JPH0585733A - ランタンクロマイト薄膜の形成方法 - Google Patents

ランタンクロマイト薄膜の形成方法

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JPH0585733A
JPH0585733A JP27700491A JP27700491A JPH0585733A JP H0585733 A JPH0585733 A JP H0585733A JP 27700491 A JP27700491 A JP 27700491A JP 27700491 A JP27700491 A JP 27700491A JP H0585733 A JPH0585733 A JP H0585733A
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JP
Japan
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coating
substrate
lanthanum
thin film
solution
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Withdrawn
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JP27700491A
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English (en)
Inventor
Masa Yonezawa
政 米沢
Seiji Yamanaka
清二 山中
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特殊な基体を要することなく、少ないエネ
ルギーで、緻密で広範囲に均質なランタンクロマイト薄
膜を形成する。 【構成】 硝酸ランタンと硝酸クロムを1:1のモル
比でメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びグ
リセリンからなる群より選ばれた1種又は2種以上のア
ルコールに溶解してアルコール溶液を調製し、次いで前
記アルコール溶液に蟻酸、酢酸、プロピオン酸及び酪酸
からなる群より選ばれた1種又は2種以上のカルボン酸
を添加混合してコーティング溶液を調製する。このコ−
ティング溶液を耐熱性のある基体の表面に塗布して塗膜
を形成する。塗膜を形成した基体を乾燥熱処理してラン
タンとクロムの複合酸化物前駆体を生成し、この複合酸
化物前駆体を600〜1000℃の温度で焼成してラン
タンクロマイト薄膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、導電性に優れ
た高導電性酸化物であるランタンクロマイトからなる薄
膜の形成方法に関する。更に詳しくは、薄膜状の抵抗発
熱体や高温での導電性材料として利用が見込まれるラン
タンクロマイト薄膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ペロブスカイト型化合物のランタ
ンクロマイト(LaCrO3)は、La23とCr23
を1:1のモル比で混合した混合物を1500℃以上の
温度で焼成、粉砕、混合を繰返す方法(A.M.Anthony et
al, "High Temp.Tech." Butterworths, London, p214
(1967))や、La23とCr(OH)3から400〜1
000℃の温度で100MPa程度の圧力下、水熱合成
する方法(宋、吉村、宗宮;材料科学, 19, 49 (198
2))等により得られている。更に、電気化学的な手法を
用いたLaCrO3皮膜の形成方法が提案されいる(金
野、常田、北崎、古市;表面技術, 40, 144 (1989))。
この方法ではLa(NO33と(NH42Cr27の溶
液中でPt試料を水素発生が起こる一定カソード電位に
分極し、試料上にまず中間体の皮膜を形成した後、その
皮膜を大気中で熱処理してLaCrO3皮膜に転換して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、1500℃で
焼成する方法及び水熱合成する方法は多くのエネルギー
を必要とする上、得られる化合物は粉末であるため、薄
膜を形成するには適しない不具合があった。また、電気
化学的な手法を用いたLaCrO3皮膜の形成方法は基
体がPtやステンレス鋼等に限定され、しかも緻密で広
範囲に均質な皮膜が得がたい問題点があった。本発明の
目的は、特殊な基体を要することなく、少ないエネルギ
ーで、緻密で広範囲に均質なランタンクロマイト薄膜を
製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の薄膜の形成方法は、先ず硝酸ランタンと硝
酸クロムを1:1のモル比でメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール及びグリセリンからなる群より選ばれ
た1種又は2種以上のアルコールに溶解してアルコール
溶液を調製し、次いで前記アルコール溶液に蟻酸、酢
酸、プロピオン酸及び酪酸からなる群より選ばれた1種
又は2種以上のカルボン酸を添加混合してコーティング
溶液を調製する。このコ−ティング溶液を耐熱性のある
基体の表面に塗布して塗膜を形成しする。塗膜を形成し
た基体を乾燥熱処理してランタンとクロムの複合酸化物
前駆体を生成し、この複合酸化物前駆体を600〜10
00℃の温度で焼成してランタンクロマイト薄膜を得
る。
【0005】以下、本発明を記述する。先ず硝酸ランタ
ンと硝酸クロムを1:1のモル比でメタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール及びグリセリンからなる群よ
り選ばれた1種又は2種以上のアルコールに溶解してア
ルコール溶液を調製する。原料にセラミック特性或いは
焼結性を向上させるための添加剤を加えてもよい。アル
コール溶液の濃度は薄膜の厚みに応じて決められるが、
0.02〜5.00モル/Lが好ましい。0.02モル
/L未満であると希薄すぎて成膜が難しく、5.00モ
ル/Lを越えると溶解上問題がある。アルコールは原料
の硝酸ランタンと硝酸クロムの溶媒として用いられる。
またメタノール、プロパノール、ブタノールのような1
価アルコールは後述するコーティング溶液塗布時の基体
の濡れ性を向上させる機能があり、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、グリセリンのような2価又
は3価のアルコールはそのアルコールの構成元素がラン
タン又はクロムの金属元素に配位してアルコール溶液を
安定化させ、成膜性を向上させる機能がある。次いで前
記アルコール溶液に蟻酸、酢酸、プロピオン酸及び酪酸
からなる群から選ばれた1種又は2種以上のカルボン酸
を添加混合してコーティング溶液を調製する。カルボン
酸はそのカルボン酸の構成元素がランタン又はクロムの
金属元素に配位してアルコール溶液を安定化させ、成膜
性を向上させるように作用する。この作用は前記2価又
は3価のアルコールのそれよりも更に大きい。硝酸ラン
タンと硝酸クロムとを合計した原料に対するカルボン酸
のモル比は0.2〜5.0の範囲内にあることが望まし
い。0.2より少ない場合には、アルコール溶液の安定
化効果が不十分になり、5.0を越えると塗膜の再溶解
が生じて塗膜面が粗くなり易い。
【0006】コーティング溶液は耐熱性のある基体の表
面に塗布される。基体は次に述べる焼成温度に耐えるも
のであればよく、金、銀、白金等の金属や、これらの金
属の少なくとも1種を主成分とする合金や、ガラス、炭
素、けい素、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニ
ア、チタニア、チタン酸ストロンチウム、窒化硼素、窒
化けい素、炭化硼素、炭化けい素等のセラミックス等を
用いることができる。基体の形状は、繊維状、フィルム
状、板状、バルク状等いずれの形状であってもよい。塗
布前に基体の表面を研磨して平滑にし、更に洗浄して油
分等を除去しておくことが望ましい。塗布の方法として
は、スクリーン印刷法によりコーティング溶液を基体に
塗る方法の他に、コーティング溶液を噴霧するスプレー
コーティング法、コーティング溶液中に基体を浸漬した
後引上げるディップコーティング法、基体をスピンさせ
て塗膜の厚みの均一化と薄膜化をはかるスピンコーティ
ング法等がある。膜厚の均一性の観点からスピンコーテ
ィング法が望ましい。
【0007】基体表面に形成された塗膜は、室温〜20
0℃の温度で乾燥される。乾燥した基体上の塗膜はその
溶媒を除去するために300〜500℃で熱処理され
る。これによりランタンとクロムの複合酸化物前駆体が
生成される。この前駆体を大気圧下、600〜1000
℃で焼成すると、基体上にランタンクロマイト薄膜が形
成される。上記塗膜の形成から熱処理までの工程を反復
することによって厚みを増大でき、反復回数を調整すれ
ば所望の厚みのランタンクロマイト薄膜が得られる。上
記アルコール溶液の濃度、コーティング溶液の粘度、基
体の引上げ速度、噴霧量等によって変化するが、塗膜の
形成から熱処理までを一回で行うことにより焼成後にサ
ブミクロン厚の薄膜を形成することができ、上記塗膜の
積層数を増やすことにより数ミクロン厚の薄膜も得られ
る。
【0008】
【作用】アルコールに溶解可能な硝酸ランタンと硝酸ク
ロムを等モル量アルコールに溶解し、更にカルボン酸を
添加することにより溶液は安定化し、コーティング溶液
の成膜性が向上する。このコーティング溶液を基体に塗
布乾燥すると、基体表面に溶質がサブミクロン以下の塗
膜を形成するため、均一で極薄の塗膜が得られる。溶液
条件、塗布条件又は塗膜の積層数を制御することによ
り、サブミクロン〜数ミクロン厚のランタンクロマイト
を基体表面に得る。
【0009】
【発明の効果】以上述べたように、従来法では得られた
化合物が粉末で皮膜形成に不適であったり、電解法では
特殊な基体を要し、緻密で広範囲に均質な皮膜が形成さ
れなかったものが、本発明によれば、化学的な手法によ
りランタン及びクロムの構成成分を溶液化し、この溶液
を熱処理して溶媒を脱離させて薄膜にするため、厚みが
1μm以下の緻密で広範囲に均質な薄膜を簡単な操作で
効率良く製造することができる優れた効果を奏する。本
発明で得られたランタンクロマイト薄膜は高融点、高電
気伝導性、高温での酸化や腐食に対する高い抵抗性等か
ら、各種の高温用電極材料、導電端子、抵抗発熱体等と
しての用途を期待することができる。
【0010】
【実施例】次に本発明の具体的態様を示すために、本発
明の実施例を説明する。以下に述べる実施例は本発明の
技術的範囲を限定するものではない。 <実施例1>硝酸ランタン6水和物8.23gと硝酸ク
ロム9水和物8.00gと、添加剤として硝酸カルシウ
ム4水和物0.24gをイソプロピルアルコール100
mLとエチレングリコール100mLのアルコール混合
溶液に溶解した。この溶液に更にイソ酪酸2.64gを
添加して均一に混合した。この混合液をコーティング溶
液として用い、アルミナ基板の表面にディッピング法に
より塗布した。即ち静置した上記コーティング溶液にア
ルミナ基板を浸漬し、24mm/秒の速度で鉛直方向に
引上げた。基板表面に形成された塗膜を150℃の温度
で乾燥した後、500℃で熱処理した。上記コーティン
グ工程、乾燥工程及び熱処理工程を6回繰返し行った
後、更に大気圧下、800℃で2時間焼成したところ、
基板の表面にサブミクロン厚のCa添加のランタンクロ
マイト(LaCrO3)の薄膜が得られた。この例では
添加剤として硝酸カルシウム4水和物に基づくカルシウ
ムを用いたので、抵抗値の低いNTCサーミスタに適し
た薄膜が得られた。 <実施例2>硝酸ランタン6水和物4.33gと硝酸ク
ロム9水和物4.00gと、添加剤として硼酸0.02
gをエタノール50mLとエチレングリコール100m
Lのアルコール混合溶液に溶解した。この溶液に更に酢
酸0.60gを添加して均一に混合してコーティング溶
液を調製した。このコーティング溶液を実施例1のコー
ティング溶液の代わりに使用し、そして焼成温度を70
0℃としたことを除いては、実施例1と同じ工程を繰り
返した。その結果、アルミナ基板の表面にサブミクロン
厚のB添加のランタンクロマイト(LaCrO3)の薄
膜が得られた。この例では、添加剤の硼酸が焼結助剤と
して機能し、焼成温度を実施例1よりも100℃低下さ
せることができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸ランタンと硝酸クロムを1:1のモ
    ル比でメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
    ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び
    グリセリンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の
    アルコールに溶解してアルコール溶液を調製し、 前記アルコール溶液に蟻酸、酢酸、プロピオン酸及び酪
    酸からなる群より選ばれた1種又は2種以上のカルボン
    酸を添加混合してコーティング溶液を調製し、 前記コ−ティング溶液を耐熱性のある基体の表面に塗布
    して塗膜を形成し、 前記塗膜を形成した基体を乾燥熱処理してランタンとク
    ロムの複合酸化物前駆体を生成し、 前記複合酸化物前駆体を600〜1000℃の温度で焼
    成するランタンクロマイト薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記コ−ティング溶液を基体表面にディ
    ッピング法又はスピンコーティング法により塗布する請
    求項1記載のランタンクロマイト薄膜の形成方法。
JP27700491A 1991-09-27 1991-09-27 ランタンクロマイト薄膜の形成方法 Withdrawn JPH0585733A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4422624B4 (de) * 1994-06-28 2009-07-09 Siemens Ag Verfahren zum Aufbringen einer Schutzschicht auf einen metallischen chromhaltigen Körper

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Effective date: 19981203