JPH0585479U - 空気式分級機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 回転する複数の分級羽根２３の外周から搬送
空気に同伴された粉体を導入し、前記分級羽根２３を通
り抜ける精粉と通過を阻まれる粗粉とに分級する空気式
分級機２２において、前記分級羽根２３を回転中心２４
に対し放射状に配置すると共に、前記分級羽根２３の外
周側端部に回転方向（図中矢印Ａで示す方向）に向かっ
て内側に切れ込む傾斜面２５を形成する。従って、粉体
は分級羽根２３の回転により生じた旋回流に乗って遠心
力により微粉と粗粉とに分級されると共に、前記遠心力
に抗して搬送空気と一緒に分級羽根２３の内側に流入し
ようとする比較的粒度の低い粗粉が、分級羽根２３の外
周側端部に形成した傾斜面２５によって外側にはじかれ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空気式分級機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３は竪型ミルの一例を示すもので、ケーシング１内に挿入された砕料投入シ ュート２からの砕料３を、回転駆動装置４により回転する粉砕テーブル５の上面 周方向に形成された粉砕溝６と、圧下装置７に連結されたブラケット８に支持さ れて前記粉砕溝６に圧接されつつ粉砕テーブル５に追従して回転する粉砕ローラ ９との間で粉砕し、該粉砕によって生じた粉体３’を、前記粉砕テーブル５外周 を囲むように環状に形成された吹き出しポート１１からの搬送空気１２により吹 き上げて搬送し、上部に設けられた空気式分級機１３に導いて該空気式分級機１ ３の複数枚の分級羽根１４により微粉１０と粗粉１０’に分離し、微粉１０は頂 部に設けた微粉ダクト１５より送出し、粗粉１０’は周方向に複数のスリットを 有したホッパ状の案内板１６により粉砕テーブル５中央部に戻すようにしてある 。

【０００３】 前記空気式分級機１３の分級羽根１４は、下端を回転板１７の上面外周に等間 隔で取付けられ且つ上端を開口部１８ａを有する連結板１８によって一体に連結 されており、前記回転板１７及び連結板１８は、駆動モータ１９にトルク伝達可 能に接続された駆動シャフト２０によって回転可能に支持されていて、ケーシン グ１上方に搬送されてきた粉体３’を、回転する分級羽根１４間を通過せしめる ことにより分級する、即ち前記回転する分級羽根１４により粗粉１０’の通過を 阻み、微粉１０のみを通過させ得るようにしてある。

【０００４】 従来の分級羽根１４の配置には、図４に示すようなバックワードタイプと図５ に示すようなラジアルタイプの二通りのタイプがあり、前者のバックワードタイ プは通過しようとする粗粉１０’を分級羽根１４ではじくことにより通過を阻む ようになっており、又、後者のラジアルタイプは通過しようとする粗粉１０’を 分級羽根１４の回転により生じる旋回流に乗せて遠心力で通過を阻むようになっ ている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

前記バックワードタイプは低回転・低動力で使用することができる利点があり 、１０μ〜１００μ程度の分級によく使われているが、より細かい粉体（１０μ 以下）の分級をする場合には回転数を上げるか若しくは羽根枚数を増やさなけれ ばならない。

【０００６】 しかしながら、バックワードタイプの分級羽根１４は図示の如く傾斜して取付 けられているので、回転数を上げると分級羽根１４にかかるねじれモーメントが 強くなって強度的にもたなくなり、単純に回転数を上げることはできなかった。

【０００７】 しかも、羽根枚数を増やすと、バックワードタイプの場合には分級羽根１４が ラジアル方向に対して角度を有していることから、一旦羽根間に流入した粉体３ ’が外部へ排出されにくく、分級羽根１４裏面に粉体３’の付着が多くなって運 転の継続ができなくなるという欠点があった。

【０００８】 一方、ラジアルタイプは前述したバックワードタイプより粉体３’の付着が少 なく、しかも強度的にも有利であるという利点がある反面、高回転・高動力で使 用しなければならないので消費動力のコストが嵩むという欠点があった。

【０００９】 本考案は、上述の実情に鑑みてなしたもので、バックワードタイプの利点とラ ジアルタイプの利点とを兼ね備えた空気式分級機を提供することによって、バッ クワードタイプとラジアルタイプの欠点を相殺することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、回転する複数の分級羽根の外周から搬送空気に同伴された粉体を導 入し、前記分級羽根を通り抜ける精粉と通過を阻まれる粗粉とに分級する空気式 分級機において、前記分級羽根を回転中心に対し放射状に配置すると共に、前記 分級羽根の外側端部に回転方向に向かって内側に切れ込む傾斜面を形成したこと を特徴とする空気式分級機に係るものである。

【００１１】

【作用】

従って本考案では、分級羽根を回転して該分級羽根の外周から搬送空気に同伴 された粉体を導入すると、粉体は分級羽根の回転により生じた旋回流に乗って遠 心力により微粉と粗粉とに分級されると共に、前記遠心力に抗して搬送空気と一 緒に分級羽根の内側に流入しようとする比較的粒度の低い粗粉が、分級羽根の外 側端部に形成した傾斜面によって外側にはじかれる。

【００１２】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

【００１３】 図１及び図２は本考案の一実施例を示すもので、図中図３と同一の符号を付し た部分は同一物を表わしている。

【００１４】 図中２１は前述した図３の竪型ミルと略同様に構成した竪型ミル、２２は該竪 型ミル２１の空気式分級機を示し、この空気式分級機２２の分級羽根２３は回転 中心２４に対し放射状に配置されており、その外側端部に回転方向（図２中矢印 Ａで示す方向）に向かって内側に切れ込む傾斜面２５が形成されている。

【００１５】 而して、竪型ミル２１を運転して空気式分級機２２で分級を行うと、分級羽根 ２３の回転により旋回流が生じ、搬送空気１２に同伴されて竪型ミル２１の下部 から上昇してきた粉体３’が、前記旋回流に乗って遠心力により微粉１０と粗粉 １０’とに分級されると共に、前記遠心力に抗して搬送空気１２と一緒に分級羽 根２３の内側に流入しようとする比較的粒度の低い粗粉１０’が、前記分級羽根 ２３の外側端部に形成した傾斜面２５によって外側にはじかれる。

【００１６】 従って上記実施例によれば、粉体３’の付着が少なく、しかも強度的に有利で あるという従来のラジアルタイプが有していた利点を生かしたまま、バックワー ドタイプの如きはじき作用を付加することができるので、同枚数の分級羽根を有 するラジアルタイプと比較して同等の分級性能を前記ラジアルタイプより低い回 転数で達成することができ、消費動力のコストを大幅に削減することができる。

【００１７】 又、同回転数で同枚数の分級羽根を有するラジアルタイプと比較した場合、同 等の消費動力で分級性能を大幅に向上することができる。

【００１８】 更に、分級羽根２３を回転中心に対し放射状に取付けているので強度的に強く 、しかも隣接する他の分級羽根２３の裏面に粉体３’が付着するという不具合が 生じない為、従来のバックワードタイプのような回転数及び羽根枚数の制限がな く、回転数を上げたり羽根枚数を増やしたりすることによって更に分級性能の向 上を図ることができる。

【００１９】 尚、本考案の空気式分級機は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、 竪型ミル上部に設けられた空気式分級機以外に、様々な粉砕機の下流側に別体に 設けられる空気式分級機としても採用できること、その他、本考案の要旨を逸脱 しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

【００２０】

【考案の効果】

上記した本考案の空気式分級機によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し 得る。

【００２１】 （Ｉ）粉体の付着が少なく、しかも強度的に有利であるという従来のラジアル タイプが有していた利点を生かしたまま、バックワードタイプの如きはじき作用 を付加することができるので、同枚数の分級羽根を有するラジアルタイプと比較 して同等の分級性能を前記ラジアルタイプより低い回転数で達成することができ 、消費動力のコストを大幅に削減することができる。

【００２２】 （ＩＩ）同回転数で同枚数の分級羽根を有するラジアルタイプと比較した場合 、同等の消費動力で分級性能を大幅に向上することができる。

【００２３】 （ＩＩＩ）分級羽根を回転中心に対し放射状に取付けているので強度的に強く 、しかも粗粉を分級羽根の外側端部の傾斜面ではじくようにしているので羽根枚 数を増やしてもはじかれた粗粉が隣接する他の分級羽根に阻まれて外周部に排除 できなくなる不具合が生じない為、従来のバックワードタイプのような回転数や 羽根枚数の制限がなく、回転数を上げたり羽根枚数を増やしたりすることによっ て更に分級性能の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ方向の矢視図である。

【図３】竪型ミルの上部に設けた従来の空気式分級機の
一例を示す断面図である。

【図４】従来のバックワードタイプの空気式分級機を示
す平断面図である。

【図５】従来のラジアルタイプの空気式分級機を示す平
断面図である。

【符号の説明】

１０ 微粉 １０’ 粗粉 １２ 搬送空気 ２２ 空気式分級機 ２３ 分級羽根 ２４ 回転中心 ２５ 傾斜面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転する複数の分級羽根の外周から搬送
   空気に同伴された粉体を導入し、前記分級羽根を通り抜
   ける精粉と通過を阻まれる粗粉とに分級する空気式分級
   機において、前記分級羽根を回転中心に対し放射状に配
   置すると共に、前記分級羽根の外側端部に回転方向に向
   かって内側に切れ込む傾斜面を形成したことを特徴とす
   る空気式分級機。