JPH0586013A - ω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケトニトリルおよびω−ヒドロキシ脂肪酸の製法 - Google Patents
ω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケトニトリルおよびω−ヒドロキシ脂肪酸の製法Info
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C253/00—Preparation of carboxylic acid nitriles
- C07C253/30—Preparation of carboxylic acid nitriles by reactions not involving the formation of cyano groups
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- C07C255/00—Carboxylic acid nitriles
- C07C255/01—Carboxylic acid nitriles having cyano groups bound to acyclic carbon atoms
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 α−(ω−シアノアルカノイル)−γ−ブチ
ロラクトン[II]を、該ブチロラクトン1モルに対し1
〜2モル未満のアルカリ金属水酸化物の存在下、水溶媒
中で反応させて新規なω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケ
トニトリル[I]を得、次いで、これをアルカリ金属酸
化物の水性溶液中でヒドラジンと反応させてω−ヒドロ
キシ脂肪酸[IV]を製造する。 【化8】 【効果】 本発明の式[I]の中間体は水不溶性である
ので分離が容易であると共に、アルカリ金属水酸化物等
の使用量が少なくてすみ、反応時間も短縮される。かつ
中間体[I]及び目的物[IV]を高収率、高純度で製造
することができる。
ロラクトン[II]を、該ブチロラクトン1モルに対し1
〜2モル未満のアルカリ金属水酸化物の存在下、水溶媒
中で反応させて新規なω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケ
トニトリル[I]を得、次いで、これをアルカリ金属酸
化物の水性溶液中でヒドラジンと反応させてω−ヒドロ
キシ脂肪酸[IV]を製造する。 【化8】 【効果】 本発明の式[I]の中間体は水不溶性である
ので分離が容易であると共に、アルカリ金属水酸化物等
の使用量が少なくてすみ、反応時間も短縮される。かつ
中間体[I]及び目的物[IV]を高収率、高純度で製造
することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種合成原料ないし中
間体として有用であり、特に香料工業分野において、大
環状ラクトン系香料の重要中間体であるω−ヒドロキシ
脂肪酸を有利に製造するための、中間体としてω−ヒド
ロキシ−(ω−3)−ケトニトリルを経由する製法に関
する。
間体として有用であり、特に香料工業分野において、大
環状ラクトン系香料の重要中間体であるω−ヒドロキシ
脂肪酸を有利に製造するための、中間体としてω−ヒド
ロキシ−(ω−3)−ケトニトリルを経由する製法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、大環状ラクトン系香料の重要中間
体であるω−ヒドロキシ脂肪酸の製造に関しては、多く
の方法が知られている。その代表的なものは、奥田治著
「香料化学総覧2」広川書店発行、1211頁、同著「香料
化学総覧3」同書店発行、172〜 174頁及び176 〜 177
頁に紹介されている。
体であるω−ヒドロキシ脂肪酸の製造に関しては、多く
の方法が知られている。その代表的なものは、奥田治著
「香料化学総覧2」広川書店発行、1211頁、同著「香料
化学総覧3」同書店発行、172〜 174頁及び176 〜 177
頁に紹介されている。
【0003】しかしながら、これらの従来法は、多工程
でかつ操作が煩雑であり、高価なあるいは取扱いに危険
を伴う試薬を使用しなければならず、しかも収率が悪い
などいくつかの欠点があった。
でかつ操作が煩雑であり、高価なあるいは取扱いに危険
を伴う試薬を使用しなければならず、しかも収率が悪い
などいくつかの欠点があった。
【0004】本発明者等は、上記のような従来法の欠点
を解決しうるω−ヒドロキシ脂肪酸の製造方法について
鋭意研究し、先に特開平3−11036号において、α
−(ω−シアノアルカノイル)−γ−ブチロラクトン
[II]を、該ブチロラクトン1モルに対し2〜20モル
のアルカリ金属水酸化物の存在下、水性溶液中で反応さ
せてω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケト脂肪酸[III]を
得、次いでこれをヒドラジンと反応させてω−ヒドロキ
シ脂肪酸[IV]を製造した。しかしながら、この方法で
中間体[III]は水溶性であるため分離が困難であり、ま
たこの方法ではアルカリを多く使用するが、式[IV]の
目的物はアルカリに不安定であるため、副生成物も多い
などの問題点があった。
を解決しうるω−ヒドロキシ脂肪酸の製造方法について
鋭意研究し、先に特開平3−11036号において、α
−(ω−シアノアルカノイル)−γ−ブチロラクトン
[II]を、該ブチロラクトン1モルに対し2〜20モル
のアルカリ金属水酸化物の存在下、水性溶液中で反応さ
せてω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケト脂肪酸[III]を
得、次いでこれをヒドラジンと反応させてω−ヒドロキ
シ脂肪酸[IV]を製造した。しかしながら、この方法で
中間体[III]は水溶性であるため分離が困難であり、ま
たこの方法ではアルカリを多く使用するが、式[IV]の
目的物はアルカリに不安定であるため、副生成物も多い
などの問題点があった。
【0005】
【化4】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、更に工業的
に有利にω−ヒドロキシ脂肪酸を製造しうる方法につい
て研究し、新規化合物ω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケ
トニトリル[I] を中間体としてω−ヒドロキシ脂肪酸
[IV]を製造することにより、上記の問題点が解消され
ることを見い出した。
に有利にω−ヒドロキシ脂肪酸を製造しうる方法につい
て研究し、新規化合物ω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケ
トニトリル[I] を中間体としてω−ヒドロキシ脂肪酸
[IV]を製造することにより、上記の問題点が解消され
ることを見い出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
【0008】
【化5】
【0009】(式中、nは7〜11の整数を表す)で示
されるα−(ω−シアノアルカノイル)−γ−ブチロラ
クトン[II]を、該ブチロラクトン1モルに対し1〜2
モル未満のアルカリ金属水酸化物の存在下、水溶媒中で
反応させることにより 一般式
されるα−(ω−シアノアルカノイル)−γ−ブチロラ
クトン[II]を、該ブチロラクトン1モルに対し1〜2
モル未満のアルカリ金属水酸化物の存在下、水溶媒中で
反応させることにより 一般式
【0010】
【化6】
【0011】(式中nは前述と同じ)で示される新規な
ω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケトニトリル[I]が高
収率で得られる。次いで、得られたω−ヒドロキシ−
(ω−3)−ケトニトリル[I]を、アルカリ金属水酸
化物の水性溶液中で、ヒドラジンと反応させることによ
り、ω−ヒドロキシ脂肪酸[IV]を容易かつ高収率で製
造することができる。本発明の方法を反応式で示せば次
のとおりである。
ω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケトニトリル[I]が高
収率で得られる。次いで、得られたω−ヒドロキシ−
(ω−3)−ケトニトリル[I]を、アルカリ金属水酸
化物の水性溶液中で、ヒドラジンと反応させることによ
り、ω−ヒドロキシ脂肪酸[IV]を容易かつ高収率で製
造することができる。本発明の方法を反応式で示せば次
のとおりである。
【0012】
【化7】
【0013】(第一工程)本発明の中間体であるω−ヒ
ドロキシ−(ω−3)−ケトニトリル[I]は水不溶性
であり、反応液から容易に分離できる。具体例として
は、12−ヒドロキシ−9−ケトドデカノニトリル、1
3−ヒドロキシ−10−ケトトリデカノニトリル、14
−ヒドロキシ−11−ケトテトラデカノニトリル、15
−ヒドロキシ−12−ケトペンタデカノニトリル、16
−ヒドロキシ−13−ケトヘキサデカノニトリル等を挙
げることができる。本発明の製法の原料物質であるα−
(ω−シアノアルカノイル)−γ−ブチロラクトン[I
I]は、特開平3−11046号公報に記載の方法によ
り製造される。具体例としては、α−(8−シアノオク
タノイル)−γ−ブチロラクトン、α−(9−シアノノ
ナノイル)−γ−ブチロラクトン、α−(10−シアノ
デカノイル)−γ−ブチロラクトン、α−(11−シア
ノウンデカノイル)−γ−ブチロラクトン、α−(12
−シアノドデカノイル)−γ−ブチロラクトン等を挙げ
ることができる。
ドロキシ−(ω−3)−ケトニトリル[I]は水不溶性
であり、反応液から容易に分離できる。具体例として
は、12−ヒドロキシ−9−ケトドデカノニトリル、1
3−ヒドロキシ−10−ケトトリデカノニトリル、14
−ヒドロキシ−11−ケトテトラデカノニトリル、15
−ヒドロキシ−12−ケトペンタデカノニトリル、16
−ヒドロキシ−13−ケトヘキサデカノニトリル等を挙
げることができる。本発明の製法の原料物質であるα−
(ω−シアノアルカノイル)−γ−ブチロラクトン[I
I]は、特開平3−11046号公報に記載の方法によ
り製造される。具体例としては、α−(8−シアノオク
タノイル)−γ−ブチロラクトン、α−(9−シアノノ
ナノイル)−γ−ブチロラクトン、α−(10−シアノ
デカノイル)−γ−ブチロラクトン、α−(11−シア
ノウンデカノイル)−γ−ブチロラクトン、α−(12
−シアノドデカノイル)−γ−ブチロラクトン等を挙げ
ることができる。
【0014】アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げ
ることができるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
の使用が好ましい。なお、これらアルカリ金属水酸化物
の混合物の使用も可能である。アルカリ金属水酸化物の
使用量は、α−(ω−シアノアルカノイル)−γ−ブチ
ロラクトン[II]1モルに対して1〜2モル未満の範囲
で用いられる。このアルカリ金属水酸化物の使用量が、
下限値未満の場合は、反応が十分に進行せず、原料ラク
トンが未反応として残るし、又上限値を超える場合は副
生成物が増え収率が低下するので、いずれも好ましくな
い。
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げ
ることができるが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
の使用が好ましい。なお、これらアルカリ金属水酸化物
の混合物の使用も可能である。アルカリ金属水酸化物の
使用量は、α−(ω−シアノアルカノイル)−γ−ブチ
ロラクトン[II]1モルに対して1〜2モル未満の範囲
で用いられる。このアルカリ金属水酸化物の使用量が、
下限値未満の場合は、反応が十分に進行せず、原料ラク
トンが未反応として残るし、又上限値を超える場合は副
生成物が増え収率が低下するので、いずれも好ましくな
い。
【0015】反応溶媒の水の使用量はアルカリ金属水酸
化物1重量部に対して、3〜20重量部の範囲が好まし
い。反応温度は室温〜130℃、好ましくは60〜11
0℃の範囲である。また反応は大気圧条件下でも10kg
/cm2 以下の加圧条件下でも行うことができる。反応時
間は反応温度、仕込原料によって適宜選択されるが一般
的に0.1〜3時間程度である。反応はバッチ式、連続
式のいずれでも行うことができる。
化物1重量部に対して、3〜20重量部の範囲が好まし
い。反応温度は室温〜130℃、好ましくは60〜11
0℃の範囲である。また反応は大気圧条件下でも10kg
/cm2 以下の加圧条件下でも行うことができる。反応時
間は反応温度、仕込原料によって適宜選択されるが一般
的に0.1〜3時間程度である。反応はバッチ式、連続
式のいずれでも行うことができる。
【0016】中間体[I]の単離、精製は、それ自体公
知の単位操作により行うことができるが、生成物[I]
は水不溶性であるため濾過により容易に分離できる。。
知の単位操作により行うことができるが、生成物[I]
は水不溶性であるため濾過により容易に分離できる。。
【0017】第一工程ではシアノ基は加水分解されず、
ラクトン部位のみが加水分解され、反応中間体 [II´]
となり、続いて脱炭酸されたω−ヒドロキシ−(ω−
3)−ケトニトリル[I]に誘導される。
ラクトン部位のみが加水分解され、反応中間体 [II´]
となり、続いて脱炭酸されたω−ヒドロキシ−(ω−
3)−ケトニトリル[I]に誘導される。
【0018】(第二工程)第二工程は、前記特開平3−
11036号に記載の方法と本質的に同様に行うことが
できる。即ち、第一工程で得られたω−ヒドロキシ−
(ω−3)−ケトニトリル[I]を第一工程と同様のア
ルカリ金属水酸化物の水溶液又は水溶性有機溶媒と水と
の混合液中で、ヒドラジンの存在下、加熱することによ
り行う。反応溶媒としてはエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール等と水との混
合溶液が好ましく、その使用量は、好ましくはアルカリ
金属水酸化物1重量部に対してグリコール類1〜10重
量部と水5〜30重量部の混合液である。アルカリ金属
水酸化物はω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケトニトリル
[I]に対し1〜3モル当量が用いられる。ヒドラジン
は1〜3モル当量が用いられる。これらアルカリ金属水
酸化物、ヒドラジン及びジエチレングリコールの使用量
は、ω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケト脂肪酸[III]か
らω−ヒドロキシ脂肪酸[IV]を製造する場合よりも少
なくてすみ、かつ高収率、高純度でω−ヒドロキシ脂肪
酸[IV]が得られる。
11036号に記載の方法と本質的に同様に行うことが
できる。即ち、第一工程で得られたω−ヒドロキシ−
(ω−3)−ケトニトリル[I]を第一工程と同様のア
ルカリ金属水酸化物の水溶液又は水溶性有機溶媒と水と
の混合液中で、ヒドラジンの存在下、加熱することによ
り行う。反応溶媒としてはエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール等と水との混
合溶液が好ましく、その使用量は、好ましくはアルカリ
金属水酸化物1重量部に対してグリコール類1〜10重
量部と水5〜30重量部の混合液である。アルカリ金属
水酸化物はω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケトニトリル
[I]に対し1〜3モル当量が用いられる。ヒドラジン
は1〜3モル当量が用いられる。これらアルカリ金属水
酸化物、ヒドラジン及びジエチレングリコールの使用量
は、ω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケト脂肪酸[III]か
らω−ヒドロキシ脂肪酸[IV]を製造する場合よりも少
なくてすみ、かつ高収率、高純度でω−ヒドロキシ脂肪
酸[IV]が得られる。
【0019】第二工程の反応機構は、まずω−ヒドロキ
シ−(ω−3)−ケトニトリル[I]とヒドラジンとが
反応して、ヒドラゾンが生成し、アルカリ金属水酸化物
によりCN基がCOOH基に加水分解された後、ヒドラ
ゾンが−CH2 −基に変換されるか、 或いはヒドラゾン
が生成し、 ヒドラゾンが−CH2 −基に変換された後、
アルカリ金属水酸化物によりCN基がCOOH基に加水
分解されることにより反応が進行する。
シ−(ω−3)−ケトニトリル[I]とヒドラジンとが
反応して、ヒドラゾンが生成し、アルカリ金属水酸化物
によりCN基がCOOH基に加水分解された後、ヒドラ
ゾンが−CH2 −基に変換されるか、 或いはヒドラゾン
が生成し、 ヒドラゾンが−CH2 −基に変換された後、
アルカリ金属水酸化物によりCN基がCOOH基に加水
分解されることにより反応が進行する。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法及び前記特開平3−110
36号の方法は、いずれもα−(シアノアルカノイル)
−γ−ブチロラクトン[II]を出発物質とし、ω−ヒド
ロキシ脂肪酸[IV]を得る点で同じであるが、本願発明
の方法は、中間体として新規なω−ヒドロキシ−(ω−
3)−ケトニトリル[I]を経由するものであり、中間
体としてω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケト脂肪酸[II
I]を経由する特開平3−11036号の方法に比べ、表
1に示すとおり、本発明の式[I]の中間体は水不溶性
であるので分離が容易であると共に、本発明の方法はア
ルカリ金属水酸化物等の使用量が少なくてすみ反応時間
も短縮される。かつ、本発明の方法によって、中間体
[I]及び目的物[IV]を高収率、高純度で製造するこ
とができる。
36号の方法は、いずれもα−(シアノアルカノイル)
−γ−ブチロラクトン[II]を出発物質とし、ω−ヒド
ロキシ脂肪酸[IV]を得る点で同じであるが、本願発明
の方法は、中間体として新規なω−ヒドロキシ−(ω−
3)−ケトニトリル[I]を経由するものであり、中間
体としてω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケト脂肪酸[II
I]を経由する特開平3−11036号の方法に比べ、表
1に示すとおり、本発明の式[I]の中間体は水不溶性
であるので分離が容易であると共に、本発明の方法はア
ルカリ金属水酸化物等の使用量が少なくてすみ反応時間
も短縮される。かつ、本発明の方法によって、中間体
[I]及び目的物[IV]を高収率、高純度で製造するこ
とができる。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 α−(11−シアノウンデカノイル)−γ−ブチロラク
トン0.279g(1.00ミリモル)、水酸化ナトリ
ウム0.068g(1.70ミリモル)及び水0.91
8gを仕込み、1時間加熱還流した。反応終了後、トル
エン70mlで2回抽出した。飽和食塩水20mlで2回洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して白色
固体を得た。得られた白色固体をn−ヘキサン:酢酸エ
チル[2:3(容量比)]を展開溶媒とし、シリカゲル
カラムを用いて精製し、0.243g(0.96ミリモ
ル、収率96%) の白色固体を得た。
る。 実施例1 α−(11−シアノウンデカノイル)−γ−ブチロラク
トン0.279g(1.00ミリモル)、水酸化ナトリ
ウム0.068g(1.70ミリモル)及び水0.91
8gを仕込み、1時間加熱還流した。反応終了後、トル
エン70mlで2回抽出した。飽和食塩水20mlで2回洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮乾固して白色
固体を得た。得られた白色固体をn−ヘキサン:酢酸エ
チル[2:3(容量比)]を展開溶媒とし、シリカゲル
カラムを用いて精製し、0.243g(0.96ミリモ
ル、収率96%) の白色固体を得た。
【0023】この白色固体を分析した結果は以下の通り
であった。 (1) m.p. 43〜 45 ℃ (2) 元素分析 (C15H27NO2 として) 計算値% C:71.10 H:10.74 N:5.53 実測値% C:70.56 H:10.90 N:5.40 (3) IR(KBr 、cm-1) 3360,2250,1700,1070 (4) MS(m/l , CI) 236 (M+ −17) (5) 1H−NMR(CDCl3 、δ (PPm)) 1.20〜 1.37(10H ,ブロード) 、1.37〜 1.50(2H , m)
、1.50〜 1.72(4H , m) 、1.83(2H ,qu) 、2.05(1H
,s)、2.32(2H , t)、2.42(2H , t) 、2.56(2H ,
t)、 3.63(2H , t) 上記の分析値から生成物が15−ヒドロキシ−12−ケ
トペンタデカノニトリルであることを確認した。
であった。 (1) m.p. 43〜 45 ℃ (2) 元素分析 (C15H27NO2 として) 計算値% C:71.10 H:10.74 N:5.53 実測値% C:70.56 H:10.90 N:5.40 (3) IR(KBr 、cm-1) 3360,2250,1700,1070 (4) MS(m/l , CI) 236 (M+ −17) (5) 1H−NMR(CDCl3 、δ (PPm)) 1.20〜 1.37(10H ,ブロード) 、1.37〜 1.50(2H , m)
、1.50〜 1.72(4H , m) 、1.83(2H ,qu) 、2.05(1H
,s)、2.32(2H , t)、2.42(2H , t) 、2.56(2H ,
t)、 3.63(2H , t) 上記の分析値から生成物が15−ヒドロキシ−12−ケ
トペンタデカノニトリルであることを確認した。
【0024】実施例2 15−ヒドロキシペンタデカン酸の製造例 15−ヒドロキシ−12−ケトペンタデカノニトリル
0.507g(2.0ミリモル) 、85wt %水酸化カ
リウム0.170g(2.96ミリモル) 、85%水和
ヒドラジン0.17g(3.9ミリモル) 、水1.52
g及びジエチレングリコール0.51mlを混合し、5時
間加熱還流した。次いで、生成した水等の軽沸分を系外
に留出させながら、内温を195〜205℃に上昇さ
せ、さらに同温度で4時間加熱還流を続けた。反応終了
後、溶液を冷却し、水3mlを加えて希釈した後、6N−
HCl0.8mlを加え、析出する淡かっ色固体を濾取し
た。この固体をベンゼンから再結晶して0.491g
(1.9ミリモル、 収率95%)の白色結晶を得た。こ
の白色結晶を分析したところ15−ヒドロキシペンタデ
カン酸であることを確認した。
0.507g(2.0ミリモル) 、85wt %水酸化カ
リウム0.170g(2.96ミリモル) 、85%水和
ヒドラジン0.17g(3.9ミリモル) 、水1.52
g及びジエチレングリコール0.51mlを混合し、5時
間加熱還流した。次いで、生成した水等の軽沸分を系外
に留出させながら、内温を195〜205℃に上昇さ
せ、さらに同温度で4時間加熱還流を続けた。反応終了
後、溶液を冷却し、水3mlを加えて希釈した後、6N−
HCl0.8mlを加え、析出する淡かっ色固体を濾取し
た。この固体をベンゼンから再結晶して0.491g
(1.9ミリモル、 収率95%)の白色結晶を得た。こ
の白色結晶を分析したところ15−ヒドロキシペンタデ
カン酸であることを確認した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 正徳 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中nは7〜11の整数を表す)で示されるω−ヒド
ロキシ−(ω−3)−ケトニトリル。 - 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中nは7〜11の整数を表す)で示されるα−(ω
−シアノアルカノイル)−γ−ブチロラクトンを、該ブ
チロラクトン1モルに対し1〜2モル未満のアルカリ金
属水酸化物の存在下、水溶媒中で反応させることを特徴
とする前記式[I]で示されるω−ヒドロキシ−(ω−
3)−ケトニトリルの製法。 - 【請求項3】 前記式[I]で示されるω−ヒドロキシ
−(ω−3)−ケトニトリルを、アルカリ金属水酸化物
の水性溶液中で、ヒドラジンと反応させることを特徴と
する式 【化3】 (式中nは前述と同じ)で示されるω−ヒドロキシ脂肪
酸の製造法。 - 【請求項4】 (a)前記式[II]で示される(ω−シ
アノアルカノイル)−γ−ブチロラクトンを、該ブチロ
ラクトン1モルに対し1〜2モル未満のアルカリ金属水
酸化物の存在下、水溶媒中で反応させて、前記式[I]
のω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケトニトリルを製造
し、(b)次いでこれをアルカリ金属水酸化物の水性溶
液中で、ヒドラジンと反応させることを特徴とする前記
式[IV]で示されるω−ヒドロキシ脂肪酸の製造法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3274953A JP2620437B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | ω−ヒドロキシ−(ω−3)−ケトニトリルおよびω−ヒドロキシ脂肪酸の製法 |
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