリジエン構造を含有しないものが好適に使用される。
ポリエステル系樹脂は、前述の多塩基酸又はそのエステル形成性誘導体と多価アルコールとのエステル化反応により合成することができる。
ポリウレタン系樹脂は、前述のポリウレタン系樹脂(X)の合成に使用されるポリオール成分(A)(但しポリオール成分(A)としてポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールを含まない)とポリイソシアネート成分(B)と、必要に応じて更にポリ1級及び/又は2級アミン成分(C)とを反応させることにより得ることができる。
ポリカーボネート系樹脂は、前述の多価アルコールと、炭酸ジエステルとの反応により得られる。
ポリアミド系樹脂は、前述の多価アルコールと多塩基酸と多価アミンを塩形成させた後にアミド化反応することにより得られる。多価アミンとしては、前述のポリ1級及び/又は2級アミン成分に例示される化合物が使用できる。
酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルモノマー単独または酢酸ビニルモノマーと重合可能な不飽和モノマーとを重合することにより得られる。不飽和モノマーとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートモノマーに代表される長鎖(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等に代表される水酸基含有(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル等のビニルモノマー、エチレン等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルモノマー単独または塩化ビニルモノマーと重合可能な不飽和モノマーとを重合することにより得られる。不飽和モノマーとしては、前述のものが挙げられる。
ニトロセルロースは、セルロースを硝酸と硫酸の混酸を用いて硝酸エステル化することにより得られる。ニトロセルロースは、窒素含有量が10〜13質量%のものが好適に用いられる。
バインダー樹脂(Y)は、接着性に優れるという観点からポリウレタン系樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂(Y)中のポリウレタン系樹脂の含有率は、30〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがより好ましい。
バインダー樹脂(Y)の重量平均分子量は20,000〜100,000の範囲が好ましく、30,000〜100,000の範囲が好ましい。
バインダー樹脂(Y)は、顔料分散性に優れるという観点から、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロースから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明において、本発明の効果を損ねない範囲でポリウレタン系樹脂(X)及びバインダー樹脂(Y)以外の樹脂を併用しても良い。ポリウレタン系樹脂(X)及びバインダー樹脂(Y)以外の樹脂としては、例えば、スチレンマレイン酸共重合体系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、クロロスルフォン化ポリオレフィン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン系樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。ポリウレタン系樹脂(X)及びバインダー樹脂(Y)以外の樹脂の配合量としては、ポリウレタン系樹脂(X)とバインダー樹脂(Y)の合計100質量%に対して0〜50質量%の範囲が好ましい。
<印刷インキ>
本発明の印刷インキは、本発明の印刷インキ用樹脂組成物と、顔料とを含有してなる。
顔料としては特に制限がなく、一般的な印刷インキに使用される有機及び無機の顔料が使用できる。例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン顔料、ニトロソ顔料、ペリノン顔料、カーボンブラック、チタンブラック、亜鉛華、べんがら、アルミニウム、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マンガンバイオレット等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明において、本発明の効果を損ねない範囲で、必要により一般的な印刷インキに使用される顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤等の公知の添加剤を使用しても良い。
本発明のポリウレタン系樹脂(X)が使用される印刷インキは、ポリイソシアネート系硬化剤を併用しても良い。ポリイソシアネート系硬化剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、若しくは水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネートおよびこれらから誘導された化合物、即ち、前記ジイソシアネートのイソシアヌレート体、アダクト体、ビウレット型、ウレトジオン体、アロファネート体、イソシアネート残基を有するプレポリマー(ジイソシアネートとポリオールから得られる低重合体)、若しくはこれらの複合体等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。ポリイソシアネート系硬化剤の添加量は主剤に対して0.5〜10質量%が好ましい。
<印刷インキの製造方法>
印刷インキの製造方法は、特に制限はなく、本発明のポリウレタン系樹脂(X)、バインダー樹脂(Y)および顔料、更に必要に応じて、溶剤や上記の添加剤等を配合し、3本ロール、ボールミル、アトライター、サンドミル等の通常のインキ製造装置を用いて混練することにより製造することができる。製造工程に特に制限はないが、ポリウレタン系樹脂(X)を基材への接着にできるだけ働かせるために、バインダー樹脂(Y)の存在下で顔料を分散した後に、ポリウレタン系樹脂(X)を配合して印刷インキを製造方法することが好ましい。
<印刷>
本発明のポリウレタン系樹脂(X)が使用される印刷インキの基材への印刷方法は、一般的な印刷方法が用いられ、例えば、グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷、感熱転写印刷等が挙げられる。基材としては、例えば、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、表面処理又は未処理ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらプラスチックフィルムにアルミ蒸着加工を施したフィルム等が挙げられる。
<積層体>
本発明の印刷物の一方の面側に熱可塑性樹脂層が配置された積層体を製造することができる。熱可塑性樹脂層は、印刷物と直接接触していても、他の層を介して配置されていても構わない。また、熱可塑性樹脂層の層は1層に限らず、2層以上積層してもよい。本発明の目的とするところ、熱可塑性樹脂層は、印刷物の印刷面に直接接触して配置されていることが好ましい。熱可塑性樹脂層の形成方法としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂を溶剤に溶解した溶液を塗布しても良いし、熱可塑性樹脂からなるフィルムをラミネートしてもよいが、ラミネート法が好ましい。ラミネートの方法としては、押出ラミネート、ドライラミネートなど種々の方法が挙げられる。ラミネート時の温度は特に限定されず、使用する熱可塑性樹脂によって適宜決定することができる。
<熱可塑性樹脂層>
熱可塑性樹脂層とは、熱可塑性樹脂を主成分とする層を意味する。熱可塑性樹脂層の厚さはとくに限定されないが、5〜200μmが好ましく、5〜100μmがより好ましい。熱可塑性樹脂は、積層が可能であれば特に制限はなく、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体およびそのエステル化合物またはイオン架橋物、ポリプロピレン樹脂、プロピレン−α−オレフィン共重合体、酸無水物変性ポリオレフィン、エポキシ変性ポリオレフィンなどの樹脂が挙げられる。これらは単体で用いてもよいし、2種類以上混合したブレンドで用いてもよい。
<接着剤層>
接着剤層に用いられる接着剤としては、各種ラミネート加工方法に応じて、様々な接着剤を選択でき、例えば、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系などの公知の接着剤を用いることができる。
<包装材>
本発明の包装材は、積層体をヒートシールして得ることができる。包装材の形態としては、包装袋、シート、トレー、ケース、真空パック包装、蓋材、カートン包装、アンプル包装などが挙げられ、包装袋の形態としては、三方シール袋、四方シール袋、ピロー袋、スタンディングパウチ、ロケット包装袋などが挙げられる。
本発明の包装材は、包装袋とした場合に、特に顕著な効果を奏する。すなわち、この包装袋に、水、油および酸を含む内容物を充填してレトルト処理を行った際、内容物の品質を劣化させることがなく、安定した印刷面を維持することができる。したがって、本発明の包装材は、例えば、飲食品、液体洗剤、化粧品、化成品といった内容物を充填包装することが可能である。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。
<重量平均分子量・数平均分子量の測定>
樹脂の重量平均分子量および数平均分子量の測定は、測定装置として東ソー社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」、カラムとして東ソー社製SUPER AW3000を直列に連結し、添加剤としてトリエチルアミンが30mM、臭化リチウムが10mMとなるように溶解したジメチルホルムアミド溶液を溶離液として用いて、40℃にて測定した。これらの平均分子量は、標準ポリスチレンの換算値とした。
<アミノ基含有量の測定>
樹脂中のアミノ基含有量の測定は、樹脂の試料0.3部をテトラヒドロフラン100部に溶解した溶液を調製し、0.1M塩酸溶液を用いて電位差滴定法により測定を行った。
<ウレタン(―NHCOO―)基含有量の計算>
樹脂中のウレタン(―NHCOO―)基含有量は、下記計算式より求めた。
ウレタン(―NHCOO―)基含有量=ポリオール成分(A)中の水酸基のモル数の総和(mol)×1,000/(ポリオール成分(A)の配合量(g)+ポリイソシアネート成分(B)の配合量(g)+1級及び/又は2級アミン成分(C)の配合量(g))
<ウレア(―NHCONH―)基含有量の計算>
樹脂中のウレア(―NHCONH―)基含有量は、下記計算式より求めた。
ウレア(―NHCONH―)基含有量=(ポリイソシアネート成分(B)中のイソシアネート基のモル数の総和−ポリオール(A)中の水酸基のモル数の総和)×1,000/(ポリオール成分(A)の配合量(g)+ポリイソシアネート成分(B)の配合量(g)+1級及び/又は2級アミン成分(C)の配合量(g))
<ポリウレタン系樹脂(X−1)〜(X−6)>および<バインダー樹脂(Y−1)、(Y−2)>の合成
以下に示す方法に従いポリウレタン系樹脂(X)とバインダー樹脂(Y)を合成した。表1に合成に使用した原料の配合量と得られた樹脂の物性を示す。
<ポリウレタン系樹脂(X−1)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ポリオール成分(A)としてサンニックスPP−1000(ポリオキシプロピレングリコール、数平均分子量1,000、三洋化成工業社製)を24.1g、同じくポリオール成分(A)としてNISSO−PB GI−2000(水素化ポリブタジエンポリオール、数平均分子量2,300、日本曹達社製)を46.1g、ポリイソシアネート成分(B)としてイソホロンジイソシアネートを19.6g、酢酸ブチルを38.5g仕込み、窒素ガスを導入しながら90℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を30℃まで冷却した後に滴下漏斗へ移し、四つ口フラスコを酢酸ブチル11.4gにて洗浄して滴下漏斗に加えた。次に、別途攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコを用意し、2級アミン成分(C)としてイソホロンジアミンを10.2g、酢酸ブチルを80.1g、イソプロピルアルコールを93.3g仕込み、30℃まで昇温後その温度を保持し、攪拌しながら滴下漏斗内の反応溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、滴下漏斗を10.0gの酢酸ブチルで洗浄して滴下し、更に30℃で1時間攪拌して反応させ、ポリウレタン系樹脂(X−1)溶液を得た。得られたポリウレタン系樹脂(X−1)は、固形分30%、重量平均分子量が23,000、ウレタン基含有量が0.88mmol/g、ウレア基含有量が0.88mmol/g、アミノ基含有量が0.32mmol/g、ポリウレタン系樹脂(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位の含有量が46.1%であった。
<ポリウレタン系樹脂(X−2)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ポリオール成分(A)としてサンニックスPP−400(ポリオキシプロピレングリコール、数平均分子量400、三洋化成工業社製)を18.9g、同じくポリオール成分(A)としてNISSO−PB G−2000(ポリブタジエンポリオール、数平均分子量2,100、日本曹達社製)を37.2g、ポリイソシアネート成分(B)としてイソホロンジイソシアネートを28.9g、酢酸ブチルを36.4g仕込み、窒素ガスを導入しながら90℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を30℃まで冷却した後に滴下漏斗へ移し、四つ口フラスコを酢酸ブチル10.2gにて洗浄して滴下漏斗に加えた。次に、別途攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコを用意し、2級アミン成分(C)としてイソホロンジアミンを15.1g、酢酸ブチルを83.3g、イソプロピルアルコールを93.3g仕込み、30℃まで昇温後その温度を保持し、攪拌しながら滴下漏斗内の反応溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、滴下漏斗を10.0gの酢酸ブチルで洗浄して滴下し、更に30℃で1時間攪拌して反応させ、ポリウレタン系樹脂(X−2)溶液を得た。得られたポリウレタン系樹脂(X−2)は、固形分30%、重量平均分子量が18,000、ウレタン基含有量が1.3mmol/g、ウレア基含有量が1.3mmol/g、アミノ基含有量が0.47mmol/g、ポリウレタン系樹脂(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位の含有量が37.2%であった。
<ポリウレタン系樹脂(X−3)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ポリオール成分(A)としてサンニックスPP−1000(ポリオキシプロピレングリコール、数平均分子量1000、三洋化成工業社製)を6.5g、Krasol 同じくポリオール成分(A)としてLBH−2000(ポリブタジエンポリオール、数平均分子量2,100、クレイバレー社製)を41.7gとNISSO−PB G−2000(ポリブタジエンポリオール、数平均分子量2,100、日本曹達社製)を20.0g、ポリイソシアネート成分(B)として4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを18.8g、酢酸ブチルを37.3g仕込み、窒素ガスを導入しながら90℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を30℃まで冷却した後に滴下漏斗へ移し、四つ口フラスコを酢酸ブチル10.7gにて洗浄して滴下漏斗に加えた。次に、別途攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコを用意し、2級アミン成分(C)として4,4′−ジシクロヘキシルメタンジアミンを12.9g、酢酸ブチルを82.0g、イソプロピルアルコールを93.3g仕込み、30℃まで昇温後その温度を保持し、攪拌しながら滴下漏斗内の反応溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、滴下漏斗を10.0gの酢酸ブチルで洗浄した後に洗浄液を滴下し、更に30℃で1時間攪拌しながら反応させ、ポリウレタン系樹脂(X−3)溶液を得た。得られたポリウレタン系樹脂(X−3)は、固形分30%、重量平均分子量が16,000、ウレタン基含有量が0.72mmol/g、ウレア基含有量が0.72mmol/g、アミノ基含有量が0.51mmol/g、ポリウレタン系樹脂(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位の含有量が61.7%であった。
<ポリウレタン系樹脂(X−4)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ポリオール成分(A)としてサンニックスPP−1000(ポリオキシプロピレングリコール、数平均分子量1000、三洋化成工業社製)を20.3g、同じくポリオール成分(A)としてKrasol HLBH−3000(水素化ポリブタジエンポリオール、数平均分子量3,100、クレイバレー社製)を52.5g、ポリイソシアネート成分(B)としてイソホロンジイソシアネートを16.6g、酢酸ブチルを38.3g仕込み、窒素ガスを導入しながら90℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を30℃まで冷却した後に滴下漏斗へ移し、四つ口フラスコを酢酸ブチル11.3gにて洗浄して滴下漏斗に加えた。次に、別途攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコを用意し、2級アミン成分(C)としてイソホロンジアミンを10.6g、酢酸ブチルを80.4g、イソプロピルアルコールを93.3g仕込み、30℃まで昇温後その温度を保持し、攪拌しながら滴下漏斗内の反応溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、滴下漏斗を10.0部の酢酸ブチルで洗浄して滴下し、更に30℃で1時間攪拌して反応させ、ポリウレタン系樹脂(X−4)溶液を得た。得られたポリウレタン系樹脂(X−4)は、固形分30%、重量平均分子量が15,000、ウレタン基含有量が0.75mmol/g、ウレア基含有量が0.75mmol/g、アミノ基含有量が0.50mmol/g、樹脂中のポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールの含有量が52.5%であった。
<ポリウレタン系樹脂(X−5)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ポリオール成分(A)としてPoly bd R−15HT(ポリブタジエンポリオール、数平均分子量1,200、出光興産社製)を61.6g、ポリイソシアネート成分(B)としてイソホロンジイソシアネートを22.8g、酢酸ブチルを36.2g仕込み、窒素ガスを導入しながら90℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を30℃まで冷却した後に滴下漏斗へ移し、四つ口フラスコを酢酸ブチル10.1gにて洗浄して滴下漏斗に加えた。次に、別途攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコを用意し、2級アミン成分(C)としてイソホロンジアミンを15.6g、酢酸ブチルを83.7g、イソプロピルアルコールを93.3g仕込み、30℃まで昇温後その温度を保持し、攪拌しながら滴下漏斗内の反応溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、滴下漏斗を10.0gの酢酸ブチルで洗浄して滴下し、更に30℃で1時間攪拌して反応させ、ポリウレタン系樹脂(X−5)溶液を得た。得られたポリウレタン系樹脂(X−5)は、固形分30%、重量平均分子量が13,000、ウレタン基含有量が1.03mmol/g、ウレア基含有量が1.03mmol/g、アミノ基含有量が0.80mmol/g、ポリウレタン系樹脂(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位の含有量が61.6%であった。
<ポリウレタン系樹脂(X−6)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、ポリオール成分(A)としてサンニックスPP−200(ポリオキシプロピレングリコール、数平均分子量200、三洋化成工業社製)を8.9g、同じくポリオール成分(A)としてNISSO−PB G−1000(ポリブタジエンポリオール、数平均分子量1,500、日本曹達社製)を38.2g、ポリイソシアネート成分(B)としてイソホロンジイソシアネートを31.2g、酢酸ブチルを33.6g仕込み、窒素ガスを導入しながら90℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を30℃まで冷却した後に滴下漏斗へ移し、四つ口フラスコを酢酸ブチル8.6gにて洗浄して滴下漏斗に加えた。次に、別途攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコを用意し、2級アミン成分(C)としてイソホロンジアミンを21.7g、酢酸ブチルを87.8g、イソプロピルアルコールを93.3g仕込み、30℃まで昇温後その温度を保持し、攪拌しながら滴下漏斗内の反応溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、滴下漏斗を10.0gの酢酸ブチルで洗浄して滴下し、更に30℃で1時間攪拌して反応させ、ポリウレタン系樹脂(X−6)溶液を得た。得られたポリウレタン系樹脂(X−6)は、固形分30%、重量平均分子量が9,000、ウレタン基含有量が1.40mmol/g、ウレア基含有量が1.40mmol/g、アミノ基含有量が1.15mmol/g、ポリウレタン系樹脂(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位の含有量が38.2%であった。
<バインダー樹脂(Y−1)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、クラレポリオールP−2010(3−メチル−1,5−ペンタンジオール/アジピン酸のポリエステルポリオール、数平均分子量2,000、クラレ社製)を75.6g、イソホロンジイソシアネートを16.8g、酢酸エチルを39.6g仕込み、窒素ガスを導入しながら90℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を30℃まで冷却した後に滴下漏斗へ移し、四つ口フラスコを酢酸エチル12.0gにて洗浄して滴下漏斗に加えた。次に、別途攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコを用意しイソホロンジアミンを7.6部、酢酸エチルを78.4g、イソプロピルアルコールを93.3g仕込み、30℃まで昇温後その温度を保持し、攪拌しながら滴下漏斗内の反応溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、滴下漏斗を10.0gの酢酸エチルでして滴下し、更に30℃で1時間攪拌して反応させ、バインダー樹脂(Y−1)溶液を得た。得られたバインダー樹脂(Y−1)は、固形分30%、重量平均分子量が40,000、ウレタン基含有量が0.76mmol/g、ウレア基含有量が0.76mmol/g、アミノ基含有量が0.14mmol/gであった。
<バインダー樹脂(Y−2)の合成>
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、サンニックスPP−2000(ポリオキシプロピレングリコール、数平均分子量2,000、三洋化成工業社製)を75.6g、イソホロンジイソシアネートを16.8g、酢酸エチルを39.6g仕込み、窒素ガスを導入しながら90℃で6時間反応させた。次いで、反応溶液を30℃まで冷却した後に滴下漏斗へ移し、四つ口フラスコを酢酸エチル12.0gにて洗浄して滴下漏斗に加えた。次に、別途攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコを用意しイソホロンジアミンを7.6g、酢酸エチルを78.4g、イソプロピルアルコールを93.3g仕込み、30℃まで昇温後その温度を保持し、攪拌しながら滴下漏斗内の反応溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、滴下漏斗を10.0gの酢酸エチルで洗浄して滴下し、更に30℃で1時間攪拌して反応させ、バインダー樹脂(Y−2)溶液を得た。得られたバインダー樹脂(Y−2)は、固形分30%、重量平均分子量が40,000、ウレタン基含有量が0.76mmol/g、ウレア基含有量が0.76mmol/g、アミノ基含有量が0.14mmol/gであった。
Figure 2016065129
<印刷インキ用樹脂組成物および印刷インキの調製>
以下に示す方法に従い、印刷インキ用樹脂組成物および印刷インキを調製した。表2に、印刷インキ用樹脂組成物および印刷インキの調製に使用した材料の配合量と、バインダー樹脂(Y)に対するポリウレタン系樹脂(X)の配合量を示す。
<実施例1:印刷インキ用樹脂組成物(1)および印刷インキ(1)の調製>
ガラス容器に、バインダー樹脂(Y)としてバインダー樹脂(Y−1)溶液を60g、ポリウレタン系樹脂(X)としてポリウレタン系樹脂(X−1)溶液を40g配合し、ディスパーを用いて均一になるまで攪拌し、印刷インキ用樹脂組成物(1)を調整した。得られた印刷インキ用樹脂組成物(1)に、顔料としてフタロシアニンブルー(トーヨーカラー社製 リオノールブルーFG−7400)を25g、溶剤として酢酸エチルを57g、イソプロピルアルコールを38g配合し、ガラスビーズを用いてペイントシェーカーにより混練し、ガラスビーズをろ過により除去することで印刷インキ(1)を調製した。
<実施例2〜7:印刷インキ用樹脂組成物(2)〜(7)および印刷インキ(2)〜(7)の調製>
樹脂の種類と配合量を表2に記載したとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷インキ用樹脂組成物(2)〜(7)および印刷インキ(2)〜(7)をそれぞれ調製した。
<実施例8:印刷インキ用樹脂組成物(8)および印刷インキ(8)の調製>
バインダー樹脂(Y)としてバインダー樹脂(Y−1)溶液を85g、顔料としてフタロシアニンブルー(トーヨーカラー社製 リオノールブルーFG−7400)を25g、溶剤として酢酸エチルを57g、イソプロピルアルコールを38g配合し、ガラスビーズを用いてペイントシェーカーにより混練した後に、ポリウレタン系樹脂(X)としてポリウレタン系樹脂(X−1)溶液を15g配合し、ディパーを用いて均一になるまで攪拌しガラスビーズをろ過により除去することで印刷インキ(8)を調製した。
<比較例1、2:印刷インキ用樹脂組成物(9)、(10)および印刷インキ(9)、(10)の調製>
樹脂の種類と配合量を表2に記載したとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、印刷インキ用樹脂組成物(9)、(10)および印刷インキ(9)、(10)をそれぞれ調製した。
<印刷インキの経時安定性>
印刷インキ(1)〜(10)を、それぞれ調製後直ちに、ガラス製サンプル瓶に入れて密栓した。40℃4週間保管前後でそれぞれの25℃でのインキ粘度をB型粘度計により測定した。経時での粘度変化率(保管前の粘度/保管後の粘度(%))から、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
〇:粘度変化率が15%未満(良好)
×:粘度変化率が15%以上(不良)
Figure 2016065129
比較例2のインキは、ポリウレタン系樹脂(X)として水素化ポリジエンポリオールである水素化ポリブタジエンポリオールを含有しているが、バインダー樹脂(Y)を含有しないために、インキの経時安定性が悪化することが明らかとなった。
<実施例9〜16、比較例3、4:印刷物の作成>
接着性、押し出しラミネート強度、ドライラミネート強度、ボイル適性の評価のために、下記方法にて印刷物を作成した。
NBR(ニトリルブタジエンゴム)製のゴム硬度80Hsの圧胴、刃先の厚みが60μm(母体の厚み40μm、片側セラミック層の厚み10μm)のセラミックメッキドクターブレード、東洋プリプレス社製のクロム硬度1050Hvの電子彫刻版(スタイラス角度120度、250線/インチ)を富士機械工業株式会社製グラビア印刷機にセットした。
ドクター圧2kg/cm2、100m/分の回転速度で版を回転させ15分間空転した後に、基材として、厚さ20μmのコロナ処理延伸ポリオレフィン(OPP)フィルム(東洋紡社製 パイレンP−2161)、厚さ12μmのコロナ処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製 東洋紡エステルフィルムE5100)、厚さ15μmのコロナ処理ナイロン(NY)フィルム(ユニチカ社製 エンブレムON)を用いて、印刷速度100m/分、印圧2kg/cm2にて、印刷インキ(1)〜(10)それぞれ印刷し、60℃の熱風を吹きあてることで乾燥させ印刷物を得た。
また、ロングラン適正評価用として、空転時の回転速度が150m/分、印刷速度が150m/分に変更した以外は、上記と同様の印刷方法にて、基材が厚さ15μmのコロナ処理ナイロン(NY)フィルム(ユニチカ社製 エンブレムON)に対して15,000m印刷を行い、それぞれ印刷物を得た。こうして印刷インキ(1)〜(10)を用いて、印刷物(1)〜(10)を得た。
<印刷物の評価>
得られた印刷物について、それぞれ、接着性、押し出しラミネート強度、ドライラミネート強度、ボイル適性及びレトルト適正の評価を行った。
<接着性の評価>
上記印刷物について、印刷後25℃にて24時間放置後、印刷面にセロハンテープ(ニチバン社製セロテープ(登録商標)No.405、幅24mm、粘着力3.93N/10mm)を指先でしっかりと付着させた。テープを付着させてから1分後にテープの端を持って印刷面に対して90°の角度でテープの端をつかみ、0.5秒で確実にテープを引き離した。テープを付着させた面積に対する、剥離せずに基材上に残存した印刷インキの割合(残インキ面積%)を求め、以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
◎:残インキ面積が97%以上(極めて良好)
〇:残インキ面積が80%以上97%未満(良好)
△:残インキ面積が70%以上80%未満(不良)
×:残インキ面積が70%未満(極めて不良)
<押し出しラミネート強度>
上記印刷物において、基材としてOPPフィルムを使用した印刷物についてはポリエチレンイミン系アンカーコート剤(東洋モートン社製 オリバインEL−420)、基材としてPETフィルムおよびNYフィルムを使用した印刷物についてはブタジエン系アンカーコート剤(東洋モートン社製 EL451)を印刷面にそれぞれ厚さ0.1μmになるように塗布した。次いで、アンカーコート剤の塗布面上に、シーラントとして熱可塑性樹脂である低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製 ノバテックLC600)を溶融温度315℃にて溶融し、Tダイよりラインスピード:70m/分、厚さ:20μm、加工幅:620mmの条件で押し出して押出しラミネート加工を行い、積層体(ラミネート物)を得た。基材としてOPPフィルムを用いた積層体については25℃2日間、基材としてPETフィルムおよびNYフィルムを用いた積層体については40℃2日間エージングを行った。エージング後、それぞれの積層体を15mm幅に切り出し、インテスコ社製201万能引っ張り試験機にてT型剥離強度を測定した。数値の大きいほど、評価結果が良好であるといえる。
<ドライラミネート強度>
上記印刷物の印刷面にウレタン系接着剤(東洋モートン社製 TM−250、CAT−RT80)を塗布して厚さ5μmの接着剤層を形成した後、更に、熱可塑性樹脂層として厚さ30μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(東洋紡社製 パイレンP−2161)を積層し、ドライラミネート機によりドライラミネート加工を行い、積層体(ラミネート物)を得た。40℃3日間エージング後、積層体を15mm幅に切り出し、インテスコ社製201万能引っ張り試験機にてT型剥離強度を測定した。数値の大きいほど、評価結果が良好であるといえる。
<ボイル適性及びレトルト適性>
上記ドライラミネート加工した積層体をヒートシールして、包装材として四方タイプのパウチ(外寸120mm×190mm、シール巾各部10mm)を製袋した。各検体のパウチに水/サラダ油(日清サラダ油、日清オイリオグループ社製)/酢酸=1/1/1(質量比)からなる混合物150gを充填密封し、下記条件にて熱水式レトルト処理を施した。
ボイル適性:パウチ内の中心部温度を100℃に30分間維持した。
レトルト適性:パウチ内の中心部温度を120℃に30分間維持した。
以下の評価基準に従って評価した。
(評価基準)
〇:積層体の外観に変化が無い(良好)
×:積層体の外観に剥離によるラミ浮き等の変化が認められた(不良)
<ロングラン適正>
得られた100,000mの印刷物について、印刷開始から5m分の印刷物及び印刷終了から5m分の印刷物について、印刷面に色ムラや色抜け、ドクタースジ等の外観不良がないか、以下の評価基準にて目視により評価した。
(評価基準)
〇:外観不良なし(良好)。
×:外観不良あり(不良)。
Figure 2016065129
表3に示すように、比較例3では使用した印刷インキ(9)がポリウレタン系樹脂(X)を含有しないため、OPPフィルムに対する接着性が不良であり、これに付随してOPPに対する押し出しラミネート強度、ドライラミネート強度も著しく低下することが明らかとなった。
比較例4では使用した印刷インキ(10)がバインダー樹脂(Y)を含有していないため、印刷インキの経時安定性とロングラン適正が著しく低下し、OPPに対する接着性は良好であるものの、NYやPET基材に対する接着性が不良であることが明らかとなった。
一方、表3に示す実施例1〜8の印刷インキは、接着性、押し出しラミネート強度、ドライラミネート強度、ボイル適性及びレトルト適正をいずれも満足することが明らかとなった。
中でも実施例13、14、16で使用された印刷インキは、実施例9の印刷インキと比較して、含有するポリウレタン系樹脂(X)の重量平均分子量が好適な範囲であり、実施例10の印刷インキと比較して、含有するポリウレタン系樹脂(X)で使用されるポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールの数平均分子量が好適な範囲であり、実施例11及び12の印刷インキと比較して、含有するポリウレタン系樹脂(X)のウレタン(―NHCOO―)基含有量及びウレア(―NHCONH―)基含有量が好適な範囲であり、実施例15の印刷インキと比較して、含有するバインダー樹脂(Y)がポリウレタン系樹脂であり、重量平均分子量が好適な範囲であるため、優れた性能が得られることが明らかとなった。とりわけ、実施例16は、バインダー樹脂(Y)により顔料を分散した後にポリウレタン樹脂(X)を配合して得られたものであるが、実施例13、14と比べてOPPフィルムを用いた押し出しラミネート強度、ドライラミネート強度において優れた性能が得られることが明らかとなった。
本発明の印刷インキ用樹脂組成物は、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム等の各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性を示し、経時安定性に優れた印刷インキを得ることができるため、グラビアインキ、フレキソインキ等の各種インキや塗料に対して有用であり、また様々なプラスチックフィルムへの接着性を有するため、接着剤やコーティング剤における添加樹脂としても有用である。

Claims (9)

  1. 少なくともポリウレタン系樹脂(X)とバインダー樹脂(Y)とを含有してなる印刷インキ用樹脂組成物であって、
    ポリウレタン系樹脂(X)とバインダー樹脂(Y)との合計100質量%中、ポリウレタン系樹脂(X)の含有量が1〜50質量%であり、
    ポリウレタン系樹脂(X)が、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させた後、1級及び/又は2級アミン成分(C)とを反応させて得られるポリウレタン系樹脂(X)であり、
    ポリウレタン系樹脂(X)中のアミノ基含有量が、0.16〜1.8mmol/gであり、
    ポリオール成分(A)は、少なくともポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールを含有し、
    ポリウレタン系樹脂(X)100質量%中、ポリジエンポリオール及び/又は水素化ポリジエンポリオールからなる構成単位を10〜80質量%含む
    ことを特徴とする印刷インキ用樹脂組成物。
    (ただし、バインダー樹脂(Y)は、ポリウレタン系樹脂(X)を除く。)
  2. ポリウレタン系樹脂(X)の、ウレタン(―NHCOO―)基含有量が0.6〜1.9mmol/gであり、ウレア(―NHCONH―)基含有量が0.6〜1.9mmol/gであることを特徴とする請求項1記載の印刷インキ用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載の印刷インキ用樹脂組成物と、顔料とを含有してなる印刷インキ。
  4. バインダー樹脂(Y)の存在下で顔料を分散した後、ポリウレタン系樹脂(X)を配合することを特徴とする請求項3記載の印刷インキの製造方法。
  5. 請求項3記載の印刷インキにより印刷された印刷物。
  6. 請求項5記載の印刷物の一方の面側に熱可塑性樹脂層が配置されてなる積層体。
  7. 請求項5記載の印刷物の一方の面側に、押出しラミネート法によって熱可塑性樹脂層を積層する請求項6記載の積層体の製造方法。
  8. 請求項5記載の印刷物の一方の面側に、接着剤層を形成した後、ドライラミネート法によって熱可塑性樹脂層を積層する請求項6記載の積層体の製造方法。
  9. 請求項6記載の積層体をヒートシールして得られた包装材。
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